研修事業を通じて推進する
シェアド・リーダーシップ型の組織づくり
――まずは事業内容や提供されているサービスについて紹介してください。
飯島 弊社は主に研修を通じてリーダーシップ開発やキャリア自律支援などを行う社員教育事業と、育成体系の構築などを支援する人事組織コンサルティング事業を展開しています。なかでも最近特に注力しているテーマが次の3つです。1つは、個々人の成長に焦点を当てたリーダーシップ開発。2つ目は、それを発揮しうるシェアド・リーダーシップ型の組織づくり。そして3つ目は、こうしたリーダーシップの基盤となるキャリア自律の支援。これら3点を重点的に取り組む中核テーマと位置づけています。
――「シェアド・リーダーシップ」とはどのような概念でしょうか。また着目された理由や背景なども聞かせてください。
飯島 シェアド・リーダーシップとは、特定のリーダーに依存するのではなく、メンバーそれぞれがリーダーシップを発揮し、リーダーの役割を共有している状態を示す言葉です。私たちはこうした概念がこれからの組織づくりにおいて非常に重要であると認識しています。
弊社はもともと自律型人材の育成を重点テーマとしてきました。自律が社会に浸透しつつある中で、組織や他者に良い影響を与え、目的に向けて他者を動かしたり、行動を促したりする力をより高める必要性を感じ、近年では「リーダーシップ」を重視してきました。さらにそれは管理職になってから身につけるものではなく、20代のうちから育んでおくべきものだと考えました。こうした問題意識の中で辿り着いたのが、シェアド・リーダーシップという概念です。
現在はその普及にも注力しており、2025年には社内に「シェアド・リーダーシップ研究会」を立ち上げ、お客さまにも参加いただきながら、概念の意義や価値、研究成果等を発信していく予定です。
――御社のサービスにはどのような特徴や強みがありますか?
飯島 いくつか挙げられますが、なかでも大きな特徴は研修単体で完結させない点にあります。弊社は研修を主軸とする会社ではありますが、プログラムの提供だけで終わるのではなく、その前後も含めた包括的な育成設計を提案します。研修の後に現場でどう実践され、どう変わったか。そこまで伴走して初めて価値があると考えています。
施策の立案にあたっては、画一的なプログラムを提供するのではなく、お客さまの実態に合わせて共にソリューションを最適化していく「共創力」を大切にしています。また、特にこだわっているのが「個人の深い内省」です。受講者の納得感や認知の揺らぎといった感情の動きをトリガーに、表面的なスキル習得を超えた本質的な行動変容を促していきます。
研修はあくまできっかけに過ぎません。その後、現場でどのように実践し、行動変容に繫げていくかまで伴走して、成果にコミットしていく。そうしたスキームを提供できるのが強みと言えるでしょう。
リーダーシップはテクニカルなスキルを磨くことでも一定程度は発揮できますが、同時にマインドセットや行動の源泉となる認知の変容なども重要となります。そのため弊社ではマインドや内省といった領域にまで踏み込んだプログラムの設計にも注力しています。
コンサル兼任で担う
少数精鋭のマーケティング体制
――企業向けの研修サービスの市場は現在どのような状況でしょうか?
飯島 昨今は人的資本経営への関心の高まりを背景に、人材育成の重要性を対外的に強く打ち出す企業が増えており、研修市場全体としては年々拡大傾向にあると感じています。
なかでも特に伸びているのが管理職層向けの領域です。今や多くの企業で管理職の育成には継続的な投資が必要だという認識が広まっており、弊社においても管理職育成に関する研修の相談は着実に増えています。
さらに弊社が注力しているリーダーシップ開発や自律型人材育成といったところも人的資本の観点で重要視されていることから、お客さまからの依頼が増えてきている状況です。
――そうした中、マーケティングの位置づけや役割はどのように捉えていますか?
飯島 もちろん非常に重要な機能だと考えています。これまで弊社は新規顧客の開拓より既存顧客へのクロスセルに注力してきたのですが、4年ほど前に方針転換し、新規顧客の獲得にも積極的に取り組むようになりました。先ほども申し上げたように、私たちは研修テーマとして特定の領域を明確に打ち出しているため、そうしたニーズを持つお客さまに弊社の存在を知っていただき、関心を喚起していくことはマーケティングの重要な役割と言えます。
また一方で、既存のお客さまに対する情報提供も重要なミッションです。各お客さまには担当のコンサルタントがついているのですが、個別の案件のご提案や情報提供だけでは十分に情報を届けきれません。そこで私たちマーケティング部門がプラスアルファの情報提供をするべく、コンテンツを制作・発信し、コンサルタントのサポートをしています。
――注力されているマーケティング施策やチャネルを教えてください。
飯島 現在は自社ウェビナーの開催をはじめ、HRサミットや、その他外部のカンファレンスなどへの参加も積極的に行っています。特に自社ウェビナーについては、近年新規顧客開拓に注力していることもあり、重要な施策の一つと位置づけ、広告を出したり、著名な有識者の方を講師として招いたりして参加者を集めています。
――マーケティング部門はどのような体制になっていますか?
飯島 マーケティング部門全体では11名いるのですが、そのうち販促的な役割を担っているのは私を含めて5名です。実は弊社のマーケティングは、私自身もそうなのですが、多くのメンバーがコンサルタントとの兼任で、日頃から担当のお客さまに対応しながら、マーケティングの企画や施策も動かしています。
兼任が多いため、
――コラムなどの記事もコンサルタントという立場で自ら書いている方が多いと聞きました。
飯島 そうなんです。コラム記事は、AIを活用したり、外部に依頼したりする案も検討したことはあったのですが、これも弊社の社風なのか、こだわりの強いメンバーが多く、「どこの研修会社も同じようなことを言っている」「お客さまにせっかく読んでいただくのならシェイクらしいエッセンスを入れたい」との意見で、結局今は完全に内製で、部署内で相談のうえ、各コンサルタントの興味関心の高いテーマや得意分野を記事にしています。
長期的なマーケティング戦略に向け
認知度や信頼感を地道に積み上げたい
――ここからはHRプロについてお聞きします。まずは活用状況と得られた成果を教えてください。
飯島 現在はHRサミットへの協賛に加え、自社で大規模なウェビナーを開催する際に告知のための広告を打っています。活用目的としては、弊社のハウスリストだけでは十分な広がりを作れないときに、御社にお願いして広げていくというのが最も大きなところです。
私たちは新規営業において、まず2~
そのため、例えばHRサミットにおいても、毎年コンスタントに出て、
また成果という意味では、やはり質の高いリードが獲得できているという点に尽きるでしょう。特にそれはHRサミットへの出展で実感します。先ほど申し上げた「リーダーシップ開発」「シェアド・リーダーシップ」「キャリア自律」という3つの注力テーマを中心に出展していますが、非常に反響が良く、認知度や信頼感を地道に積み上げている感覚があるんですよね。
――ほかの競合媒体と比較して、違いや強みはどこにあると思いますか?
飯島 やはり信頼感や安心感だと思います。過去利用したサービスの中には、例えばリード300件の中に企業名がきちんと書かれていないものや、個人の方が混ざっているケースがあり、1つ1つ精査するのに苦労しました。HRプロの場合、先ほども申し上げた通りリードの質が高いので、私たちとしても安心して取り扱うことができます。また仕組みとして柔軟性が高いところも使い勝手がよいと感じています。
――弊社からの提案内容やサポート内容はいかがでしょうか?
飯島 いつも適切なタイミングでご連絡やフォローをいただき助かっています。特にコンサルタントと兼任しているメンバーは、顧客対応を優先する中でマーケの施策が後回しになりがちですので、逐一フォローいただけるのは大変心強いですね。また月に1回のトレンドレポートも非常に有益で、社内共有することで人事分野の動向把握や情報蓄積に役立っています。
――2月に開催された「ATD JAPAN SUMMIT 2026」にも協賛いただき誠にありがとうございました。
飯島 私自身もATDの勉強会に通って日頃から学ぶ立場だったんです。そんな折に「ATD JAPAN SUMMIT」が開催されると伺って、提供側として提言できる良い機会だと思い、参画しました。
今回は、アメリカのATDを意識して、普段の弊社のプレゼンテーションとは雰囲気の違う講演をお届けできたのではないかと思います。
――最後に、今後の目標やビジョンをお聞かせください。
飯島 1つは先ほどご紹介した「シェアド・リーダーシップ研究会」をさらに発展させていきたいです。弊社は200名以上の社外パートナー講師と契約しているほか、既存のお客さまも数多くいらっしゃり、さらに直近では大学の先生などとの繋がりも広がっています。そうした方々を繋ぐハブとなり、組織の枠を越えて学び合える大きなコミュニティを形成していくのが目標です。
ここ数年、マーケティング部門は新規顧客の獲得に注力し、既存のお客さまに向けた施策は十分とは言えませんでした。そのため今後は関係をより深めていくことを重視し、お客さま同士が出会い、交流し合えるような場も積極的に作っていきたいと思います。
聞き手:ProFuture株式会社 マーケティングソリューション部 相原 奈海(右)





