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マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

2023.9.4
読了まで約 14

「『マーケティング』って、よく耳にする言葉だけど、どういう意味?」と思っている人も多いでしょう。マーケティングとは、一言で言えば「売れる仕組みを作ること」です。

実際にマーケティングを行う際には、「誰に」「どのような価値を」「どのようにして提供するか」を考えていくことになります。今回は、マーケティングの定義および基礎について、分かりやすく解説します。

マーケティングとは

マーケティングとは、企業活動において商品やサービスが自然と売れるような仕組みを構築することです。これには市場調査や商品開発をはじめ、営業、宣伝、販売や販促に至るまで、全てのプロセスが含まれます。

マーケティングの定義

マーケティングは、よく「販売」と混同されることがあります。しかし、経営学者フィリップ・コトラーは、「マーケティングと販売は、ほとんど正反対ともいえる活動だ」と言っています。

さらに、同じく経営学者であるピーター・ドラッカーは「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」とまで言い切ります。コトラーによれば、マーケティングの定義は次のようになります。

「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること」

マーケティングは、商品やサービスなどの「価値」を顧客に「いかに売り込むか」を問うものではありません。

顧客のニーズを十分に理解することにより、そのニーズを満たすことができる価値を創造し、「売り込みをしなくても自然に売れてしまう状態を作ること」こそがマーケティングの理想だといえるでしょう。

マーケティングの歴史

マーケティングの歴史は非常に古く、19世紀の末期から20世紀のはじめにかけ米国で誕生したとされています。

そのはじまりは、モノを中心とした「製品志向」のマーケティング1.0(マスマーケティング)です。これを起点として、のちに「顧客志向」のマーケティング2.0、「価値志向」のマーケティング3.0、さらに「自己実現」のマーケティング4.0へと発展していきます。

これらのマーケティング進化論は「近代マーケティングの父」と称される、米国の経営学者フィリップ・コトラーにより定義されています。

・マーケティング1.0(製品志向)
・マーケティング2.0(顧客志向)
・マーケティング3.0(価値志向)
・マーケティング4.0(自己実現)

マーケティング1.0(製品志向)

マーケティング1.0は、1900年から1960年代までのマーケティング手法で、いわゆるマスマーケティングとなります。

安価で手頃な値段の製品をテレビやラジオなどのマス広告を通して老若男女幅広い世代の顧客に宣伝します。

マーケティング2.0(顧客志向)

マーケティング2.0は、1970年代から1980年代の半ばにかけて主流となったマーケティング手法です。

この時代は人々の生活が豊かになり始めていたこともあり、企業から顧客へと主導権が移っていきました。そういった背景から、顧客志向の製品開発が重要視されるようになりました。

マーケティング3.0(価値志向)

マーケティング3.0は、1990年代から2000年代にかけて主流となったマーケティング手法です。

この時代にはインターネットが本格的に普及し始め、オンラインを介したマーケティング手法が徐々に取り入れられるようになりました。

顧客が企業を選択できるようになり、価値志向の製品開発が求められるようになりました。

マーケティング4.0(自己実現)

マーケティング4.0は、2010年以降から現在にかけて主流となっているマーケティング手法です。

現在において、顧客は商品やサービスを購入するだけに留まらず、購入した後の自己実現ができるか否かまで重視するようになりました。つまり、商品やサービスの購入後に自己の欲求を満たすことはできるのか、まで考えるようになったのです。

流行ではなく、本当に自分が必要としているものが備わっているか、といった目線から商品やサービスを購入するようになったため、その人に向けてのオンリーワンを提供できるマーケティング手法が求められるようになりました。

セールスとの違い

マーケティングの特徴として挙げられるのが「自然と売れるような仕組み」を構築することです。つまり、こちらから売り込みをかける「セールス」のようなことは行いません。

セールスではセールストークが用意され、販売マニュアルに従って売り込みをかけます。しかし、こういった従来までのセールスにおいて、顧客の意思が尊重されることはありませんでした。

セールスマンの売り込みたい願望だけが場の雰囲気を支配し、顧客側も無理に購入させられるのではないかと、セールスマンの発するオーラに戦々恐々の状態が続きます。こういった状況では顧客が萎縮し、売れるものも売れなくなってしまいます。

しかし、マーケティングでは自社がお願い営業をしたり、半ば強引に売り込んだりしなくても、顧客側から商品やサービスに興味を持ち、自らの意思で購入するような状態を目指します。

これこそが、セールスとマーケティングの大きな違いなのです。

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マーケティングにおける重要ポイント

マーケティングを実際に行なう際には、

1. 誰に
2. どのような価値を
3. どのように提供するか

を考えていくことが基礎となります。それぞれについて、以下で見ていきましょう。

1.誰に(セグメンテーションとターゲティング)

マーケティングを行なうにあたり、誰にサービスを訴求すべきなのか、対象となる顧客を決めなければなりません。顧客は、それぞれに異なるニーズを持っています。

顧客を絞り込み、ニーズが明確になることで、その後の戦略を明確にすることができます。対象とする顧客を決めるためには、セグメンテーション」と「ターゲティング」を行います。

・セグメンテーション

セグメンテーションとは、市場(=顧客)を細分化することにより、市場の構造を把握することです。細分化するための評価軸には、業種や業態、売り上げ規模、地域、年齢や趣味趣向、過去の行動データなど、様々なものが考えられます。

細分化の仕方によってその後の戦略は大きく変わってきますので、セグメンテーションはマーケティングにおいて非常に重要なプロセスです。

・ターゲティング

市場を細分化することができたら、次に細分化された市場のどれを対象(ターゲット)としていくのかを決める「ターゲティング」を行います。ターゲティングを行うに際しては、

・市場のニーズを「自身の課題」として切実に感じられること
・自社の強みを活かせること
・競合他社と比べてはっきりとした優位性を保てること

などを考慮するのが重要です。

2.どのような価値を(ベネフィットと差別化)

対象とする顧客が決まったら、顧客のニーズに対してどのような価値を提供するのかを決めます。ここで注目しなければならないのが、「ベネフィット」と「差別化」です。

・ベネフィット

ベネフィットとは、商品やサービスが持つ「価値」です。例えば、顧客がドリルを購入するのは、器具としてのドリルに関心があるからではなく、「穴を空ける」という価値を求めているからでしょう。

高級車を購入するのは、「見栄を張りたいから」かもしれません。商品であれサービスであれ、顧客に対してベネフィットをどのように訴求するかは、顧客のニーズと考え合わせて決めなければなりません。

・差別化

多くの場合、市場には競合他社がいます。競合他社と同じ価値を提供するなら、顧客は価格が安い方を選びます。したがって、価格競争に陥らないようにするためには、自社が提供する商品やサービスが他社とどのように違うのかを、顧客に訴えなければなりません。

この「差別化」の要因として価格ももちろん含まれますが、その他にも機能やサービスを高める、顧客との接点を深めるなど、様々な観点が考えられます。自社の強みを最大限に生かせるよう、差別化を進めるのがポイントです。

3.どのように提供するか(4P)

顧客のニーズと提供する価値について絞り込めたら、実際にそれを顧客に対してどのように提供するかを考えなければなりません。その考え方の1つが「4P」です。

4Pは、

● Product …製品・サービスなど
● Price …価格や価格体系
● Promotion …広告などを含めた販売方法
● Placement …販路

のことです。

たとえば、ドリンク剤を販売するのであれば、4Pの具体的な内容は、

● Product …ドリンク剤の成分やパッケージ
● Price …ドリンク剤の定価、値引きはするのか
● Promotion …製品カタログや店頭のPOP、営業マンのセールストーク、テレビCMなど
● Placement …コンビニ、量販店、ネット販売など

を考えていくこととなります。

4Pは1960年代に提唱され、時代に合わなくなってきたところがあるため、1990年代には「4C」、

● Customer Value …顧客価値
● Cost …コスト
● Convenience 利便性
● Communication …顧客とのコミュニケーション

が提唱されました。

いずれにせよ、これらは上で解説したセグメンテーションとターゲティング、ベネフィットと差別化で得られた「対象とする顧客と提供する価値」を、忠実に具体化したものでなくてはなりません。

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マーケティングの主な種類

マーケティングの主な種類としては、以下が挙げられます。

● マスマーケティング
● ダイレクトマーケティング
● インバウンドマーケティング
● SNSマーケティング
● Webマーケティング

マスマーケティング

マスマーケティングは、顧客をセグメンテーションせずに、老若男女不特定多数に向けて行うマーケティングです。マスは英語で「mass」と表記され、「大衆の」「庶民の」「全体の」といった意味となります。

主な広告手段としては、テレビやラジオの他、新聞、雑誌といった媒体が挙げられます。費用が高額になりがちですが、幅広い顧客層にリーチできるため、住宅関連や車、生活必需品など年齢層や性別を問わない商品やサービスの宣伝に向いています。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングのように企業が顧客に対して一方的に行うマーケティングではなく、顧客のニーズに合わせた双方向のマーケティングを行っていきます。

企業が顧客とコミュニケーションを取ることにより、顧客のレスポンスを踏まえたマーケティングが可能となります。こういった、顧客に寄り添うマーケティングを展開することで顧客の信頼感が得られ、CS(顧客満足度)の高いマーケティングへとつなげられるのです。

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングは、顧客に自社を見つけてもらうことにより成立するマーケティング手法です。自社側からの無理な営業や派手な宣伝は行わず、マスマーケティングとは反対の手法ともいえます。

インバウンドマーケティングの大きな特徴としては、顧客側から自社や自社商品に興味を抱いて歩み寄ってくることが挙げられます。すでに自社や自社商品について調べ上げていることも多く、問い合わせをしてくる段階で購買意欲が非常に高い可能性もあります。

こういった「ホットリード(今すぐ客)」をいきなり獲得できる可能性が高いマーケティング手法が、インバウンドマーケティングなのです。

関連記事:マスマーケティングとは? メリットやデメリット、活用事例について解説します!

SNSマーケティング

SNSマーケティングはFacebookやX(旧Twitter)、InstagramといったSNSを活用したマーケティング手法のことです。各媒体にはそれぞれ長所と短所があり、それらの特徴を活かしたマーケティング戦略が求められます。

SNSマーケティングでよく活用される代表的な媒体は主に以下が挙げられます。それぞれの特徴やターゲット、活用法などについて解説します。

・Facebook
・X(旧Twitter)
・Instagram
・LINE

Facebook

Facebookは世界でもっとも多くのユーザー数を擁するSNSで主に主要ユーザーが40代から50代前後と年齢層が比較的高めです。原則実名登録のためビジネスで利用するユーザーも多く、名刺交換代わりにもよく活用されます。

30代から40代前後のビジネスマンが利用している割合も高いため、BtoBやビジネス関連の商品やサービスを宣伝するSNSとして適しているといえます。

X(旧Twitter)

国内におけるユーザー数はFacebookより多く、主要ユーザーは10代から20代前後が多くを占めています。テキストベースのSNSですが140文字の制限があるために、多くの情報を伝える媒体としては不向きといえます。

しかしながら拡散力が非常に高く、一度拡散されれば情報が瞬時に多くのユーザーに届くため、情報発信の即時性が他のSNSに比べて優れているといえます。パッと見て欲しいと思わせられるような商品やサービスを宣伝するSNSとして適しているといえます。

Instagram

写真や動画といった視覚で楽しめるコンテンツに特化したSNSがInstagramです。主に20代から40代前後が主要ユーザーとなっています。視覚に訴えかけるビジネス戦略が適しており、ブランディング戦略などではよく活用されます。

またInstagramは他のSNSに比べてユーザーの投稿が盛んで「DAU=デイリーアクティブユーザー」の7割がストーリーズの投稿を行い、うち3分の1がビジネスにおける投稿との統計も出ています。こういった視覚情報で訴えかけられるSNSでは、ファッションやコスメなど独自の世界観を演出していくビジネス戦略が適しているといえます。

LINE

LINEは電話機能が無料で使えることもあり、幅広い年齢層で利用されています。クローズドなコミュニティが形成でき、日常的な連絡ツールとしても使えるため非常にコミュニケーションが取りやすいSNSです。

そのため信頼できる人からの広告や宣伝であれば、閲覧してもらえる可能性も非常に高くなります。LINEを活用してのビジネス戦略においては、まず同一セグメント内におけるユーザーでクローズドなコミュニティを形成します。

その後コミュニケーションを取りながらリードナーチャリングを行い、ホットリードを育てていく戦略が適しているといえます。

Webマーケティング

Webマーケティングは、主にWeb上で行っていくマーケティング手法となります。あらゆるデジタル媒体を活用して行っていくマーケティング手法をデジタルマーケティングといいますが、Webマーケティングはデジタルマーケティングの中の一手法となります。Webマーケティングでは主に以下の媒体を活用して戦略を立案していきます。

・SEO
・インターネット広告
・メール
・オンラインセミナー・ウェビナー
・SNS

SEO

「SEO=Search Engine Optimization」は日本語で「検索エンジン最適化」となり、GoogleやYahooなどの検索エンジンで自社Webサイトを上位表示させるための施策を行っていきます。

SEOにおける集客施策はいわばWebサイトの上位表示となり、これを達成すればアクセス数の増加が見込めリードの獲得が期待できるようになります。特に広告料なども必要とせずWebマーケティングにおいてはメインともいえる媒体です。

インターネット広告

Web上の媒体に表示させる広告をインターネット広告といいます。インターネット広告は主に以下の種類があります。

● リスティング広告
● アフィリエイト広告
● アドネットワーク広告
● リターゲティング広告

リスティング広告

リスティング広告はGoogleやYahooといった検索エンジンの検索結果画面広告枠に表示される広告です。オーガニック検索結果よりも上位に表示されるため、短期間に多くのアクセスを集めたいときに利用する広告です。

アフィリエイト広告

「ASP=Affiliate Service Provider」と呼ばれる仲介業者と提携することで掲載が可能となる広告です。広告主とアフィリエイター(媒体主)は共にASPと提携することにより、広告主は広告の出稿が可能となり、アフィリエイター(媒体主)は自媒体に広告掲載が可能となります。

影響力のあるインフルエンサーが宣伝することにより、多くのアクセスが期待でき「CV=コンバージョン」につながる可能性が高くなります。

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告はWebサイトやSNSなどの複数の媒体を集めて広告配信ネットワークを構築し、構築した媒体に一括で広告を配信します。媒体毎に出稿する手間が省け、多くの媒体に広告が一括で配信できるため、非常に効率の良い配信システムとして活用されています。

しかしながら、ターゲット層を絞り込むことが難しいため、マニアックな商品やサービスの宣伝には適しておらず、生活必需品や日用雑貨など多くの人が必要とする商品やサービスの宣伝に適しています。

リターゲティング広告

リターゲティング広告はユーザーが過去訪問したWebサイトにおいて、ユーザーのWebサイト内での行動や閲覧履歴から、興味や関心のある商品やサービスを予測し関連する広告を自動で表示させます。関心はあったが購入には至らなかったユーザーや潜在顧客などをターゲットとするリターゲティング広告は、費用対効果が見込める広告として活用されています。

メール

SEOやインターネット広告などWebマーケティングの多くの媒体が「受け」であるのに対し、メールは「攻め」の媒体となります。

メールはWebマーケティングにおける営業マンと表現されることもあり、使い方によっては抜群の集客効果を発揮します。顧客のメールアドレスを集め顧客リストを作り、その顧客に対しメールマーケティングを行っていきます。

オンラインセミナー・ウェビナー

オンラインセミナーやウェビナー(ウェブセミナー)を行い、ユーザーをブランディング及びナーチャリングしたのち、バックエンドの商品やサービスにつなげるマーケティング手法もあります。

商品やサービスを販売する側の顔が見られるため、ユーザーには安心感が生まれ信頼してもらえるようになります。コロナにより対面が困難になったことで注目が集まるようになったWebマーケティング手法です。

SNS

上項目で解説した「SNSマーケティング」はWebマーケティングの中の一手法です。各種SNSを有効活用したマーケティング手法です。

マーケティング活動の基本プロセス

全てのマーケティング活動は、以下の基本プロセスに沿って進行させていきます。

● 市場調査
● 戦略設計
● 広告宣伝
● 効果検証

市場調査

マーケティング活動は、まず市場調査(マーケティングリサーチ)から始まります。顧客が求めているものは何か、市場に需要はあるのか、市場規模はどのくらいか、など徹底的に市場調査を行います。

このフェーズを疎かにすると、顧客が求めていなかったり、市場に需要がなかったりする、いわゆる「売れない商品」を長期に渡って試行錯誤していくことになります。このような失敗する要因やリスクを予め排除するべく、商品開発に着手する前に、まずは市場調査を念入りに行う必要があるのです。

戦略設計

市場調査により、自社を取り巻くマクロ環境及びミクロ環境の市場データをある程度収集できた段階で、それらを基に自社がこれから行うべきマーケティングの戦略設計を行っていきます。

自社で開発を行う商品はどのようなものか、その商品をどのくらいの価格で、どういった形で顧客へ提供するか、といった細かい戦略を立案していきます。

広告宣伝

戦略がまとまり形になってきたら、次に行うべきフェーズとして「広告宣伝」があります。

商品やサービスは顧客に認知されて初めて売れていきます。ビジネスにおいて、商品やサービスが売れない要因の一つに「顧客の認知不足」によるものである場合が往々にしてあります。

どれだけ腕のいい職人が作った商品でも、営業ができず顧客に認知されなければ売れないように、せっかくいい商品を世に送り出したとしても、広告宣伝を行わなければ顧客による認知不足で売れない可能性が高くなります。

出稿する広告の媒体や、宣伝方法は商品やサービスによって最適なものが異なりますので、常によりよい広告宣伝方法を模索する必要があります。

効果検証

商品やサービスは売りっぱなしにせず、期間を決めて定期的に効果検証を行う必要があります。

ある一定期間において、売れ行きが好調であったのであれば「なぜ売れ行きは好調だったのか」を検証し、逆に売れ行きが伸び悩んでしまったのであれば「なぜ売れなかったのか」を検証していきます。

このように結果を追求し、さらに改善していくための最適なフレームワークとしてPDCAサイクルがあります。効果検証においてはPDCAサイクルを回し、プラスの要因及びマイナスの要因を把握することにより、さらなる業績改善へとつなげることができます。

代表的なマーケティングフレームワーク

マーケティング戦略を立案する際に、よく活用されるマーケティングフレームワークをいくつか紹介します。

● 3C分析
● 4P分析
● PEST分析
● SWOT分析
● STP分析
● PPM分析

3C分析

3C分析は、自社を取り巻く競合や市場環境、そして現在の自社の立ち位置などから、今後自社が取るべき手段を模索できるマーケティングフレームワークです。「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つの要素の頭文字を取り、3C分析と呼ばれています。

3C分析では、最初に自社が勝負をかけようとする市場及びその市場の顧客動向を把握することから始めます。このフェーズにおいて、自社がどのような商品やサービスで勝負するのか、進むべき方向性を決定します。

次に、決定した市場における競合の存在を確認します。競合となる企業の強みや弱み、業界における立ち位置などを確認し、商品やサービスの情報を収集していきます。

最後に、収集した情報を基に競合他社と自社とを比較し、自社にできることや競合他社より優位性があることなどを再確認しながら、マーケティング戦略を立案していきます。

関連記事:3C分析とは?やり方や手順、テンプレートも紹介

4P分析

4P分析は、商品やサービスの販売戦略を立案する際、企業側の目線から最適な戦略を模索できるマーケティングフレームワークです。「Product:商品・サービス」「Price:価格」「Promotion:販促」「Place:流通」の4つの項目の頭文字を取り、4P分析と呼ばれています。

大切なのは、これら4項目の整合性が取れたマーケティング戦略を立案することです。4Pのうち、どれか1項目でも偏りがある場合、それが良い要素であるか悪い要素であるかに関わらず、上手く機能させることができません。

4項目の整合性が取れて、初めてマーケティング戦略として成り立たせることができます。

PEST分析

PEST分析は、自社でコントロールすることができない「マクロ環境」の分析を行う際に適したマーケティングフレームワークです。「Politics:政治」「Economy:経済」「Society:社会」「Technology:技術」の4要因の頭文字を取り、PEST分析と呼ばれています。

ビジネスはもとよりマーケティングを行う際には、一見自社と関係なさそうに思える「マクロ環境要因(外部環境要因)」を常に考慮する必要があります。政治や経済、社会など情勢の変化や市場における技術面での進捗状況、流行り廃りといった時代背景は、少なからず自社ビジネスに影響を与えます。

それらの要因が自社にとってプラスであってもマイナスであっても、上手くマーケティング戦略に取り入れることで、リスクヘッジされた中長期戦略の構築が可能になるのです。

SWOT分析

SWOT分析は、自社でコントロールすることができない「マクロ環境(外部環境)」と自社でコントロールすることができる「ミクロ環境(内部環境)」を4つの要因から分析していくマーケティングフレームワークです。

その4つの要因が「強み:Strength」「弱み:Weakness」「機会:Opportunity」「脅威:Threat」となり、市場における自社の立ち位置や、競合を含めた自社商品の強み、弱みなどについて把握する際に適しています。

マクロ環境(外部環境)とミクロ環境(内部環境)は密接に関係しているため、両方の要因を総合的に勘案したマーケティング戦略の構築が求められます。

STP分析

STP分析は自社が市場開拓を狙う際に適したマーケティングフレームワークです。「Segmentation:セグメンテーション」「Targeting:ターゲティング」「Positioning:ポジショニング」の3つのフェーズから、自社が狙う市場の分析を行っていきます。

セグメンテーションにより市場の細分化を行い、ターゲティングで狙う市場の決定、そしてポジショニングで自社の市場における立ち位置を明確化させます。こうすることで、中長期的にマーケティング戦略を展開する際に、途中で方向性を失ったり、安易に路線変更したりすることを防げます。

関連記事:フレームワークとは?思考を整理しビジネスを進めていくための枠組みを活用シーン別に解説

PPM分析

PPM分析は自社が注力する事業を市場成長率と市場占有率の2軸から分析し、経営資源をどこに重点的に分配するかを判断するための分析法です。

PPMは「Product Portfolio Management」の略で米国のコンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ」が提唱しました。

市場成長率と市場占有率の2軸から、さらに「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4つのカテゴリに分類することで、自社が注力する事業がどこに分類されているのかを把握し、その結果によって経営資源をどこに重点的に分配するかを決定していきます。

マーケティングの成功事例

以下では、実際に大手各社が実践したことにより、大ヒットとなったマーケティング成功事例について紹介いたします。

● マクドナルド
● アサヒビール
● 花王

マクドナルド

マクドナルドはインバウンドマーケティングを取り入れ、記録的な赤字からV字回復を遂げた企業です。

マクドナルドは2015年に347億円の赤字を出した後に、業績を立て直すべくビジネスリカバリープランというマーケティング戦略を打ち出しました。ここで、従来までのマスマーケティング戦略を基本としながらも、WebサイトやSNSを活用したインバウンドマーケティングを取り入れ始めるようになります。

主に、WebサイトやTwitterを中心にマーケティング戦略を展開し、2017年にはWebサイトの月間PV数が600万を超えます。そして、スマートフォンでのアプリケーションもダウンロード数が3700万を超えるなど、その後もリピーターを獲得し続けながら、順調に売り上げを伸ばすことに成功しました。

アサヒビール

アサヒビール株式会社は、マーケティング戦略を大転換したことで成功を収めた企業です。

アサヒビールは1985年に年間出荷量9.9%という、競合各社と比較して最低のシェアを記録してしまいました。一方、ライバルであるキリンビールは61.3%と大躍進を遂げています。

参考:『経済研究』(明治学院大学) ラガーの生ビール化とキリンとアサヒのシェア逆転(https://econ.meijigakuin.ac.jp/research/publication/pdf/151-5.pdf

当時、アサヒビールの社長であった村井社長はこの結果に対して、新たなマーケティング戦略を構築するべく、新規CI(コーポレート・アイデンティティ)を設定します。

そこで打ち出したのが「顧客ニーズのある商品を提供する」ことです。いわゆる、それまでのプロダクトアウトの方針から、マーケットインの方針に切り替えたのです。このときに誕生したビールが「アサヒスーパードライ」です。

それまで、自社が作りたいビールを作ってきたアサヒビールが、顧客の好みに合わせた「アサヒスーパードライ」を発売した途端、これが見事に大ヒット。業績はみるみる回復に向かいました。

その後はトップシェア復活も果たし、現在に至るまで順調に売り上げを伸ばしています。

花王

花王が製造・販売する「ヘルシア緑茶」は、ターゲティングで成功した商品といえます。

ヘルシア緑茶は、同類の商品に比べて価格が割高であるにも関わらず、2003年の発売以来順調に売り上げを伸ばしています。その成功の裏には、緻密なマーケティング戦略が奏功しています。

まず、ターゲティングで狙いを定めたのが忙しいビジネスマンです。特定保健用食品(トクホ)の認可を取得し「飲むと体脂肪を減らす」という付加価値を、食事のお供である緑茶につけて市場に投入したところ、これが見事に大ヒットしました。

健康診断を受ける暇がないながらも、生活習慣病が気になる忙しいビジネスマンのニーズを掴んだ商品といえます。

関連記事:企業のマーケティング成功事例8選!成功のために押さえたいポイントも解説

マーケティングに役立つツール

Webマーケティングを効率的かつ効果的に行うための優れたツールとして、CMS/MA一体型ツール「Switch Plus」を紹介いたします。「Switch Plus」はWebマーケティングに必要なものが全て揃った、マーケティング活動支援ツールです。

今回は「Switch Plus」の機能を3つご紹介します。

● 手軽にWebサイトを構築できる
● 顧客リストを簡単にインポートできる
● 見込み顧客を可視化できる

Switch Plusの機能1:手軽にWebサイトを構築できる

集客が行える自社Webサイトが、直感的な操作のみで構築することが可能です。

また、予めテンプレートが用意されているため、サイト修正などで手間取ることなく、工数やコスト、時間の削減ができます。テンプレートは、自社の目的に応じて使い分けることができます。

Switch Plusの機能2:顧客リストを簡単にインポートできる

管理が大変だった顧客リストも「Switch Plus」へインポートすることで、効率的に管理が行えます。インポートした顧客リストは、HTMLメールにて配信が可能です。

Webマーケティングにおける営業マンである、メールを上手に活用し売り上げアップを狙っていくことができます。

Switch Plusの機能3:見込み顧客を可視化できる

単にメールを配信するだけの機能に留まらず、配信したメールから見込み顧客を可視化することができます。見込み顧客を可視化し、顧客が起こしたアクションを分析することで、次に配信する内容の調整が行なえます。

配信する度に、内容を顧客の興味により近づけていくことによって、ホットリードの育成へとつなげることができます。

まとめ

マーケティングは、売り込みの必要がないほど自然に商品やサービスが売れる状態を作り出すものです。実践する際には、まずセグメンテーションとターゲティングを通じて、対象となる顧客のニーズを特定します。その後、提供するベネフィットを明確にし、差別化を図ることで、顧客にどのような価値を伝えるかを決定します。最終的には4Pや4Cの考え方を用いて、製品やサービスの具体的な提供方法を設計します。

マーケティングによって、商品への愛着が強いコアなファンの増加や商品開発、サービス内容の改善などを継続的に進めることで、収益向上につなげることができます。

よくあるご質問

マーケティングとPR・ブランティングの違いは?

マーケティングとは、市場のニーズに応える商品を効率的に販売する仕組みを作ることです。そのために、情報を広く社会に発信するPRや、企業や商品などのブランドの価値を高めるブランディングが必要です。 PRとブランディングは、マーケティングを実現するための方法のひとつで、PRは消費者とのコミュニケーションがあり、ブランディングは企業から消費者に向けたメッセージです。

マーケティングの身近な例は?

マーケティングの例として、商品のメリットを覚えやすい音楽や印象的な言葉で繰り返し発信するというものが挙げられます。たとえば、「短時間で調理できる」「スプレーで臭いの元を取り除ける」などの商品のメリットをストレートに言葉にし、テレビコマーシャルで発信したり、印象的なキャッチフレーズをポスターに表記したりするのです。

マーケティングの必要性とは?

マーケティングは、商品やサービスを効率よく販売するために必要なアクションです。優れた商品やサービスであっても、消費者に知られなければ売れないこともあります。また、売れても販売コストがかかりすぎてしまうと利益は出ません。企業が事業を継続するためにも、マーケティングは必要なことといえます。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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