2021.2.15

リモートワークだからこそ気を付けたい!ノンバーバルコミュニケーションの心得

読了まで約 7

■コロナ禍でノンバーバルコミュニケーションが注目される背景

■ノンバーバルコミュニケーションとは何か?

■円滑な隔地間のコミュニケーションのカギとなる要素とは?

■ノンバーバルコミュニケーションで気を付けたい3つのポイント

■リモートワークでノンバーバルコミュニケーションを活かせる2つのポイント

■ノンバーバルとバーバルを組み合わせて円滑なコミュニケーションを目指す

オンラインで重要視されるノンバーバルコミュニケーションとは?

収束の兆しがみえない新型コロナウイルス感染症との闘い。ウィズ・コロナ期間の長期化により、企業は今までにない勢いで、働き方変革の推進を迫られている。

在宅勤務などのリモートワークや、電車の混雑時間帯を避け、柔軟な時差出勤を可能とするフレックスタイム導入は、もはや一過性の対処方法ではなく、企業での働き方を根本から変化させている。これに合わせて企業活動を行うにあたり、人と人とのコミュニケーションの方法にもパラダイムシフトが起きつつある。

社会全体でのリモート化とソーシャル・ディスタンスが奨励される中、社内打ち合わせや社外取引先との商談などは急速なオンライン化の様相を呈している。マイクロソフト社のOffice 365を導入している企業ではSkype、グーグル社のG Suiteを導入している企業ではGoogle Meet、あるいはシスコ・システムズ社のTelePresenceやコロナ禍で知名度を上げたZoomなど、さまざまなコミュニケーションツールが、コロナ禍中の企業活動を社内外にわたって支えているといってよいだろう。

オンライン化によるウェブ会議システムなどのテレコミュニケーションは、フィジカルな接触を減らし、出勤せずとも業務上必要な他者とのやり取りを可能とする。そのため、新型コロナウイルス感染拡大が収束を見せない現況下では、大きなメリットがあることは間違いない。しかし他方で、対面での会議や商談に比べると、相手の細かい仕草や息づかいが伝わりづらい。また、多人数の場合であるほど「場」の雰囲気が把握できないといった課題も浮上している。

対面時と同じ円滑なコミュニケーションを、ウィズ・コロナ時代のニューノーマルの中でも実現することは、コロナ禍の今ではもっとも要求される能力のひとつといえる。このため、隔地間のテレビ会議だとしても、従来どおりの生産性や打ち合わせの効果を担保することを助けるスキルのひとつとして、ノンバーバルコミュニケーションへの注目が集まっている。

ノンバーバルコミュニケーションとは、「言葉を用いない」という英語での「ノンバーバル(=nonverbal)」という単語どおり、身だしなみや身振り、表情、視線、持ち物などの視覚、あるいは声のトーン、声の抑揚、話す速度などの聴覚に訴えかける、言葉以外のコミュニケーションのことを指す。

ノンバーバルコミュニケーション研究の第一人者と称されるRey L. Birdwhistellが、「二者間のコミュニケーションでは言葉で伝えられる内容は全体の35%にすぎず、65%はノンバーバルコミュニケーションによる」と分析している。人と人とのコミュニケーションでは、伝える言葉以上にその伝え方がスムーズな情報伝達のカギとなってくるが、隔地間のオンラインコミュニケーションでは、やりとりを通した相手の気持ちが掴みづらく、自分の気持ちが相手に伝わっているかが不安という声も多い。

言葉以外の部分で、相手との意思疎通を図るノンバーバルコミュニケーションでは、オンラインの画面上であっても伝達可能な情報として、自身の表情や声、手などを用いた行動があげられる。これらを通じて、話を聞いている相手の視覚や聴覚、そして意識下の五感にも訴えかけることを目指すのだ。

こうした行動によって、第一印象を好ましいものにしたり、より円滑なコミュニケーションが図れる。ノンバーバルコミュニケーションを意識して行うことで、オンラインでの画面越しでも、相手の気持ちを適確に汲み取り、相手に与える印象に大きな影響を及ぼすことも可能となる。

本稿では、ノンバーバルコミュニケーションの効果や分類、最後にノンバーバルコミュニケーションを意識したリモートワークの心得について確認していく。

ノンバーバルコミュニケーションの効果と分類

コミュニケーションに関連する研修において「メラビアンの法則」という言葉は有名だ。これは、1971年に米心理学者Albert Mehrabianにより提唱された。この概念は、人の行動が他人に及ぼす影響について研究と実験を重ねた結果をまとめたものだ。

それは、人が他者に与える影響は視覚情報(目から入ってくる情報)が55%、聴覚情報(耳から入ってくる情報)が38%、言語情報が7%という研究成果をまとめている。視覚情報とは、外見や仕草、表情や眼差しなどを指しており、聴覚情報は声色や声量、抑揚や口調などを表すというもの。

驚くべき事実としてあげられるのは、言語情報、つまり言葉そのものや会話内容は人が他者に与える記憶や影響において1割に満たない影響力しかない点だ。結果として、ノンバーバルコミュニケーションと呼称される「ヒトの五感」を用いた意思疎通が、コミュニケーション成功のカギを握るということだ。

つまり、言語的な内容とノンバーバルコミュニケーションが矛盾を抱えたと他者が感じとった場合、自分の発信したいメッセージが正しく相手に伝わらないばかりか、状況によって相手に不信感を植え付けかねないわけだ。

コロナ禍により、オンサイトでの打ち合わせや会食などが大きく制限され、社会全体でフィジカルディスタンスが叫ばれる中、従来のような対面型での意思疎通がますます難しくなっている。このため、いかに画面越しの相手と効果的なコミュニケーションを図るかという点で、ノンバーバルコミュニケーションの重要性は今までになく高まっているといってよい。

ノンバーバルコミュニケーションが、テレカンファレンスなどの隔地間コミュニケーションにおける意思疎通を促進する要素について、その効果や種別を分類することで特徴を掴みやすくなる。そこで、ノンバーバルコミュニケーションの種類について、ヒトの五感に置換して考え、その理解を促進させていきたい。

1. 視覚情報
視覚情報としての表情や口角の位置、両目の動きやまばたき、視線の方向などにはその人の本心が現れる。これを隠すことは難しく、自身が他者へ伝えようとしている情報をもっとも表す箇所だといわれている。

また、自身で他者へ与える印象をコントロール、またはマネジメントするために、髪型や服装も考えるべきだ。これらも他者の視覚へ入っていく、重要な情報である。前述のとおり、言葉そのもの以上にこれら視覚情報が物語る部分は大きく、ノンバーバルコミュニケーションの主要な構成要素である。

2. 聴覚情報
聴覚情報は、言葉の内容ではなく、他者とコミュニケーションを図るときに意識する、自身が発する声の大きさやトーン、声の高低差などの情報だ。語をくり出すテンポやリズム、スピード、あるいは声色や話し方、言葉遣いも含まれることから、必然的に他者へ伝える言語情報(言葉そのもの)の構成にも影響してくる部分だ。

隔地間のコミュニケーションでは、後述の身体感覚が対面時に伝わりにくいといえる。そして、聴覚へ伝わる情報は電話など日常的に接するものであるため、ノンバーバルコミュニケーションにおいて、視覚へ伝わる情報とともに、聴覚情報は非常に重要な割合を占める。

3. 身体感覚
身体感覚は、主にうなずきや所作、呼吸の速さや深さ、握手の強さといった人が生理的に共有できる他者のバックグラウンドへの配慮を必要としないものと、ジェスチャーやハンドサインなど他者からの反応を伺いながら慎重に用いるべきものの2種類に分類できる。前者は視覚や聴覚情報と同じように、コミュニケーションを円滑にするという目的に主眼を置いたアプローチが可能だが、後者の場合は注意を要する。

例えば、ハンドサインでいうところの、ピースサインや親指を突き出す行為などは、国と地域によって全く違った意味合いをもつことがあるからだ。

そのため、コミュニケーションをとる相手の文化的背景が不明瞭な場合は、このようなジェスチャーやハンドサインは使わないことが無難だ。一方、共通の文化を背景としている場合は明確なコミュニケーション手段となるため、相手を見極めて駆使する必要があるのだ。

ノンバーバルコミュニケーションを意識したリモートワークの心得

ここまで見てきたとおり、リモートワーク環境こそ、ノンバーバルコミュニケーションは非常に重要だ。

あたり前の話となるが、テレカンファレンスで、腕を組み難しい表情で会議に参加する者と、笑顔でうなずきながら拝聴している姿勢を見せるものとでは、他者が受け取る印象やその場の雰囲気へ与える影響が大きく異なる。あるいは、発言する際に小さな声、暗いトーンで淡々と話し続ける者と、明るくハキハキとした声色、軽やかなテンポで発言する者とでは、同じく相手に与える印象を180度変えてしまうものだ。

そこで、ここではリモートワーク環境時における効果的なノンバーバルコミュニケーションのポイントを4つ紹介しておこう。

1. 視覚情報を最大限に活かそう
リモート環境下での、オンラインコミュニケーションでは、対面時と違い画面越しでも伝わるノンバーバルコミュニケーションの多用が求められる。そのため、身振りやさまざまな仕草は、いつもより3~4割オーバーな表現となってもよいといえる。ここでの重要なポイントは、しっかりと画面越しでも自身が意図したコミュニケーションでの熱量を相手に伝えることだ。そのため、カメラが内蔵されたコンピュータなどでは、しっかりとカメラレンズを見据えて話す、言葉ではなく大きくうなずくなどの動作で同意していることを示す、などの努力も求められてくる。

2. 相手の話は最後まで聞こう
ネットワーク回線を通じたコミュニケーションでは、時として起こる通信障害や通信遅延は避けられない現象だといえる。そのため、会話は常に譲り合いの精神をもって行うことが望ましい。

具体的には、質問や確認事項などは、一旦相手が話し終えるまでメモなどで残しておき、聞き手として相手の話を遮らないことが重要だ。他者の話している途中で質問を投げかけたり、反駁などを行ってしまうと、円滑なコミュニケーションとはならない。

例えば、相手が話し終えてからひと呼吸置いて会話を切り出す、ある程度の沈黙は容認するなど、ノンバーバルコミュニケーション独自の工夫が求められる。あるいは、お互いの会話の末尾に「以上です」などと付け加えるというルールを設けることも有効だ。

3. チャット機能を活用しよう
リモートワークにおいては、テレカンファレンスなどでのノンバーバルコミュニケーションを用いる重要性と同時に、純粋な言語情報となる文字のみでのコミュニケーションも数多く発生することが予想される。

もちろん、顔が見えたり声が聞こえるテレビ会議などでの視覚情報、聴覚情報、そして身体感覚などを活用したコミュニケーションを図ることは重要だが、言語情報でのやり取りは、ビジネスコミュニケーションの基礎となることも確かだ。

オンライン会議においては、チャット形式でのコミュニケーションを積極的に導入しつつ、採用するソフトウェアに「いいね」機能や簡易的な絵文字などが搭載されていれば、これを活用することも円滑なコミュニケーションを促すひとつの手段となる。

4. 「雑談」の力を引き出そう
ビジネスコミュニケーションにおける基本は無論「ホウ・レン・ソウ(報連相)」、つまり報告・連絡・相談である。しかし、リモートワーク環境などの隔地間コミュニケーションにおいては、雑談と相談を交えながらコミュニケーションを図る「ザッソウ(雑相)」を行うことが、組織力の維持向上や働く個人のエンゲージメント向上につながる可能性が高い。

例えば、同じ事業場内でさり気なく行われていた雑談やちょっとした小休憩での会話などが、リモート環境では大きく減少しやすい状況になるため、雑談と相談を交えながらコミュニケーションを図り、ここでノンバーバルコミュニケーションを意識しながら社内外との意思疎通を行うことで、より効率的な業務活動と円滑なコミュニケーションの実現が期待できる。

まとめ

・いま、長引くコロナ禍の影響で、企業の働き方は根本的に変わろうとしている。リモートワークが推進され、ミーティングや社外の打ち合わせもオンライン化する中で、確かにテレコミュニケーションは人同士の接触を減らし、コロナ禍の収束に資するものだ。しかし対面での会議や商談などと比べ、場の雰囲気や空気などが読みづらいという声もあがっている。これがノンバーバルコミュニケーションが注目される背景である。

・ノンバーバルコミュニケーション研究の第一人者であるバードウィッセルが提唱するとおり「二者間のコミュニケーションでは言葉で伝えられる内容は全体の35%にすぎず、65%はノンバーバルコミュニケーションによる」ものだ。そのため、隔地間のコミュニケーションが増えている今だからこそ、「言葉を用いない(=nonverbal)」身振りやジェスチャー、表情や息づかいなどのノンバーバルコミュニケーションが重要となってくる。

・コミュニケーション研修ではほぼ必須となっているメラビアンの法則は、人が他者に与える影響は視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%だという研究結果に基づいている、これは、言葉そのもの以上にノンバーバルコミュニケーションが他者への影響力を行使することを物語っている。つまり、隔地間のコミュニケーションにおいても「ヒトの五感」を用いた意思疎通がコミュニケーション成功のカギを握るのだ。

・ノンバーバルコミュニケーションでは、3つのポイントがある。1つ目は、視覚情報、つまり目から入ってくる情報であり、顔の表情や口角の位置、両目の動きやまばたき、あるいは自身の服装や髪型なども含まれる。2つ目は、聴覚情報、つまり耳から入る情報であり、自身が発する声の大きさやトーン、声の高低差、言葉のテンポやリズム、スピード、あるいは声色や話し方などだ。最後に、身体感覚であり、うなずきや所作、呼吸の速さや深さ、握手の強さから、ジェスチャーやハンドサインなどに至るものを指している。

・隔地間コミュニケーションでは、オフラインの対面時に比べて相手の息づかいや反応が掴みづらいのと同じく、自分のそれも伝わりにくい。そのため、リモートワークでテレビ会議などを行うときは少しオーバーに身振り手振り行ってみるなど、視覚情報を意識するとよい。また、通信環境による話のすれ違いを防ぐため、相手の話は最後まで聞いてから自身の話を切り出すなど、聴覚情報にも気を配りたい。

・時として、ノンバーバルコミュニケーションと、言語情報と組み合わせることもコミュニケーションを円滑なものにする。例えば、チャットツールなどを利用して文字情報を加えること、ビジネスでの基本となる報連相を押さえたうえで、雑談を交えた相談である雑相を交えること、なども円滑な隔地間コミュニケーションに資するものである。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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