2022.1.19

タスクフォースとは?プロジェクトとの違い、使い方、企業事例

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タスクフォースとは、特定の目的を果たすために一時的に集められた集団、あるいはその集団の構成員を指す言葉だ。プロジェクトチームとの違いやどのように形成できるのかについて詳しく解説する。実際にタスクフォースを実施している団体の事例についても紹介するので参考にして欲しい。

タスクフォースとは?プロジェクトとの違い

タスクフォース(task force)とは、特定の目的を達成するために集められるグループ、もしくはグループのメンバーを示す言葉だ。タスクフォースとは何か、また、タスクフォースと同じく特定の目的を達成するために集められるプロジェクトチームとは何が異なるのか見ていこう。

タスクフォースとは

タスクフォースとは、特定の役割や目的を果たすために、一時的に集められたグループを意味する言葉だ。メンバーを広く公募するのではなく、特定の組織内で集められることが多い。

例えば、ある企業内で緊急性の高い問題を解決する必要が生じ、タスクフォースを結成することがある。原則としてタスクフォースのメンバーは企業の従業員であり、結成時の目的を果たすと解散する。

なお、タスクフォースとは元々は「機動部隊」を指す軍事用語だ。特別な任務を遂行するため、他の部隊に所属せずに高い機動性を発揮する。ビジネスにおいても同様に、タスクフォースは他のグループの影響を受けず、高い機動性を発揮して問題解決にあたることが一般的だ。日本語では「対策本部」と表現されることもある。

目的と役割

タスクフォースは、緊急性の高い問題の解決を目的として結成されることが多い。例えば企業などの団体では、常にいくつかの課題を抱えているものであるが、その中でも特に緊急性が高く、早期解決が望まれるものに対してタスクフォースを結成する。

つまり、タスクフォースの役割は、緊急かつ的確に特定の課題を解決することといえる。また、課題が解決しなくても、状況がより良い方向に転換して緊急事態を脱したと判断できれば、タスクフォースは一応の役割を果たしたと考えられるだろう。

類似用語との違い

企業や学校、政府などのさまざまな団体において、特定の目的のためにグループが結成されることは少なくない。タスクフォースはそのひとつだが、「プロジェクトチーム」や「クロスファンクショナルチーム(CFT)」、「ワーキンググループ」などと呼ばれるグループもある。それぞれのグループとタスクフォースは何が異なるのか詳しく見ていこう。

プロジェクト

特定の問題を解決する、あるいはモノやサービスを開発するために「プロジェクト」を立ち上げることがある。このプロジェクトを担当するために集められるグループは「プロジェクトチーム」と呼ばれる。また、グループ内のメンバーを「プロジェクトメンバー」と呼ぶこともある。

特定の目的のために結成されるグループであるという点は、プロジェクトチームもタスクフォースも同様だ。いずれも特定の組織内、例えば企業であれば企業内でメンバーが召集されるという点も、プロジェクトチームとタスクフォースは同じといえる。

しかし、タスクフォースに緊急性があるのに対し、プロジェクトチームには緊急性はないことが一般的だ。モノやサービスを開発する期限が定められることはあるが、今すぐ課題を解決しなくてはいけないケースは多くはないだろう。

また、タスクフォースと比べると、プロジェクトチームには緊急性がない分、長期間にわたって継続することが多い。問題をピンポイントに解決するというよりは、壮大なテーマを掲げ、実現を目指していくスタンスを取ることが一般的だ。

クロスファンクショナルチーム(CFT)

「クロスファンクショナルチーム(CFT)」とは、特定の課題解決に向けて広い範囲からメンバーを招集して結成するグループのことだ。タスクフォースやプロジェクトチームが同一の団体内でメンバーを募ることが多いのとは異なり、クロスファンクショナルチームは、メンバーがどの組織に属しているかについてはあまり考慮しないことが一般的だ。異なる団体のメンバーが集まることもあれば、同じ組織内でも立場が異なるメンバーが集まることもある。

あえて他の団体の視点を取り入れるために、クロスファンクショナルチームを結成することも少なくない。自社内では思い浮かばないようなアイデアや解決策が生まれ、思わぬ方向性から課題解決が実現できることもある。

例えば業績不振が長引く場合、企業内の問題点に経営陣が気付けていない可能性があるだろう。業績改善を目的としたクロスファンクショナルチームを結成することで、新しい視野を取り入れ、より即効性のある解決策を実施できるかもしれない。

クロスファンクショナルチームとタスクフォースの共通点としては、特定の目的のために一時的に結成されるグループであることが挙げられる。クロスファンクショナルチームでは立場や所属組織の垣根を超え、課題解決に向かって行動する。また、メンバーが立場を超えて働くことで、組織全体の活性化につながることもあるだろう。

関連記事:「クロスファンクショナルチーム」の意味をメリット、デメリットとあわせて解説

ワーキンググループ

「ワーキンググループ」とは、特定の課題を解決するために結成されるグループのことだ。ワーキンググループでも緊急性の高い課題に対応するため、多くの企業ではワーキンググループとタスクフォースを同義語として用いている。

しかし、組織によっては、特定の課題を解決するグループを「ワーキンググループ」、特定の課題を解決するための個別の作業を担当するグループを「タスクフォース」と分けていることもある。ワーキンググループとタスクフォースを使い分けているときは、タスクフォースはワーキンググループの下位組織の位置づけと考えることができるだろう。

タスクフォース運営のポイント

タスクフォースの結成は次の手順で実行する。

1. 課題解決のためのメンバー選抜
2. ゴールやタスクの明確化
3. 権限付与

それぞれの手順で何に注意すべきか、また、タスクフォースを運営するためのポイントについて見ていこう。

課題解決のためのメンバー選抜

タスクフォースを結成するためには、まずはメンバーを選ぶことが必要だ。緊急性が高い課題を担当するため、メンバーにはタスクを迅速に遂行できる能力が求められる。

また、課題と関連する専門性を持っていること、課題解決のノウハウを習得していることなども、メンバーには求められるだろう。短期間で課題解決を実現するためにも、セルフマネジメントできる中堅以上の人物が望ましい。

メンバーを選抜するだけでなく、リーダーも選ぶことが求められる。タスクフォースのリーダーはマネジメントスキルを有し、なおかつ中堅以上のメンバーにも臆さずリーダーシップを発揮できる人物が望ましいといえるだろう。

ゴールやタスクの明確化

メンバーにゴールを明確に周知させることは、タスクフォースが成功するかどうかを大きく左右する。何を解決したいか、また、どのような方向性で解決が望まれるのかを明確に示し、解決に至るまでのスケジュールを作成する。

また各メンバーが担当するタスクを明確にすることも、タスクフォース運営の重要なポイントだ。いかにメンバー各自が優秀であっても、タスクの割り振りが適切でなければ非効率なグループになる恐れがある。タスク完了までの期間や達成度も最初に決めておくなら、さらに効率的にメンバーが活動できるようになるだろう。

見通しをたてたら、実行のために多様な立場の者同士が対話を通じて、新たな価値を共に創りあげる「共創」を目指したい。その際、意思決定を下すための一連のプロセスを示した理論「OODA(ウーダ)ループ」も有効な手段となる。OODA(ウーダ)ループは「Observe(=観察)」「Orient(=情勢への適応)」「Decide(=意思決定)」「Act(=行動)」の略だ。

関連記事:VUCA時代とは?ビジネスで広がる共創の概念。なぜ必要とされているのか?

権限付与

課題解決を遂行していくうえで、タスクフォース外の部門や上席に承認を得なくてはならない状況が生じることもある。しかし、事あるごとに承認を得ていては課題解決に時間がかかるだけでなく、タスクフォース本来の機動性を発揮できなくなってしまう。

タスクフォースを運営する際において重要なポイントのひとつに、適切な権限の付与が挙げられる。メンバー各自に必要とされる権限を付与することで、より課題解決の重要性を認識し、迅速に目標を達成できるようになるだろう。

タスクフォースの事例

タスクフォースを結成し、課題解決を目指す、あるいは課題解決を実現した事例をいくつか紹介する。それぞれの事例から、タスクフォースを結成するタイミング、活用法などを学んでいこう。

政府「新型コロナウイルス感染予防」

2021年11月30日、国内でオミクロン株の感染が初めて確認されたことを受け、岸田文雄首相は水際対策と国内の感染予防に全力を傾ける必要性を強調。また、この対策のために松野博一官房長官をリーダーとするタスクフォースの結成を決意した。

味の素 ASV(Ajinomoto Group Shared Value)

味の素では、創業以来一貫した事業を行うことで、社会価値と経済価値を作り出す取り組みとして「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)」を行っている。ASVは、ミッションとビジョンを実現するための中核と位置付けられている。
ASVの取り組みを国内外グループ全体に周知させるためのタスクフォースがあり、ワークショップ「ASVセッション」を実施。また、単に実施するだけでなく新たなアクションにつなげる試みを開始した。

ASVセッションでは「過去」と「現在」、「未来」の3つのパートに分けた学びを進めている。このような時間を超えた学びが、社員一人ひとりの目的意識の強化とグループの一員であるという認識の獲得に役立っている。

関連記事:ミッションとは?ビジョンとの違いやなぜ必要なのかを解説

日本マクドナルド「お客様対応プロセス・タスクフォース」

日本マクドナルドでは、2015年に顧客への問い合わせ対応の強化を目指し、「お客様対応プロセス・タスクフォース」を立ち上げた。幅広い視点で、顧客対応のスピード向上、サービスのクオリティの向上を目指した活動を行うことが同タスクフォースの目的だ。

なお、タスクフォースとしては変則的であるが、社内のメンバーに加えて外部から有識者を招いて構成されている。

まとめ

タスクフォースは特定の課題を解決するために結成されたグループのことだ。プロジェクトチームと比べると緊急性があり、短期間で完結することを目指すことが多い。

タスクフォースのメンバーは、ある程度セルフマネジメントできる中堅以上の人材がふさわしいだろう。また、ゴールや具体的なタスクを明確にし、課題解決に必要な権限をメンバーに付与することも、タスクフォース運営には不可欠な要素である。緊急性のある課題が生じたとき、スムーズにタスクフォースを結成することで、迅速な解決を目指していこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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