2022.6.10

内定者面談とは?実施の目的や流れ、質問例を採用担当者視点で解説!

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内定者面談とは、内定を出したあとに企業と内定者とで面談をおこなうことを指す言葉である。今回は内定者面談とはなにか、実施する目的や流れなどを紹介する。内定者面談をおこなううえで知っておきたいポイントや採用担当者が聞くべき質問例も解説しているため、併せてチェックしよう。

内定者面談とは?

内定者面談とは、すでに内定通知を送っている採用予定者を対象として企業が面談をおこなうものである。実施する企業と実施しない企業とがあり、近年は以前よりも内定者面談をおこなう企業が増加傾向にあるといわれている。

内定者面談をおこなうことで、内定を出したあとの承諾率を上げたり、内定辞退をする人が何人ほどいそうなのかなど、内定後の動向をチェック・フォローできる効果がある。

関連記事:内定者フォローのポイントとは?コロナ禍でもオンラインで内定者との接点を強める方法

内定者面談を実施する目的

内定者面談を実施する目的には、さまざまなものがあるといわれている。主な内定者面談の目的は、以下のとおりだ。

・ 入社に対する意欲をチェックするため
・ 内定者の囲い込みのため
・ 入社前に感じている不安や心配をフォローするため
・ 入社に関する説明をおこなうため
・ 内定承諾期限を設定するため
・ 新入社員の配属先を決定する際の参考にするため

内定者面談を実施するうえでとくに重要視されている目的は、内定者のフォローアップと入社意思の確認である。

採用試験に応募してもらって内定を出していても、その後スムーズに入社してもらえるとは限らないものだ。入社ぎりぎりのタイミングまでは辞退できるようになっており、実際に研修までおこなっていても内定を辞退されてしまうケースは少なくない。

企業としては、採用計画でもともと目標採用人数が決められているため、内定の辞退をされてしまうと再度選考をし直さなくてはならない事態になってしまう。これを回避するために、内定者のフォローアップと入社するかどうかの意欲のチェックが欠かせないのである。

関連記事:採用計画の立て方とは?概要や計画の進め方を解説!

内定をもらっている学生でも、入社前には不安や心配が尽きないものだ。早めに内定が確定した場合には7~8月ごろに連絡があり、遅くとも10月の内定式の前には内定の連絡が来ているため、就職する時期までは期間があく。

時間がある分、本当に入社できるのか、入社後はしっかりとサポートしてもらえるのかなどと不安になってしまいがちである。内定者面談をおこない企業と内定者とのつながりを作り、悩みや疑問を解消できるようにしているのだ。

基本的に、内定者面談は少人数で実施される。企業としては、親身な姿勢で悩みや疑問などの相談に乗り、フォロー体制がしっかりしている企業であると高評価を受けられるような対応を目指そう。

関連記事:フォローアップの意味は?離職率との関連性や方法

内定者面談実施の流れは?

内定者面談を実施する流れは、以下のとおりだ。

・ 面談でする話の内容・方向性を決める
・ 実施時期・回数を決める
・ 面談をする社員を決める
・ 内定者からの逆質問を想定しておく
・ 中途の場合は条件面のすり合わせが発生する場合もある

それぞれどのようなことに気を付けるのか、ポイントごとに詳しくチェックしていこう。

面談でする話の内容・方向性を決める

内定者面談を実施する前に、面談で話す内容や方向性を決めておく。面談で話す内容は、主に内定者の入社意思の確認と互いの疑問点や不安な点の確認、入社前に必要となる説明だ。

入社前の説明として、配属部署の説明や希望部署があるかの確認、給与や手当、ボーナス、有給休暇などの雇用関係に関する契約内容などをすることがある。事務的な説明は面談ではなく大勢でおこなう説明会で話す企業が多いものの、内定者フォローの話のきっかけづくりのために面談を実施し、コミュニケーションを図ってもいいだろう。

実施時期・回数を決める

面談の実施時期や回数も決めておく。内定者面談のタイミングは、内定通知を出してから内定を承諾してもらうまでの間におこなうケースと、内定承諾後におこなうケースの主に2つがある。

内定を承諾してもらうまでの間におこなう場合は、内定承諾を促すことを目的としている。内定承諾後におこなうケースでは、内定を承諾してから感じる不安を解消する狙いがあったり業務を具体的にイメージできる内容を説明したりと、タイミングによってねらいが変わるものだ。また、内々定の時期であれば複数人での企業説明を中心とした面談が多い。

内定者面談は複数回設定することをおすすめする。面談を重ねることによって理解度が深まるうえ、単純な接触回数を増やすことで好感度や安心感を効果的に高められるだろう。

面談をする社員を決める

内定者面談を実施する前に、面談をする社員を事前に決定しておく。たとえば、企業説明をおこなう面談の回では経営陣から直接企業理念やミッション、ビジョンを聞けるようにしたり、配属予定部署の上司を面談の担当者にして実際の業務の内容や雰囲気が伝わるようにしたりなどがおすすめだ。

面談の内容や実施する時期などにあわせて面談をする社員を決めることで、より手厚いフォローができるようになる。とくに経営陣から直接面談で話が聞ける機会があると、内定者を大切にしている企業であると印象付けることができるだろう。

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新社会人としての意識を醸成する「レディネス」とは?内定者に必要なフォローを解説

内定者からの逆質問を想定しておく

内定者面談では、内定者からも企業担当者に質問をする機会がある。これを逆質問というが、面接の際には詳しく質問できなかった求職者も、内定承諾後であればある程度踏み込んだ質問をしやすくなるといわれている。

内定者からの逆質問でよくあるのは、配属先の部署や業務について、給与や労働条件について、大まかな年間スケジュールや繁忙期、社内行事についてなどだ。また、入社までに勉強しておくことや用意しておくことも聞かれる。

内定者からの質問に対してスムーズに答えられるよう、事前にこれらのよくある質問への準備をしておくといいだろう。

中途の場合は条件面のすり合わせが発生する場合も

とくに中途採用者の場合には、年収などを含めた細かい条件面のすり合わせが発生する場合がある。人事としては内定者面談で中途採用者にしっかりと話を聞き、条件面を検討したいという思惑があるだろう。

しかし、「詳しい条件は面談の際に伝えます」としてしまうと、内定者は条件を前もって検討しておけなくなってしまう。条件を重視する内定者としっかり話し合いをするためには、事前に説明しておくことが重要である。

面談の際に条件を伝えると、内定者から「条件を検討してから改めてご連絡します」などといわれてしまいかねないだろう。面談の際に最終的なすり合わせをして内定を承諾してもらいたい場合には、年収などについてしっかり考えておいてほしいことを伝え、面談の際に認識の差がないかきちんと確認することが重要だ。

内定者面談で採用担当者が聞くべき質問例

内定者面談の際に採用担当者から聞くべき質問の例は、以下のとおりである。

・ 内定承諾にあたって気になることや懸念点はないか?
・ 他社の就活状況はどうなっているか?

それぞれの質問の例について、詳しくチェックしていこう。

内定承諾にあたり気になること、懸念点はないか?

先述のとおり、内定者面談をおこなう目的のひとつは、内定者が入社前に感じている不安や心配をフォローするためである。内定者面談では、内定者の不安や心配を解消できるように懸念点を質問し、丁寧に説明することによって内定を承諾してもらえる可能性を上げるようにするといいだろう。

特に近年、新卒採用の場合はオヤカクと呼ばれる親の意見・想いが内定承諾先選びにも関わってくるケースがある。内定者本人だけでなく、そういった周囲の意見なども考えていく必要があるだろう。

もしも内定承諾を迷っている人がいるようであれば、とくに親身にフォローをおこなうことが重要だ。しっかりと企業の実情を伝え、内定者が持つ悩みにきちんと向き合う姿勢を見せて安心感を抱いてもらおう。しっかりと対応して信頼関係を築くことで、内定辞退をできる限り避けられるようになることが重要である。

関連記事:
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他社の就活状況はどうなっているか?

入社意思の確認も、内定者面談を実施するうえでとくに重要視されている目的のひとつである。内定の辞退によって再度選考をし直さなくてはならない事態になってしまうことを避けるためには、他社の就活状況はどうなっているかをしっかりと確認しておくことが重要だ。

内定者の確保のためには、他社の採用スケジュールを把握しておく必要がある。「他社での選考が進んでいて返答の期限があるようであれば、こちらの日程も調整するので教えてくださいね」などと伝えて、確認を取るようにしよう。

採用面接の際は、他社の就活状況について聞いても「第一志望は御社です」と答えることが多く、実際の状況がわかりにくいものである。内定者面談では面接の際とは違って多少正直に話してもらいやすいため、他社の就活状況を確認しておこう。

まとめ

内定者面談とは、すでに内定通知を送っている採用予定者を対象として企業が面談をおこなうものである。実施しない企業もあるものの、以前よりも内定者面談をおこなう企業が増加傾向にあるといわれている。

内定者面談をおこなうことで、内定を出したあとの承諾率を上げたり、内定辞退をする人が何人ほどいそうなのかなど、内定後の動向をチェックできる効果がある。

主な内定者面談の目的は、以下のとおりだ。

・ 入社に対する意欲をチェックするため
・ 内定者の囲い込みのため
・ 入社前に感じている不安や心配をフォローするため
・ 入社に関する説明をおこなうため
・ 内定承諾期限を設定するため
・ 新入社員の配属先を決定する際の参考にするため

採用試験に応募してもらって内定を出していても、その後スムーズに入社してもらえるとは限らないものだ。企業としては、採用前にもともと目標採用人数が決められているため、内定の辞退をされてしまうと再度選考をし直さなくてはならない事態になってしまう。これを回避するために、内定者のフォローアップと入社するかどうかの意欲のチェックが欠かせないのである。

内定者面談を実施する流れや気を付けるべきポイント、内定者面談で採用担当者が聞くべき質問の例などを理解して、実際の内定者面談に役立てていこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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