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2021.12.10
MECE(ミーシー)とは、重複も漏れもない状態、あるいは重複も漏れもないように考えることを指す言葉だ。MECEを理解することはロジカルシンキングを実施するうえでも役に立つ。ビジネスシーンにおいて、効率的な問題解決や意思決定を行うために欠かせない思考法の一つである。
MECEの概念は、マッキンゼー・アンド・カンパニーによって開発され、現在では多くの企業や組織で広く活用されている。MECEを実践することで、複雑な問題を整理し、論理的な分析や戦略立案が可能となる。
具体的にMECEとは、Mutually Exclusive(相互排他的)とCollectively Exhaustive(全体網羅的)の頭文字を取った略語である。「相互排他的」とは、各要素が重複せず独立していることを意味し、「全体網羅的」とは、すべての可能性を漏れなく網羅していることを指す。
MECEの考え方を活用することで、ビジネスにおける様々な場面で効果を発揮する。例えば、市場分析、顧客セグメンテーション、プロジェクト管理、リスク分析など、幅広い領域で応用が可能だ。MECEを意識することで、網羅性と効率性を両立し、より質の高い意思決定や戦略立案につながる。
本記事では、MECEの基本的な考え方や具体的なやり方、そして実際のビジネスシーンでの活用方法について詳しく解説していく。MECEを理解し、ロジカルシンキングのスキルを磨くことで、ビジネスパーソンとしての競争力を高めることができるだろう。
目次
より多くの人に受け入れられる企画を打ち出すためには、消費者が抱える課題やニーズを網羅的に理解することが必要だ。しかし、些細な要素も取りこぼすことなく理解することに集中するあまり、同じ要素を何度もカウントして物事を複雑化してしまうのでは効率性が落ちてしまう。
そこで意識したいのがMECE(ミーシー)の考え方だ。MECEを意識することで、網羅性と効率性を両立することが可能になる。
関連記事:フレームワークとは何か?思考を整理しビジネスを進めていくための枠組みを解説
MECE(ミーシー)は、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉で、「重複も漏れもない状態」あるいは「重複も漏れもないように考えること」を指す重要な概念だ。ビジネスにおいて効果的な戦略を立てるために欠かせないMECEの考え方は、ロジカルシンキングの基本となる。
MECEを理解し実践することで、企画立案や問題解決において網羅性と効率性を両立させることが可能だ。例えば、より多くの消費者に受け入れられる企画を打ち出すためには、顧客が抱える課題やニーズを網羅的に理解する必要がある。しかし、些細な要素も取りこぼすことなく理解しようとするあまり、同じ要素を何度もカウントして物事を複雑化してしまうと、効率性が低下してしまう。
MECEの考え方を活用することで、このような課題を解決し、ビジネスにおける意思決定や分析をより効果的に行うことができる。MECEを意識しながら情報を整理することで、重要な要素を漏れなく把握しつつ、重複を避けて効率的に思考を進めることが可能になるだろう。
ビジネスシーンでMECEを実践する際は、まず全体像を把握し、次に個々の要素を分類・整理していくアプローチが有効だ。この過程で、重要な情報を見逃さず、かつ重複を避けることで、より精度の高い分析や戦略立案につながる。
MECEの考え方は、様々なビジネスフレームワークの基礎となっており、3C分析や4P分析、SWOT分析などの手法にも応用されている。これらのフレームワークを活用することで、MECEの原則に基づいた効果的な分析が可能になるのだ。
ロジカルシンキングとは、根拠を積み重ねて論理的に破綻がないように思考し、結論を導く方法のこと。MECE(ミーシー)は、ロジカルシンキングを実施する上で基本となる考え方だ。ロジカルシンキングを効果的に行うためには、物事を順序立てて考える必要がある。その際にMECEの考え方を習得しておくことで、漏れがなく重複もない状態で根拠を積み重ねていくことができる。これにより、結論にも破綻が生じにくくなり、より説得力のある論理展開が可能になる。MECEを意識したロジカルシンキングは、ビジネスにおける問題解決や意思決定の場面で特に有効だ。例えば、新規プロジェクトの立案や戦略策定において、MECEを用いたロジカルシンキングを実践することで、より包括的かつ効率的な計画を立てることができるだろう。
トップダウンアプローチとは、全体を把握して枠組みを決定してから細部を作り上げるアプローチ方法のことだ。MECE(ミーシー)の考え方を活用し、全体像を漏れなく重複なく整理することで、効果的なトップダウンアプローチが可能となる。全体がすでにわかっている場合やゴールが明確に定まっている場合には、トップダウンアプローチが利用しやすく、また、結論を導くまでの時間を短縮できる。MECEを意識しながらトップダウンアプローチを実施することで、論理的な思考プロセスを展開し、効率的に問題解決や戦略立案を行うことができる。
ボトムダウンアプローチとは、細部から全体を導き出すときに用いられるアプローチ方法である。MECEの考え方を活用し、まずは考えられる要素を漏れなく列挙し、何らかの共通点を見つけて分類し、体系を探り当てていく。このアプローチは、MECEの原則に基づいて細かい要素を積み上げていくため、網羅性が高く、新しい視点や発見を得やすいという特徴がある。ボトムアップアプローチを用いる際は、MECEを意識しながら要素を整理し、重複を避けつつ漏れがないように注意することが重要だ。
MECEを効果的に実践するには、単に思いつくままに要素を列挙するだけでは不十分だ。MECE(ミーシー)の本質を理解し、系統立てたアプローチが必要になる。以下の3つのステップに従って、MECEを実行していこう。
・要素を列挙する方針を定める
まず、分析対象となる問題や課題に対して、どのような観点から要素を抽出するかを決定する。これにより、MECEの基本原則である「漏れなく」「重複なく」を意識しやすくなる。
・階層に注意をして要素を洗い出す
次に、定めた方針に基づいて要素を列挙する。この際、大項目から小項目へと階層構造を意識することが重要。MECEの考え方を適用しながら、各階層で漏れや重複がないか確認しつつ進めていく。
・要素を因数分解し、漏れや重複がないかチェックする
最後に、列挙した要素を更に細分化し、因数分解する。この過程で、MECEの原則に基づいて漏れや重複がないかを慎重にチェックする。必要に応じて要素の再分類や追加を行い、完全なMECE状態を目指す。
これらのステップを踏むことで、より効果的にMECEを実践することができる。また、MECEを活用したロジカルシンキングを行う際は、常に全体像を把握しながら、各要素の関連性や重要度を考慮することが大切だ。MECEの考え方を身につけることで、複雑な問題を整理し、効率的な問題解決や意思決定につなげることができるだろう。
MECEを利用してロジカルシンキングを実施するためには、MECEの状態について熟知している必要がある。MECE、つまり漏れもなく重複もない状態とは具体的にどのような状態なのか見ていこう。MECEの考え方を適切に理解することで、効率的な分析や問題解決が可能となる。
MECEの状態では、対象となる要素や項目が互いに重複せず、かつ全体を漏れなくカバーしている。例えば、人口統計を年齢層で分類する際、「0-18歳」「19-64歳」「65歳以上」というカテゴリーを設定すれば、すべての年齢層を網羅し、かつ各カテゴリーが重複しないMECEな状態となる。
ビジネスにおいてMECEを実践する際は、常に全体像を意識しながら、各要素が互いに排他的であり、かつ全体を網羅していることを確認することが重要だ。このアプローチにより、効果的な戦略立案や意思決定が可能となり、ビジネスの成功につながるだろう。
MECEの基本原則である「漏れもなく重複もない」状態を実現するには、適切な分類軸の選択が重要だ。例えば「年齢」は、MECEを達成しやすい分類軸の一つ。20歳未満、20代、30代、40代、50代、60代、70歳以上のように分類すれば、ターゲットを取りこぼすことなく、かつ重複も避けられる。このようなMECEな分類により、ビジネス分析や戦略立案において、漏れのない効率的な思考が可能になる。
MECEの考え方は、マーケティング戦略の立案やターゲット顧客の分析にも有効だ。例えば、商品ラインナップを検討する際、「年齢層別」「価格帯別」「用途別」などの軸でMECEな分類を行うことで、市場の全体像を把握しやすくなる。これにより、新商品開発や既存商品の改善点の発見にもつながり、ビジネスの成長に寄与する。
MECEを意識することで、複雑な問題や課題を整理し、論理的に解決策を導き出すことができる。ただし、MECEな状態を追求するあまり、現実世界の複雑性を無視してしまわないよう注意が必要だ。MECEは思考の整理や分析のツールであり、常に柔軟な適用が求められる。
MECEではない状態は、次のいずれかに分けられる。MECEの考え方を適切に適用できていない場合、以下のような問題が生じる可能性がある。
・ 重複はないが漏れがある
・ 漏れはないが重複がある
・ 重複も漏れもある
これらの状態は、ロジカルシンキングを実践する上で避けるべき落とし穴となる。例えば、「重複はないが漏れがある」状態では、重要な要素を見落としてしまい、結果として不完全な分析や意思決定につながる恐れがある。一方、「漏れはないが重複がある」状態では、同じ要素を複数回考慮することで、分析の効率性が低下し、結論の導出に時間がかかってしまう可能性がある。
最も避けるべきは「重複も漏れもある」状態だ。この状態では、MECEの利点を全く活かせておらず、論理的思考の基盤が崩れてしまう。ビジネスにおいてMECEを活用する際は、これらの状態に陥らないよう注意深く要素を整理し、分類することが重要である。
例えば年齢で分類する際に、20歳未満、20代、30代、40代、50代だけを選択肢とするならば、60歳以上の人を対象とすることができない。このように重複しない枠組みを使って分類する場合も、選択肢を十分に用意しないことで漏れが生じることがある。
また、カフェのメニューを考える際に、ターゲットを働く女性と男子学生だけに限定すると、対象が重複することはなくても、働く男性や女子学生、無職などを取りこぼす可能性がある。重複がないことで効率性は低下しないものの、漏れが生じていることで網羅性がなくなる恐れがあるといえるだろう。
またカフェのメニューを考案する、というシーンを考えてみよう。ターゲットを通勤する会社員と学生、無職の3つに分類した場合、すべての人を網羅しているように見える。しかし、会社員でありながら学生でもある人を重複して考えることになり、解決すべき課題が複雑化する恐れがあるだろう。分類する要素を決定するときは、漏れがないようにチェックするだけでなく、重複が生じないか検討しておく必要があるといえる。
こちらもカフェメニューを考える例で考えてみよう。ターゲットを働く女性と働く男性、女子学生、男子学生に定めると、学生でもなく労働者でもない人、例えば無職高齢者や専業主婦・主夫を漏らすことになる。
また、働きながら学校に通う人については重複がある状態だといえるだろう。網羅性が低いだけでなく効率性も低くなるので、ロジカルシンキングをしにくい状態ともいえる。
すべての要素をMECEで分類できるわけではない。例えば売上は来店客の数と利用金額の要素に分類できるが、立地や店舗の清潔さといった数字で示せない要素も売上に関わってくる。MECEの考え方は非常に有用ですが、現実のビジネスシーンではMECEを完全に適用できない場合もある。
たとえば、顧客満足度のような定性的な要素は、MECEで厳密に分類することが難しい場合がある。また、複雑な製品やサービスの特徴を完全にMECEで分類しようとすると、非常に多くの要素が生まれ、かえって分析が困難になることもあるだろう。
このような場合、MECEの原則を念頭に置きつつも、重要度や優先順位を考慮しながら、適切なレベルでの分類を行いたい。MECEを目指しつつも、完璧なMECEにこだわりすぎないバランス感覚が、実践的なビジネス分析には必要となるのだ。
MECEを効果的に実施するうえで、活用できる有用なフレームワークがいくつか存在する。これらのフレームワークを適切に使用することで、より体系的かつ網羅的な分析が可能だ。ここでは、ビジネスシーンで頻繁に用いられる3つの代表的なフレームワークを紹介しよう。これらのフレームワークは、MECEの原則に基づいて構築されており、各要素を漏れなく重複なく分類することができるだろう。
・ 3C分析: 企業を取り巻く環境から自社分析を行う際に有効なフレームワーク
・ 4P分析: 主に商品やサービスの分析に用いられるフレームワークで、マーケティングミックスの要素を網羅的に検討することができる
・ SWOT分析: プロジェクトや商品の強み、弱み、機会、脅威を多角的に分析し、戦略立案に役立つフレームワーク
これらのフレームワークを適切に選択し、MECEの考え方と組み合わせることで、より効果的な分析と戦略立案が可能となる。各フレームワークの特性を理解し、状況に応じて使い分けることが重要だ。
3C分析は、MECEの考え方を活用したビジネス環境分析のフレームワークだ。3つのC、すなわちCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の観点から、漏れなく重複なく分析を行う。MECEの原則に基づき、これら3つの要素を網羅的に検討することで、ビジネス戦略の立案に役立つ。
例えば、顧客分析ではMECEを意識して、年齢層や性別、購買行動などの要素を漏れなく重複なく分類する。競合分析では、直接競合と間接競合をMECEの観点から整理し、自社分析では強みと弱みをMECEに基づいて明確化する。
このように3C分析にMECEの考え方を適用することで、ビジネス環境を論理的かつ包括的に把握することができる。その結果、効果的な戦略立案やマーケティング施策の実施につながるだろう。
4P分析とは、商品やサービスのマーケティング戦略を立てる際に活用されるフレームワークの1つ。4つのPは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)を指す。これらの要素をMECEの観点から分析することで、効果的なマーケティング戦略を立案することができる。
例えば、新商品の販売戦略を立てる際に4P分析を活用すると、製品の特徴、価格設定、販売チャネル、広告手法などを漏れなく検討することができる。重要な要素を見落とすリスクを軽減し、より包括的な戦略立案が可能だ。
また、4P分析は時代とともに進化し、現在では7Pや4Cなどの派生形も存在する。これらのフレームワークも、MECEの考え方を基本としており、状況に応じて適切なものを選択することが重要になる。
関連記事:4Cとは何か?4C分析の意味や活用方法、知っておきたい5Cや4P分析との違いも解説
SWOT分析とは、Strength(強み)とWeakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの観点からプロジェクトや商品を分析し、戦略を立てるフレームワークだ。SWOT分析はMECEの考え方を活用した代表的な分析手法の一つである。内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を明確に区分し、それぞれの要素を漏れなく重複なく洗い出すことで、MECEな状態での分析が可能となる。SWOT分析を実施する際は、各要素をできるだけ具体的に列挙し、MECEの原則に基づいて整理することが重要だ。これにより、自社や事業の現状を客観的に把握し、効果的な戦略立案につなげることができる。
MECEの概念を理解することは、ロジカルシンキングを実施するためにも不可欠な要素だ。3C分析や4P分析、SWOT分析などのフレームワークを活用すれば、MECEを効果的に実施しやすくなる。企業課題を見つけるときや販売促進を進めていくときなど、状況に応じたフレームワークを活用してMECEな分析を実施することが重要だ。MECEを意識することで、網羅性と効率性を両立させた思考が可能となり、ビジネスにおける意思決定の質を向上させることができる。また、MECEの考え方は、日常生活においても活用できる有用なスキルだ。継続的にMECEを実践し、論理的思考力を磨くことで、より効果的な問題解決や戦略立案が可能となるだろう。
ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。
※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです
マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。