2022.11.28

キャリア形成とは?重要性や社員のキャリア形成の進め方を人事視点で解説!

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急激な技術革新や終身雇用の崩壊などで社会の先行きが不透明ななか、社員のキャリア形成の進め方やアドバイスに悩む企業は多いだろう。今回は、キャリア形成の詳細とともに社員のキャリアを形成する重要性と進め方などを紹介する。自発的な意識を醸成するポイントも解説するため、あわせてチェックしよう。

キャリア形成とは?

キャリア形成は、各々が理想とする人生を送るために重要なものである。そもそも「キャリア」とは、「職業生涯」や「職務経歴」と訳され、過去から将来にわたる職務経験や計画的に能力を開発していく過程を意味する。

「キャリア形成」とは、人生設計に沿って必要な能力や資格を手に入れ、経験を積み重ねていくことによって、将来なりたい姿の実現を図るプロセスである。人生設計のなかでも、とくに仕事に対してよく使われている言葉だ。「人生設計」とは、どのような人生を送りたいのかを主体的に考えてプランニングすることであり、「キャリアデザイン」とも呼ばれる。

社会人として活動する期間は、数十年間もの長期におよぶ。その期間中キャリアデザインをおこなわず、目の前の業務に追われたままでいると、次第になりたかった自分からかけ離れていってしまいかねない。そのため、自分にとって理想的な働き方はどのようなものかをイメージし、今後の人生について考えることが重要である。

キャリア形成の本質は、「仕事や生活に価値を感じ、将来に向けて主体的に道を切り開いていくこと」といえるだろう。この言葉自体は以前から存在する。しかし、近年になって技術革新や終身雇用の崩壊、働き方改革といったさまざまな変化があり、先が見えない世の中になったことによって、重要性が増してきている。

キャリア形成は企業における人材育成のためになるものであり、社員のステップアップやスキルアップを目指すうえで欠かすことのできない考え方だ。厚生労働省でも重視しており、「職業訓練等を計画に沿って行っている」といった条件を満たす研修について、費用の助成を実施している。

企業は社員に対してどのようなキャリアへの道しるべを示すべきなのか、しっかりと検討することが重要だ。

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社員のキャリア形成が重要な背景

キャリア形成という考え方自体は、以前からあるものだ。しかし近年、時代の動きが激しいために、社員に対するキャリア形成の重要性が増しているといわれている。

この背景には、さまざまな理由がある。とくに大きな理由としていわれているのは、以下のとおりだ。

・ 終身雇用制度の崩壊
・ 働き方の多様化
・ ビジネステクノロジーの進化
・ 職業人生の長期化

ひと昔前までは「年功序列」や「終身雇用」などの制度が当たり前で、企業への就職後に長年勤め続けることによって、安定した収入を得られる状態であった。しかし、これらの雇用制度は継続的な経済成長を前提とした制度である。日本では、長年のデフレによる経済の低迷やグローバル化が進んでいることなどにより、従来の雇用制度が維持できなくなっている。

そのため、安定した企業に就職さえすればいいというわけではない。どのような学歴や肩書、資格があったとしても生涯が保証されるわけでもないため、よりいっそう自分にとってやりがいのある仕事や必要なスキルを考え、キャリア形成を進めていくことが重要視されている。

近年は共働き世帯が増えて副業も解禁され、フレックスタイム制やテレワークなどが浸透していくなど、さまざまな働き方ができるようになった。自分にあった働き方を選択していけるようになったうえに、ワークライフバランスを重視するなど労働観も多様化している。企業としても、社員一人ひとりの価値観や生活環境にあったキャリア形成への支援が必要だ。

転職を目指す人が増加していることも、キャリア形成の重要性が増す要因である。従来は総合職のような幅広い業務を担う働き方が主流だったものの、近年では専門スキルに特化した働き方が広まり、個人に求められるスキルも多様化している。

AIなどのビジネステクノロジーの進化によって、仕事の進め方が変化していくことも考えられる。社員一人ひとりにとっては、テクノロジーの進歩によって、積み上げてきた能力やスキルが通用しなくなる可能性があるのだ。AIで代替できないようなスキルを身に付けたり、IoTやビッグデータを扱えるような専門人材になるなど、外部環境の変化にあわせた柔軟なキャリア形成の重要性が増している。

また、日本では平均寿命が伸びたことで、100歳まで生きる人が増える「人生100年時代」が到来する。今までのライフプランでは対応が難しくなることが予想されており、従来とは違ったキャリアの築き方が求められるだろう。長寿化が進んだことによって、老後まで見据えた長期的なキャリア設計が必要だ。

このように、働き方やテクノロジーが変化している昨今では、社員のキャリア形成の重要性が以前よりも高まってきている。組織力を上げて企業として生き残るためにも、社員のキャリア形成についてしっかりと考えるべきだ。

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社員のキャリア形成を進める考え方・手順

それでは、実際に社員のキャリア形成を進める際の考え方や手順を確認していく。

終身雇用制度が盤石であったころは、長期雇用を前提としていたために企業が主体となってキャリア形成をおこなっていた。しかし、現在では先行き不透明な社会状況もあり、転職や再就職などの人材の流動化が促されたことで、社員が主体となった自律的なキャリア形成が増えている。

企業としては、自律的にキャリア形成できる人材となるように支援していくといいだろう。社員にキャリア自律を促すことで、企業にとっては以下のメリットがある。

・ 時代に合った専門性を持つ社員や自発的に仕事へ取り組む社員を増やせる
・ キャリアデザインによって、社員が自身の強みや求められている役割を再認識できる

このように社員のキャリア形成を進めることには、企業としても大きな意味がある。

キャリアプランの考え方に「Will・Can・Must」がある。Willは「やりたいこと」、Canは「できること」、Mustは「やるべきこと、周囲から期待されていること」で、それぞれ書き出していくことで自己理解を深めるフレームワークだ。

3つが重なる部分が、キャリアデザインにおいてとくに満足度の高い領域だ。それぞれが満たされると、以下のような満足感が得られる。

・ Will……モチベーションが高まる
・ Can……自分の能力を発揮できる
・ Must……期待や役割をまっとうする充実感が得られる

社員の活躍の幅を広げるためにも、Will・Can・Mustの考え方をもとにした適材適所の配置が重要だ。

キャリアデザインの考え方の例には、「川下り型キャリア」と「山登り型キャリア」がある。仕事を始めたばかりで全体像が見えていないときには、経験を積み上げるために目の前の業務を乗り越えていく川下り型キャリアでのキャリア形成をおこなっていく。一定のキャリアを積んでからは、目標を決めて次のステップへ挑戦していく山登り型キャリアの考え方もある。

社員のキャリア形成を促す際は、一人ひとりがモチベーションを感じる業務を見極め、目標に向かって行動を起こさせるように動機づけをすると良い。また、このようになりたいと感じられるような、ロールモデルとなる人物を見つけてもらうことも有効だ。アセスメントツールや適性検査によって、働くうえで大切にしている仕事の価値観を自己認識してもらうことも重要である。

自分に合った具体的な目標を設定したならば、現状と理想とのギャップを理解し、目標を達成するための行動計画を立てていく。理想から逆算することで、キャリアを実現させるための道のりが見えやすくなるだろう。

そして、キャリアプランを実現させるために、行動計画に沿って行動していく。キャリアプランの実現が困難だと感じる場合には、軌道修正や代替案を出すのがおすすめだ。企業としては、社員のキャリア形成がうまくいくように、周囲のサポート体制を整えておくことが重要である。

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社員の自発的なキャリア形成の意識を醸成するポイント

社員の自発的なキャリア形成の意識を醸成する際には、以下のポイントに気を付けると良いだろう。

・ ポジティブな発想を持たせる
・ 自己肯定感を高める
・ キャリアの状況や選択肢を可視化する
・ 数年ごとにキャリアを振り返る機会を設け、節目感を演出する
・ いろいろな経験をさせる
・ スキルを磨けるように、勉強する習慣を身に付けさせる
・ 社員自らの価値観に気づかせ、内因的な仕事満足を感じさせる
・ 軌道修正をしつつキャリア形成を進める

このようなポイントに気を付けて、社員の自発的なキャリア形成の意識を醸成していこう。

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まとめ

キャリア形成は、各々が理想とする人生を送るために重要なものである。キャリア形成の本質は、「仕事や生活に価値を感じ、将来に向けて主体的に道を切り開いていくこと」だ。この言葉自体は以前から存在するものの、近年の技術革新や終身雇用の崩壊、働き方改革などによって先が見えない世の中になったことで、より重要性を増している。

キャリア形成は企業における人材育成のためになるものであり、社員のステップアップやスキルアップを目指すうえで欠かすことのできない考え方だ。

社員のキャリア形成の重要性が増している背景には、さまざまな理由がある。とくに大きな背景として挙げられるのは以下の4点だ。

・ 終身雇用制度の崩壊
・ 働き方の多様化
・ ビジネステクノロジーの進化
・ 職業人生の長期化

実際に社員のキャリア形成を進める際の考え方や手順、社員の自発的なキャリア形成の意識を醸成するポイントなどについてもしっかりと理解し、実際の企業活動で活用していこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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