リポストは、現代のSNS活用に欠かせない機能です。他のユーザーの投稿内容を自分のアカウントで再共有することで、コンテンツの幅を広げたり、フォロワーとの関係性を深めたりできます。
しかし、その使い方や注意点について、漠然とした理解にとどまっている方も少なくないのではないでしょうか。本記事では、SNSでのリポスト機能の基本から実践的なテクニック、成功事例まで詳しく解説します。ビジネスアカウントの運営やインフルエンサー活動にリポストを活かしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
リポストの基本理解:定義と意味
リポストは現代のSNSコミュニケーションにおいて、重要な要素です。基本的な意味から正しく理解していきましょう。
リポストとは何か
リポストとは、他のユーザーが投稿したコンテンツを自分のタイムラインなどで再度共有する機能のことです。「ポスト」は、SNSなどで自分の投稿を新規に発信する行為を指します。
つまり、リポストは既存のコンテンツを再拡散する行為であり、ポストは新しいコンテンツを生み出す行為です。リポストは、良いと思ったコンテンツをフォロワーに届けたい、特定の情報について自分の意見を加えたい、といった場合に有効な手段といえるでしょう。
X(旧Twitter)でのリポスト例
リポストされた投稿は、自分のフォロワーのタイムラインに表示される際、「○○さんがリポストしました」という表示とともに、元の投稿者の名前とアイコン、投稿内容が保持された状態で表示されます。
弊社Pro FutureのXアカウント(@ProFuture_mk)でも、業界のトレンド情報や有益なコンテンツを定期的に以下のようにリポストしています。
リポストと関連用語との違い
SNSではリポストと似た用語がいくつかあります。それぞれの違いを理解しましょう。
リツイート
「リツイート」とは、Xの前身である旧Twitter(ツイッター)で使用されていた、他のユーザーの投稿を再共有する機能のことです。
2023年にイーロン・マスク氏がTwitterを買収し、社名とサービス名をXに変更したことにともない、「ツイート」が「ポスト」に名称変更され、同時に「リツイート」も「リポスト」に変更されました。
機能自体は同じで、ボタン1つで元の投稿を自分のタイムラインで再共有できます。
リグラム
「リグラム」とは、Instagram上で他のユーザーの投稿をシェアすることを指す、リポストと同義の用語です。
Instagramには長らく公式のリグラム機能がなかったため、専用のサードパーティアプリの使用が広がり、それを使用した再投稿が「リグラム」といわれていました。現在は、ストーリーズへのリグラムなど、一部のシェア機能が公式アプリにも実装されています。
シェア
「シェア」は主にFacebookで使用される用語で、他のユーザーの投稿を自分のタイムラインで再共有する機能です。
Facebookのシェア機能は、自分のコメントを加えて共有できる点に特徴があり、単なる情報の拡散だけでなく、自分の意見や見解を添えてフォロワーに伝えることが可能です。「いいね!」が単に反応を示すだけなのに対し、シェアは積極的にコンテンツを広める行為といえるでしょう。
リポストのメリット
リポスト機能の活用は、SNSを使ったコミュニケーションやマーケティングにさまざまなメリットをもたらします。
主な3つのメリットを紹介します。
コンテンツ作成のコストや時間を抑えられる
リポストの大きなメリットの1つは、新しいコンテンツをゼロから作成する手間とコストを抑えられる点です。
自社で一からコンテンツを企画・制作するには、時間も費用もかかります。しかし、良質な既存のコンテンツをリポストすることで、手軽に情報発信が可能です。
特に、SNS運用に割けるリソースが限られている企業にとって、コストや時間を削減できる点は大きなメリットといえるでしょう。
関連記事:コンテンツとは?意味や種類、具体例と良質なコンテンツとは何か
UGC(ユーザー生成コンテンツ)が活用できる
リポスト機能を使えば、ユーザーが自社製品やサービスについて投稿したUGCを効果的に活用できます。
UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)とは、一般ユーザーによって作成された口コミなどのコンテンツのことです。UGCのリポストでは、ユーザーの生の声を届けることが可能となります。企業が発信する広告的なコンテンツよりも高い信頼性を持つため、ユーザーの購買意欲の向上が期待できるでしょう。
関連記事:UGCとは?今注目されている理由と具体的な手法を徹底解説
エンゲージメント向上が期待できる
適切なリポスト戦略により、アカウントのエンゲージメントを向上させることも可能です。
質の高いコンテンツをリポストすることで、フォロワーからの反応を引き出しやすくなり、いいねやコメント、さらなる拡散につながります。また、他アカウントとの相互リポストによって、お互いのフォロワーへの露出が増えれば、新規フォロワー獲得も期待できるでしょう。
関連記事:エンゲージメントとは?マーケティングにおける意味合いを徹底解説
リポストのリスク
リポストには多くのメリットがある一方で、注意すべきリスクも存在します。リスクを正しく理解し、トラブルを回避しながらリポストを活用することが重要です。
特に注意したい2つのリスクを解説します。
著作権やマナーへの配慮が必要
他のユーザーが作成したコンテンツをリポストする際は、著作権やマナーへの配慮が不可欠です。
無断でリポストすると、著作権侵害になるだけでなく、ネット炎上につながるリスクもあります。特に企業アカウントが個人のコンテンツを商業目的でリポストする場合は、より慎重な対応が必要です。
元の作成者の権利を尊重し、事前の許可や出典の明記など、適切な方法でリポストを活用しましょう。
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多すぎるリポストはフォロワー離れにつながる
リポストは便利な機能ですが、リポストばかりをしているとオリジナリティに欠け、フォロワー離れにつながるリスクもあります。
フォロワーは、アカウント独自の価値ある情報やオリジナルコンテンツを期待してフォローしています。リポストはあくまでコンテンツ戦略の一部として位置づけ、オリジナルの投稿とのバランスを意識することが重要です。
リポストの実践方法とテクニック
それでは、各SNSプラットフォームでのリポストの具体的な方法を見ていきましょう。
X(旧Twitter)でのリポスト手順
Xでリポストする手順は、以下のとおりです。
1. リポストしたい投稿を表示する
2. 投稿下部の「リポストアイコン」(2つの矢印が回転するアイコン)をタップ
3. 表示されるメニューから「リポスト」を選択
これで元の投稿が自分のタイムラインに表示され、フォロワーにも届きます。投稿は元の投稿者名のままで、上部に「〇〇さんがリポスト」という表示が付きます。
なお、自分のコメントを追加したい場合は「引用ポスト」を選択しましょう。
1. リポストアイコンをタップ
2. 「引用ポストとしてリポスト」を選択
3. 自分のコメントを追加して投稿
引用ポストでは投稿者が自分になり、元の投稿は引用の形で埋め込まれます。
Instagramでのリポスト手順とアプリの活用
Instagramには公式のリポスト機能が限定的であるため、主にストーリーでの再シェア機能やサードパーティアプリを活用してリポストを行います。
公式アプリでストーリーズをリポストする方法は、以下のとおりです。
1. リポストしたい投稿を開く
2. 投稿右上の「紙飛行機アイコン」をタップ
3. 「ストーリーズに追加」を選択
4. 必要に応じて音楽やテキスト、スタンプを編集し、「シェア」をタップして公開
フィード投稿としてリポストしたい場合は、「Repost for Instagram」などのサードパーティアプリを利用しましょう。これらのアプリを使用することで、元の投稿者の情報を保持したままフィード投稿として共有できます。
参考:Repost for Instagram|Livintis.W.L.L
他のSNS(Facebook、TikTokなど)でのリポスト機能
他のSNSでのリポスト機能も紹介します。
Facebookでは「シェア」がリポストに相当する機能です。投稿の右下にある「シェア」ボタンをクリックすると、自分のタイムラインや友達のタイムライン、グループなどで共有できます。
TikTokでは「再投稿」がリポストに相当する機能です。シェアボタン(サイドにある矢印のアイコン)をタップすると、「再投稿」のアイコンが表示されます。これをタップすると、自分のフォロワーの「おすすめ」欄にその動画が表示されます。
リポストのルールとマナー
リポストを効果的かつ安全に活用するためには、一定のルールやマナーを守ることが大切です。
重要な2つのポイントを解説します。
著作権と法律上の留意点
他人の投稿をリポストする際は、著作権に細心の注意が必要です。
写真や動画、テキストなど、すべてのコンテンツには著作権が存在します。無断利用は著作権侵害にあたり、法的な問題に発展する可能性があることを、知っておきましょう
企業がマーケティング目的でリポストする場合には、特に注意が必要です。商用利用にあたる可能性があるため、事前に元の投稿者から許可を得ましょう。また、法的リスクを避けるために、社内でガイドラインを策定しておくことも重要です。
許可の取り方と引用表記
リポストの許可を取る際は、元の投稿者に対して丁寧なメッセージを送ることが重要です。ダイレクトメッセージ(DM)では、リポストの目的や使用方法、表記方法などを具体的に記載し、相手が判断しやすいように配慮しましょう。
許可を得た場合でも、適切な引用表記が必要です。キャプションに元の投稿者のアカウント名を明記(@ユーザー名)し、リポスト元の投稿を参照できるようにリンクやハッシュタグを付けます。
適切な許可取得と引用表記は、著作権問題を避けるだけでなく、元の投稿者への敬意を示し、良好な関係構築にもつながります。
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リポストができない場合の対処法
リポストをしようとした際に、なぜかうまくいかない、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
いくつかの原因と対処法を紹介します。
投稿元アカウントの設定
リポストができないもっとも一般的な原因は、投稿元アカウントの設定です。
多くのSNSでは、プライバシー設定により、アカウントが非公開に設定されている場合、そのアカウントの投稿をリポストできません。また、企業アカウントや著名人のアカウントでは、セキュリティ上の理由から、リポスト機能に制限を設けている場合があります。
このような場合は、直接メッセージで許可を求めるか、別の方法でのコンテンツ共有を検討しましょう。
ハッシュタグ数
特にInstagramでは、ハッシュタグの数が多すぎるとリポストできない場合があります。
Instagram公式のガイドラインでは、ハッシュタグの制限は1投稿あたり最大30個です。過剰なハッシュタグはスパムとみなされる可能性があり、リポストアプリが正常に処理できない場合があります。
このような場合は、ハッシュタグ数を調整して再度試してみましょう。ただし、元の投稿内容自体を変更しないよう注意が必要です。
関連記事:ハッシュタグの意味とは!付け方や活用シーンを徹底解説
アプリや端末の不具合
アプリや端末の不具合が原因でリポスト機能が正常に動作しない可能性も考えられます。
まずは、アプリを一度終了し、再起動してから試してみましょう。それでも問題が解決しない場合は、アプリのアップデートを確認し、最新版でない場合はアップデートしてください。古いバージョンのアプリでは、新しい機能が正常に動作しない場合があります。
また、端末の再起動やキャッシュのクリアも効果的です。これらの方法でも問題が解決しない場合は、SNSプラットフォームの公式サポートに問い合わせることを検討しましょう。
関連記事:スマホアプリのキャッシュを削除したい! 動作改善のための方法を紹介
リポストの成功事例
最後に、リポスト機能を効果的に活用している企業の成功事例を紹介します。
成功事例から、リポストの戦略的な活用方法を学んでいきましょう。
無印良品
UGC(ユーザー生成コンテンツ)を積極的に活用して成功を収めている企業が「無印良品」です。
同社では、ユーザーが「#無印良品」「#無印収納」などのハッシュタグを付けて投稿した、無印良品の商品を活用した収納アイデアやコーディネートなどを公式アカウントでリポスト。リポストされたUGCは、企業が発信する情報よりも信頼性が高く、他のユーザーにとって購買意欲を高める結果となりました。
単に商品を宣伝するだけでなく、UGCを通じてユーザーの暮らしに寄り添うブランドイメージを醸成し、深いエンゲージメントを築いている好事例といえるでしょう。
GU
ファッションブランドの「GU」は、InstagramでUGCを効果的に活用している企業です。
同社では、メインアカウント「@gu_global」とは別に、UGC専用のアカウント「@gu_for_all_」を運営。「#GUコーデ」などのハッシュタグを設けて、ユーザーがGUアイテムを使ったコーディネート写真を気軽に投稿できる環境を構築しました。
リアルな着用イメージや、着回しアイデアなどユーザー目線の多様な着こなしを公式アカウントでリポストし、顧客とのエンゲージメント強化や購買意欲の向上につなげています。
スターバックス コーヒー ジャパン
スターバックス コーヒー ジャパンは、Instagramを活用したUGC戦略で大きな成功を収めています。
過去には、白いコーヒーカップにデザインを施してSNSに投稿してもらう「White Cup Contest」キャンペーンを実施。高品質なUGCが多数生まれ、ブランド認知度向上に貢献しました。
また、ストーリーズ機能を使ってユーザーに質問を投げかけたり、アンケートを実施したりと、双方向のコミュニケーションを重視する姿勢もUGC活性化につながっています。
まとめ
リポストはSNSを活用したコンテンツ戦略を強化する重要な機能です。リポストを通じて、他のユーザーの投稿を再共有することで、コンテンツの多様性を高め、フォロワーに価値のある情報を提供できます。
リポストにはコンテンツ作成の負荷軽減や、UGC活用によるエンゲージメント向上などのメリットがありますが、同時に著作権やマナーへの配慮も必要です。リポストを活用する際は、オリジナルコンテンツとのバランスを考え、適切な許可取得と引用表記を忘れないようにしましょう。適切に実施すれば、リポストはフォロワーとの関係構築やブランド認知拡大の大きな武器となるでしょう。