企業の幅広い課題に対応できる
多彩な人材育成・組織開発サービスを提供
――まずは事業内容と担当するサービスについて紹介してください。
古澤 マンパワーグループは、人材派遣や人材紹介をはじめ、組織を成功に導く「人材」の採用、評価、育成、管理に関わる総合人材サービスを提供しています。その中で私自身は、ライトマネジメント事業部が提供する人材育成・組織開発サービスと再就職支援サービスのBtoBデジタルマーケティングを担当。人材育成・組織開発サービスの特徴としては、キャリア開発、階層別教育、課題別研修など、企業様が置かれたさまざまな状況に柔軟に対応できる豊富なラインナップを揃えており、最近はeラーニングも充実させています。
――サービスの強みや独自性はどのような点ですか?
古澤 人材育成・組織開発事業と再就職支援事業という2つの部門が協働しているのが、大きな特徴の一つです。マンパワーグループは1994年に再就職支援事業を開始して以来、8万人以上の主にミドルシニアの方々のキャリア形成を支援してきました。長年勤めてきた職場からの転職や、キャリアの転機に直面した際、特にミドルシニア層では新たな選択肢を見つけることが容易ではない場合もあります。そのような背景から私たちは早い段階からキャリア自律を推進してきたという経緯があり、そうした再就職支援事業の経験やノウハウを活かした研修内容にこそ強みがあると考えています。
――人材育成のマーケットは現在どのような状況ですか?
古澤 加速する人材不足を背景に、既存社員のスキルアップや離職防止に注力する企業をはじめ、国が強力に推進する人的資本経営に取り組む企業や、雇用形態の変化に合わせて社員のキャリア自律を促したい企業などが増えてきました。こうしたことから、昨今では多くのマーケットが労働人口の減少でシュリンクしている中、人材育成マーケットは拡大基調にあります。そういう意味では非常にユニークなマーケットとも言えますが、同様のサービスも続々と台頭してきているため、競争は年々激化しているのが実情です。
――さまざまな課題に対応されていると思いますが、あえてターゲットを挙げるとすると、どのような企業への導入を考えていますか?
古澤 現在当社が力を入れているキャリアデザイン研修で言いますと、人的資本経営や社員の活躍支援への関心の高まりを背景に多くの企業で導入が進んでいます。一方で、「何から始めればよいかわからない」「自社にあうキャリア支援施策がわからない」といったお困りのケースも見られます。当社はそうした企業様に対して、研修の前段から課題を丁寧にヒアリング・分析した上で、各企業様にカスタマイズした提案をしたり、人事制度の設計や見直しも支援したりするなど、トータルソリューションとして提供していきたいと考えています。
新規顧客開拓を担う
マーケティング活動の重要性
――競争が激化している中、どのようなマーケティング戦略を立てていますか?
古澤 人材育成・組織開発サービス事業部専任のマーケティング組織を発足して4年しか経っていませんので、まずは研修事業や再就職支援事業を提供していることを1人でも多くの方々に知ってもらうことが大事だと考えています。
――御社の中でマーケティングの位置づけや重要性はどのように捉えていますか?
古澤 ライトマネジメント事業部では、The Model式(リード獲得をマーケティング、リード育成をインサイドセールス、契約をフィールドセールスとそれぞれ分業して、効率的に新規顧客を獲得する手法)を採用し、その中で私たちマーケティング部門は上流部分のリードジェネレーションおよびリードナーチャリングをミッションに活動しています。また重要性というところでは、研修はリピート案件が多いとはいえ、新規顧客開拓におけるマーケティング活動も非常に重要です。上流で十分なパイを取らないと、下流が尻つぼみになってしまい、商談数や売り上げにも大きな影響を及ぼすと考えています。
――マーケティング部門の体制と具体的な活動内容について教えてください。
古澤 ライトマネジメント事業部の専任マーケティング担当は私を含め2名体制で、戦略立案、KPI・目標値の設定、予算管理、施策プランニングから実行まで、すべてを担っている状況です。また所属はマーケティング本部ですが、日々の活動はライトマネジメント事業部とより密に連携を図っています。主な活動内容としては、ライトマネジメント専用ウェブサイトや人事向けブログ「HRカフェ」、ハウスリスト向けメルマガ、リスティング広告、人事系メディアの広告などを通じて、新規リードを獲得するためのチャネルを開拓。それと同時に、お役立ち資料、人事向け無料オンラインセミナー、導入事例、商品パンフレットなど、リード情報を入手するための仕掛けづくりにも取り組んでいます。
――日々の活動の中で特に注力されていることや大事にしていることは何ですか?
古澤 やはり新規リードの獲得に重点を置いています。また「ファンができる」「印象を残しやすい」「コンサルタントによる信頼感」という意味では、セミナーへの集客も大事です。 さらにニーズ顕在層を選別するために、問い合わせやパンフレットDLの獲得にも力を入れています。
――マーケティング領域において現在どのような課題がありますか?
古澤 人材育成・組織開発サービスはリードタイムが長く、3年超え、5年超えも珍しくはありません。そのためROI観点での施策の評価が非常に難しいものです。そうした事情から、ROIはあくまで参考値とし、その施策によって新規のリードがどれだけ獲得できたか、ターゲットとどれだけ接触できたか、といった観点での評価を行っています。そしてもう一つの悩みは、マーケティング予算の一部が事業部の業績によって変動するため、年間計画が立てづらい点です。よって私たちには常に臨機応変さや柔軟性が求められています。そういう意味で言うと、御社は私たちの不透明で曖昧な状況をきちんと汲み取って、適切でスピーディーな提案をしてくれるので、本当に助かっています。
HRプロは常に私たち目線で
柔軟な広告プランを展開してくれる
――ここからはHRプロおよびProFutureについてお聞きします。まずは活用目的や活用状況を教えてください。
古澤 HRプロは、ターゲットである人事担当者や経営層の方々に当社やサービスを知ってもらう場所として、また新規リード獲得の場所として活用しています。主な活用内容として、基本掲載プランでは自社開催のセミナーやお役立ち資料などを無制限に掲載できるものを選んでいます。その他にも、メルマガ広告やアンケート調査、今年の春には初めてATDジャパンサミットにも参画しました。さらに今年の9月は新たにHRサミットにも参画予定です。
――HRプロの活用を通じて、どのような成果や手応えがありましたか?
古澤 やはり新規リードを獲得できるという点が大きく、2024年の実績では17%がHRプロ経由で、これはトップ3に入ります。我々のターゲットである経営層や人事担当者と効率的に出会うことができるので重宝しています。
――競合サービスと比較して、どのようなところにHRプロの強みやメリットを感じますか? また弊社からの提案内容やスタッフに対する印象も教えてください。
古澤 先述のとおり、私たちの活動がなかなか予測しにくい中で、とても柔軟かつスピーディーに提案してくれるところが御社サービスの強みだと感じます。当社の予算に合わせた最適なプランの提示や、顧客アンケートなどを通じて私たちの声にきちんと耳を傾けてくれる点も、信頼感に繋がっていると思います。さらに媒体としてのHRプロには、遊び心があり、新しいサービス企画が多いところも魅力に感じています。
――弊社に対してご意見やご要望はありますか?
古澤 人事担当者の方々にとって魅力的なメディアであり続けるために、今後も引き続き時代に合ったコンテンツやサービスの提供を期待しています。
――最後に、マーケティング活動における今後の展望を教えてください。
古澤 HRプロ関連では、アンケート調査が人事ニーズを定量的に測れるツールだと感じています。今後も有効活用しながら、ターゲットのニーズや課題をしっかり把握していきたいです。またHRサミットにも大きな期待を寄せています。取得リードの任意選択もできるサービスにメリットを感じ、今年初めて参画予定です。ぜひ上手に活用して、新規リードをより効率的に獲得できればと思っています。
聞き手:ProFuture株式会社 マーケティングソリューション部 営業グループ マネージャー 並木伸一(左)