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【特別インタビュー】インターネット広告に20年携わった有馬氏が目指す、究極のデジタルマーケティングとは 前編

2019.5.15
読了まで約 5

2017年7月、楽天と電通のジョイントベンチャーである楽天データマーケティングが設立された。
国内最大規模の消費行動分析データを誇る楽天とマスメディアの戦略構築力に長けた電通がタッグを組み、総合的なデジタルマーケティングソリューションを提供。
企業のマーケティング活動の最適化・効果の最大化を図ることで、新しいインターネット広告のあり方を提示している。

同社社長で楽天副社長執行役員CRO(Chief Revenue Officer)でもある有馬誠氏のキャリアは、しばしば「日本におけるインターネット広告の歴史そのもの」と評される。
1996年に第一号社員としてヤフーに入社。その後グーグルの代表取締役を務めるなど、20年以上に渡って日本のインターネット広告の発展を支えてきた有馬氏が、楽天データマーケティングで目指すものとは?
インタビュー前編となる今回は、有馬氏とインターネット広告との出会いから現在に至るまでの印象的なエピソードを、インターネット広告の変遷などを絡めてお話しいただく。

 

米国でネット広告の可能性に触れたことで、ヤフーへの参画につながる

有馬氏とインターネット広告の出会いは、リクルート勤務時代の1995年までさかのぼる。

「インターネット黎明期の1995年、ボストンで開催された『Internet World』というカンファレンスに出席しました。
ほかのIT系の展示会には何度か顔を出したことがあったので、その時も同じような気持ちでテクノロジー関係の情報収集のために出席したのですが、来場者の雰囲気がまるで違いました」

有馬氏は当時、リクルートの通信事業の営業部長として、企業に情報通信ネットワークの構築を提案する業務を担当していたが、メディアは未知の領域だったという。ところが、Internet Worldに参加して、その可能性を目の当たりにすることとなる。

「Internet Worldで参加者たちは、『メディアとしてのインターネットの可能性』について熱い議論を交わしていました。
メディアには無縁だった私も、それが当時の主流だった、文字ベースのパソコン通信とはまるで別物だということは分かりました。
彼らの侃々諤々のやり取りを見ながら、『近い将来、インターネットは必ず大きなメディアになる!』と直感したんです」

メディアになるということは、そこに広告ビジネスのチャンスが発生するということ。
「自分もいつかそんな仕事に関わりたい」という思いを胸にボストンから帰国した有馬氏。
彼のもとにヘッドハンターがやって来たのは翌1996年、39歳の時だった。

「ソフトバンクが、米ヤフーとの合弁でヤフーの日本法人を設立する。
その立ち上げメンバーの一員として広告営業の責任者をやらないか? という誘いでした。
前年にボストンでインターネット時代の到来を目の当たりにしていましたから、断る理由は何もありませんでした」

ジェリー・ヤン氏とデビッド・ファイロ氏によって創業された米ヤフーは、検索エンジンと広告ビジネスの合わせ技により、すでにインターネット業界のシンボル的存在となりつつあった。
加えてソフトバンクの孫正義氏は、日本のITの先駆的経営者として業界内で広く知られるようになっていた。

「当時のリクルートでも仕事が充実していたタイミングでしたが、『こんなチャンスは二度とないから』と家族を説得し、ヤフーの第一号社員として1996年4月1日の『Yahoo!JAPAN』サービス開始に立ち会いました」 

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ヤフー時代に日本におけるインターネット広告を確立する

スタート当初のYahoo!JAPANが戦略的な二本柱としていたのは「サービスの拡充」と「広告営業」。

後者の広告営業において重要な役割を担ったのが、1996年7月にソフトバンクが電通との合弁で設立した、インターネット広告会社である株式会社サイバー・コミュニケーションズの存在だ。
同社は、電通のノウハウを活かしてヤフーの広告を販売し、その規模を拡大していく。

無料で検索などのサービスを提供し、広告掲載で収益を上げるというヤフーのビジネスモデルに、トヨタ自動車などの巨大企業が早い時期から理解を示し広告を出したことは、国内最大手の広告代理店である電通と組んだ孫氏の慧眼という他ない。加えて、「ITは分かるけれど、広告については何も知らなかった」という有馬氏は、同社から広告についてのあらゆることを学んだという。

「広告営業を行う一方で、ECサイトや求人サイト、ネット証券、旅行サイトなど、ネット上でサービスが完結する広告主との直接取引も増えていきました。こういったダイレクト系企業の受け皿需要が大きくなったことで、ヤフーはドットコムバブルの崩壊を乗り切ることができました」

有馬氏は、ヤフー第一号社員として参画し、取締役、常務取締役を3期6年に渡って務めた後、2002年に同社を退職する。

 

新しいチャレンジの場に楽天を選び、今もインターネット広告の未来を模索する

有馬氏は、準備期間を経て2004年に当時のパソナ会長だった中山隼雄氏との共同出資で人材紹介会社のアイ・アムを起業する。
「いつかは独立、起業を」という夢を叶えたばかりでなく、インターネット業界への優秀人材の紹介を中心とする事業を軌道に乗せる。「自身が深く関わってきた業界への貢献はそれなりに果たした」と振り返る有馬氏に、新たな転機が訪れたのは2009年。「グーグルの日本法人が、営業に強い幹部を探している」という話が持ち込まれたのだ。

「インターネット業界から離れて7年が経過していましたし、グーグルといえばヤフーの最大のライバルでもあります。
どうしたものかと中山さんに相談したところ、『ヤフーとグーグル両方の役員クラスを経験できるやつなんてそういない』と背中を押され、アイ・アムをお任せする形でグーグルに飛び込みました。それ以来、中山さんは今も私の恩師です」

有馬氏がグーグル株式会社に専務執行役員営業本部長として入社した2010年から、代表取締役を退任する2014年までの4年間の経験は、自著『ギャップはチャンスだ!』(2014年 日経BP社刊)の中で紙数を割いて紹介されているので、ここでは多くを取り上げないが、めまぐるしいスピードで世界を変えていくIT産業の中心でイノベーションを起こし続けるグーグルの企業文化に触れた驚きが“当事者”ならではのリアリティを持って生き生きと記されている。

「それまでのグーグルは、モバイル関係の検索プロダクトなど技術開発的な役割が大きかったのですが、より営業色を強くしていこうという意向があり、元ヤフーの営業担当だった私に声がかかったのでしょう。IT革命が今後いかに世界を変えていくかのを、身をもって知ることができました」

同書の中で有馬氏は、“IT革命3要素”と呼ばれる「コンピュータ/デバイスの進化」「インターネットサービスの発展」「ビッグデータの時代〜ITと既存事業の融合」の重要性を細かな具体例を挙げながら説くとともに、様々な“ギャップ”を埋めるためのチャレンジこそが成長の源泉だと繰り返し述べている。
そして有馬氏にとっての新たなチャレンジの場となったのが、楽天である。
三木谷浩史氏とは、ヤフー時代に知り合っている。

「1997年に楽天が創業される以前から三木谷とは顔見知りでした。グーグル時代、楽天は最大級の広告主でしたから、エリック・シュミット(元CEO)が来日した際には私も同行しました」

そんな旧知の仲だった三木谷氏からビジネスパートナーとして声がかかったのだ。

「三木谷から、ECサイトでも広告収入が見込める時代が来た。規模を大きくしたいから何か手伝ってほしいと声がかかりました。併せて、電通とのジョイントベンチャーの社長もやってほしいと。ヤフー時代に広告の基本を教えてもらった電通とこういった形で“再会”し、また一緒に仕事ができることも大きな喜びでした。企業としてはもちろん、個々人もユニークで優秀な人が多く、とにかくリスペクトしていましたから。楽天の1億を超えるIDに基づくビッグデータと電通のマスメディア戦略のノウハウを組み合わせれば、必ず面白いものができると確信しました」

20年以上に渡ってインターネット広告に関わり、成果を上げてきた有馬氏だが、「自分が20数年前に想定した未来にはまるで到達していない」と語る。そして黎明期を知る者の責務として、現職でもインターネット広告の未来を模索し続けている。

「マーケティングをすると、結果がデータとして即時に返ってくる。それがインターネット広告とテレビ広告の一番の違いです。インターネット広告では、次のアクションのための成果や知見がすぐ得られて、どんどん改良していける。運用型広告が流行っている理由もそこにあります。インターネット広告といえば『Yahoo! JAPAN』のトップページに代表されるキャンペーン型広告がよく知られていますが、収益の伸びを支えているのは圧倒的に運用型広告です」

そして、有馬氏が持つインターネット広告の経験の中から、インターネット広告における成功の秘訣を次のように語ってくれた。

「インターネット広告では、計画(Plan)/実行(Do)/評価(Check)/改善(Action)を繰り返すことで広告効果を改善していく『PDCAサイクル』を極めて短時間で実践することができます。まずいと思ったことにはすぐに手を打ち、オンラインとオフラインをシームレスでつないでいく。そういったサイクルを早く持ち込み、継続して回すことが勝利の方程式ではないでしょうか」

インタビュー後編では、楽天データマーケティングの最新の取り組みである「RMP(Rakuten Marketing Platform)」について、詳しく語っていただく。


有馬  誠 氏

楽天株式会社 副社長執行役員CROメディア&スポーツカンパニー プレジデント
楽天データマーケティング株式会社 代表取締役社長
楽天アドロール株式会社 代表取締役会長

インターネット黎明期の1996年、ヤフーに第一号社員として入社し、その後グーグルの代表取締役を務めるなど日本のインターネット広告の発展を支えた。2017年7月、楽天の副社長執行役員CRO(チーフレベニューオフィサー)に就任。同時に楽天と電通によるジョイントベンチャー、楽天データマーケティングの代表取締役社長に就任し、同年10月に営業を開始した。

 

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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