2022.11.18

イノベーションとは?意味や種類、事例を簡単に

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イノベーションはビジネスでも耳にする機会が多い用語だ。「技術革新」と表現されることが多いが、本来は「今までにないサービスや製品、価値を生み出すこと」を指している。

イノベーションの種類として、プロダクトイノベーションとプロセスイノベーションが挙げられる。どちらも日常生活に影響を与えたイノベーションだ。

イノベーションとは?ビジネス用語としての意味

イノベーションは市場の変化や会社の成長には欠かせないものだ。しかし、その意味を正しく理解せずに使用されているケースがある。特に、ビジネス用語としてのイノベーションは「技術革新」に意味が限定されているケースが見受けられるが、本来は広義を持っているのだ。

ここでは、イノベーションの語源やビジネス用語としての意味、関連用語について解説する。

イノベーションとは

イノベーションとは、創造したり新しい価値を生み出したりすることを意味する言葉だ。日本語では、革新や一新とも表現される。ラテン語で「リニューアル」を意味する「innovare」を語源としている。

元々、イノベーションは経済学で使用されていた用語だ。現在では、実際のビジネスの世界や教育、行政といった幅広い分野でも使用されるようになった。

ビジネス用語では

ビジネス用語としてのイノベーションは「今までにないサービスや製品、価値を生みだすこと」を指している。これまでは、イノベーションが持つ意味は「技術革新」に限定されて使用されるケースが見受けられてきた。

しかし、本来は技術に限らず、サービスやビジネスモデルでの新しいアイデアなどによって、新しい価値を生みだすという意味を持っている。新しいものをつくるだけではなく、社会に対して革新や変革をもたらすことを指しているのだ。

関連用語例

イノベーションに関連する用語として、以下の3つの用語を紹介する。

・ オープンイノベーション
・ クローズドイノベーション
・ イノベーションのジレンマ

オープンイノベーション

オープンイノベーションとクローズドイノベーションは、ハーバード大学経営大学院のヘンリー・チェスブロウ氏が提唱した概念だ。オープンイノベーションは、業種や業界といった枠にとらわれず、多方面と連携しながら新しいサービスやビジネスモデルを創造することである。自社だけではなく共同開発や共同研究によって、固定概念にとらわれないものを生み出す可能性がある。

クローズドイノベーション

クローズドイノベーションは、オープンイノベーションと異なり、研究から開発まで全ての工程を自社で実施することで、新たなサービスやビジネスモデルを生み出すことを指している。自社で完結させることで、生まれた利益は全て自社に還元されることがメリットだ。

これまでの日本では、クローズドイノベーションが一般的だった。しかし、ニーズの多様化やグローバル化により、自社だけで開発まで完結することが困難になっている。そのため、オープンイノベーションでのイノベーション実現が主流になったのだ。

イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマは、ハーバード・ビジネススクールの教授クレイトン・クリステンセン氏の著書「イノベーションのジレンマ」で書かれた概念だ。タイトルにも使用されている「イノベーションのジレンマ」は、大手企業がイノベーションを起こしたベンチャー企業に後れを取ることを指す。

大企業は自社のサービスで一定数の顧客を確保している。そのため、新しい市場に興味を持てなかったり、新規開発が後回しになったりといったことが発生し、ジレンマに陥るのだ。

関連記事:ニーズとは一体何?ウォンツやシーズとの違いも解説

イノベーションの種類

イノベーションは、いくつかの種類に分類されることがある。提唱者や組織によって分類方法が異なっており、経済学者ヨーゼフ・シュンペーターはイノベーションを5種類に分類した。一方、オスロ・マニュアルでは、イノベーションは4種類に分類されている。ここでは、それぞれの分類方法について解説する。

経済学者ヨーゼフ・シュンペーターによる5種類

イノベーションを提唱した経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは、イノベーションに対し以下の5つの理論があると定義づけた。

・ プロダクトイノベーション
・ プロセスイノベーション
・ マーケットイノベーション
・ サプライチェーンイノベーション
・ オーガニゼーションイノベーション

プロダクトイノベーション

プロダクトイノベーションは、製品やサービスに対するイノベーションだ。技術的に新しいものに限らず、これまでに存在する技術やサービスの組み合わせでも、イノベーションを生み出す可能性があると考えられている。プロダクトイノベーションの例としては、電気や自動車、パソコン、スマートフォンが挙げられる。これまでになかった製品の誕生で、生活様式にも影響を与えた。

プロセスイノベーション

プロセスイノベーションは、製作や作業の工程に対するイノベーションだ。プロセスイノベーションに成功すればコストを抑えられるため、仕入れの部品や素材の原価が下がる、大量生産が可能になるなどの効果が見込める。生産性向上に直結しやすいイノベーションだ。例として、ベルトコンベアの導入が挙げられる。これまで人がしていた作業を機械にやらせることで人件費を削減し、工場の生産性向上につながった。

マーケットイノベーション

マーケットイノベーションは、新たな顧客や販路を開拓するイノベーションだ。製品やサービスに対し、元々想定していなかった魅力を見出すことで、新しい市場にアピールできる。例として、スマホゲームが挙げられる。

専用のゲーム機を必要としていたゲームソフトをアプリケーションとして開発することで、スマートフォンでもゲームを楽しめるようになった。これにより、これまでゲームをしなかった層を取り込むことに成功し、ユーザー増加につながった。

サプライチェーンイノベーション

サプライチェーンイノベーションは、材料や材料の供給源に対するイノベーションだ。コストや供給が不安定な材料を別の材料に切り替えたり、配送方法を効率化したりすることで、材料の供給を安定化させる。それにより、安定した生産が可能になり生産性が向上するのだ。

例として、荷物のパレットキャリー(荷台)の使い方が挙げられる。パレットキャリーの使い方を見直すことで、積替えや荷降ろし作業の工数削減に成功。短時間で材料を提供できるため、生産性向上につながるのだ。

オーガニゼーションイノベーション

オーガニゼーションイノベーションは、組織形態を見直すイノベーションだ。組織や指示系統を再構築することで、生産性向上につながる。例として、トップダウン型からボトムアップ型の組織への変更が挙げられる。経営層や管理職からの指示を待つのではなく、現場からアイデアを出す仕組みに変えることで、これまでの常識にとらわれない考え方ができるのだ。モチベーションアップにもつながるため、人材不足の改善にも効果がある。

OECD「オスロ・マニュアル」のイノベーションの4類型

OECDとEurostat(欧州委員会統計総局)が策定した国際標準「オスロ・マニュアル」では、イノベーションの種類を以下の4つに分類した。

・ プロダクトイノベーション
・ プロセスイノベーション
・ オーガニゼーションイノベーション
・ マーケティングイノベーション

プロダクトイノベーションやプロセスイノベーション、オーガニゼーションイノベーションについては、シュンペーターの定義と同様だ。マーケティングイノベーションは、マーケティング手法に対するイノベーションで、新しいマーケティングコンセプトやマーケティング戦略を導入することを指している。

シュンペーターの定義であるマーケットイノベーションは、顧客や販路を開拓することを指している。そのため、似た用語でも意味は異なる。

関連記事:企業のマーケティング成功事例8選!成功のために押さえたいポイントも解説

イノベーションの事例

生活に大きな影響を与えるイノベーションの種類として、プロダクトイノベーションとプロセスイノベーションが挙げられる。プロダクトイノベーションの代表例としては、ウォークマンやiPhoneが挙げられる。どちらも日常生活に影響を与えたイノベーションだ。

プロセスイノベーションの例としては、アパレル業界のSPAモデルが挙げられる。ここでは、2つのイノベーションの事例について紹介する。

【プロダクト】ウォークマンやiPhone

プロダクトイノベーションの代表として、SONYの「ウォークマン」とAppleの「iPhone」が挙げられる。ウォークマンは、音楽文化に影響を与えたイノベーションだ。ウォークマンが登場するまでは、音楽は屋内で楽しむものだった。

しかし、携帯可能なカセットプレイヤーであるウォークマンの登場により、外でも音楽を楽しめるようになったのだ。今では当たり前となっている音楽を聴きながら歩く文化は、ウォークマンが作ったといえる。

iPhoneは、日常生活の過ごし方に影響を与えたイノベーションだ。iPhoneが登場するまでの携帯電話の用途は通話やメールが一般的だった。しかし、iPhoneの登場により携帯電話の使用方法は一変した。

iPhoneはボタンを廃した画期的なデザインが特徴なだけでなく、インターネットや音楽プレイヤー、ゲームといったコンテンツが利用できる小さなパソコンともいえるものだ。iPhoneをはじめとしたスマートフォンは瞬く間に普及し、ネットショッピングや動画視聴、アプリを利用した決済サービスなど、生活に欠かせないものとなった。

関連記事:プロダクトライフサイクル(PLC)の基本的な意味を解説

【プロセス】アパレル業界のSPAモデル

プロセスイノベーションの代表として、アパレル業界のSPAモデルが挙げられる。SPAとは、「Specialty store retailer of Private label Apparel」の略で、企画から製造、販売までを一貫して受け持つビジネスモデルだ。

SPAモデルが登場するまでは、洋服における企画や製造、販売はそれぞれ異なる企業が行うのが一般的だった。ユーザーのニーズへの対応が遅れるため、売れ残りが発生するリスクを抱えていた。しかし、SPAモデルの登場によりユーザーのニーズの移り変わりに迅速に対応できるようになったのだ。

SPAモデルを採用したユニクロは、売れ残りを削減できるだけではなく、ニーズに合わせて多くの商品を売ることにもつながった。それにより大幅な価格引き下げも可能となり、アパレル業界に変革をもたらしたのだ。

まとめ

イノベーションとは、日本語で革新や一新とも表現される用語だ。ビジネス用語としては「技術革新」に意味が限定されているケースが見受けられるが、本来は「今までにないサービスや製品、価値を生みだすこと」を指している。新しいものをつくるだけではなく、社会に対して革新や変革をもたらすことを意味しているのだ。

イノベーションにはいくつかの種類があり、提唱者や組織によって分類方法が異なっている。生活に大きな影響を与えるイノベーションの種類として、プロダクトイノベーションとプロセスイノベーションの2つが挙げられる。

プロダクトイノベーションの代表といえるウォークマンやiPhoneは、日常生活に影響を与えたイノベーションだ。イノベーションの意味や事例を理解し、日常生活にあるイノベーションの影響を探してみると、世の中の見え方が変わるだろう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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