企業の商品やサービスを探す際、多くのユーザーは企業のホームページのトップページからではなく、検索エンジンで特定のキーワードを用いて直接検索し、上位表示されたページにアクセスします。このように、ユーザーが検索結果や広告などをクリックした後に最初に訪れるページをランディングページ(Landing Page)、略してLPと呼びます。
ランディングページには、主に二つの意味合いで使われることがあります。一つは、検索エンジンやWeb広告、SNSなどからユーザーが直接流入する「着地ページ」全般を指す場合です。もう一つは、特にマーケティングの文脈で、Web広告やリスティング広告、SNS広告などのリンク先として設定され、特定の商品やサービスの購入、申込といったコンバージョン(CV)を最大化することを目的としたページを指します。本記事では、後者のマーケティングにおけるランディングページの意味合いで解説を進めます。
このマーケティングにおけるランディングページの主な目的は、広告などをクリックしたユーザーの「もっと知りたい」「購入したい」といった意欲を捉え、具体的な行動(コンバージョン)へと繋げることです。そのため、ランディングページは以下のような特徴を持つことが一般的です。
●特定の商品・サービスに特化: ユーザーが広告で興味を持った情報に特化し、関係のない情報や他商品へのリンクを極力排除します。これにより、ユーザーの興味が分散するのを防ぎ、コンバージョンに集中させます。
●縦長のレイアウト: 商品やサービスの魅力、課題解決のメリット、利用者の声、キャンペーン情報などを、ユーザーが自然な流れで理解し、納得できるように、段階的に説明していきます。この構成により、ページは縦長になる傾向があります。
●他ページへのリンクを限定: ユーザーを途中で他のページに誘導せず、ランディングページ内で完結させることを目指します。最終的に、資料請求、問い合わせ、購入といったコンバージョンを促すためのリンクのみを設置することが多いです。
ランディングページを作成するメリットとしては、ページ移動による離脱率の低下や、コンバージョン率(CVR)の向上が挙げられます。しかし、情報が集中しているため、構成や表現が適切でないとページが長すぎることによる飽きや離脱を招く可能性もあります。また、効果的なランディングページの制作には、専門的な知識やデザインが求められるため、制作コストがかかるというデメリットも存在します。
ランディングページとは?
ランディングページ(Landing Page)とは、その名の通り「着地するページ」を意味します。インターネット広告や検索エンジン経由でユーザーが最初に着地する、特定の目的を持ったWebページを指します。略称でLP(エルピー)とも呼ばれます。
ここで注意すべきは、「ランディングページ」という言葉が、文脈によって2つの意味で使われる場合がある点です。
例えば、Googleなどの検索エンジンで特定のキーワードで検索した際、検索結果には「リスティング広告」と「自然検索(オーガニック検索)」の結果が表示されます。これらが、たとえ同じ企業の異なるページにリンクされていたとしても、それぞれを「ランディングページ」と呼ぶことがあります。したがって、同じ「ランディングページ」という言葉でも、その意味合いが異なる場合があることを理解しておく必要があります。
●リスティング広告(もしくは各種Web広告やSNS)のリンク先:
この場合のランディングページは、特定の広告キャンペーンの成果を最大化するために最適化されたページです。ユーザーが広告をクリックした際の興味・関心に直接応え、商品やサービスの購入、資料請求、問い合わせなどのコンバージョン(CV)を直接的に促すことを目的としています。
●自然検索でヒットしたリンク先:
こちらは、ユーザーが検索したキーワードに対して、企業のウェブサイト全体の中から関連性の高いページとして表示されたものです。通常は、その企業のウェブサイトのトップページや、情報がまとめられたページであることが多いです。
マーケティングの文脈、特に広告運用やWebサイトのコンバージョン率(CVR)改善を目指す際には、「ランディングページ」といった場合は、ほぼ前者の「広告のリンク先」を指すと理解しておけば間違いありません。本記事では、このマーケティングにおけるランディングページの定義に基づき、その目的やメリットについて解説を進めていきます。
ランディングページ作成の目的と特徴
ランディングページは、このようなユーザーをコンバージョン(CV)、すなわちWebサイトにおける購入や申込などの成果に導くために作られます。ランディングページの主な目的は、広告などの施策で集客した潜在顧客の購入率を高めることです。
一般的にランディングページには以下のような特徴があります。
●特定の商品やサービスに特化している
通常、ランディングページにはほかの商品やサービスに関わる情報は載せません。リスティング広告やWeb広告をクリックして飛んできたユーザーに別の情報を表示することは、ユーザーの期待を裏切ることになり離脱されてしまう可能性があるからです。これは、コンバージョン率(CVR)の低下に直結します。
●ページレイアウトが縦長にできている
ランディングページの一番の目的は、ユーザーにコンバージョンして貰うことです。したがって、ページの上から下へと流れるように商品やサービスの説明を行います。たとえば商品であれば、最初に商品の特徴を整理して書き、ユーザーの課題解決となる商品である説明、課題解決の実例、キャンペーンの情報など、ユーザーがその商品を欲しくなるようにページを作ります。あたかもベテランの営業担当者が商談をするように流れを作っていくのです。このため、優れたランディングページは、自然と縦長になります。CTA(Call to Action)への誘導も、この縦長の構成の中で戦略的に配置されます。
●他ページへのリンクが少ない
ランディングページは上記のような目的で作られているので、説明(商談)の途中で他のページにユーザーを飛ばすようなリンクは、ほとんどの場合作りません。通常はページの最下部に、BtoBの場合は営業担当者への連絡や内覧会等への申込リンク、BtoCであれば資料請求や購入ページへのCTAリンクを作っておきます。これにより、ユーザーのエンゲージメントを維持し、コンバージョンへと繋げやすくします。
ランディングページのメリットとデメリット
ランディングページのメリットを整理すると、主に以下の2点が挙げられます。
●ページ移動による離脱者が少ない: ユーザーは特定の商品やサービスに興味を持って広告などをクリックし、ランディングページにたどり着いています。そのため、関連性の高い情報が1ページに集約されているランディングページでは、自社サイト内の他のページへ移動する際に発生しがちな離脱リスクを大幅に低減できます。ユーザーは目的の情報に直接アクセスできるため、体験価値が高まります。
●コンバージョンにつながりやすい: ランディングページは、ユーザーの興味関心を最大限に引き出し、購入や申込みといったコンバージョンへと導くことを最重要目的として設計されています。商品の魅力、ベネフィット、お客様の声、限定オファーなどを、説得力のあるストーリー構成で提示することで、CVR(コンバージョン率)の向上が期待できます。これは、広告費用対効果(ROI)の改善にも直結します。
一方、ランディングページにはデメリットも存在します。
●ページが長すぎると、飽きて離脱される場合がある: ランディングページはコンバージョン獲得のために詳細な情報を提供しますが、情報過多や説明の繰り返しは、ユーザーの集中力を低下させ、離脱を招く可能性があります。「くどい説明」と「情報の繰り返し」は、ランディングページからのユーザー離脱の二大要因と言われています。そのため、効果的なコンテンツ配置、例えば動画の活用や、ユーザーが知りたいであろう情報を簡潔にまとめる工夫が不可欠です。
●制作にコストがかかる: ランディングページは、ターゲットユーザーのニーズに応え、コンバージョンへと効果的に誘導するために、専門的な知識とデザインが求められます。そのため、社内で制作する場合は時間と手間がかかり、外部に委託する場合は、通常のWebページ制作よりも高額な制作費用がかかる傾向があります。商品やサービスの価格、期待される販売数量などを考慮し、費用対効果を慎重に検討する必要があります。効果的なLP制作には、プロの知見が活かされます。
まとめ
マーケティングにおけるランディングページ(LP)とは、主にリスティング広告やWeb広告、SNSなどのクリック広告のリンク先として設定され、特定の商品やサービスの購入や申込といったコンバージョン(CV)に繋げることを目的とした、特化型ページです。
このページは、ユーザーの興味関心を最大限に引き出し、購買意欲を高めるために、特定の商品やサービスに絞った情報提供と、縦長で説得力のある構成が特徴です。他ページへのリンクを最小限に抑えることで、離脱率の低減とコンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。
しかし、情報が長すぎたり、説明が冗長になったりすると、ユーザーの飽きや離脱を招く可能性もあります。そのため、ユーザーが求める情報を的確に、かつ簡潔に伝える工夫や、動画などを活用した飽きさせないページ作りが重要です。また、LP制作には専門的な知識やデザインが求められるため、コストがかかる場合があることも理解しておきましょう。

