2022.5.20

採用課題とは?代表例と解決のカギを5つ解説!

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そもそも採用課題とは、採用活動でネックとなっているものであり、うまくいかない要因のことを指している。今回は採用課題とはどのようなものかを紹介する。採用活動をするうえで課題となる主な内容や、それぞれの課題を解決に導くためのカギも併せてチェックしよう。

そもそも採用課題とは?

そもそも採用課題とは、人材を獲得するための採用活動における課題のことである。採用活動の効率を低下させてしまうもの、いわゆるネックとなっている要因を指しており、採用活動がうまくいっていない場合に改善したいポイントだ。

採用がうまくいっていない場合には、どのような場面でうまくいっていないのかを考えるようにするのがいいだろう。就活ナビサイトや求人メディアに登録しても求職者から反応がない、面接辞退や入社前の内定辞退が多い、新入社員がすぐに転職しまうことが多くて従業員が定着しないなど、企業によって課題となっている部分が異なる。

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「採用できなかった」といった表面的な結果だけではなく、「なぜ採用活動がうまくいかないのか」という課題を明らかにしていくことで、今後改善していけるように取り組めるだろう。

採用における課題は、時代によっても異なることがあるものだ。近年の採用においては売り手市場が続き、労働人口の減少もあって人材の確保が以前よりも難しくなっている。とくにエンジニアなどの高度な業務ができる人材へのニーズが増えているため、スキルの高い優秀な人材を確保できるようにすることは、重要な課題のひとつである。

新卒採用に関しても、求人倍率が高い水準にあることや早期に就職活動を開始する学生の増加などにより、採用状況が変化し続けている。状況にあわせて採用課題を見つけ出し、うまく対応していく必要があるだろう。

また、一般的に大企業よりも中小企業の採用状況が厳しいといわれている。中小企業が抱える採用課題の例は以下のとおりだ。

・ 大企業のような知名度がなく、ほかの求人に埋もれてしまうケースが多いこと
・ 担当者が中途採用やほかの業務を兼任しているため、やることが多すぎてタイミングを逃してしまうこと
・ 採用のためのコストがかけられないこと
・ 内定辞退者が多いこと

このように、企業の規模や時代による変化、個々の企業の特徴など、さまざまな理由によって抱えている採用課題は異なるものである。それぞれに異なる採用課題を見つけ出し、それにあわせて対応することが重要だ。

主な採用課題と解決のカギ

採用活動のうまくいかない企業が採用課題を見つけ出すためには、まずは自社の規模や業種がどのような状況にあるのかを理解しよう。そのうえで、採用課題にはどういったものがあり、どうすれば改善できるのかを考えていく必要がある。

採用課題を見つけるためには、採用活動のどの段階に課題があるのかを把握しよう。まずは採用フローを明確にする。採用フローの流れを「母集団形成」、「書類選考」、「筆記試験」、「一次面接」、「二次面接」、「内定」、「入社」といった各段階に切り分けよう。

工程にあわせて歩留まりのデータを数値化し、どの段階の歩留まりが悪く、ボトルネックとなっているのかをチェックする。たとえば書類選考から面接に進んだ応募者の割合が明らかに少なくなっていた場合には、その時点でなんらかの採用課題があると考えられるだろう。

それでは、主な採用課題とそれぞれの課題を解決するカギをチェックしていこう。

自社の方針に適した採用計画が立てられない
採用計画とは、採用活動の指針を示すためのものである。企業の事業計画をベースとして、採用する部署や人材の特徴、人数、採用方法、期限などの計画を立てる。このうち、採用人数を決める際には、要員計画などをベースとして企業全体での中長期的なニーズと現場での採用ニーズの両面から決めると良いだろう。

自社にあった採用計画を立てる際には、経営理念や今後のビジョン、事業戦略などを理解したうえで、自社の方針に適した計画を立案することが重要だ。自社の方針に適した採用計画が立てられず、その場しのぎの採用活動をおこなっていると、自社の求めるイメージとは違った人材を採用してしまい、採用後のミスマッチに繋がってしまうだろう。

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採用計画を立てるにあたっては、「フレームワークなどを用いて自社の採用課題を見つけること」、「自社にマッチする人材像を洗い出すこと」がポイントだ。採用課題を把握する際に活用したいフレームワークには、3C分析や4C分析、SWOT分析などがある。

3C分析は自社視点から、4C分析は顧客視点から分析する方法であり、これら2つの分析の対象を採用マーケティングで設定したペルソナにすると、採用計画を立てる際に活用できる。自社の方針に適した採用計画が立てられないという採用課題がある企業は、参考にしてみると良いだろう。

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自社への応募がない(母集団形成が進まない)

人材を募集しているのに母集団形成が進まず、自社への応募がないという採用課題もある。

母集団とは統計学で用いられることが多い用語であり、採用活動で使う場合の母集団とは「採用候補者の集団」を指しているものだ。実際に応募した人だけではなく、自社に興味があって今後求人に応募する可能性がある人も母集団に含まれる。

自社にマッチする人材からの応募を増やせること、「自社で働きたい」と感じてくれる人を増やせることが母集団を形成する重要な理由だ。

また、企業と求職者が気負わずに話せる「カジュアル面談」をおこない、理解を深めて信頼関係を築き上げていくことも、応募者が少ないという採用課題を解決するカギとなる。

タレントプールを活用し、人材確保に繋げることも可能だ。タレントプールとは、優秀な人材を中長期的に確保し続けることである。

優秀な人材がいたもののタイミングがあわずに採用できなかった場合、タレントプールを活用すると候補として残しておくことができるのだ。人材が必要になったタイミングで話を持ち掛けられる状態にしておくと、スムーズな採用活動ができるだろう。

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自社にマッチする人材を定義できない(ペルソナ設計ができない)

採用マーケティングでは、ペルソナの設定が重要だ。しかし、自社にマッチする人材を定義できず、ペルソナ設計がうまくいかないという採用課題もある。

採用活動でのペルソナとは、自社の求める人材像を明確化し、求める人材像にあわせてピンポイントに施策を展開できるようにすることだ。採用活動でペルソナを設定する目的は、「自社の課題を解決するために必要な人材像を把握すること」と、「採用した人材の早期離職を防ぐこと」である。

実際に採用活動でペルソナを設定する際には、以下の流れで実践しよう。

・ 業務遂行に欠かせない要素を洗い出す
・ 求める要素を持つ人材の採用市場における希少性を検討する
・ 求める人材像がどのような理由で求職活動をしているのかを深掘りする
・ 応募する理由となるような自社の魅力を洗い出す

これらの流れで自社にあったペルソナを設定し、自社にマッチする人材を採用できるようにしよう。

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内定出しを行っても辞退されてしまう

採用フローの流れにのっとって進めていき、採用する人材を決めても、内定を出した人から入社前に辞退されてしまうケースがある。新卒採用に比べて、中途採用はとくに内定辞退が多く発生する傾向があるといわれているため注意が必要だ。

中途採用者に内定辞退される理由には「転職への不安が生まれた」、「現在の勤め先から引き留められた」、「ほかの企業から内定をもらった」、「条件面での希望が叶わなかった」などがある。

また、新卒採用で内定辞退される場合、辞退のタイミングによってその理由は異なると考えられている。6~8月頃に内定辞退される場合には、大手企業などからの内定をもらえたことが理由であるケースが多いだろう。しかし、このほかの時期や内定式後の辞退があった場合には、学生とのコミュニケーション不足などなんらかの課題が自社にある可能性が考えられる。

内定を出してからも何度もコミュニケーションを取り続けるなど、内定者フォローを行うことで、内定を出したあとの辞退を未然に防ぐ効果が期待できるだろう。質問や相談に応じたり、自社の魅力を伝える工夫をしたりすることがおすすめだ。

関連記事:内定者フォローのポイントとは?コロナ禍でもオンラインで内定者との接点を強める方法

採用後にミスマッチが分かる

採用後にミスマッチが分かることも、採用課題のひとつである。「入社したばかりの従業員の早期離職は、主に採用活動のミスマッチが原因だ」といわれることがあるほど、ミスマッチは避けるべきことだ。

採用のミスマッチを防いで離職率を低下させるためには、さまざまな取り組みが考えられる。たとえば、自社のネガティブな情報も併せて開示すること、面接の際に相互理解を深めること、リファラル採用など採用方法を工夫すること、フォローを欠かさないことなどがおすすめだ。

関連記事:リファラル採用とは?意味とメリット、防ぎたいトラブルを解説

企業文化や理念、社風など、企業の雰囲気に新入社員がなじめるかどうかを重視した「カルチャーフィット」を意識した採用によって、ミスマッチを防止するのもいいだろう。

また、人事領域におけるフォローアップによって社員の帰属感を高めたり、離職率を抑えたり、研修による効果を定着させたりといったことが期待できる。フォローアップ面談として人事が面談の場を設けることによって、新入社員が不安や悩みを抱え込んでしまわないようにするといいだろう。面談の頻度としては、入社してから3ヶ月ごとに行われることが多い。

関連記事:カルチャーフィットとは?新卒・中途採用のミスマッチを防ぐポイントを解説

まとめ

採用課題とは採用活動における課題のことで、課題をそのままにしていては採用活動の効率を低下させてしまう。採用活動がうまくいっていない場合は、採用課題を見つけ出してどうすれば改善できるのかを考えていく必要がある。

採用課題を見つけるためには採用活動を段階ごとに区切り、どの段階に課題があるのかを把握するのがおすすめだ。主な採用課題とそれぞれの課題を解決するカギを理解し、実際の業務に役立てていこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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