2021.6.15

オンライン採用を成功させるポイントとは?ミスマッチを防ぐためのポイント

読了まで約 7

■コロナ禍で増加するオンライン採用

■自社とマッチする人材のみを採用する「厳選採用」とは

■オンライン面接を実施して良かった点と悪かった点

■オンライン採用のメリットとデメリット

■オンライン面接のステップ

■オンライン採用でミスマッチを防ぐポイント

コロナ禍で加速するオンライン採用

新型コロナウイルスの世界的な大流行は、企業の採用活動にも大きな影響を及ぼし、それに伴いオンライン採用を導入する企業が増えている。
HR総研と楽天みん就が5月に発表した「【HR総研×楽天みん就】2022年卒学生の就職活動動向調査」の結果によると、22年卒学生のインターンシップの参加社数について、参加型別式に見てみたところ、「対面型」のインターンシップに1社も参加していない学生は42%と4割を超えた一方で、「オンライン型」では8%と1割を下回っていることから、インターンシップに参加する学生の9割以上が、オンライン型のインターンシップに参加していることがわかった。(ProFuture株式会社/HR総研

▼参加型式別 インターンシップへの参加社数

表:参加型式別インターンシップへの参加社数

この結果からも、 コロナ禍におけるインターンシップは、オンライン型が主流となっている傾向が顕著に表れている。
しかし、新型コロナウイルス終息の目途が立たない中で、より感染防止への対策を求められ、インターンシップだけでなく、最終面接までのすべての過程をオンライン上で行う企業も増加していると考えられる。
一方、オンライン採用が進んでいく中で、採用担当者にとっての悩みも生まれている。HR総研が4月に発表した「【HR総研】2021年&2022年新卒採用動向調査」の「2021年新卒採用で苦労した点」という設問の結果によると、最多となったのが「ターゲット層の応募者を集める」で38%、次いで「採用スケジュールの遅延対策」が33%、「オンライン面接の実施」が30%などとなっており、 コロナ禍によって、合同セミナーや企業説明会の実施方法などの変更を余儀なくされたことによって、採用活動にも大きな影響を与えていたことが伺える。(ProFuture株式会社/HR総研

▼2021年新卒採用で苦労した点

表:2021年新卒採用で苦労した点

しかし、22年卒では、企業側にとってはコロナ禍における2回目の採用活動だ。昨年試行錯誤して得られた知見や経験を活かし、昨年ほどの混乱もなく、効果的に実施できているのではないだろうか。学生にとってもオンラインのセミナーや説明会が昨年よりも浸透し、オンラインで参加する傾向が強くなっている。

関連記事:コロナ禍でのオンライン採用2年目になる22卒はどうする?昨年のオンライン採用の課題と対策

また、採用市場動向もコロナ対策に伴い大きく変化している。
採用の縮小や採用凍結などが外資を中心に広がり、売り手市場から買い手市場になったのはもちろん、応募者をとことん見極めて本当に自社とマッチする人材のみを採用する「厳選採用」も現れてきた。
経済や事業などの先の見通しが立たないことが原因で、多くの企業では採用に関する予算が削減され、限られた予算や枠の中で、より自社にマッチした優秀な人材を採用したいという企業のニーズが高まっているのだ。
この厳選採用の傾向は新型コロナウイルスが収束し、社会が安定するまで継続するだろう。
そこで本稿では、ミスマッチを防ぎ、自社に必要な人材を獲得するためのオンライン採用について解説する。

関連記事:コロナの影響でオンライン採用がますます加速。企業の採用広報が気を付けるべきポイント

オンライン採用のメリットデメリット

2020 年6月のHR総研調査での「オンライン面接を実施して良かった点と悪かった点」についての回答からは、企業側が考えるオンライン採用のメリットデメリットが見えてくる。(ProFuture株式会社/HR総研

<オンライン面接を実施して良かった点(一部抜粋)>
・新型コロナリスクの心配が少ないこと(従業員規模:301~1000名/業種:メーカー)
・業務効率化につながった(従業員規模:1001名以上/業種:メーカー)
・コスト削減(従業員規模:1001名以上/業種:サービス)
・日程調整がしやすい、遠方の学生も昨年より多く集まった(従業員規模:300名以下/業種:金融)

<オンライン面接を実施して悪かった点(一部抜粋)>
・本音がつかみづらい(従業員規模:1001名以上/業種:サービス)
・所作や雰囲気、熱意を確認しづらい。緊張感がない(従業員規模:301~1000名/業種:金融)
・実際の働く環境を見せづらい(従業員規模:300名以下/業種:情報・通信)
・若干のタイムラグがあること、お互い表情が見えにくいこと(従業員規模:300名以下/業種:メーカー)

この結果から考えられるオンライン採用のメリットデメリットについて整理していこう。

<オンライン採用のメリット>
1. 時間やコストの負担を削減できる
オフラインで面接や説明会を実施する際は、会場準備や移動にかかる時間や交通費、場合によっては宿泊費などが必要になってくるが、オンラインでの面接ではそれらが必要でなくなるため、時間や費用などの負担を大幅に削減することが可能となる。
2. 採用の間口を広げられる
時間や場所に縛られることのないオンライン面接は、面接地から遠く離れた場所に住む求職者だけでなく、海外在住の求職者ともコンタクトを取ることが可能となる。
採用の間口を広げて多くの求職者と接点を持つことは、オフラインでは出会うことのできなかったような人材と出会える可能性が高まる。
3. 日程調整などの負担軽減や採用スピードの向上が期待できる
オンラインによる採用活動の場合、求職者は会場までの移動時間を考慮する必要がなくなるため、スケジュールが立てやすく、日程調整がしやすくなる。
また、面接会場を確保する必要がないことから、日程の変更が生じた際にも柔軟な対応ができるだろう。
面接がスムーズに行われることで、スピーディーな採用活動の実施が期待できる。

<オンライン採用のデメリット>
1. 求職者の人柄が掴みにくい
オンラインでの面接の場合画面越しで行われるため、細かな表情や雰囲気、熱意などの非言語情報はオフラインでの面接に比べると圧倒的に伝わりにくい。
2. 企業の雰囲気を伝えにくい
オンラインでの採用活動の場合、オフィス環境や社員の様子を実際に見てもらったり、企業の雰囲気を肌で感じてもらうことが困難である。
3. ミスマッチが発生する可能性がある
オンラインのみでのやりとりとなるため、企業側も自社のことを伝える手段が少なく、また求職者側もオフィスを訪れる機会や面接官以外と接触する機会がないため、企業の雰囲気や業務のイメージを掴みにくい。
企業と求職者が互いのことを深く理解できていない状態で入社してしまうことで、ミスマッチが生じるリスクが高くなる。

オンライン採用のやり方とミスマッチを防ぐポイント

実際にオンライン採用を導入するにあたっては、いくつかのステップに分けて設計すると良い。典型的なものを以下の通り紹介する。
STEP0の説明会だが、HR総研の調査ではオンラインでの参加が22年卒ではより浸透していることが明らかになっている。21年卒の同時期におけるオンライン説明会への参加率が8割程度であったのに比べ、22年卒では、9割に達しているのだ。(ProFuture株式会社/HR総研

<オンライン面接のステップ>
[STEP0]説明会をオンラインで行った場合は、録画した映像を求職者へ送る。
[STEP1]オンライン面接で使用するツールを考え、用意する。
[STEP2]場所の確保、回線環境の確認、トラブルへの対応策を決める。
[STEP3]オンライン面接の案内を求職者へ送付する。(使用するツールや回線環境の確認などについても明記する。)
[STEP4]事前に履歴書や職務経歴書を送ってもらい、質問内容を考えておく。
[STEP5]実際にオンライン面接を行う。

また、実施にあたっては事前にオンライン採用の特性を知り、流れ(フロー)を確立してPDCAを回すなど、ミスマッチを防ぐためのポイントを抑えておく必要がある。

<オンライン採用でミスマッチを防ぐポイント>
1. オンライン採用プロセスを確立し、PDCAを回す
オンライン採用では、企業側が求職者側へ情報を伝える方法や量がオフライン採用とは異なってくるため、オンライン採用に適した選考の流れを設計し直す必要がある。
オンライン採用活動の精度を向上させ、ミスマッチ採用を防ぐためにも、「オンライン面接を行って終了する」のではなく、実施(DO)後に振り返って評価をし(CHECK)、改善(ACTION)点を見つけ出すことで、次回の計画(PLAN)へと活かしていくというPDCAサイクルを回していくことが重要だ。
2. 使用するツールの選択と回線環境の確認、トラブル対策の準備を早めに行う
コロナ禍の影響でテレワークが浸透している中で、無料で使用できるweb会議ツールも増えているため、自社ですでに使用しているツールはもちろん、どのツールが面接を行ううえで最適であるのかを企業側と求職者側、双方の立場から考え、選択する必要がある。
また、オンライン面接で起こりうるトラブルとして回線のダウンや速度低下などがあげられるが、回線が不安定な状況で面接を行うことは、コミュニケーションに支障をきたし、互いを理解するための貴重な機会を損失してしまう事態になりかねない。
企業側の回線チェックはもちろんのこと、求職者側にも事前に回線環境をヒアリングし、場合によっては個別の事情に合わせた配慮を行うことも必要となるだろう。
3. 面接を行う場所を考える
オンラインでの面接とはいえ、面接する場所を吟味する必要がある。
まわりの環境音を遮断して面接に集中できる会議室のような場所で行うのか、社内の雰囲気をそのまま伝えるために、あえて社員が実際に働いているオフィスで行うのか、などだ。
ただ、オフィスで実施する場合は業務や面接の妨げにならない程度の音量で行うことに注意する必要がある。
オフィスで面接は難しいが、ミスマッチを防ぐためにも企業への理解を深めてもらいたい、という場合には会議室のような静かな場所で面接を行ってから、企業の雰囲気を見てもらうために求職者との通信を繋いだまま、面接官がオフィスに移動して実際に働いている社員の姿を見てもらうことなども良いだろう。
4. 求職者の履歴書などをしっかり読み込む
オンライン面接は、オフラインに比べて求職者の細かな表情や雰囲気といった非言語情報をつかむことが困難である。
そのため、求職者の人柄や自社にマッチした人物であるかを判断するための材料として、会話や質疑応答などによる言語情報が、より一層重要となってくる。
オンライン面接で求職者についてより深く理解するために、事前に履歴書や職務経歴書などを読み込み、質問内容や面接の際に注意して確認しておきたい点などをあらかじめ決めておく必要があるだろう。
5. 会社の雰囲気に合わせて服装や接し方を考える
オンライン上で行われる面接であっても、オフライン同様に採用を決める重要な面接であることには変わりはないため、求職者に対して失礼のない、面接に適した服装や髪型、マナーや態度で面接に臨むことが必要だ。
しかし、堅苦しくない、若々しい、などといった企業のカラーを出して求職者に理解してもらいたい、といった場合には、明るい色のシャツを着用する、ラフすぎないオフィスカジュアルな服を着用するなど自社の雰囲気に合った服装で臨むことも良いだろう。

収束の目途が立たないコロナ禍で、感染拡大防止の観点からもオンラインによる採用活動は今後ますます浸透していくだろう。
限られた採用予算や採用枠の中で、ミスマッチ採用を防ぎ、自社に合った人材に入社してもらうためには、オンラインでの面接であっても、企業側と求職者側が互いを理解できるような採用フローを確立していくことが必要不可欠であるだろう。

まとめ

・新型コロナウイルスの感染防止対策としてオンライン採用を導入する企業が増えている。 コロナ禍以前にもオンラインで面接を行うメリットに注目して導入している企業は存在していたが、最終面接までのすべての過程をオンラインで行うケースは稀であった。しかし、 コロナ禍の現在、6割以上の企業がオンラインのみでの面接を行うということが調査によって明らかとなった。

・コロナ禍によって先の見通しが立たないことにより、採用市場動向にも大きな変化が見られた。採用の縮小や採用凍結などが広がったことで、売り手市場から買い手市場となり、限られた予算や枠の中で、応募者をとことん見極めて本当に自社とマッチする人材のみを採用する「厳選採用」を行う企業も現れてきた。

・企業がオンライン面接を実施して良かった点としてあげているのは、「新型コロナリスクの回避」、」「業務の効率化」、「コスト削減」などで、一方、オンライン面接を実施して悪かった点としてあげているのは「本音がつかみづらい」、「所作や雰囲気、熱意を確認しづらい」、「実際の働く環境を見せづらい」などであった。

・今回参考にした調査結果から考えられるオンライン採用のメリットは次のとおりだ。1.時間やコストの負担を削減できる、2.採用の間口を広げられる、3.日程調整などの負担軽減や採用スピードの向上が期待できる。また、デメリットは次のとおりだ。1.求職者の人柄が掴みにくい、2.企業の雰囲気を伝えにくい、3.ミスマッチが発生する可能性がある。

・実際にオンライン採用を導入するにあたっては、いくつかのステップに分けて設計すると良い。典型的なものとして、事前準備から実際にオンラインで面接を行うまでの過程として[STEP0]から[STEP5]までの6つのステップがあげられる。

・実施にあたっては事前にオンライン採用の特性を知り、ミスマッチを防ぐためのポイントを抑えておく必要がある。それは次のとおりだ。1.オンライン採用プロセスを確立し、PDCAを回す、2.使用するツールの選択と回線環境の確認、トラブル対策の準備を早めに行う、3.面接を行う場所を考える、4.求職者の履歴書などをしっかり読み込む、5.会社の雰囲気に合わせて服装や接し方を考える。オンライン面接でのミスマッチ採用を防ぐためには、オンライン上のやりとりであっても、企業側と求職者側が互いを理解できるような採用フローを確立していくことが必要不可欠だろう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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