2022.2.2

ソーシャルリクルーティングとは?概要と成功のポイントを解説

読了まで約 6

ソーシャルリクルーティングとは、SNSを利用した採用活動のことである。SNSを活用すれば、求人サイトとは異なる角度から求職者にアプローチできるのだ。今回は、ソーシャルリクルーティングの基礎知識を紹介する。主なSNSや成功につなげるポイントも併せてチェックしよう。

ソーシャルリクルーティングとは?その概要や特徴

ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用した採用方法のことだ。日本でのSNS普及率は80%以上で、就職活動を積極的に行う20代においてはほぼ100%だといわれている。そのため、今やSNSは日本人にとって欠かせない情報収集ツールなのだ。

生活に密接に関係しているSNSを採用ツールとして活用すれば、就職活動している人に効率よく情報を届けられる。特に、20~30代の若年層を採用したい企業にとっては、活用しない手はないだろう。

また、SNSを活用すれば、求職者との距離を縮めやすいのも特徴のひとつである。企業が発信する情報を見た求職者が好印象を抱けば、求人応募につながる可能性もあるのだ。つまり、一般的な求人サイトとは違った方法で、求職者にアプローチできるのがソーシャルリクルーティングの魅力だといえるだろう。

関連記事:SNSとは?種類や使い方、仕組みについて分かりやすく解説

採用活動でSNSが用いられる背景

採用活動でSNSが用いられる主な背景は、以下の3つである。

・ コミュニケーションの場として普遍化しつつあるため
・ 就職・転職を考える層が情報交換で使用しているため
・ ブランディングにつながり、自社の認知獲得につながるため

それぞれの背景を詳しく見てみよう。

コミュニケーションの場として普遍化しつつあるため

SNSは、コミュニケーションの場として普遍化しつつあるため、ソーシャルリクルーティングに用いられている。例えば、SNSに設けられたメッセージであれば、気楽に送信できる人もいるだろう。

ほかにも、SNSにはいいね機能やコメント機能が搭載されているため、簡単にコミュニケーションが取れる場として利用している人は少なくない。

つまり、コミュニケーションが取れれば、お互いに関する情報を得る機会も増え、本来の人柄も知りやすくなる。採用活動においても、SNSをコミュニケーションの場として活用すれば、入社後のミスマッチも防ぎやすくなるだろう。

就職・転職を考える層が情報交換で使用しているため

求職者が情報交換の場としてSNSを活用していることも、ソーシャルリクルーティングが利用される要因のひとつである。例えば、求職者がSNSを通して、就職活動の様子を発信していることもあるだろう。

その投稿内容を見たほかの求職者とSNS内でやり取りを行うケースも珍しくない。そのため、企業にとっては求職に関する情報を発信するだけではなく、情報収集の場としても利用できるのだ。

求職者が情報交換している内容は、面接や履歴書では把握しきれないケースも多いだろう。また、求職者の興味や関心事も知れるため、自社の求人応募に役立てることができ、よりターゲットに刺さる内容を発信できるのだ。

ブランディングにつながり、自社の認知獲得に繋がるため

ソーシャルリクルーティングを行えば、採用ブランディングや自社の認知獲得につながる。例えば、SNSで社内の様子や働く従業員の動画などを投稿すれば、求人サイトでは伝えられない情報を発信できるのだ。

ほかにも、自社独自の取り組みや仕事に対する考え方などを発信すれば、企業イメージを良くしながら、他社との差別化にもつながるだろう。

また、SNSの持つ拡散力を活用できれば、自社の認知獲得も行いやすくなる。求人サイトであれば、仕事を探している求職者にしか自社の魅力をアピールできない。

しかし、SNSであれば求職者だけではなく、SNSを活用している将来的な転職検討層にも自社の魅力を伝えられるのだ。加えて、拡散機能を活用することで自社のアカウントをフォローしていないユーザーに対しても魅力をアピールできるため、認知獲得につながりやすくなる。

関連記事:
採用ブランディングとは?取り組む目的、ポイントを解説!
「マス型採用」から自社のPRを積極的に行う「個別採用」へ。TwitterなどのSNSも活用する注目の採用術とは?

代表的なSNSの種類

ここからは、代表的なSNSの種類を紹介する。

主な例

主なSNSの種類は、以下の4つである。

1. Twitter
2. Instagram
3. TikTok
4. Facebook

各SNSの特徴を確認しよう。

Twitter

Twitterは最大140文字の文章や画像、動画を投稿できるSNSだ。Twitterに投稿した文章や画像などのことを「ツイート」と呼ぶ。ほかにも、気に入った投稿に「いいね」できる機能や、ツイートを引用・拡散できるリツイート機能がある。

総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、20代の80%近くが利用している人気のSNSである。そのため、若い世代を中心に求職者を探したい企業にとっては、ソーシャルリクルーティングにおすすめのSNSといえるだろう。

Instagram

Instagramは、文章が中心のTwitterとは対照的に、写真の投稿がメインのSNSである。そのため、視覚的なアピールが必要なデザイン会社や販売系の求人応募におすすめのSNSともいえるだろう。

投稿機能である「フィード」、投稿してから24時間しか表示できない「ストーリー」、リアルタイムの配信ができる「ライブ機能」などが特徴的な機能である。

関連記事:Instagramとは?ログインや検索、アカウント削除方法からInstagram広告まで徹底解説

また、総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、10~30代で60%弱の利用率があるため、若年層に幅広く人気である。

TikTok

TikTokとは、15~60秒の短い動画を投稿できるSNSのことだ。10~20代を中心に広がりを見せているSNSで、簡単に操作できることが特徴である。例えば、TikTokのアプリ内で動画の加工ができたり、コンテンツが作成できたりと、誰でも挑戦しやすいのが魅力といえるだろう。

そのため、社内の雰囲気や人間関係などを動画にまとめれば、自社のブランディングにもつながりやすい。若い世代を中心に人気があるため、これから新卒採用を進めていきたいアピールしたい企業にとっては、注目のSNSである。

Facebook

Facebookは、TwitterやInstagramと同様に写真や文章などを投稿できるSNSである。しかし、ほかのSNSと異なり、文字数制限が6万文字と圧倒的に多いため、さまざまな用途に使用できるだろう。

また、Facebookは実名登録であるため、家族や友人などともつながりやすいほか、ソーシャルリクルーティングにも活用しやすいのが特徴である。メッセージ機能や投稿機能も充実しており、求職者とのコミュニケーションも取りやすい。

総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、20~40代を中心に利用されている。そのため、社会人経験を積んだ人材を見つけたい場合に活用するのもひとつの方法だ。

また、株式会社タナベ経営が調査した「販促・プロモーションに関する企業アンケート」では、SNSを活用している企業が「活用しているソーシャルメディア」で100%「Facebook」と回答し、「Instagram」や「Twitter」よりも企業での活用が高いとするデータもある。

関連記事:企業が取り組むSNSマーケティングとは?SNSマーケティングを強化する企業が増加(株式会社タナベ経営調べ)

番外編

ここでは、番外編としてnoteとオウンドメディアを紹介する。

note

noteとは、コンテンツ配信に特化したプラットホームのことだ。2014年にサービスを開始しており、ブログとは異なる機能を持っている。例えば、noteは直接課金モデルとなっており、コンテンツを読みたいと思ったユーザーが購入すれば内容を確認できる有料記事を販売したり、読者がクリエイターに直接金銭支援を行ったりできるシステムが搭載されている。

コンテンツを購入する際は、決済手段と紐づいたアカウントを使用することでスムーズに手続きを行えるのも魅力的なポイントだろう。もちろん、無料でコンテンツを配信することもできるため、求職者に自社の魅力を発信することも可能である。

また、月間アクティブユーザーは6,300万人以上(2020年5月時点)である。直近では、会社の理念や想い、社内の雰囲気を伝えるコンテンツ、提供サービスの領域に関するノウハウを発信するといった企業も増えてきているため、自社の認知獲得に向けて無視はできない存在だろう。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社メディアのことである。例えば、ホームページやブログといったオンライン上のツールや、チラシや会社案内といったオフラインのツールが含まれる。

そのため、会社説明会や求人サイトなど、自社の採用活動に合わせたオウンドメディアを用意することで、人材を確保しやすくなるのだ。

関連記事
オウンドメディアリクルーティングとは?事例やメリットとデメリット、始める手順を解説!
オウンドメディアを活用して、企業認識を拡げる努力を

SNSでの採用活動を成功に繋げるポイント

ソーシャルリクルーティングを成功させるポイントは、以下の3つである。

1. 中長期的にPDCAを回して運用する
2. 自社のターゲットにマッチした内容を発信する
3. 一方的な発信ではなく、双方向のコミュニケーションを心掛ける

各ポイントについて、詳しく確認しよう。

中長期的にPDCAを回して運用する

ソーシャルリクルーティングを行う際は、PDCAを回しながら中長期的にSNSを運用するのがポイントだ。PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字をとったもののことで、目標を達成するために業務を改善する手段のことである。

関連記事:PDCAサイクルとは?他の手法との違いや定着させる方法、企業実例

例えば、投稿内容に多くのコメントが寄せられた場合、「なぜコメントが多くついたのか」「ほかの投稿となにが違うのか」といった分析を行えば、よりユーザーに刺さる情報を発信できるだろう。

また、PDCAを回すだけではなく、中長期的にSNSで発信し続けなければ、求職者の目に留まりにくくなる。そのため、常に新しい情報を発信することで、ソーシャルリクルーティングの成果が得やすくなるだろう。

自社のターゲットにマッチした内容を発信する

ソーシャルリクルーティングを行う際は、自社のターゲットにマッチした内容を発信しよう。例えば、正社員を募集したい場合と、パートやアルバイトを募集したい場合では、ターゲットが必要としている情報は異なる。

また、10~20代の若い世代を募集したいときと、30~40代の社会人経験を積んだ世代を募集したい場合でも、発信内容は異なるかもしれない。そのため、ソーシャルリクルーティングを行う際は、ターゲットを明確にしておき、適切な情報発信が重要である。

一方的な発信ではなく、双方向のコミュニケーションを心掛ける

ソーシャルリクルーティングを行う際は、一方的な発信ではなく、双方向のコミュニケーションを意識しよう。SNSはいいねやコメント機能など、求職者とコミュニケーションが取りやすいのがメリットでもある。

そのため、双方向のコミュニケーションを心掛けていれば、求職者との距離は縮みやすくなるのだ。例えば、いいねをもらったら、相手の投稿にいいねをするといった積極的な行動が重要である。少しずつ距離を縮めていけば、ソーシャルリクルーティングの結果が出やすくなるだろう。

まとめ

ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活かした採用活動である。SNSは現代の日本では欠かせないツールとなっており、うまく運用すれば自社が求める人材を確保できるだろう。

ソーシャルリクルーティングを利用する際は、中長期的な運用を行い、求職者と双方向のコミュニケーションを取ることが重要だ。自社のターゲットにマッチした内容を発信し続ければ、ソーシャルリクルーティングの成果を得やすくなるだろう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

get_field('cf_general_profile_name', 39);

『MarkeTRUNK』編集部

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から
知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。
さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。
独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

関連記事 RELATED POSTS

関連資料ダウンロード RELATED POSTS

メルマガ会員登録で最新マーケティング情報やトレンド情報、セミナーイベント情報をチェック!

メールマガジンのサンプルはこちら