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PDCAとは!時代遅れといわれる理由やOODAとの違いについて解説!

2024.5.29
読了まで約 13

PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、業務や事業などの継続的な改善を目指す手法の一つです。

業務効率の改善や事業の発展に繋げることができるため、この手法を活用している企業やビジネスマンは多いでしょう。一方で、「あまり成果を感じられない」と効果的に運用できていないケースも少なくありません。

本記事では、PDCAの概要や4つのプロセス、メリット・デメリット、効果的に行うポイントなどについて解説します。今回の記事を読んで、業務効率化や事業発展のきっかけにしてみてください。

PDCAとは

ビジネスに携わっている人であれば、PDCAという言葉を聞いたことがある人は多いかもしれませんが、「言葉は知っているけれど、説明は難しい」と思われる人もいらっしゃるでしょう。まずは、PDCAの意味や概要を解説します。

管理業務を継続的に改善・向上していくための手法

画像:PDCAサイクル

PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、業務のプロセスやそれ以外にも管理やマネジメントなどの視点から継続的に改善を施行し、向上させる手法です。

P(計画する)からA(改善する)までが1つのサイクルとなっており、Aまで進んだら再度Pへと戻ります。これを繰り返し継続的に行っていくことから、この一連の流れは「PDCAサイクル」と呼ばれています。

どのようなシーンで使われているのか

PDCAは、1950年代に、アメリカの統計学者であるウィリアム・エドワーズ・デミング氏やウォルター・シューハート氏によって提唱されました。今日では品質を管理する方法として、日本の企業にも積極的に取り入れられています。特に、世界にも誇れる製品を作り出している日本の製造業では非常に利用されています。PDCAを実施することで、より良い商品の製造や、事業の発展に繋げているのです。

製造業だけではなく、企業のマーケティング施策や採用業務などにも利用され、PDCAは様々なシーンで取り入れられています。

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4つのプロセス

前述のとおり、PDCAは4つのプロセスを継続して行っていくものです。ここからはその4つのプロセスの詳細について解説します。

Plan

Plan(計画)は、目標設定・計画を立てるプロセスです。まず目標を定め、それを実現するための行動や評価の方法などを決定していきます。

ポイントとしては、5W1Hを明確にすることです。5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字をとった言葉で、この要素を軸に情報をまとめると、内容が完結かつ分かりやすく整理されます。目標に向けて情報収集を行ったうえで、それぞれの要素に当てはめてみると良いでしょう。

また、実施可能な範囲で目標を立てることも重要です。目標が難しすぎたり、ハードルが高すぎたりすると、難易度の高さゆえにモチベーションを低下させる恐れがあります。「競合他社に負けないために目標を高く設定する」という安易な判断は避け、自社や自身の現状を把握した上で、適切な計画を立ててください。

Do

Do(実行)は、Plan(計画)で作ったものを実行に移すプロセスです。ここではできる限り、立てた計画通りに進めていきましょう。

ポイントとしては、行動の実績や結果の数値、プロセスなどをきちんと記録に残しておくことです。結果やプロセスをきちんと記録しておくと、その後の振り返りの際に活用することができます。また、計画通りにいかなかったこと、実際に行ってみての課題なども合わせて整理しておくと、計画と現実の差を把握できるでしょう。

なお、行動する際は、無理に全ての計画を完遂しようとする必要はありません。少しずつでも着実に行動し、検証を行っていくことが重要です。検証を行うことで、その行動が有効か無効かを確認することができ、その後の分析のための参考材料としても使うことができます。

Check

Check(評価)は、計画通りに行動できたか否かをチェックするプロセスです。このプロセスでは、なるべく数値を用いて具体的に行うのがおすすめです。この評価の精度が高ければ高いほど、その後の改善効果も高くなるでしょう。

ポイントとしては、単に結果だけをチェックするのではなく、「なぜ上手くいったのか」「なぜ上手くいかなかったのか」という要因を深堀りすることです。定量的なデータを確認しながら深掘りすることで、評価精度を高めることができ、その後の行動もより有意義なものにできるでしょう。

Action

Action(改善)のプロセスでは、チェックしたことで得られた気づきや課題を踏まえ、より高い成果を生み出せるように行動内容を改善していきます。今後どのような対策を講じていけば良いのかを検討し、さらなる発展のための行動を考えましょう。

改善を試みる際、見直すべき行動が複数挙げられることがあります。その場合は、全てを一度に行おうとするのではなく、優先順位をつけて取り組んでいくのがおすすめです。優先度の高いものから行うことで、より高いレベルの目標達成に繋がります。

PDCAを活用する5つのメリット

ビジネスの場ではもちろん、様々なシーンで便利に使えるPDCAですが、効果的に使うことで多くのメリットがもたらされます。ここからは、PDCAを活用する5つのメリットについて解説します。

● 継続的に事業や業務の改善を行うことが可能
● 目標や課題が明確になる
● やるべき行動が明確になる
● 目標達成力が身に付けられる
● 業務改善のノウハウが養える

継続的に事業や業務の改善を行うことが可能

PDCAは、一度行えば終了というわけではなく、連続的にフィードバックを積み重ね、物事を中長期的に改善していくことを前提としています。そのため、実施すればするほど、継続的に事業や業務の改善を行うことが可能となっています。

また、PDCAサイクルの中では、悪かった部分の改善についてだけでなく、良かった部分についても、「なぜ良い結果が出たのか」「さらに良くするにはどうすれば良いか」という点まで考察を進めるため、企業や事業の発展に繋がるヒントがさらに得やすくなります。企業として業務改善を行うことができれば、社内環境や労働環境の改善にも繋がり、従業員が働きやすい環境を作ることも可能となるでしょう。

目標や課題が明確になる

適切な形でPDCAサイクルを回していくと、目標や課題、行動が明確化され、それが結果として良い成果へと繋がります。反対に、目標が定まっていなかったり、課題を把握できていなかったりすると、下記のような事態が起こりえます。

● 目標達成のための行動が行えない
● 具体的な施策を決められない
● 行動の優先順位をつけられない
● 本来達成すべき着地点とのズレが生じてしまう
● いつまでも業務改善が図れない

その後の取り組みを有意義なものにするためには、目標や課題を明確にしておくことが重要なのです。

やるべき行動が明確になる

PDCAサイクルでは、計画の段階で目標やスケジュール、実施すべきことの優先順位が決まっています。優先順位が明確でないと効率が大幅に落ちることがありますが、しっかりと計画を立てておけば、やるべき行動が明確になり、効率よく業務や作業を行うことができます。やるべきことの優先順位が明確になっていると、「どの行動を起こせば良いのか」といったような、行動するまでの迷いの時間も少なくなり、いち早く行動に移すことができます。

このやるべきことの明確化は、モチベーションの維持にも繋がります。目標達成のイメージがしやすくなり、ゴールに向けて積極的な姿勢を維持できるのです。

目標達成力が身に付けられる

目標達成力が身に付けられるのも、PDCAサイクルを回すことの大きなメリットです。現状の把握や明確な目標の設定、行動計画、定量的なデータの記録、分析を行った上での次なる改善案、そしてそれに向けての実際の行動など、PDCAのプロセスを踏んでいくことで、目標を達成するための力が培われていくでしょう。

「なぜ上手くいったのか」「どうすれば現状の課題が解決するのか」という思考が形成されていくと、再現性を持って、目標達成を着実に叶えていくことができるようになります。この目標達成力は、個人的な目標を達成する際にももちろん利用できますが、チームのマネジメントや部署の目標管理などを行う際にも非常に役に立つでしょう。

業務改善のノウハウが養える

企業経営や事業の発展には、常に向上や改善を繰り返していくことが求められます。時代の流れについていけなかったり、変化に対応できなかったりする企業やビジネスマンは、淘汰されてしまう可能性が高いです。

PDCAを繰り返し続けることは、常に現状と目標に目を向ける必要があるため、業務改善や事業発展のノウハウを養うことに繋がります。時代の変化や世論の変化にも柔軟に対応することができ、適切な目標・行動を定めることができるでしょう。

PDCAのデメリット

PDCAを回すことには多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。

● PDCAを行うことが目的になりがち
● 枠組みを超えた新しいアイデアが出にくい
● 改善までに時間が必要となる

PDCAを行うことが目的になりがち

PDCAの目的は、業務効率の改善や事業の発展ですが、その本質を理解せず、PDCAを行うこと自体が目的になってしまっているケースも少なくありません。本質を理解しないまま実施することばかりに意識が向いてしまっては、何の成果にも繋がりません。目的や目標を定め、それを常に忘れずにPDCAを進めていくことが重要です。

枠組みを超えた新しいアイデアが出にくい

PDCAは、これまでに実行してきた施策や行動を評価・分析した上で、次の行動案や改善案を考えていくプロセスになるため、創造性を磨いたり新規事業生み出したりすることにはあまり向いていません。そのため、PDCAの過程においては、従来の枠組みを超えた新しいアイデアは出にくい傾向にあります。

様々な商材やサービスが存在する近年では、今までにない取り組みをしていかなければ他社との競争に勝つことはできません。時には新たなジャンルや今までにないカテゴリーに目を向ける必要もあります。枠組みを超えた新しいアイデアを出していきたいのであれば、また違った手法を採っていく必要があるでしょう。

改善までに時間が必要となる

PDCAは、サイクルを一通り回した上で行っていく必要があるため、改善までのプロセスに時間を要してしまうことがあります。途中で新たな課題が出てきたとしても計画を中断することは難しいですし、状況が変化したとしても新たな行動をすぐに起こすことは簡単ではありません。行動したことで見つかった課題に対しての対策などを新しく取り入れられるのは、再度次の計画を立てるときになってしまい、迅速に課題を解決していくことは難しいと言えるでしょう。

PDCAサイクルがなぜ古いと言われる理由

PDCAサイクルは「古い」「時代遅れ」「意味がない」といわれることも多いです。PDCAサイクルで業務改善を行いたい場合は、その欠点を前もって考慮した上で活かすのか活かさないのかを判断する必要があります。

中長期目線で考えるため時間がかかる

PDCAサイクルが時代遅れと言われる最大の理由は業務改善という目的を達成するまでに時間がかかるからです。計画から改善までの各サイクルを何度も繰り返す必要があるため、成果を出すのに時間がかかってしまうことが問題なのです。
あくまで中長期的な視野でサイクルを回す必要があるため、短期間で成果を出したいという人には不向きなフレームワークといえるでしょう。

PDCAサイクルそのものが目的化することがある

PDCAサイクルが正しく実行され、巧みにフィードバックされれば、たしかに業務改善につながります。しかし、PDCAサイクルの遂行そのものが目的になってしまうと、成果を上げることは難しくなります。
PDCAを惰性で回しても成果は出ません。Pその目的を理解し、計画、実行、評価、改善の各ステップが、次のステップにつながるように意識することが大切です。
PDCAサイクルを繰り返しながら、PDCAサイクル自体の運用を定期的に見直し、運用マニュアルを作成し、組織内で共有することで、惰性による運用にならないように努めましょう。

各プロセスの失敗要因

PDCAを行ったにもかかわらず、「あまり効果が発揮されなかった」「上手くいかなかった」というケースは少なくありません。ここからは、各プロセスにおける失敗の要因を解説します。

Planの失敗要因

Planにおいてよくある失敗要因を以下にまとめました。

● 目的が曖昧になっている
● 現状の把握や分析が甘い
● 設定した目標までの道のりが曖昧になっている
● 完璧に計画を立てようとしている
● 目標のハードルが高すぎて現実的ではない

現状の把握や分析を行い、今後の目標を定め、それを実現するための行動や評価方法などを決定していくプロセスは、最も重要なプロセスとなります。ここを何となく進めてしまうと、PDCAの効果を最大限発揮することは難しくなってしまいます。最初の現状把握や目標設定が疎かであれば、その後の行動なども疎かになってしまうことは言うまでもありません。PDCAを取り入れる目的を明確にし、目標達成を具体的にイメージできるまでやるべき行動を練るようにしましょう。

しかし、最初から実現する可能性が100%になるような計画を立てることも非常に難しいことです。計画を作るのに時間をかけ過ぎてしまい、実際の行動が遅くなってしまう、もしくは、最終的に行動を起こす前に諦めてしまうということになってしまっては本末転倒です。PDCAを繰り返していくことで精度の高い計画を立てられるようになっていくので、まずは計画を進めてみるという姿勢も重要となります。

Doの失敗要因

Doにおいてよくある失敗要因を以下にまとめました。

● 具体的な行動レベルまで落としこんでいない(何を・どのくらい、など)
● 無計画にとりあえずやっている
● 目標のハードルが高すぎるため、行動もハードルの高いものになっている
● 計画したことと違うことを実施する

無計画な状態での行動は、あまり成果を生み出さない可能性が高いです。「何を、どのくらい、いつまでに」など、具体的な内容まで決めておくことで、行動に移しやすくなります。無計画であったり、ハードルの高すぎる行動だったりすると、「本当にこの計画・行動でいいのか」という考えになってしまい、悩んでしまうことが多くなってしまうかもしれません。やるべきことが明確になっていると、「どの行動を起こせば良いのか」といったような迷いが少なくなり、いち早く行動に移すことができるので、行動は具体的に決めるようにしましょう。

Checkの失敗要因

Checkにおいてよくある失敗要因を以下にまとめました。

● 実行したものを評価しない、振り返らない
● 曖昧に評価を行う
● 定量的なデータを確認しない
● 結果だけを見て判断する

行動を起こしたにもかかわらず、やりっぱなしで終わり、その後の評価や分析を行わないのは非常にもったいないことです。また、評価や分析を行ったとしても、数値的指標などを確認せず、「全体的にできているから大丈夫」という曖昧な内容では、その後の取り組みに効果的に作用するとは言えません。計画を立てて実行したものは、定量的なデータを確認しながら、評価・振り返りを行いましょう。

また、結果だけを見て安易に判断しないことも重要です。「なぜ上手くいったのか」「なぜ計画通りに進まなかったのか」などの要因もしっかり洗い出すことで、次に活かせるような分析結果を導き出せるのです。

Actionの失敗要因

Actionにおいてよくある失敗要因を以下にまとめました。

● 具体的な次の行動が実際に行われない
● 複数ある改善策をすべて一度に行おうとしてしまう
● 次の行動や改善案を出すことが目的になってしまう
● 結果が伴わないままひたすら行動を繰り返してしまう

評価や分析をして、次の行動案や改善案が出たとしても、実際に行動に起こさなければ何の意味もありません。また、企業全体で会議などを行っても、「いつかできればいい」レベルでとどまってしまい、その後の具体的な行動が計画されなければ、会議そのものが無意味になってしまいます。

今後発展していくための行動案や改善案を出したのであれば、具体的な期限や数値的な目標を定めて次に繋げていきましょう。なお、次の行動を考えている時は、その行動が複数挙げられることもあります。そういった場合は、優先順位をつけてから取り組むようにしましょう。

PDCAを効果的に実施する5つのポイント

正しく行わないとなかなか効果が発揮されないPDCAですが、ポイントさえ押さえれば、効果的に自身の業務などに活かすことができます。ここからは効果的にPDCAを実施するポイントについて解説します。

● 目標や行動は具体的に決める
● 達成可能な目標を定める
● 計画はなるべく途中で変更しない
● 行動や期限は可視化しておく
● 状況を定期的に確認し、評価・確認を行う

目標や行動は具体的に決める

目標や行動、計画は具体的に決めることが重要です。目標が分かりにくかったり抽象的だったりすると、失敗する可能性が高くってしまいます。目標や行動は数値などを使って具体的に定めたほうが、目標達成までのイメージが格段につきやすくなるでしょう。

例えば、「○月の営業売上をアップさせる」という目標よりも、「○月は、新規顧客を5件増やし、先月よりも売上を10%アップさせる」という数値を用いた目標のほうが、そのためにとるべき行動が想像しやすくなります。

また、数値を用いた目標を立てたうえで行動すると、その後の評価や改善案も出しやすくなります。数値的なデータがあることで、今後「何をどのくらい行えばいいのか」というレベルまで考えることが可能になるのです。

達成可能な目標を定める

現状を度外視した計画や達成までのハードルが高すぎる目標は、何から手をつければ良いのか分からなくなってしまい、成果を出すことが難しくなる可能性が高いです。また、「行動しても目標達成できる気がしない」と感じてしまうと、モチベーションの低下にも繋がってしまいます。

目標を定めるときは、達成可能なレベルにして立てていくようにしましょう。頑張れば達成できる範囲にしておくことで、目標達成に向けて行動しやすくなります。継続的に行っていく中で、徐々に目標のレベルを上げていくのがおすすめです。

計画はなるべく途中で変更しない

行動計画を設定したら、なるべく途中で変更はせずに進めていきましょう。計画通りに行わなければ、その後の評価もスムーズにできなくなり、時間をかけて行ってきたプロセスが無駄になってしまうかもしれません。実行していく途中で結果が伴わなかったとしても、中断や変更は極力せずに計画通りにやり切ることが重要です。結果から、「何が良くなかったのか」という新たな気付きにつながる可能性もあります。PDCAにおいてはその気づきが非常に大切なのです。

また実行している段階では、その後の評価・分析をより良いものにするために、活動記録を残しておくと良いでしょう。営業成績や売上など具体的な数値が出せるのであれば、その数値と一緒に記録を残しておくとさらに効果的です。

行動や期限は可視化しておく

決めた行動や期限は可視化しておくことをおすすめします。最初の段階でどれだけ丁寧に計画を立てていたとしても、その後の行動や期限が把握できていなかったり、漏れがあったりしてしまうと、当然のことながら目標達成は遠のくでしょう。

ビジネスを行っていると膨大な業務量を抱えることもありますが、その内容を頭だけで記憶しておくのは容易ではないため、可視化されたものなどが無いと思わぬ漏れを引き起こしてしまうかもしれません。そうならないためにも、行動や期限は、いつでも確認できるように工夫をしておくことが大切です。例えば、以下のような方法を用いるなどして、滞りなくPDCAを回せるようにしておきましょう。

● 行うべきことを書き出してPCのデスクトップに置いておく
● 行うべきことを期日ごとにカレンダーアプリなどに登録しておく
● スマホなどのリマインド機能を活用する

関連記事:ToDoリストとは?作り方のコツや管理ツールをご紹介!

状況を定期的に確認し、評価・確認を行う

PDCAは普段の業務と並行しながら行うのが一般的ですが、通常業務に手いっぱいで評価などが行えなければ、サイクルのスピードは落ちてしまいます。状況を随時確認し、評価・確認を行う時間は、1日のスケジュールの中に組み込んでおくようにしましょう。

当初の目標に向けた進捗具合や現場の状況を確認し、問題点がないか確認するようにしてください。日々のルーティーンに組み込めば、スピーディーにPDCAサイクルを回していくことができます。

PDCA以外で注目されているマネジメント手法

非常に効果が期待できるPDCAですが、近年ではこれとは違った種類のマネジメント手法も登場しています。ここからは今注目されているマネジメント手法について解説します。

● OODA
● STPD

関連記事:PDCAサイクルとは?他の手法との違いや定着させる方法、企業実例

OODA

OODAとは、Observe(観察する)、Orient(状況や方向性を判断する)、Decide(意思決定をする)、Act(行動する)の頭文字を取ったもので、「ウーダ」と読みます。PDCAと同様に、業務改善や良い成果を出すための手法として使われています。

OODAは「OODAループ」とも呼ばれ、必要に応じて途中で前の段階に戻ったり、任意の段階からループをリスタートしたりすることができます。PDCAサイクルでは、Plan(計画する)、Do(実行する)、Check(評価する)、Action(改善する)の4つのプロセスを順番に進めていくのに対し、OODAは自由度が高いものとなっています。そのぶん、その都度迅速な判断が求められますが、意思決定を早く行えるというメリットがあります。

外部環境の変化が激しく、素早く的確な意思決定が求められるシーンでは、OODAが有効となるでしょう。

OODAのメリット

OODAにはPDCAサイクルにはないメリットがあるため、業務改善をしたい場合は自身の状況に合わせて適切に採用しましょう。
OODAループは、PDCAサイクルのデメリットを打ち消すことができ、PDCAサイクルが合わない・意味がないと感じる場合や、時間がかかりすぎる点を懸念している人におすすめです。
OODAのメリットは、下記のとおりです。
・ 状況に合わせた施策を打ちやすい
・ 顧客のニーズに合わせられる
・ 改善までのサイクルが早い
それぞれ順番に説明します。

状況に合わせた施策を行いやすい

OODAはサイクルではなくループなので、問題点が生じたり、省略できる段階がある場合は任意のステップまで戻って再試行できます。
この点、PDCAは1サイクルで評価・改善しないことには再試行できないため、状況や変化に合わせた施策は行いづらく、OODAのほうが適していると言えるでしょう。
柔軟に対応する必要がある場合には、OODAを採用することで、臨機応変かつスピーディーな業務改善が期待できます。
OODAの強みは現場で意思決定し実行できることにあります。このため、何か問題が発生した場合は状況に応じて最短で打開できます。

顧客のニーズに合わせられる

OODAは変化に強く、新しいアイデアにも対応できるため、顧客のニーズを即座に取り入れられます。
一方で、PDCAサイクルの場合は、計画段階で入念に策を練らねばならず、何回もサイクルを重ねて修正していくため、顧客のニーズに対応する余地が限られてしまいます。
そのため、PDCAサイクルは顧客に要望された急な仕様変更には耐えられず、それまでの積み重ねが振り出しに戻ってしまう恐れもあるのです。
顧客からの要望が多い場合や、まだ始まって間もないプロジェクトなどは、現場を見ながら判断していけるOODAのほうが適しています。

改善までのサイクルが早い

OODAは現場の状況を見て即座に修正でき、ループを順序立てて回す必要もないため、短期間である程度の結果が出ます。
PDCAサイクルの大きなネックである「業務改善の結果が出るまでが長い」ことを解決できるため、短期で結果を出さなければならない場合はOODAのほうが適しています。
また、OODAは現場でトライ&エラーしていく仕組みであるため、上層部や運用担当者の意思決定に時間がかかりません。このことも短期で結果を出せる理由として挙げられます。
実行したのちに観察段階に戻る必要がなく、現場の判断に応じて臨機応変に対応できます。結果として短期間でループを回して改善できるのです。

STPD

STPDとは、See(現状を見る)、Think(分析する)、Plan(計画する)、Do(実行する)の頭文字を取ったもので、業務改善を行っていくためのマネジメント手法です。

計画からスタートするPDCAとは異なり、STPDではまず現状を見て、それを把握してからスタートします。そのため、懸念点やリスクを明確にした上で、その後の計画や行動を考えていくことができます。現状をしっかり分析してから計画を立てるので、実現不可能な目標を立ててしまうという失敗も回避しやすくなります。

ただし、STPDには、実行した後の効果を検証するプロセスがありません。そのため、評価や振り返りを行えず、その計画や行動が正しかったのかどうかを判断することができないことが多々あります。行動に対しての振り返りは非常に重要な要素なので、意識的に振り返りの時間は設けるようにしましょう。

PDCAの企業事例

トヨタ自動車

トヨタ自動車は今やグローバルにおいても確固たる地位を確立している世界的な企業です。そのトヨタ自動車におけるPDCAは現場における「ムリ・ムダ・ムラ」を可能な限り排除するための車の生産方式をP(Plan(計画))として構築しました。
D(Do(行動))では、必要な時に必要な量を生産する「ジャストインタイム」方式を採用したり、異常が発生した際に不良品を製造させないために機械を自動停止させるシステムも構築されている。
C(Check(検証))は不良品が検知され問題の兆候が出てきた段階で生産を停止。現場の人員(管理者・作業員)で一気に検証を進めます。
A(Action(改善))は技術者、管理者、作業者が一体となって改善提案を行い、出来ることはすぐに取り入れていくような流れを構築している。

良品計画

良品計画では店舗や各スタッフにおいて接客などのサービスの質に差が出ないように、ノウハウを平準化するためのPDCAを活かしたマニュアルが存在します。P(Plan(計画))はこのマニュアル「MUJI GRAM」を前提とした業務があることです。このマニュアルを前提にD(Do(実行))に移し、実際に取り組んでみて行動に移した結果や気づきをC(Check(検証))します。その気づきを共有しながら改善を繰り返し、A(Action(改善))に繋げていく。改善につながったものは、「MUJI GRAM」に反映されマニュアルが改訂されていきます。「MUJI GRAM」は常に改定案が更新されていき完成が最後までありません。この考え方そのものが顧客満足度を上げサービスの高水準化を実現しました。

エイチーム

ライフスタイルサポート事業(比較・情報サイト)、エンターテインメント事業(スマホゲーム)、EC事業の3本柱で事業を展開する株式会社エイチームがあります。そのエイチームが日々取り組んでいるSEO施策において効果の最大化を図るための分析対象として、著しく流入に増減があったページ・クエリはないか、ユーザー行動に変化はあったか、平均順位の割にCTRが低くなっていないか等を見ています。
その中で外部のツールでクエリを一元管理しておくことでトラフィックの増減があった際にPDCAを回しやすくなるような仕組みを気づいてます。
また、様々なデータを取っておくことでクエリやトラフィックの増減を掴みやすくしてPDCAを回しています。
関連記事:エイチームのSEO戦略~データ分析と基盤作りについて~ |エイチーム連載第3回

まとめ

本記事では、PDCAの概要や4つのプロセス、メリット・デメリット、PDCAを効果的に行うポイントなどについて解説しました。

PDCAは、課題解決や業務改善、目標を達成したいと考えている企業やビジネスマンにとって非常に効果的な手法です。近年では、PDCAに対して否定的な意見もありますが、誤った形で実施していることから効果を感じられていないケースが多いようです。適切に取り入れれば、業務などを継続的に改善させていく手段として、今でも十分に効果は期待できます。

それぞれのプロセスに関して押さえるべきポイントをしっかりと意識し、サイクルを回し、ぜひ皆さんの成果に繋げてください。

関連記事
PDCAとは?何のためにPDCAサイクルを回すのか?古いと言われる理由とともに解説
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監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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