既存の大手企業に依存しない独自のシナリオを構築 少数でサービス価値を高め伝えていくマーケティング

活用事例:キリンビバレッジ株式会社
利用したソリューション:HRプロ(アンケート調査)、経営プロ(アンケート調査)

キリンビバレッジ株式会社が新たに始めた、オフィスにスムージーと健康セミナーを届ける法人向け福利厚生サービス『KIRIN naturals(キリン ナチュラルズ)』。テストマーケティング時は、既存の大手企業を中心に営業をしていたが、思うような成果を出すことはできなかった。そこで、既存のチャネルには依存しない、ゼロベースで新たなマーケティングシナリオを構築した。新規事業として限られたリソースの中、どのように成果を上げていったのか、マーケティング担当である善田氏に伺った。

ビジネス上の問題点
・テストマーケティングを開始した最初の3ヶ月は大手企業を中心にアプローチしていたが、大手企業ならではの壁の高さを実感
・社員食堂や売店がある中でサービスの必要性がなかったり、決裁までに時間がかかったりと、芳しい成果を得ることができなかった
ソリューションの活用方法
・最初はターゲットの見直しなどの検証のために、HRプロを活用
・ビジネスモデルの変更を終えて規模拡大の際に、再びHRプロに掲載。経営プロも掲載
・一定の契約を獲得するために、大量のリードが獲得できるアンケート調査に注力
結果
・アンケート調査で獲得したリードを含む休眠リードから、1回のセミナーで20名集客し、その後4件商談化
・現在は、アンケート調査で大量のリードを獲得後、健康経営のセミナーに誘導し、そこから商談化へ進めていくシナリオを構築

右から
善田 英樹氏
キリンビバレッジ株式会社 マーケティング部 ブランド担当 主任
聞き手:鈴木 隼平
ProFuture株式会社 マーケティングソリューション部

 

“食”にまつわる健康習慣の改善に貢献したい!

――『KIRIN naturals』のサービス内容や強みなどについて教えてください。

善田:『KIRIN naturals』はオフィスにスムージーと健康セミナーをお届けする法人向け福利厚生サービスです。2017年の10月より首都圏でテストマーケティングを開始し、2019年1月に正式にリリースしました。

食品メーカーとして、1人でも多くの方の健康的な食習慣の実現に貢献したいという思いのもと、人々の食シーンを検証した結果、朝食の欠食率が高いことが分かりました。特に20~40代の欠食率が高く、昼食・夕食を含めて炭水化物が中心になりがちな食生活でした。

一方で、20~40代が働く企業に目を向けると、労働力人口の減少を背景に、従業員の雇用確保や生産性の向上、採用力の強化に向け、従業員がいきいきと働けるような職場環境づくりや健康に関わる支援など、働き方改革や健康経営に積極的に取り組む企業が増えていました。

そのような方々や企業に対して、KIRIN naturalsを通じて、働く人の「食」を豊かにし、いきいきと健康的に働ける職場づくりをお手伝いしていきたい、そのような思いから始まったサービスです。現在、90社ほどの企業様に導入いただいています。

――どのような企業様からのお問い合わせが多いですか?

善田: お問合せいただくケースは大きく3つあります。

1つ目は健康経営優良法人の認定を目指している企業様ですが、こちらのケースは2020年の認定に向けて、非常に多くのお問合せを頂いています。
2つ目に従業員満足度を向上させたい企業様、3つ目に採用力を強化するためにユニークな福利厚生を充実させたい企業様です。

今は採用難の時代になってきているため、社内の従業員に対し満足度を高めていきたいということと、それを社外に発信することでより優秀な人材を採用していきたいという企業様の意図があります。

社内に向けては離職率防止、社外に向けて採用力強化が期待できることが大きな特徴です。

 

大手企業の高い壁をきっかけに認識したマーケティングの重要性

――2019年1月に正式リリースされましたが、リリース以前はマーケティングや営業活動はどのように取り組まれていたのでしょうか? 

善田:テストマーケティングを開始した最初の3ヶ月は、大手企業を中心にアプローチしていました。健康経営は大手企業が中心に取り組んでいること、その大手企業へ自動販売機の法人営業部がもともと出入りしていたこと、その2つがマッチすると思いました。

ただ実際にアプローチをすると、大手企業ならではの壁の高さを感じざるを得ませんでした。社員食堂や売店がある中でサービスの必要性がなかったり、決裁までに時間がかかったりと、芳しい成果を得ることができませんでした。

そこから、ターゲットとする事業規模を変えて中小企業にDMを送ったり、WEBサイトにコラムを掲載したり方向性を変えた結果、ようやく成果が出始めました。大手企業と中小企業では成約率や成約までの期間が大きく異なるため、ゼロベースで新たにスキームを構築したことが結果的にターニングポイントになりましたね。

――同じ法人向けの自動販売機とマーケティングや営業手法はどのように異なるのでしょうか?

善田:法人向けの自動販売機は飽和状態で各社の差別化が難しく、取引先企業様との信頼関係を構築していくことが重要なポイントとなります。

一方で、『KIRIN naturals』は新しい市場に向けたサービスなので、その市場を創造していく必要があります。そのため、ニーズを有する企業とどのように接点を持つか、企業の潜在ニーズをいかに顕在化させていくかが重要となります。

また、新規事業の位置付けのため、これらのことを少人数で効率よく行うことも1つ大きなチャレンジでした。

――既存のチャネルとはまったく異なるスキームを構築されたんですね。その中でHRプロの活用はいつからですか?

善田:2017年の秋ごろです。最初はターゲットの見直しなどの検証のために、HRプロを活用させていただきました。
その後、掲載を一旦終了し2カ月かけてビジネスモデルの変更を行いました。ビジネスモデルの変更を終えて規模拡大の際に、再びHRプロを活用させていただきました。

HRプロは検証に協力いただいたのもありましたが、大きな会員組織を持っているうえに「日本HRチャレンジ大賞」などのアワードも企画しており、格が高い印象があったので再度活用しました。

――掲載を再開されてからはアンケート調査に注力されていますが、その理由は何ですか?

善田:ある一定の契約を獲得するためには大量のリードが必要でしたが、そのためにはアンケート調査が良いと考えました。ただ、アンケート調査を実施して、大量に獲得したリードはいわゆる“ライトリード”で育成(ナーチャリング)がかなり必要だと感じました。

企業の人事総務部向けに健康経営に関するセミナーを始めたら、アンケート調査で獲得したリードを含め休眠リードからお問合せをいただけるようになりました。1回のセミナーで20名集客し、その後4件商談化しました。現在はセミナーの回数をどんどん増やさないといけない状態です。

また、アンケート調査の結果をレポートにまとめて、セミナー資料に活用したり、ホワイトペーパーにして再度配信したり、さらに接点を増やしてナーチャリングにも活用しています。

現在は、アンケート調査で大量のリードを獲得してから、健康経営のセミナーに誘導し、そこから商談化へ進めていくシナリオになっています。また、大量に獲得したリードはすぐに商談へつながりにくく、また、実務は2名で行っているので、電話でアプローチをしても疲弊して時間だけが過ぎてしまいます。そういった意味でも最適なシナリオですね。

――少ない人数で獲得したリードを効率よく活用する仕組みを構築されていますね。「経営プロ」も活用いただいていますが、メインターゲットである中小企業とのマッチングはいかがでしょうか?

善田:経営者の方が非常に多く、「経営プロ」もマッチしている印象です。例えば、マーケティング担当の方がホワイトペーパーをダウンロードいただいても、なかなか商談にはつながりにくいのですが、「経営プロ」は経営者やそれに準ずる方がダウンロードしてくださるので助かります。

大手企業、中小企業、どちらにしても思わぬところから問い合わせが飛び込んで来ることがあるので、守備範囲は広くしておきたいですね。

近年は、BtoBにおいてもテレビCMを流して認知を高める企業が増えているように、企業様とどれだけの接点を持って、どれだけわかりやすく価値を届けられるかが重要だと感じます。

認知をより多く取って信頼性を上げていくに尽きると思います。
コンバージョンのCPL(Cost Per Lead、1件のリード獲得にかかった費用)だけを重視する風潮ではなくなってきているのではないでしょうか。

 

サービスの価値を高めていく中で、商品のあり方や価値も届けていきたい

――今後、取り組んでいきたいことを教えていただけますか?

善田:サービスとしての価値をもっともっと高めていきたいです。企業の課題をもっと解決したり、従業員満足度を向上したり、従業員の健康実感が高まるような工夫をしたりしていくことが必要だと思っています。それは、商品が変わるだけではなく、健康セミナーのバリエーションを増やすなど、サービス全体として価値を高めていきたいと思っています。

例えば、現金ではなく電子マネーで決済できるような仕組みを構築したのですが、なんと利用率が2倍になりました。企業担当者の業務削減のためにつくったキャッシュレスのスキームでしたが、利便性がここまで向上するとは驚きでした。こうした改良をもっと続けていきたいです。

―今後も非常に楽しみですね。サービスの価値をさらに高めていくためにも、ぜひアンケート調査を活用していただきたいです。

善田:そうですね。健康経営に関するテーマだけではなく、今後は色々なテーマについてアンケートを取っていきたいと思います。

 

キリンビバレッジ株式会社
マーケティング部 ブランド担当 主任

善田 英樹(ぜんだ ひでき)

Solution / ProFuture のソリューション

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