2022.2.18

カジュアル面談とは?面接との違い・目的を採用担当者視点で解説!

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近年、採用や選考の場において「カジュアル面談」という言葉を耳にすることが多くなった。カジュアル面談とはどのようなものなのか、採用する側としても求職する側としても、気になっている人もいるだろう。そこでこの記事では、カジュアル面談とはどのようなものなのか、さらに目的や実践する際のポイントなどについてわかりやすく説明する。カジュアル面談が気になっている人に限らず、採用活動への取り入れを検討している場合はぜひ参考にしてほしい。

カジュアル面談とは?面接との違い

ここでは、カジュアル面談についてくわしく説明する前に、まずカジュアル面談とはどのようなものか、また面接とは何が違うのかといった一般的な内容を紹介しておこう。

カジュアル面談とは

カジュアル面談とは、その言葉が表しているとおり、採用を検討している側と求職者とが気負いなくカジュアルな雰囲気で面談をすることで、お互いが必要とする情報を交換し合う機会のことである。

採用する側である企業が求職者と向かい合って質問に終始するのではなく、両者が質問したり答えたりすることで、理解を深めていくといったケースが一般的だ。

近年、多数の企業がカジュアル面談を採用活動や本選考の前に取り入れている。特にダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)やリファラル採用といった、企業側から求職者に直接アプローチをかける採用方法を行う際の入り口として活用されている。

企業側からアプローチする採用手法の場合、求職者側が企業情報を調べて応募してくるわけではないため、企業についての理解や志望度が低い場合が多い。

また企業側にとっても、プロフィールなどの文字情報のみでアプローチを行っているため、求職者の思考性や雰囲気などが会社にマッチするか?判断をすることが難しい。

よって、まずカジュアル面談で企業側の情報やアピールしたい点などを伝え、同時に求職者の情報を得ることがスムーズな採用活動には欠かせない。そこで、双方の情報を交換する場を設けるために、カジュアル面談が取り入れられているのである。

しかし、ここで注意しなければならないのは、企業によってカジュアル面談の役割や定義が異なるということだ。どのような目的や意図でカジュアル面談を行うのかを、企業側は求職者に対して明確に伝えておき、求職者側はその内容を確認しておくことが大切である。

面接との違い

カジュアル面談と面接とはどのような違いがあるのか、またカジュアル面談と混同されやすい雑談面接とはどのようなものかについて、ここで確認していこう。

まず、面接と面談とは異なるものだという理解が必要である。採用活動での面接とは、企業が求めているニーズに求職者がマッチしているかどうかを判断するために設けるものである。つまり、面接の目的は、企業側が求職者を「選考」や「選別」をするためだといえる。

これに対して採用活動における面談とは、面接のような一方的なやり取りでなく、企業側と求職者とが対等な立場にあり、情報を交換し合うことでお互いの理解を深め、コミュニケーションを取るために設けられるものである。

つまり面談の目的は、企業側と求職者とがお互いが必要とする情報をやり取りし、深く知ったうえで信頼関係を築き上げていくことだといえる。

このような面接と面談の目的の違いを踏まえておくと、カジュアル面談と雑談面接との違いについても理解しやすいだろう。

カジュアル面談は「面談」であるため、一般的には企業側が求職者を選定したり選考したりする材料にすることはない。あくまでも、お互いの情報をカジュアルな雰囲気で交換し合う場なのである。

これに対して、雑談面接とは「面接」であるため、雑談のようなやり取りを通して、求職者が企業に選考される場だといえる。同じような雰囲気で行われるものであっても、カジュアル面談と雑談面接とは目的が異なることを把握しておこう。

関連記事:面談と面接の違いとは?採用選考における効果的な使い分け

カジュアル面談を行う目的

ここでは、なぜカジュアル面談が注目を浴びているのか、また企業がカジュアル面談を行うのはどのような目的のためなのかについて、より理解を深めていこう。

企業・候補者お互いのことをまずは知るため

先にも述べたとおり、カジュアル面談を行う大きな目的は、採用する企業側と求職者側がお互いの情報を交換し合うことにある。

選考を目的とした面接では、審査される側である求職者側が緊張を強いられるため、いつもの自分を出すことができない恐れがある。また、選考されていると思うと、求職者側から質問したいことやわからないことがあっても言い出しにくいかもしれない。

その点、選考を目的とせず、リラックスした雰囲気でお互い気軽に意見交換しやすいカジュアル面談であれば、求職者の緊張度合いも減るため、いつもの自分を出しやすく、企業側への質問もしやすいといえるだろう。

企業側と求職者側、ともにお互いについてまず知ることができる場として、カジュアル面談を行うことは非常に有効だと考えられる。

ミスマッチな応募を防ぐため

カジュアル面談の目的として、ミスマッチな応募を防げる点も挙げられる。採用におけるミスマッチとは、企業側と求職者との間に仕事に対する認識や価値観などのズレが生じることを表す言葉だ。

採用ミスマッチが生じると、せっかく採用した人材が早期退職してしまったり、社内で十分に活躍できなかったりするといった悪状況を引き起こす。採用や研修などにかかった費用や時間、労力などが無駄になってしまうため、企業側としては避けたい事案である。

しかし、採用活動の初期段階で企業と求職者との理解を深め合うことができるカジュアル面談を実施すれば、採用ミスマッチが生じにくくなるため、早期退職や社内での人材不適合などを防ぐ効果があると考えられる。

関連記事:ミスマッチとは?企業やビジネスにおける定着率の高い組織をつくるための秘訣

より多くの求職者と会うことができる

カジュアル面談の場を設ける目的として、より多くの求職者と会うことができる点も挙げられる。

面接となると求職者側も身構えてしまうため、気軽に応募しにくくなる場合があるが、カジュアル面談であれば、応募しようかどうかを迷っている段階の求職者であっても応募しやすくなる。

そして、カジュアル面談に参加した結果、これまで良く知らなかった企業の情報を得ることができ、応募先の選択肢が広がることもあり得るだろう。

また企業側にとっても、通常の採用活動よりも多くの求職者との接点や機会を得ることができるため、すぐに面接を行う場合よりもニーズにマッチした人材や優秀な人材を見つけやすくなると考えられる。

加えて、すぐに選考に至らなかったとしても、カジュアル面談によって求職者側の興味関心が得られていた場合には将来的な応募も見込めるため、母集団形成としても効果的な一手になり得るだろう。

関連記事:母集団形成とは?新卒・中途採用を成功に導く入口を解説

カジュアル面談実施に向けて必要なこと

採用活動におけるカジュアル面談の実施が、企業側にとっても求職者側にとってもメリットがあることがわかっただろう。次に気になるのは、カジュアル面談の具体的な実施方法や成功させるための注意点などである。

そこで、ここではカジュアル面談を実施する際におさえておくべきポイントや、必要なことについて説明する。カジュアル面談を採用活動にうまく取り入れるためにも、これらのポイントをしっかりと把握しておくことがおすすめだ。

候補者に知ってもらいたい情報を整理する

カジュアル面談は、求職者に向けて自社の情報を詳しく伝えたり、企業の魅力をアピールしたりする場である。よって、カジュアル面談を有意義なものにするためには、求職者に知ってもらいたい情報を事前に整理しておくことが大切なのである。

具体的には、自社の情報を次のようにまとめて準備しておくと良いだろう。

組織体制と仕事内容について紹介する

まず、企業全体の情報として、どのような組織体制になっているのか、それぞれの場所でどのような仕事が行われているのかをまとめておくと良いだろう。

組織体制や、それぞれの仕事内容を紹介する方法は、資料や口頭によるものだけではない。例えば、カジュアル面談で会社紹介の動画を流したり、社内を実際に案内したりするという方法もある。

社員がどのような業務をしているのかを紹介する

企業全体の組織体制だけでなく、実際に働いている社員の業務内容を紹介するのもおすすめである。

先の組織体制の紹介と同様に資料や口頭での説明だけではなく、動画を用いたり社員をカジュアル面談に参加させたりしても、具体的なイメージを持たせるために効果的であるといえる。

実際に社内で働いている人たちからの生の声で、職場の雰囲気や仕事内容を伝えてもらっても良いだろう。

関連記事:採用マーケティングで動画を活用するメリットとポイントとは?

企業が求める人物像を紹介する

カジュアル面談で伝えるのは、企業の情報だけではない。企業側として、今どのような能力やスキルを持った人材を必要としているのか、採用したいのはどのような人物なのかを明確に伝えることも大切だ。

求めている人物像を伝えるときは一方的にならないよう、求職者がどのような仕事で自分の能力を活かしたいのか、具体的に描いている将来像があるのかといった質問を交えながら行うと良いだろう。

関連記事:カルチャーフィットとは?新卒・中途採用のミスマッチを防ぐポイントを解説

企業の今後の展望や課題点について紹介する

企業が考えている今後の展望や課題点について、カジュアル面談の場で触れておくこともおすすめである。

企業側がどのような展望やビジョンを抱き、それを実現するための課題にどう取り組んでいくつもりなのかを伝えることで、求職者に企業の向上心や発展性などをアピールし、自分も一緒に目指してみたいといった意欲を喚起する可能性も考えられる。

上記のような内容を整理したうえで、面談の流れの中で情報の出し分けを行うことによって、求職者が知りたい上をその場で伝えることが可能になる。

候補者の採用活動状況を把握する

カジュアル面談は、企業側の情報を求職者に伝えるだけではなく、求職者の状況を知るためにも活用できるものだ。

カジュアル面談を通じて、求職者が現在どのような状態にあるのか、どれくらい自社への入社を希望しているのかといったニーズを確認しよう。

さらに、求職者はカジュアル面談の内容次第で、本選考を受けるかどうかを判断する場合がある。そのため採用したい人材がいる場合は、よりしっかりと採用活動状況などを把握することが必要だ。

直接的な採用活動に関する質問だけではなく、求職者が抱いている自社のイメージや将来の希望などについて質問を交えながら、企業の魅力をアピールしつつ、本選考へ導くような案内をすると良いだろう。

合否が決まるような選考ではないことを明言する

先に述べたとおり、カジュアル面談の内容や取り組みは、すべての企業で統一されているわけではない。そのため、中にはカジュアル面談であると謳っているにもかかわらず、選考時の判断材料にするところもあるかもしれない。

求職者が「選考の判断材料にされるかもしれない」といった不安を抱いていると、せっかくリラックスした雰囲気で企業と求職者との理解を深める機会であるカジュアル面談の意味がなくなってしまう。

そのような事態に陥らないためにも、あらかじめ今回のカジュアル面談が、合否を決めるような選考ではない旨を明言しておくことが必要である。

求職者に余計な緊張や不安を持たせることなく、企業が求める情報を得て、さらに求職者に知ってほしい情報を伝えられるといったカジュアル面談の効果が、存分に発揮できるような気配りを忘れないようにしよう。

まとめ

カジュアル面談は採用のミスマッチを防ぎ、企業と求職者が互いに情報を得られる機会として効果的であるため、近年多くの企業で取り入れられている。多くの人材と会うきっかけになることもメリットである。

カジュアル面談を成功させるためには、あらかじめ求職者に伝える情報をまとめておく、面接と違って選考には関係しないことを求職者に伝えておくなどの注意が必要だ。カジュアル面談を上手に採用活動に取り入れ、ニーズにマッチした人材確保のチャンスを増やそう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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