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カスタマージャーニーマップは2つ作らないと機能しない【Bizsmith森 連載第2回】

2025.11.4
読了まで約 4

マーケティングの世界には、「こうすれば成果につながる」と語られるフレームワークや手法が数多く存在しています。しかし、その本質を理解しないまま表面的なやり方だけをなぞっても、ほとんどの場合実務に役立つことはなく、失敗に終わるか、成功したとしても再現性のない活動となってしまいます。

本連載「マーケティングの愚かな勘違い」では、マーケティングの現場でよく見られる勘違いを取り上げ、「なぜ勘違いされているのか」「本来はどうするべきなのか」等を解説していきます。

第二弾となる今回は「カスタマージャーニーマップ」について紹介します。第一弾では「ペルソナ」について紹介していますので、そちらも是非ご一読ください。

マーケトランク編集部より:マーケティングツール活用支援を行う「株式会社Bizsmith」がマーケティングの現場でよく見られる勘違いを取り上げていく連載「マーケティングの愚かな勘違い」。第一回では、ペルソナ作成でよくある勘違いを3つ解説しています。

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カスタマージャーニーマップとは何か

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を認知して購入に至るまで(そしてロイヤルカスタマーになるまで)の一連の流れを可視化したものです。カスタマージャーニーマップを作成することで、各フェーズにおける課題を明確にし関係者全員で共通認識を持ったうえで、課題を解消するためのマーケティング戦略の精度を高めていくことができます。

具体的には、横軸に購入プロセスのフェーズを並べ、縦軸にユーザーの状態を把握するための要素を並べたうえで、マトリクスに情報を整理していくという作成手順を踏みます。横軸縦軸にどのような項目を入れるのかはサービスや商品の特徴によりますが、一般的には、横軸に「認知」「理解」「比較検討」「購入」「継続購入」などのフェーズを入れ、縦軸には「タッチポイント」「行動」「心理」「ペイン」などを入れることが多いです。

さて、カスタマージャーニーマップ作成の詳細な説明は、他の書籍やWebサイトに譲り、本稿では作成にあたってのよくある勘違いについて3つ取り上げ、それぞれについて解説していきます。

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カスタマージャーニーマップ作成でよくある勘違い

1種類のカスタマージャーニーマップを作るという勘違い

カスタマージャーニーマップを作成したもののそれをマーケティング戦略に活かすことができていない、というケースは少なくありません。その最も大きな理由は、1種類のカスタマージャーニーマップしか作っていないからです。

カスタマージャーニーマップは本来、2種類で1セット。2種類とは「現状」と「理想」の2つです。

サービスや商品がどのように購買されているのかという「現状」を把握し、会社としてどのような購買行動をとってもらいたいかという「理想」を明らかにすることで初めて、そのギャップが明確になるのです。

カスタマージャーニーマップの真の目的は、このギャップを特定することだと言っても過言ではありません。ギャップを特定することができれば、それぞれを課題として抽出し、解決の優先順位を決め、最適な打ち手を検討することができます。

ただし、新規事業の場合に限り、「現状」のカスタマージャーニーマップを作成できないため、「理想」の1種類だけになります。

1つの商品に対してカスタマージャーニーマップは1つという勘違い

商品ごとに顧客の購買行動はもちろん変わってきます。そのため、商品ごとにカスタマージャーニーマップが1つ必要だと考えられがちですが、それだけでは不十分なんです。カスタマージャーニーマップは本来、1つの商品ごとではなく、1つのペルソナごとに1つ作成する必要があります。

マーケティングにおける「ペルソナ」とは、自社の商品を利用する典型的な顧客像を具体的に描き出したもの。そして、本連載の第一回でも述べましたが、ペルソナは1つの商品につき1つとは限りません。一例を挙げると、フィットネスクラブのペルソナには「ダイエット目的の若手女性」「仕事帰りのサラリーマン」「健康志向が高いシニア層」など複数のペルソナが考えられます。それぞれのペルソナにおける購買プロセスが同じではないことは明らかでしょう。

カスタマージャーニーマップはマーケターが作るという勘違い

カスタマージャーニーマップを作成する場合、主導するのはおそらくマーケティング部になるでしょう。しかし、その作成をマーケティング部のメンバーのみで進めてしまうのは危険です。

カスタマージャーニーマップは、顧客の購買行動や購買までの過程を、客観的に、綿密に、洗い出す必要があります。どれだけ努力をしても、特定の少数のメンバーだけで作成しようとすると、特有のバイアスがかかってしまいますし、漏れも発生しかねません。カスタマージャーニーマップ作成にあたっては、できる限り多くの関係者を呼び、ワークショップ形式で意見を出し合うのが望ましいのです。

マーケティング部にとどまらず、セールスやプロダクト開発チームのメンバーなどさまざまな部署を巻き込み、事業責任者から新卒の社員まで幅広いメンバーが意見を出し合うことで、より網羅的で客観的なカスタマージャーニーマップを作ることができます。

思っているよりも大変で重要な、マーケティングの土台

ここまでお伝えしてきたことを実践しようとすると、カスタマージャーニーマップの作成にかなりの工数が必要になることがおわかりいただけるかと思います。さまざまな人間を巻き込み、時間をかけて意見を発散させ、客観的な視点でそれらを整理していく必要があるのです。

しかも、カスタマージャーニーマップは一度作ってしまえば半永久的に使えるというものではありません。提供する商品やサービスが変わればもちろんペルソナも変わってきますし、市場の動向など外部要因によって顧客の購買プロセスが変化することも考えられます。そうなればもちろん、カスタマージャーニーマップを修正していく必要も出てきます。

カスタマージャーニーマップの作成は、横文字のおしゃれな呼び名とは裏腹に、地道でとてつもなく大変な作業です。しかしそれはマーケティング活動において仕方のないことかもしれません。ペルソナやカスタマージャーニーマップというのは、マーケティング戦略の土台となるもの。これを前提として、さまざまな施策の妥当性を判断することになります。

何事も土台作りが肝心です。多くの関係者を巻き込み、しっかりと時間をかけて丁寧に作成するようにしましょう。

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執筆者

森 亮太

森 亮太(もり りょうた)

株式会社Bizsmith 代表取締役

マーケティングツールの選定・導入からプランニング、分析、運用代行まで、活用のための支援をワンストップで行う「マーケティングツール総合支援サービス」を提供。その他、マーケティング活動におけるデザイン業務をまるっと依頼できる「まるっとデザイン」や、Googleアナリティクスの研修サービス「GA4研修」なども提供している。

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編集者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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