こんにちは、JADE伊東です。10月の定点観測「検索順位変動まとめ」をお届けします。
9月は、検索順位計測ツールの世界にとっては大変な出来事(100件表示パラメータの無効化)があり、実態の変動とは別の大きな変動のある月でした。
ツール各社はそれぞれ対応方針をかかげ、いったんは通常運転に戻っております。
では見ていきましょう。
グラフの見方:
横軸は日付を示しています。縦軸は変動率(Fluctuation Score:前週に対しての計測クエリ全体の順位変化率)、またはビジビリティスコア(Visibility Score:順位に対してスコア付けをして、サイト単位での検索エンジンにおける”見つけられやすさ”を点数化したもの)を示しています。
前月の記事:2025年9月の検索順位変動まとめ【JADE代表 伊東氏の最新SEOレポート】
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目次
全体傾向
グラフの中で、色付きの帯表示の期間がGoogleによるアップデート期間を示しています。
直近の大きな変動は、先月ご報告した、例のGoogle検索100件表示パラメータ無効化の影響です。弊社使用ツールにおいては早々に仕様変更対応を実施していただき、徐々にモニタリングが安定してきております。直近の波は穏やかですね
業界別
「旅行」「医療」「グルメ」など業界別での順位変動モニタリングです。
業界別も傾向は同様です。
ソーシャルプラットフォーム動向
コンテンツマーケティングにおけるチャネル多様化の観点から、有望なチャネル、プラットフォームのGoogle検索での露出状況をご報告しております。パラメータ無効化の影響を受けて、分かりづらくなってはおりますが、YouTube(赤)が優勢なのは変わっておりません。
が、PC向けGoogleとスマホ向けGoogleでの直近トレンドのグラフの動きに違いが見られますね。
以前からスマホ版Googleは検索結果1ページ目露出が多め、PC版は2ページ目以降も幅広く露出といった傾向の違いの影響でしょうか。
AIOと強調スニペット比較
こちらも継続的にご紹介しているAIOと強調スニペット(編注:検索結果画面の上部などに表示される、端的な概要文とリンク)の露出比較です。
AIOと強調スニペットは元々検索結果1ページ目に表示されるものですので、パラメータ無効化の変更の影響は受けづらいフィーチャーです。
強調スニペットが見られる機会が本当に減ってきた印象ですね。
ちなみに、AIOと強調スニペットが同一クエリで共存すると、こんな感じで矛盾することも(先週のJADEニュースレターMeetupネタより拝借)
AIOでは、渋谷区のOKストラで電子マネーサービス”ハチペイ”は、「使えない」。
強調スニペットでは、「使える」。
ちなみに正解は強調スニペットのほう。
▼利用可能店舗 | ハチペイ 渋谷区キャッシュレス決済アプリ
https://www.hachi-pay.tokyo/shop/?parent=7&middle=21
AIO課題多し!
トピック:ドメイン移動するサイトオーナーはどんなことを考えているか?
某輸入医薬品販売サイトの事例。移転前ドメインが、2025年6月コア・アップデートで下落した後、別のドメインにリダイレクトすることでビジビリティが大幅に上昇した事例(緑から紫に)。
ドメインに紐づくいわゆるブランド力に対するネガティブ評価を、ドメインを移すことでかわすことを意図したもの。比較的よく見る事例です。
このサイトオーナーの努力として確認できたこととして、リンクを多く受けているもう一つのドメインを仕入れて、それを新規ドメインに301をかけている点。
ただ、Ahrefs(編注:読みは「エイチレフス」。SEO分析ツール)で普通に検出されてしまうレベルの施策なので、Google botがキャッチすることはかなり容易なことでしょう。
継続トラッキングする中で、この効果がいつまで持つのか、また機会がありましたらご報告させていただきます。
関連リンク:「被リンク」とは?SEO初心者でもわかる本質と今日から始める獲得テクニック
怪談:ふたつのキーワードページ
商品数の多いモール型のECサイトの場合、なるべくターゲットになりうる検索クエリ市場に幅広くリーチするために細かくカテゴリ設計をして、一覧ページを自然検索からのランディングページにすることで、一覧ページと商品ページの複数回の行き来を通じて、各テナントページへの集客機会を最大化することを考えます。
ただ、このようなサイトにおいては、本当に検索クエリが多様(4語、5語の掛け合わせも)であることからカテゴリページだけでは対応できないこともしばしば。そこで選択されるのが、いわゆる「タグページ」や「フリーワード検索ページを利用したキーワードページ(無限スペース)」です。
これらの施策は便利ではあるものの、往々にして「正規化」(編注:重複・類似ページの統一を図ること)が見過ごされてしまいます。今回ご紹介する怪談は、そんな「正規化」に端を発したお話なのです(稲川淳二風)……。
はじまり、はじまり……
とあるECモール。それなりの商材数を抱えてにぎわっておりましたが、2つの異なるシステムの「キーワードページ」が存在するという問題を抱えておりました(これを聞いただけでも、ザワッとしますね……)。
ある日、会議で「同じ目的の、しかもフリーワードページが二種類もあるのは、コストもかかるし、対策クエリ重複も発生して非効率でたまったもんじゃない」という話になり、片方のフリーワードページを閉じることにしたのでした。
301じゃないのですよ、ただ「閉じる」。301じゃないのよ、404。
その片方のキーワードページを閉じてしばらくたつと、ご覧のように、順調にそのページ群のビジビリティは下がっていったのでした。
担当マネージャーは、狙い通りといった面持ちで、「ふう、ようやくキーワード重複していた片方のビジビリティが落ちてきたわい。残ったもういっぽうのトラフィックがきっと上がってきている事だろう。どれどれ….(と、サーチコンソールをみる)…むむ、全然上がってきていないじゃないか。どういうことだ。おい!」
調査を求められた担当者は、いろんなキーワードで検索結果を調べてみましたが、どのクエリでも残されたキーワードページのURLが上がってきていないことを不審に思いました。
いろいろと探ってみたものの、心当たりがなく行き詰まっていました。「最近はHTMLの変更云々で影響出ることもないしなー」とぼやきながらも手がかりを求めて、キーワードページのHTMLソースを開いてザーッと眺めたのでした。しばらく経った時、その担当者の席から「ギャーっ!」と悲鳴とも取れる叫び声が聞こえたのでした。
慌てたマネージャーが彼の座席に向かうと、彼は頭を抱えながらガクガク震えていたのでした。
マネージャー「お、おい、どうした」
担当者「……」
マネージャー「おい……」
すると、担当者は自分のPCモニターを指さして、マネージャーに見るように促すのでした。
促されたマネージャーは、PCモニターを覗きました。しばらくし、マネージャーのこんな叫びがオフィス内に轟いたのでした。
「canonical(編注:正規化する際に使用するHTMLタグ)が404のキーワードページに向いとるやんけーーーー!!」
……この話はすべて、ビジビリティスコアを確認した伊東による完全なる妄想です。
2つのキーワードページ間をcanonicalで重複回避する気づかいはできていたのに、惜しい話です。404ではなく、301です。
関連リンク:重複コンテンツとは?SEO対策に与える影響を徹底解説
定期ウォッチ:ユニバーサル検索動向
先月号では、画像検索の差し込み(青)の大幅減少が見られ「要観察」とお伝えしておりましたが、元の水準に戻ってきましたね(PC向けGoogle)。
今週はここまで。
次回もとにかく精魂込めて書き続けます。
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データ作成:株式会社JADE Senior Consultant 篠原誠
文責:株式会社JADE 代表取締役 伊東周晃
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