2023.1.16

第二新卒の転職は難しいか?失敗の原因と成功のコツを解説!

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第二新卒は、新卒入社から3年以内に離職し、転職活動を行う20代半ばまでの求職者のことである。新卒よりも教育時間を短縮できることから、即戦力としての活躍が期待できる。ただし、第二新卒にはデメリットがある。特に、社会人経験により新卒よりも期待度が上がることが、転職活動を難しくしている。

しかし、デメリットを理解したうえでしっかりと準備をすれば、理想的な転職は難しいことではない。この記事では、第二新卒の定義やメリット、デメリットとともに、転職に失敗する原因や成功のコツについて解説する。

第二新卒とは?

第二新卒とは、大学卒業後、新卒入社から3年以内に離職した人材で、年齢的には20代中盤までをさす。一度社会に出ているため、新卒よりも教育時間がかからないことを前提として、第二新卒を積極的に採用するケースも見受けられる。

ここでは、第二新卒の定義と、似た用語である既卒との違いについて解説する。

新卒後、何年以内であれば第二新卒にあたるのか?

厚生労働省によると、最終学歴より、3年以内が第二新卒に該当するとされている。卒業後3年を卒業する学校ごとに年齢を計算すると、以下のようになる。

● 高校卒業者:約21歳
● 短期大学卒業者:約23歳
● 4年制大学卒業者:約25歳
● 大学院卒業者:約27歳

ただし、必ずしも3年に縛られるわけではなく、企業によって第二新卒を定義しているのであれば、その定義を優先しても良い。

参考:厚生労働省「若年者雇用を取り巻く現

既卒と第二新卒の違いとは?

既卒には明確な定義は存在しない。ただし一般的には学校卒業後、1~3年程度経過し、正社員としての勤務経験がない人を既卒としている。つまり、既卒と第二新卒の違いは就業経験の有無といえる。

既卒の場合、前職の退職調整の必要がなく、年齢的にも新卒と大きく変わらない。そのため、既卒に該当する人でも新卒として応募可能としている企業が増えてきている。

関連記事:採用担当者は知っておくべき第二新卒とは?新卒との違いや、いつまでが第二新卒か?採用するメリットや方法を解説

第二新卒のメリットとデメリット

第二新卒は一度就職し、社会人経験を積んでいる。そのため企業側からすると、新卒中途採用よりも教育面でメリットが大きい部分があるのだ。ただし、社会人経験を積んだことによるデメリットも存在する。

新卒よりも期待値が上がることや、早期退職した事実があることも忘れてはならない。ここでは、第二新卒のメリットとデメリットについて解説する。

メリット

第二新卒のメリットは以下の3つだ。

● 社会人を経験している
● 中途採用よりも社風に染まりやすい
● 競争相手が少ない

第二新卒は、一度社会人としての経験を積んでいることが大きなメリットだ。企業側からは、社会を経験したうえで転職をするからには、仕事に対する高い意欲を持っていると思われる。新卒時に基本的なビジネスマナーに対する教育を受けていれば、教育コストを抑制できる点も、第二新卒に期待されるポイントだ。

社会人経験年数の少なさは、社風に染まりやすさにつながる。中途採用の場合、これまでのやり方へのこだわりや習慣から、企業ルールを守らない人も少なくない。

転職先の上司が年下であれば、うまくコミュニケーションを取れないといった問題も発生するだろう。第二新卒であれば、仕事のやり方へのこだわりや習慣がないため、社風に染まりやすいのだ。

また、第二新卒は競争相手が少ないこともメリットといえる。第二新卒の人材に着目している企業は多くない。そのため、しっかりと社風や理念を研究したうえで面接に挑めば、採用される可能性も高いだろう。

デメリット

第二新卒のデメリットには、以下の3つが挙げられる。

● 新卒よりも期待値が高い
● 現場経験が少ない
● 早期退職リスクがあると思われている

第二新卒は、一度社会人として働いたことがデメリットになる。社会人としての経験を積んでいるため、ビジネスマナーや仕事の進め方に対する期待度が上がってしまう。期待していたよりもビジネスマナーができていないと思われた場合、評価が下がる可能性も考えられる。

現場経験の少なさもデメリットだ。一度社会人経験を積んでいるとはいえ、業種や職種が異なれば、簡単には対応することは難しい。できないことは素直に認め、自分から積極的に質問したり確認したりしながら取り組むことが必要だ。

また、早期退職リスクがあると思われることもデメリットといえる。第二新卒は新卒で入社した会社を早期退職したという事実がある。そのため、企業側からすると「すぐに辞めるのではないか」と警戒されるのだ。

対策として、面接時に前向きな転職であるとアピールする必要がある。「こういう課題と向き合うために転職しました」といったように、自己分析した内容と、その改善に向かって取り組んでいることを伝えることで、企業側の警戒心も和らぐのだ。

関連記事:新卒の配属先を決める方法は?考え方や配属後に気をつけたいポイント

第二新卒が転職に失敗してしまう原因3選

第二新卒が転職に失敗してしまう原因として、以下の3つが挙げられる。

● 衝動的に辞めてしまった
● 転職理由がネガティブ
● ビジネスマナーが身についていない
どの原因も、転職に対する準備不足が理由だ。第二新卒が置かれた状況を理解し、準備をしたうえで転職活動に挑まなければ、転職活動は難しいものになる。ここでは、第二新卒が転職に失敗してしまう3つの原因について解説する。

衝動的に辞めてしまった

第二新卒が転職に失敗してしまう原因として挙げられるのは、衝動的に辞めてしまったケースだ。仕事内容や人間関係が嫌になり、転職というよりも現状から離れたいという後ろ向きな気持ちから会社を辞めてしまうケースである。

その場合、転職後のキャリアプランが明確ではない状態で転職活動をはじめることになる。そうなると、何を基準に転職先を探せばいいのかわからず、転職活動自体がスムーズに進まない。

衝動的に辞めた場合、お金の問題も発生する。十分な貯金がなければ、余裕を持った転職活動ができず、焦って転職先を決めることも考えられる。そうなると、思い描いていた転職に至らないケースも考えられるだろう。

もちろん、心身の不調で辞めざるを得ない場合は仕方がない。しかし、衝動的な感情で辞めたいと思うのであれば、理想の転職先を見つけるためにも、働きながらキャリアプランを明確にしたうえで転職活動を進めることが重要だ。

転職理由がネガティブ

転職理由がネガティブな場合も、第二新卒が転職に失敗してしまう原因だ。第二新卒は早期退職しているため、面接で「なぜ会社を辞めようと思ったのか?」と聞かれる可能性は高い。

その際「上司と言い合いになった」「給料に不満がある」といった不満や問題を伝えた場合、面接官が好印象を抱く可能性は低い。「うちの会社でも問題を起こすかもしれない」「給料が上がらなかったら辞めるかもしれない」と思われ、内定をもらうことは難しいだろう。

面接官に悪い印象を与えないためにも、できるだけ転職理由をポジティブに伝えることが大切だ。上司と言い合いになったことが退職理由であったとしても、言い方を変えるだけで面接官の受け取り方が変わるのだ。

例えば「より良い成果を出すためには、立場に関係なく意見を出すことが必要と考えています」と伝えるだけでも、面接官が受ける印象はポジティブなものになる。転職理由の伝え方を工夫できるように、事前準備が必要だ。

ビジネスマナーが身についていない

ビジネスマナーが身についていないことも、第二新卒が転職に失敗してしまう原因のひとつだ。メリットとデメリットの章でも述べたとおり、第二新卒は社会人経験を評価されることで採用されやすい反面、ビジネスマナーや仕事の進め方に対する期待度が上がる。

言葉遣いや挨拶、名刺交換といった新卒がはじめに教育を受けるビジネスマナーが身についていないと判断された場合、面接官に好印象を与えることはできない。改めてビジネスマナーに対する教育が必要となれば、第二新卒を採るメリットが半減するからだ。

そのため、基本的なビジネスマナーはしっかり押さえたうえで面接に挑む必要がある。

関連記事:ミスマッチとは?企業やビジネスにおける定着率の高い組織をつくるための秘訣

第二新卒が転職に成功するためのコツ3選

第二新卒が転職に成功するためのコツとして、以下の3つが挙げられる。

● 自己分析をして将来像を明確にする
● 条件に優先順位をつける
● 外部サービスを利用する

理想の転職を実現するだけでなく、効率的に転職活動を進めるためにも、これらのポイントを押さえておきたい。

自己分析をして将来像を明確にする

第二新卒が転職に成功するには、自己分析をして将来像を明確にする必要がある。第二新卒は、理由はともあれ前職を早期退職していることは事実だ。そのため、企業側も早期退職を恐れ、面接時になぜ退職したのかを詳しく確認する。

その際に、退職理由やキャリアプランをスムーズに伝えられなければ、内定を得るのは難しいだろう。しっかりと自己分析を行い、将来像を明確にしておくことで、はじめて転職活動に取りかかれるのだ。理想とする転職を実現するためにも、自己分析を怠ってはいけない。

条件に優先順位をつける

条件に優先順位をつけることも、第二新卒が転職に成功するコツだ。自己分析をして将来像を明確にすると、自分が理想とする条件がわかる。しかし、自分が求める条件をすべて満たす会社は簡単には見つからないだろう。

すべての条件を追い求めた結果、就職活動が長引き、結果的に焦って転職先を決めるケースも考えられる。一度社会人を経験すれば、自分が働く会社に対して譲れない条件がわかるだろう。譲れない条件を絞ったり、優先順位をつけたうえで転職先を探したりすることで、条件を満たす会社が見つかるのだ。

外部サービスを利用する

転職や求人の外部サービスを利用することも、第二新卒が転職に成功するコツといえる。転職活動となると、新卒時の就職活動と異なり採用説明会に頻繁に参加する機会はないため、新卒時と比較すると得られる情報は少ない。自分だけで情報を集めるのは、負担になるだろう。

しかし、転職活動の負担をひとりで抱え込む必要はない。求人サイトや転職エージェント、キャリアカウンセリングといった外部サービスを利用するのもひとつの方法だ。外部サービスに頼ることで、転職活動を効率的に進められる。効率的に転職活動を進めるためにも、外部サービスの利用がおすすめだ。

関連記事:「マス型採用」から自社のPRを積極的に行う「個別採用」へ。 TwitterなどのSNSも活用する注目の採用術とは?

まとめ

第二新卒の場合、一度就職し、社会人経験を積んでいるので、新卒よりも教育面でのメリットが大きい。このため、第二新卒を積極的に採用する企業が増えている。ただし、新卒よりもビジネスマナーや仕事の進め方に対する期待度が高いことや、早期退職のリスクがあると思われるといったデメリットも存在する。

デメリットを理解したうえで、転職に対してしっかり準備をすることが必要だ。そのためにも、以下のポイントを押さえておきたい。

● 自己分析をして将来像を明確にする
● 条件に優先順位をつける
● 外部サービスを利用する

これらの準備をし、効率的に転職活動を進めよう。

関連記事:採用マーケティングとは何か。必要とされる背景と考え方

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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