2022.7.27

採用活動で座談会を行う目的は?準備~進め方を学生からよく聞かれる質問例とともに解説

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主に新卒採用活動で行う座談会とは、先輩社員と就活生がありのままを率直に対話する会のことである。今回は採用活動で行う座談会とはどのようなものか、実施する目的や必要な準備などを紹介する。学生からよく聞かれる質問例も解説しているため、併せてチェックしていこう。

座談会とは?採用活動で行う理由

採用活動のスケジュールのなかに、座談会の開催を入れる企業が増加傾向にある。採用活動で行う座談会とは、企業説明会だけでは伝えきれないことについて、社員と就活生がありのままを率直に対話する会のことを指す。

会社説明会や面接とは異なり、座談会は採用活動で必ず行うものというわけではない。とはいえ、開催する場合には会社説明会のすぐあとに開催されることが多く、就活生にとっては説明会で聞けなかったことを確認できる機会であり、企業側にとっては自社をよく知ってもらうための交流ができる場である。

座談会は、面接などのように選考するためのものではなく、あくまでも先輩社員への質問会を開催して交流をはかるものだ。開催する際の形式はとくに決まっていないが、選考の際のような堅苦しい雰囲気ではなく、もっとフランクな雰囲気のなかで実施されることが多い。

様々な部署の社員が学生と対話するため、実際に業務にあたってみたうえでの仕事のやりがいや、自社の魅力を伝えられる場である。就活生からすると、企業を選択するときに自分にあった会社かどうかを見極めるための判断材料として大事な機会だといえるだろう。

採用担当者がプレゼンすることが多い説明会ではあまり生の声を聞けないため、具体的な経験談を聞ける座談会は、企業の雰囲気を知る手掛かりになるのだ。

近年は内定出しが早期化しており、内定から入社まで長い期間があくようになっている。それに伴って学生からの内定辞退が増えており、内定者フォローではいかに内定辞退を減らすかが重要視されるようになった。

関連記事:内定者フォローのポイントとは?コロナ禍でもオンラインで内定者との接点を強める方法

新型コロナウイルスの流行により、内定者フォローの役割が変わりつつあるが、依然対応が重要視されていることには変わりがない。先輩社員と仕事について話せる機会をつくれる座談会も、内定者フォローのひとつである。新型コロナウイルスの感染防止対策としてオンラインツールなどを活用しつつ、しっかりとフォローしていきたいものだ。

内定者だけではなく、インターンシップの企画のひとつとして先輩社員との座談会を実施する企業もある。インターンシップを終えてからのフォロー施策として、インターン生限定の座談会を実施する場合もあるなど、座談会は様々な方法で取り入れられている。

関連記事:インターンシップの作り方は?企画やプログラムを設計する方法

座談会を開催するメリット

採用活動の際に座談会を開催する企業にとってのメリットは、以下のとおりである。

・ 企業説明会だけでは伝えきれない部分をアピールできること
・ 就活生の本音を知り、選考の参考にできること
・ 就活生に入社後のイメージをつかんでもらえること
・ 就活生が持つ入社後の不安を払拭する場にできること
・ オンラインでの採用活動によって増加傾向にあるといわれる、採用のミスマッチへの対策になること
・ 内定承諾の意思決定に繋がる可能性がアップすると考えられること

先述のとおり、座談会も内定者フォローのひとつである。就活生は、企業から内定を得て受諾したあとに不安になる「内定ブルー」に誰でも陥る可能性があるといわれている。

とくに近年では新型コロナウイルスの影響もあり、不安になる学生が多いようだ。感染防止対策によって内々定者同士で知り合う機会が減っており、不安を解消する場が少なくなっているのである。内定ブルーにならないよう、内々定者同士の交流の機会を提供するためにも、座談会などの場をつくるといいだろう。

関連記事:内定ブルーとは?内定ブルーが起こる理由と学生の不安に寄り添うためのヒント

「仕事についていけるかどうか」など、働くことに関する不安を入社前に抱えている就活生は多い。働くことに関する不安の払拭には、「レディネス」も有効な手段だ。

レディネスの意味は「準備」であり、人材育成の観点ではスムーズに就業参加できる状態にあることを「就業レディネス」と呼んでいる。働くイメージを明確に持っているような就業レディネスの高い状態にある入社予定者であれば、ミスマッチのリスクを減らし入社後の定着と活躍を期待できるとされている。

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一方で、座談会に参加する就活生にとってのメリットは以下のとおりだ。

・ 会社選びをする際の判断材料のひとつになること
・ 一社員の経験談として具体的な話を聞けるため、企業の雰囲気をイメージしやすくなること
・ 入社後のイメージをつかみ、就職への不安を払拭できること

メリットを理解し、双方にとって有益な座談会になるように心がけるといいだろう。

座談会の準備~進め方

座談会の準備や進め方は、以下のとおりである。

・ 座談会を開催する目的を明確にする
・ 開催形式を決める
・ 座談会に参加するメンバーを決める
・ 当日のテーマ・内容を決める

それぞれのポイントごとに、どのように進めていけばいいのかを詳しくチェックしていこう。

座談会を開催する目的を明確にする

先述のとおり、採用活動で座談会を行う理由や実施によるメリットにはさまざまなものがある。座談会を開催する場合には、まずは「どのような目的を持って開催するのか」を明確にしておこう。

座談会を開催する目的が明確にできれば、それを基準として「就活生にどのようなことをどうやって伝えるのか」を決定し、対応する社員全員で共有しておくようにする。

開催形式を決める

座談会の開催形式は、大きく分けると「テーブル形式」と「パーティー形式」の2種類がある。それぞれの特徴を理解し、どのような開催形式をとるのかを決めておこう。

テーブル形式はワールドカフェとも呼ばれている形式で、座談会の多くで採用されている。就活生を複数のグループにしてテーブルに着席させ、10~15分ほどでメンバーを変更して対話していくシステムだ。就活生同士でたくさんの人と交流でき、社員と交流しつつほかの人がした質問も聞けるなどのメリットがある。

パーティー形式は話したい分だけ好きに話して好きに動ける、立食パーティーのような自由度が高い形式だ。学生の本音を引き出しやすく、時間を気にせずじっくりと話ができるなどのメリットがある。パーティー形式では孤立している参加者がいないかチェックし、フォローをしていくことが重要だ。

関連記事:内定者懇親会の内容とは?内定者のエンゲージメント・入社意欲を高める方法、オンラインでも実施できる内容をご紹介

座談会に参加するメンバーを決める

参加する社員を選ぶことも大切なポイントである。座談会に参加するメンバーは、就活生から見て「このような人がいる企業に入りたい」と魅力を感じてもらえる社員にしよう。

参加するメンバーによっても座談会が成功するかどうか決まるため、経営陣などと相談しつつ決定するといい。参加してほしい社員が決まったならば、本人にメンバーに入るよう要請する。参加が決定したならば、座談会のテーマや発信したいことの情報共有をしっかりと行うようにしよう。

当日のテーマ・内容を決める

座談会当日に話をするテーマや内容を決めておくことも重要なポイントだ。単なる雑談で終わってしまわないように、自社の魅力が就活生に伝わるテーマ設定をしておく。事前に就活生にもテーマを共有してある程度の道筋を決めておくと、就活生側も聞きたい話を想定できて有益な話し合いをしやすくなるだろう。

当日のテーマには、以下のようなものがある。

・ 各部署の仕事内容について
・ 会社や仕事の魅力、やりがいについて
・ 会社の制度などについて

先述のとおり、参加する社員選びも大切なポイントだが、当日のテーマや内容によって適した参加者の組み合わせにすることがおすすめだ。たとえば、ごく近い将来の仕事をイメージしてもらいたい場合や、待遇面などを本音で語るテーマであれば、若手社員と話せる場にするといいだろう。また、配属後の仕事内容を詳しくイメージしてもらいたい場合には、仕事に精通している中堅以上の社員に説明してもらうなど、テーマと参加メンバーの適した組み合わせを考えよう。

学生からよく聞かれる質問例

座談会では企業側から説明するだけではなく、学生側からも質問される。学生側から質問を受けたときにスムーズに回答できるよう、あらかじめ学生から聞かれやすい質問の例を周知しておくことをおすすめする。

座談会に参加する社員にとっても、座談会は緊張を伴うイベントだといえる。事前に準備をしっかりとやり、うまく対応できるようにしておくことで、座談会参加者の満足度をアップさせることにもつながるだろう。

学生からよく聞かれる質問には、仕事に関するもの、社風に関するもの、求められる人材に関するものがある。質問の例は以下のとおりだ。

・ 仕事のやりがいはどのようなものがありますか?
・ 入社を決めた理由はなんですか?
・ 会社の雰囲気はどうですか?
・ 入社後に必要な資格やスキルはありますか?
・ 入社後に苦労したことはなんですか?
・ 1日の仕事の流れを教えてください。
・ 具体的な仕事内容を教えてください。

まとめ

採用活動で行う座談会とは、社員と就活生が率直に対話する会のことを指す。会社説明会や面接とは異なり、座談会は採用活動で必ず行うものではない。

開催する場合には、会社説明会のすぐあとに開催されることが多い。就活生にとっては説明会で聞けなかったことを確認できる機会であり、企業側にとっては企業説明会だけでは伝えきれないことを伝え、自社への理解度をアップさせるための交流ができる場である。

採用活動の際に座談会を開催する企業にとってのメリットは、以下のとおりである。

・ 企業説明会だけでは伝えきれない部分をアピールできること
・ 就活生の本音を知り、選考の参考にできること
・ 就活生に入社後のイメージをつかんでもらえること
・ 就活生が持つ入社後の不安を払拭する場にできること
・ オンラインでの採用活動により増加傾向にあるといわれる、採用のミスマッチへの対策になること
・ 内定承諾の意思決定に繋がる可能性がアップすると考えられること

また、就活生にとってもメリットが大きい機会だといえる。座談会を実施する際に必要な準備や進め方、学生からよく聞かれる質問例などを理解して、実際の業務に役立てていこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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