2022.2.17

マインドセットの意味は?種類や変える方法を解説

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マインドセットとは、心の持ち方やものの考え方を表す言葉である。個人のマインドセットはさまざまな要因から成り立っており、ビジネスにも影響を与えるのだ。この記事では、マインドセットの意味を解説する。種類や重要性、変える方法も併せてチェックしよう。

マインドセットとは?ものの見方を変えるには

まずは、マインドセットの意味や種類を解説する。併せて、マインドセットの形成要素もチェックしよう。

マインドセットとは?

マインドセットとは、思考様式や心理状態を表す言葉だ。その人の経験や受けてきた教育、先入観などが影響している。1つの出来事に対して、ポジティブに考えられる人と、ネガティブにしか受け取れない人がいるだろう。

これは、マインドセットの違いによって、物の見方や行動が変化するためである。そして、行動が変わることによって、その先の未来にも影響を与える重要なポイントだ。

つまり、マインドセットによって、自己の成長につながるかどうかが決まるといっても過言ではないのである。そのため、従業員1人1人の成長を促し、ビジネスを拡大していくためには、マインドセットは重要な要素だといえるだろう。

マインドセットの種類

マインドセットは、主に成長マインドセットと固定マインドセットの2種類に分けられる。それぞれのマインドセットについて、詳しくチェックしよう。

成長マインドセット(グロースマインドセット)

成長マインドセットとは、「自分の能力は努力次第で伸ばせる」という前向きな考え方のことだ。例えば、営業成績で1位を取れなかった場合、以下のように考えられる人が成長マインドセットを持っているといえるだろう。

・ なぜ1位を取れなかったのか分析して、次に活かそう
・ 今回も自分なりに頑張ったが、1位の人を超えられるように、より努力しよう
・ 次こそは、1位を取れるように頑張ろう

つまり、成長マインドセットを持っている人は、挑戦に前向きであり、何が起きても自己成長につなげられるのだ。失敗さえも成功につなげられる力があるため、ビジネスを進めるうえで身に付けておきたいマインドセットといえる。

固定マインドセット(フィックストマインドセット)

固定マインドセットは、「自分の能力は生まれ持ったものであり、変えられない」というネガティブな考え方のことだ。先ほどの例に沿って考えた場合、以下のような考えになる人は、固定マインドセットだと判断できるだろう。

・ 自分の実力では、1位を取るなんて無理だ
・ どんなに頑張っても、1位の人には勝てない
・ 次の営業成績も良い結果が見込めないだろう

つまり、固定マインドセットを持っている人は、自分の限界を決めてしまっており、挑戦すること自体を避けてしまう傾向なのだ。ほかにも、自分の成長よりも周囲の目線を優先してしまうため、自分が変化するのを嫌う特徴もある。

固定マインドセットの影響は、個人だけではなく、企業にも及んでしまう。例えば、これから成長していこうと意気込んでいる企業であれば、成長マインドセットが重要視される。しかし、保守的な企業であれば、固定マインドセットでも通じるかもしれない。

すなわち、企業にとってどちらのマインドセットが適しているのかを理解することで、自社の成長につながるといえるだろう。ただし、「ネガティブな考え方は誰しもが持っている」ということは、理解しておく必要がある。

個人のマインドセットを形成するもの

個人のマインドセットを形成するものとして挙げられる4つを紹介する。

・ 過去の経験
・ 先入観
・ 教育
・ 暗黙の了解

それぞれの要素について、詳しく解説する。

過去の経験

これまでの経験は、マインドセットの形成に影響する。例えば、自分の得意分野と不得意分野は、今までの経験が作ったものだろう。さまざまな経験を通して、成功体験を多く積んでいる分野に関しては、積極的にチャレンジできる人は多いといえる。

一方、挑戦してもなかなか成功につながらない分野に関しては、「できればやりたくない」と感じる人は珍しくない。このように、人は過去の経験を通して、マインドセットが形成されているのだ。

先入観

先入観も、マインドセットに大きな影響を与える。例えば、テレビやSNSで得た情報や、影響力がある人の思考などが主な要素といえるだろう。

「テレビで言っていたから正しい」といった先入観が、マインドセットの形成につながるのだ。先入観や思い込みは、すべて正しいと信じ込んでいるため、考え方を修正するのは困難である。

教育

今まで受けてきた教育も、マインドセットの形成に関与している。学校での学習のみならず、学生生活の中での周囲との関わり方も、マインドセットの形成に関係するのだ。例えば、「どのような教育を受けてきたのか」「周囲とどのように関わってきたのか」といった日々の過ごし方が大きく影響する。

暗黙の了解

暗黙の了解も、マインドセットの形成に影響している。暗黙の了解とは、社会的に明言されていないものの、場の空気を読むマナーのことである。ただし、暗黙の了解は、企業や組織、団体が変われば変化するため、絶対とは言い切れないのが特徴だ。

例えば、転勤や異動によって所属する部署が変われば、暗黙の了解も変わるだろう。そのため、環境が変われば、マインドセットも変化することもあるのだ。

注目を集めるマインドセット

ビジネスにおいて、マインドセットは注目されている。個人や企業が成長マインドセットを身に付ければ、仕事へ良い影響を与えられるためだ。なぜ、成長マインドセットが重要なのか確認しよう。

成長マインドセットの重要性

成長マインドセットの重要性は、以下の3つである。

・ 新しいことに積極的に取り組む社風をつくり出せる
・ 自立型組織を推進できる
・ 従業員の能力アップは生産性向上につながる

それぞれのポイントを詳しく解説する。

新しいことに積極的に取り組む社風をつくり出せる

成長マインドセットを持っていれば、さまざまな変革に挑戦できるため、新しいことに積極的に取り組む社風を作れるだろう。例えば、新規事業に挑戦する場合、経営者はもちろん、事業担当者やプロジェクトメンバーなど、関わるすべての人が、あらゆることに挑戦しなければいけない。

新たな挑戦を始めれば、困難なこともあるかもしれない。しかし、成長マインドセットを持っていれば、各々が自分の能力を伸ばせるように挑戦し続けられるのだ。一方、成長マインドセットがなければ、経営陣が新規事業に取り組もうと考えないだろう。

「既存事業と違うビジネスなんて無理だ」となれば、新規事業の話はなくなる可能性もある。つまり、成長マインドセットを持っているからこそ、イノベーションにつながり、企業は成長していけるのだ。

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自律型組織を推進できる

成長マインドセットを持っていることで、自律型組織を推進できる。例えば、上司が成長マインドセットを持っている場合、何事にもチャレンジして積極的に業務を遂行するだろう。

部下へかける言葉も、自己の成長を促すようなポジティブな一言となるかもしれない。すると、部下は上司の期待に応えようと、「ビジネスを成功させるためには、どうしたらいいのか」を考え、行動するようになるのだ。

その結果、部署内全体に成長マインドセットが伝染していき、良い方向へと変わっていくのである。成長マインドセットが広がれば、自律型組織へと成長できるだろう。

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従業員の能力アップは生産性向上につながる

成長マインドセットは、従業員の能力を上げるため、生産性の向上につながる。例えば、部署の新設に伴い、今までとは全く異なる業務を遂行する場合、成長マインドセットを持っていれば、モチベーションを高めて積極的にチャレンジするだろう。

一方、固定マインドセットの人であれば、「新しい業務を覚えるのは無理」「自分は、新しいことにチャレンジできない」などと、業務に消極的になる可能性もあるのだ。そのため、成長マインドセットを持っていることで、従業員は新しいことに挑戦でき、結果的に生産性も向上できる。

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マインドセットを変えるには

ここからは、マインドセットを変えるための意識すべきポイントについて解説する。

成長マインドセットを意識する

成長マインドセットを意識する際のポイントは、以下の3つである。

・ 目標を明確化し、行動指針を定める
・ 実践し続ける
・ 成功体験を重ねる

それぞれのポイントをチェックしよう。

目標を明確化し、行動指針を定める

マインドセットを変えるためには、目標を明確にして行動指針を定めよう。目標を掲げる際は、大まかな内容にするのではなく、詳細に設定するのがおすすめである。事細かな目標を設定することで、どのような行動が必要なのかが明確になるためである。

その際、目標を紙に書き出しておくことで、より具体的な行動指針がイメージできるだろう。

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実践し続ける

目標と行動指針が定まれば、実際に行動を起こしてみよう。行動する際は、すぐに実践することと、継続し続けることが重要である。
例えば、1日の最後に日中のことを振り返り、記録を残しておけば、毎日どれほど行動できているのか明確になる。毎日継続すれば、やがて行動することが習慣となるため、マインドセットを変えやすい環境になるのだ。そのため、目標を立てる際は、長期的に行動し続けられるものを選ぶのがおすすめである。

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成功体験を重ねる

マインドセットを変えるためには、成功体験を重ねることも重要である。成功体験を重ねることで、本人のモチベーションアップにつながるだろう。成功体験は、小さなものでも構わない。少しずつ成功体験を重ねることで、周囲からも評価され、マインドセットに変化が生じるだろう。

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まとめ

マインドセットとは、思考様式や心理状態を指す言葉だ。ポジティブな考え方である成長マインドセットと、ネガティブな考え方である固定マインドセットの2種類がある。成長マインドセットをもっていれば、個人や企業の成長につながるだろう。

マインドセットを変える方法とは、目標を明確にして行動し続けることである。日々目標に向かって行動していけば、成功体験を重ねることができ、マインドセットを変えられるだろう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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