2022.1.12

モチベーションとは?意味やアップさせる方法を分かりやすく解説

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モチベーション(motivation)とは「動機」を意味する英語だ。ビジネスで用いられるときにはどのような意味や種類があるのか、また、従業員のモチベーションを高めるために人事、企業ができることについて解説する。

モチベーションとは?

モチベーションという言葉は、日常生活でもビジネスの場面でもよく用いられる。「モチベーションがある」「モチベーションを高める」「モチベーションを維持する」などのように表現することも少なくない。

モチベーションとは?その語源は

モチベーションとは「動機」を意味する英語だが、日本では「動機づけ」や「やる気」を意味する言葉として用いられることがある。動機とは「行動の理由」とも考えることができるだろう。つまり、何かアクションを起こすきっかけとなるもの、あるいはアクションを引き出した要因もモチベーションと表現できる。

また、モノやサービスを販売するときは、消費者の購買意欲を高めることを「モチベーションを高める」などと表現することもあるだろう。

なお、モチベーション(motivation)は元々動機を意味する「motive」と行動を意味する「action」の2つの単語に由来するといわれる。行動の動機、つまり、何かを行うために気持ちを動かすことがモチベーションなのだ。

ビジネス用語としての意味

ビジネス用語としては、モチベーションは「組織内の業務意欲」の意味で用いられることが多い。従業員が仕事に意欲的に取り組むこと、あるいは何かがきっかけとなって仕事に対する意欲が引き出されることなどをモチベーションと表現することもある。

エンゲージメントとの違い

エンゲージメント(engagement)とは、「約束」や「婚約」を意味する英語だ。どのような場面で使用するかによって若干ニュアンスは変わるが、深いつながりや関係性を示すときに用いることが多い。

ビジネスにおいては、企業と従業員の深いつながりや関係性を示すことが一般的だ。従業員は企業に貢献し、企業は従業員の働きに相応の報酬を与える関係は、エンゲージメントといえるだろう。エンゲージメントが強いと、勤務先企業に対して誇りを感じやすいともいわれている。

関連記事:エンゲージメントとは?従業員の定着率をあげるためにできるエンゲージメント向上の施策

また、企業と顧客の間にもエンゲージメントが成立することは少なくない。例えば、顧客が特定の企業に対して信頼を抱くと、商品やサービスを購入しようというアクションにつながり、売上が上昇する。反対に、企業も顧客の信頼に応え、クオリティの高い商品やサービスを提供する。このような信頼に基づいた強い関係を結ぶことで、お互いが満足できる結果、高い売上や高品質な商品、サービスを手にできるようになるだろう。

モチベーションマネジメントとは?

モチベーションマネジメントとは、そのまま訳せば動機を管理することだ。ビジネスにおいては、主に従業員が意欲的に業務に取り組めるよう、人事などの企業側がサポートすることを意味する。

モチベーションマネジメントを実施することで、従業員の成長を後押しすることが可能だ。従業員の業務自体をフォローするのではなく、モチベーションを持って業務に取り組めるようにサポートするため、従業員が能動的にアクションを起こし、より高い目標を自分で設定するようになることもある。

モチベーションアップで生産性の向上が見込める

モチベーションが向上すると、従業員各自のやる気も高まり、能動的に業務に取り組もうという動きが見られるようになる。業務に意欲的に取り組めば、ハイクオリティな商品やサービスを作り出せるようになるだろう。

また、同じ時間で通常以上の成果を上げられるようになるなどの生産性の向上も期待できる。つまり、従業員がモチベーションアップすることは、企業全体の業績向上にもつながるといえるだろう。

モチベーションの低下は離職につながる恐れがある

反対にモチベーションが低下すると、従業員は働く意欲をなくしたり、働き続ける意味を見失ったりすることがある。また、単に業務への意欲がなくなるだけでなく、企業への愛着が薄くなり、離職につながる恐れもあるだろう。

HR総研の調査によれば、「離職リスクの早期把握のために取り組んでいること」としてもっとも多い回答(複数回答)が「評価時の面談」で43%もの企業が実施していた。次いで「人事面談」の41%、「サーベイ(社員満足度、エンゲージメント等)の実施」が31%であった。(ProFuture株式会社/HR総研

グラフ:HR総研の調査「離職リスクの早期把握のために取り組んでいること」

このことからも社員のモチベーションを知ることで、離職回避につなげようとする企業が多いことがうかがえる。

関連記事:事業変革の必要性―不確実な経済状況下での挑戦―Fabeee佐々木DX連載 第1回

モチベーションの2つのタイプ

モチベーションは、どこから動機づけを得るかによって以下の2つのタイプに分けられる。

・ 内発的動機づけ
・ 外発的モチベーション

それぞれの違いについて見ていこう。

自発的な「内発的動機づけ」

「内発的動機づけ」とは、モチベーションを抱く人自身の心に起因する動機づけのことだ。何かのメリットがあるから目標に向かって努力するのではなく、純粋に「努力したいから努力したい」と思うことは内発的動機づけといえるだろう。

例えば、純粋に仕事が好きだという思い、あるいは仕事を通して誰かの役に立ちたいなどの思いから業務に取り組むことは内発的動機づけといえる。すでに動機づけを自分自身の中で得ているため、業務を行うことが自分にとって得ではなくても集中して取り組むことができるだろう。内発的動機づけにより業務に対して意欲を感じているときは、集中力が高くなり、生産性が上がり、業績にもつながりやすくなる傾向がある。つまり、ビジネスにおいて高い成果を期待するのであれば、従業員の内発的動機づけを引き出すことは重要なことといえるだろう。

関連記事:フロー状態(体験)とは?社員の生産性向上につなげるポイントを解説

報酬アップなどの「外発的モチベーション」

「外発的モチベーション」とは、モチベーションを抱く人自身の心以外に起因する動機づけのことだ。例えば、ある業務をすればその業務に見合った報酬が得られるとしよう。報酬を得たいという思いが動機となって業務に取り組むのであれば、外発的モチベーションによって仕事をしていると考えることができる。

外発的モチベーションは、金銭的な報酬以外にもさまざまなものがなりうる。例えば、営業成績を上げて早く昇進したいと思うこと、周囲からの評価を得たいと思うことなどは、外発的モチベーションといえるだろう。

外発的モチベーションと内発的動機づけの違いとして、有限かどうかという点がある。報酬や地位、他人からの評価などはいずれも有限のため、外発的モチベーションには限りがあるといえる。一方、内発的動機づけは自分自身で生み出すため上限がない。目標を到達したとしても、目標をさらに上に設定して頑張ろうと思えるなら、さらに努力を重ねることができるだろう。

モチベーションアップの方法

従業員のモチベーションを高めることは、企業にとっては生産性を高め、業績を向上させることを意味する。モチベーションアップの方法としては次の3つが挙げられる。

・ 適切な目標設定
・ 適正な人事評価
・ 企業理念、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の浸透

それぞれがどのようにモチベーションアップにつながるのか、詳しく解説する。

適切な目標設定

仕事に対して適切な目標を設定すれば、従業員のモチベーションを高められることがある。適切な目標は、簡単すぎず不可能ではない難易度であることが必要だ。あまりにも簡単すぎれば短期間で到達してしまい、継続的なモチベーションを引き出すことが難しくなる。反対にあまりにも無謀なレベルの目標であれば、挑戦する前にやる気を失ってしまうことがあるだろう。
また、目標は明確であることも必要だ。抽象的な目標を立てると、結果を予想することができず、挑戦する気持ちを持ちにくくなる。数値などの分かりやすい指標を目標とすれば、目指すところが明確になり、モチベーションを引き出しやすくなるだろう。
また、目標達成のための理論として注目されている「WOOPの法則」なども参考に、目標設定には十分な時間を割きたい。

関連記事:「WOOPの法則」とは何か。目標設定で活かせる具体例も交えて解説

適正な人事評価

内発的動機づけがあれば結果にかかわらず前向きに努力できるが、すべての従業員が内発的動機づけを持って業務に取り組んでいるわけではない。企業側が報酬や評価などの目に見える形の外発的モチベーションを提供することで、従業員のやる気を引き出す必要があるだろう。

そのためにも、適正な人事評価は不可欠といえる。頑張れば評価されるということが分かっていれば、従業員も外発的モチベーションにより努力を重ねられるだろう。しかし、頑張っても適正に評価されないかもしれないという不信感を企業に抱いている場合は、モチベーションを保ちにくく、業務に対して前向きに取り組みにくくなる。
フィードバックで特にポジティブな評価を従業員に与えることは、モチベーションアップにつながりやすい。上司などの管理層は、従業員の意欲を引き出すためにも、否定的な言葉をあまり使用しないように意識することが求められる。

関連記事:フィードバックを効果的に行うには?オンラインやリモート、テレワーク時代の重要なポイント

企業理念、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の浸透

企業理念をすべての従業員に浸透させることで、従業員は何を重視して業務に取り組めば良いか理解しやすくなる。例えば「顧客ファースト」という企業理念が浸透していれば、従業員は常に自分自身の行動が顧客ファーストであるか自問自答するようになり、結果として仕事の意義が明確になり、自分自身のモチベーションを高められるだろう。

MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の浸透も従業員のモチベーションアップには欠かせない。ミッションとは企業が果たすべき使命のことだ。ミッションが明確であれば従業員は働く意義をつかみやすくなる。

また、ビジョンとはミッション達成後の将来像のことだ。ビジョンが明確であれば従業員各自が自分自身の将来像も描きやすくなるだろう。バリューとは企業価値や行動基準を意味する。バリューが明確であれば、従業員自身の行動基準が明確になり、業務が遂行しやすくなるだけでなく、より一層意欲的に取り組めるようになるだろう。

関連記事:ミッションとは?ビジョンとの違いやなぜ必要なのかを解説

まとめ

モチベーションとは元々は「動機」を意味する英語だが、日本のビジネスシーンでは「動機づけ」や「やる気」の意味で用いられることが多い。従業員のモチベーションアップを目指すことは、企業にとっては生産性の向上や離職率の低下につながる。適切な目標設定や適正な人事評価、企業理念などの浸透により、モチベーションアップを目指していこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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