フレームワークとは、考えを整理するための枠組みのことです。
ビジネスの世界では、スピードが重要視される中で、フレームワークを活用することで短時間で論理的に思考をまとめることができます。
この記事では、ビジネスシーンで活用できる代表的なフレームワークを取り上げ、それぞれの活用シーンに応じて分類し、詳しく解説していきます。ビジネスパーソンにとって、様々な状況で適切なフレームワークを選択し、効果的に使用する能力は非常に重要です。
目次
フレームワークとは?
フレームワークとは、考えを整理するための枠組みのことです。ビジネスにおいて、スピードが重視される中で、各種フレームワークを活用することで、短時間で論理的に考えをまとめることができます。
フレームワークは、意思決定や分析、問題解決などの場面で用いると、論理的かつ合理的に最適解を見出すのに役立ちます。ビジネスの様々なシーンで活用されており、膨大な情報から有用なものを抽出したり、求める方向性での分析をスムーズに進めたりする際に効果を発揮します。
多くのビジネスフレームワークは、経験的にその有用性が認められてきたものです。そのため、実践の場で活用しやすいという特徴があります。新規アイデアが浮かばないときや、意思決定が難しいときなど、行き詰まった状況で活用することで、ビジネスを前進させることができます。
フレームワークを適切に活用することで、思考の整理や分析のスピードが向上し、効率的な業務遂行が可能となります。ただし、フレームワークの知識だけでは不十分であり、実際の使用経験を重ねることで、状況に応じた適切なフレームワークの選択と活用ができるようになります。
ビジネスでフレームワークを活用するメリット
ビジネスにはスピードが求められます。優れたアイディアが浮かんでも、商品やサービスとして仕上げるまで、あるいは市場に出すまでに時間がかかってしまうと、他社に遅れを取ってしまいます。
フレームワークを活用すると思考を整理するスピードも上がり、大幅な時間短縮が可能です。ビジネスで生き残り、成果を出し続けるためにも、フレームワークを知り、適切に活用することが必要と言えるでしょう。
ただし、フレームワークを知っているだけでは使いこなせません。フレームワークを繰り返し利用して使い方を習得し、適切な場面で適切なフレームワークを使えるようにしておきましょう。さらに、フレームワークを活用することで、複雑な問題を構造化し、効率的に解決策を見出すことができます。また、チーム内でのコミュニケーションや意思決定の質を向上させる効果も期待できます。
「ビジネスフレームワーク」と「IT業界のフレームワーク」は別物
ビジネスシーンや行き詰まったときに使用できるフレームワークだけではなく、IT業界でもフレームワークという言葉が使われるため、混同して捉えてしまう方もいるのではないでしょうか。
IT業界のフレームワークとは、アプリケーションを開発する際に、土台となるソフトウェアのことです。IT業界のフレームワークには、Webアプリケーションを作る際に使われるWebアプリケーションフレームワークや、数学の関数やテストができるユーティリティフレームワークなど複数の種類が挙げられます。
フレームワークを使用することで開発工数の削減に繋がり、開発工程も短縮できるため、IT業界に携わる方であればぜひ覚えておきたいことの1つです。これらのIT業界特有のフレームワークは、ビジネスフレームワークとは全く異なる概念であり、その用途や適用範囲が大きく異なることを理解しておくことが重要です。
関連用語:フレーム(frame)
ビジネスフレームワークの主な活用シーン
ビジネスフレームワークには多種多様なものがありますが、それぞれに特徴があり、目的や状況に応じて適切に使い分けることが重要です。フレームワークの選択を誤ると、かえって業務プロセスが複雑化してしまう可能性もあります。
ビジネスフレームワークを活用するシーンは、主に以下の5つに分類されます。
- 思考整理
- ロジカルシンキング・情報分析
- アイディア創出
- 事業分析
- 経営戦略・事業計画
これらのシーンごとに、どのようなニーズがあり、どのようなフレームワークが活用できるのか、以下で詳しく解説していきます。各シーンに適したフレームワークを理解し、状況に応じて効果的に活用することで、ビジネスの成果を最大化することができるでしょう。
具体的なフレームワークの詳細をすぐに確認したい方は、以下のリンクをクリックしてください。
1.思考整理
情報が多く、考えがまとまりにくいときは、思考整理に活用できるフレームワークを使います。例えば、次のフレームワークは、思考整理に適しています。
いずれも選択肢が多いときや、考慮する要素・変数が多いときに活用できます。思考が整理できると、事業としての形にまとめやすいだけでなくアイディアを体系化できるため、周囲の賛同を得やすくなります。
これらのフレームワークを適切に使用することで、複雑な問題や状況を整理し、より効果的な意思決定や問題解決につなげることができます。また、チーム内でのコミュニケーションや情報共有にも役立ち、プロジェクトの進行をスムーズにする効果も期待できます。
2.ロジカルシンキング・情報分析
人間は何かしらの思い込みに基づいて行動してしまうものです。本人は客観的に考えているつもりでも、論理に飛躍があったり、特異な例をスタンダードに据えてアイディアを発展させてしまったりすることがあります。
ロジカルシンキングをして情報を整理し直す必要があるときは、次のフレームワークを活用できます。
- 縦軸と横軸を描き、同ジャンルの要素についてマッピングを行い分析する(2軸図)
- 情報の整理における重複、抜け落ちを防ぐ(MECE)
適切なフレームワークを用いて、論理的に考えを組み立てると、現状を正確に分析できるようになります。情報分析が必要なときも、上記のフレームワークを活用してみましょう。これらのフレームワークを使いこなすことで、より客観的な視点から状況を把握し、効果的な意思決定を行うことができます。
3.アイディア創出
新規事業のアイディアが浮かばないときは、次のフレームワークを活用してみてはいかがでしょうか。
アイディアは突如浮かぶものではありません。思考を整理することで、あるいは思考を発展させることでアイディアが浮かびやすい状況になり得ます。
なお、いずれの方法も紙に書き出すスタイルです。考えがまとまらないときは、まずは目に見える形に記載してみましょう。これらのフレームワークを活用することで、潜在的なアイディアを引き出し、新たな視点や発想を得ることができます。定期的にこれらの手法を実践することで、創造力を養うことにもつながります。
4.事業分析
既存の事業が期待するような結果をもたらしていないときは、事業を分析して問題点を洗い出す必要があります。次のフレームワークを活用して、事業の課題や改善できる点を分析してみましょう。
- 3つの観点からビジネス戦略を講じる(3C分析)
- 既存商品の価格や流通状況を分析する(4P分析)
- 自社を取り巻く業界がどのような状況にあるかを把握・洞察する(PEST分析)
- 他社分析と比較→内部環境の分析→具体的な戦略を立てる(SWOT分析)
- 付加価値の可視化をした上で競合との差別化や業務効率化を行う(バリューチェーン)
- 自社が提供する価値と顧客が望むもののズレを調整する(バリュープロポジションキャンバス)
これらのフレームワークは、それぞれ異なる角度から事業を分析することができます。多角的な視点で事業を見直すためにも、複数のフレームワークを組み合わせて利用することが効果的です。例えば、SWOT分析で自社の強みと弱みを把握した後、3C分析で市場環境や競合他社との関係性を分析するといった具合です。
また、これらのフレームワークを定期的に活用することで、事業環境の変化にも柔軟に対応できるようになります。市場動向や競合状況は常に変化しているため、定期的な分析と戦略の見直しが重要です。
5.経営戦略・事業計画
経営戦略を立てるとき、あるいは詳細な事業計画を立てるときには、次のフレームワークを利用できます。
事業の進行状況により、適切な戦略は変わります。フレームワークを用いて適宜、戦略・計画を立て直しましょう。また、これらのフレームワークを活用することで、より体系的かつ効果的な経営戦略や事業計画の立案が可能となります。定期的に見直しを行い、市場環境の変化に柔軟に対応できるよう心がけることが重要です。
【使い方別】代表的なビジネスフレームワーク16選
フレームワークはスピーディかつ効果的にビジネスを進めるために活用できるツールです。しかし、使い慣れていないと、必要なときに必要なタイミングで思考をまとめられません。各フレームワークの仕組みと具体的な使い方を紹介するので、ぜひ実践前に何度か練習しておきましょう。
本セクションでは、ビジネスシーンで活用できる代表的なフレームワークを15個紹介します。これらのフレームワークは、思考整理、ロジカルシンキング・情報分析、アイディア創出、事業分析、経営戦略・事業計画といった様々な場面で役立ちます。各フレームワークの特徴や使い方を理解し、適切な場面で活用することで、より効率的かつ効果的なビジネス展開が可能になります。
それでは、具体的なフレームワークとその活用方法について、順を追って解説していきます。
思考整理に役立つフレームワーク3選
思考整理に役立つフレームワークには、次のものがあります。
- PDCA
- 5W1H
- ロジックツリー
これらのフレームワークは、複雑な情報や考えを整理し、明確な構造を持たせるのに効果的です。それぞれのフレームワークには特徴があり、状況や目的に応じて適切に選択することが重要です。以下では、各フレームワークの基本的な概念と主な使用場面について簡潔に説明します。これらのツールを活用することで、ビジネスにおける意思決定や問題解決のプロセスをより効率的に進めることができます。
PDCA
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を集めた言葉です。計画と実行、評価、改善を順番に行う習慣を付けると、戦略やアイディアをブラッシュアップできます。
また、PDCAは1回のみ実施するフレームワークではありません。改善の段階が終わったときには計画に戻り、何度も繰り返すことで効果検証を進め、より精度の高いビジネスを実行できます。このようにPDCAを繰り返し実行することを「PDCAを回す」「PDCAサイクルを回す」などと表現することがあります。例えば、次のように実施できます。
- Plan:資料請求を増やす方法を考える
- Do:ポスター広告に資料請求用のQRコードを表示する
- Check:QRコード経由で資料請求した件数を調べる
- Action:資料請求件数が増えない理由について考える。ポスター広告の数やQRコードの配置、QRコードの紹介文などを変更する
5W1H
5W1Hは、情報をWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の6つの要素に分けて説明するフレームワークです。このフレームワークを活用することで、正確な情報伝達が可能になるだけでなく、思考を整理する際の抜け漏れを防ぐことができます。
例えば、バレンタインの販促イベントを企画する際に、5W1Hを用いて見込み客の購買動機を探ることができます。具体的には以下のように仮説を立てることができるでしょう:
- When:バレンタインまでの2週間
- Where:店舗内やオンラインショップ
- Who:普段から仲良くしている友人にプレゼントを贈りたい人
- What:チョコレートや小物などの2,000円までのもの
- Why:感謝と愛情を伝えたい
- How:手渡しまたは郵送
このように5W1Hを活用することで、イベントの詳細や顧客ニーズを漏れなく把握し、効果的な販促戦略を立案することができます。また、このフレームワークは様々なビジネスシーンで応用可能であり、プロジェクト計画の立案やプレゼンテーションの構成など、幅広い場面で活用できます。
ロジックツリー
ロジックツリーは、大枠の事象から、個別具体的な事象を細かく洗い出すフレームワークです。本質的な課題を見つけ出す際に有用なフレームワークであり、数多くのビジネスシーンで使われています。
例えば、ある飲食店でお客様からクレームを受けたとします。その際、クレームの原因や次の解決策、従業員に対する共有事項など、クレームを踏まえた行動はいくつも考えられます。そのため、このような特定の事象に対して、次に行うべき行動や思考を整理する際に使うのがおすすめです。
ロジックツリーを活用することで、問題の全体像を把握しやすくなり、見落としがちな要素も含めて網羅的に分析することができます。また、チームでの問題解決においても、共通の理解を得やすくなるというメリットがあります。
ロジカルシンキング・分析に役立つフレームワーク2選
ロジカルシンキングや分析の際には、次のフレームワークを活用できます。これらのフレームワークは、論理的な思考や情報の整理に役立ち、ビジネスシーンでの意思決定や問題解決を支援します。
- 2軸図
- MECE(ミーシー)
それぞれのフレームワークには特徴があり、状況に応じて適切に選択することが重要です。これらのフレームワークを使いこなすことで、複雑な情報を整理し、より効果的な分析や意思決定が可能となります。具体的な使い方については、以下で詳しく説明します。
2軸図
2軸図とは、商品の価値などを見える化する際に用いるフレームワークです。縦軸と横軸を自由に設定し、対象となるものがどの位置にあるのかを表示します。
例えば、洋服の新ブランドのコンセプトを考えるときに、縦軸を「高価格-低価格」、横軸を「ポップ-シック」と設定し、新ブランドの位置付けを視覚化します。また、既存ブランドや競合となるブランドの位置付けも図内に書き込めば、より新ブランドの位置付けが明確になり、ターゲットを定めやすくなるでしょう。
2軸図は、複数の要素を比較・分類する際にも有効です。例えば、自社製品のラインナップを「機能性」と「デザイン性」の2軸で配置することで、製品ポートフォリオの全体像を把握できます。これにより、今後の製品開発の方向性や、既存製品の改善点を見出すことができます。
MECE(ミーシー)
MECE(ミーシー)は、和訳すると「網羅的で重複のない」といった意味のフレームワークです。それぞれの言葉の頭文字から名付けられています。
・ Mutually(お互いに)
・ Exclusive and Collective(重複がなく全体に)
・ Exhaustive(網羅的に)
例えば、朝起きてからコーヒーを飲む方がいたとします。朝起きてからコーヒーを飲むのは、男性のビジネスパーソンに限らず、育児や家事を行う女性の方もいるでしょう。つまり、コーヒーを飲むのは男性のビジネスパーソンと、育児や家事を行う女性とで重複していることが分かります。MECE(ミーシー)は、これらの特定の事象に対して、重複している箇所(対象)をあぶり出し、「漏れがなく重複がない状態」を導くフレームワークです。
アイディア創出に役立つフレームワーク3選
新規事業などのアイディアが浮かばないときは、次のフレームワークを試してみることができます。
● マインドマップ
● マンダラート
● 連想マトリクス
いずれも多く書き込むことで、アイディアを広げられます。具体的な使い方を見ていきましょう。
マインドマップ
マインドマップとは、関連するキーワードを羅列することでアイディアを出しやすくするフレームワークです。まず紙の中央にテーマとなるキーワードを書き、キーワードに関係する言葉を周囲に書き込み、線でつなぎます。次に関連する言葉からさらに細分化した言葉を書き出して枝のように線でつなぎます。
この過程を繰り返すと、キーワードを起点とした家系図のような図が出来上がるでしょう。関連する言葉を表記して各要素を見える化するため、テーマがすでに決まっていてコンテンツを作成するときなどにおすすめです。
マンダラート
マンダラートとは、3×3のマス目を用いたアイディア出しの方法です。次の手順で進めていきます。
1. 3×3のマス目を書き、中央のマスにテーマとなるキーワードを書き込む
2. 周囲の8つのマスに、キーワードから連想されるイメージや言葉を書く
3. 3×3のマス目の周囲を取り囲むように、3×3のマス目を8個作成する
4. 8個のマス目の各中央に、最初のマス目の周囲に記載したキーワードを書く
5. 8個のキーワードから連想されるイメージや言葉を、それぞれのマス目に8個ずつ記載する
最終的には9×9の巨大なマス目が完成し、キーワードから連想されるイメージや言葉が80個表記されます。これらの言葉から使えそうなアイディアを抽出しましょう。
連想マトリクス
連想マトリクスとは、変数を組み合わせてアイディアを生み出す方法です。
例えば、家電メーカーで新しい調理器具を開発するときに、「1人暮らしと2人以上の暮らし」「ポップアップトースターとオーブントースター」という2つの変数を考えたとします。それぞれの変数の組み合わせを考慮し、「2人以上の暮らし向けのポップアップトースター」が既存商品で網羅できていないことを発見できるかもしれません。
連想マトリクスを用いると、既存商品の穴やターゲットの穴を見つけられます。レパートリーを増やしたいときや網羅性を高めたいときにも活用しましょう。
事業分析に役立つフレームワーク6選
事業を分析するときには、次のフレームワークを活用できます。
● 3C分析
● 4P分析
● PEST分析
● SWOT分析(スウォット分析)
● バリューチェーン
● バリュープロポジションキャンバス
それぞれの手法と使い方を紹介します。
3C分析
3C分析は、下記3つのCから始まる言葉の頭文字を取ったフレームワークです。
● 自社(Company)
● 顧客(Customer)
● 競合(Competitor)
上記3つを分析することで分かる通り、3C分析は全てのサービスやビジネスに共通して使えるフレームワークです。なぜなら、全てのサービスに市場があり、競合も存在するためです。したがって、サービスやビジネスでの集客、売上に行き詰まった際は、3C分析でその原因を調査してみてはいかがでしょうか。
以下のページから、3C分析の具体的な手順を事例を用いて、詳しく紹介したページをご覧いただける上、テンプレートを無料でダウンロードできます。3C分析は事業分析の手法の中でもスタンダードな手法です。ぜひテンプレートを活用し、分析に役立ててください。
3C分析とは?やり方や手順、テンプレートも紹介
3C分析とは、マーケティング戦略を講じる際に指針となる分析方法です。3C分析を行ううえで知っておきたい分析の目的ややり方、効率的に進めるための手順などを、事例を交えて詳しく解説しま…
4P分析
4P分析は、下記4つのPから始まる言葉の頭文字を取ったフレームワークです。
・ 商品(Product)
・ 価格(Price)
・ 販促(Promotion)
・ 場所・流通(Place)
主に、企業の商品の分析に対して使います。Productに関しては、ブランド力や信頼性を分析し、Priceでは市場・競合に対して適切な価格であるかを見極めるものです。
Promotionでは、Webマーケティングやマス広告、ビラ配り等、商品に対する適切な集客方法を分析し、最後にPlaceで実店舗の展開やアフィリエイト広告の開始など、長く流通させる方法を検討します。
関連記事:マーケティングミックス(4P)とは?マーケティング実行戦略の基本を学ぶ
PEST分析
PEST分析とは、Politics(政治的要因)、Economy(経済的要因)、Society(社会的要因)、Technology(技術的要因)の4つの頭文字を合わせた言葉です。企業や市場を取り巻く環境を洗い出し、経営戦略などを構築する際に用いられます。
詳細な方法については、以下の資料でまとめています。テンプレートも無料でダウンロードできるため、ぜひ時勢を的確に反映した戦略構築に活かしてください。
【テンプレート付き】PEST分析とは?戦略に活かす分析のやり方や具体例を解説
PEST分析とは、マーケティングの立案でよく利用されるメソッドです。「自社が業界のなかでどのような方向性を見据えるべきか」という、中期的な方針を検討するのに役立つと考えられています…
SWOT分析(スウォット分析)
SWOT分析(スウォット分析)は、4つの言葉の頭文字を取ったフレームワークです。
・ 内部の強み(Strengths)
・ 内部の弱み(Weaknesses)
・ 外部の機会(Opportunities)
・ 外部の脅威(Threats)
つまり、内部要因と外部要因のそれぞれに対して、強みや脅威となるポイントを洗い出し、改善に繋げる際に有用なフレームワークです。
SWOT分析の具体的な使い方は、次のページで詳しく紹介しています。今すぐ役立つテンプレートも無料でダウンロードいただけます。ぜひ以下のリンクからご活用ください。
SWOT分析とは?やり方や分析例を図とテンプレート付きで簡単に
自社の強みや弱み、市場動向や経済情勢における立ち位置などから、現状を分析する上で非常に効果のある「SWOT分析」。 数々の大手企業も自社の現状を分析するため有効なフレームワークとし…
バリューチェーン
バリューチェーンは、ビジネスの一連の流れにおいて、強みや弱みとなるポイントを洗い出すフレームワークです。例えば、ホームページ制作を例にします。
・ ホームページの構成・企画検討
・ 集客に必要な要素の洗い出し
・ 全体的なデザインを決定
・ 実際に構築を開始
・ テストをして完成
簡潔に流れをご説明していますが、上記の中で自社の強みや弱みとなるポイントを洗い出します。その際に出てきた強みはさらに伸ばせるように工夫をしたり、弱みとなるポイントは具体的な改善案を出したりするなど、企業の成長に有用なフレームワークだと言えるでしょう。
関連記事:バリューチェーンとは?分析方法や構成要素・活用事例をご紹介
バリュープロポジションキャンバス
バリュープロポジションキャンバスは、顧客が抱える課題(Customer Jobs, Pains, Gains)と、それに対して自社が提供する製品・サービスがどのように価値を生み出すか(Products & Services, Pain Relievers, Gain Creators)を視覚的に整理するフレームワークです。
顧客が本当に求めているものは何か、そして自社の提供する価値がどのようにそのニーズに応えているのかを明確にすることで、効果的な製品開発やマーケティング戦略の立案に役立ちます。
例えば、新しいスマートフォンアプリを開発する際に、以下のように活用できます。
- 顧客の課題(Customer Jobs, Pains, Gains)
- Customer Jobs(顧客の仕事):効率的にスケジュールを管理したい、タスクの抜け漏れをなくしたい。
- Pains(痛み):複数のツールを使い分けていて管理が煩雑、リマインダーを見逃しがち、タスクの進捗が把握しにくい。
- Gains(得られるもの):すべての予定やタスクを一元管理できる、重要なリマインダーを見逃さない、タスクの進捗をリアルタイムで確認できる。
- 自社の提供価値(Products & Services, Pain Relievers, Gain Creators)
- Products & Services(製品・サービス):カレンダー、タスク管理、リマインダー、進捗管理機能を統合したアプリ。
- Pain Relievers(痛みの緩和):複数のツールからの情報集約機能、カスタマイズ可能な通知設定、直感的なインターフェース。
- Gain Creators(得られるものの創出):AIによるタスク優先順位付け、チームメンバーとのリアルタイム共有機能、目標達成率の可視化。
このように、バリュープロポジションキャンバスを用いることで、自社が提供する価値が顧客のどのような課題を解決し、どのような利益をもたらすのかを具体的に掘り下げ、顧客にとって魅力的な価値提案を構築することができます。
関連記事:バリュープロポジションキャンバス(VPC)の重要性と作り方、事例を解説
関連資料:【無料テンプレ配布】「売れない」を「売れる」に変える!バリュープロポジションキャンバス【マーケター・サービス開発者必携】
経営戦略・事業計画に役立つフレームワーク2選
経営戦略や事業計画を立てる際には、次のフレームワークを活用できます。
● STP分析
● AARRRモデル
それぞれの使い方を紹介します。
STP分析
STP分析(STP戦略)は、3つの言葉の頭文字を取ったフレームワークであり、マーケティングの戦略を組む際に有用なフレームワークです。
・ セグメント(Segmentation)
・ ターゲット(Targeting)
・ 位置取り(Positioning)
まずはユーザーのセグメントを分割し、次にサービスのターゲットとなるユーザーを選定します。最後に、そのユーザーに対してどのようなポジションでサービスの訴求をするかを決定していく分析方法です。
関連記事:マーケティング初心者がおさえるべき「STP分析」をわかりやすく解説します!
AARRRモデル
AARRRモデル(アーモデル)とは、Acquisition(獲得)、Activation(活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の頭文字を集めた言葉です。それぞれを成長段階と捉え、各段階の状況を数値化し、データを基に課題を抽出していきます。
例えば、ECサイトの流入数を増やしたい場合は、次のようにAARRRモデルを活用して課題抽出を行います。
● Acquisition:ECサイトの流入経路と各流入数を確認する
● Activation:初回限定のクーポンプレゼントを実施する
● Retention:ポイント制度を構築し、リピーター獲得を目指す
● Referral:SNSでシェアを呼びかける。紹介制度を構築する
● Revenue:各制度やプレゼントキャンペーンの効果を分析する
関連記事:AARRR(アー)モデルを使った成功事例とグロースハックのポイント
フレームワークを実際に活用して利益を最大化しよう
フレームワークを多く知っていることは、ビジネスにとって大きな強みとなります。しかし、知っているだけでは実務で活用できません。毎日の業務の中で積極的に利用し、自分のものとしてください。