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ポーターの3つの基本戦略とは?定義やメリット・デメリット、活用方法について解説

2023.6.27
読了まで約 6

ポーターの3つの基本戦略とは、アメリカの経営学者でハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーターが提唱した、競争優位を築くためのフレームワークです。

同業他社がひしめく業界の中で、いかにしてポジショニングをとり競争に打ち勝っていくのか。マイケル・ポーターは競争戦略を「コスト・リーダーシップ戦略」、「差別化戦略」、「集中戦略」の3つに分類し、企業が生き残っていくための戦略を提唱しています。

この記事では、ポーターの3つの基本戦略の定義や各戦略の活用方法をご紹介します。

ポーターの基本戦略とは

ポーターの基本戦略とは、アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱する、競合他社に打ち勝ち業界の中で競争優位を築くための経営戦略論です。企業が生き残るためのポジショニングや戦い方を提唱しており、競争戦略のフレームワークとして世界中で使用されています。

ポーターの基本戦略は以下の3つに分類されます。

● コスト・リーダーシップ戦略
● 差別化戦略
● 集中戦略

企業は上記の基本戦略の中から自社に合うものを一つ選び、単独で実行していくのが基本です。ただし、状況によっては複数の基本戦略を組み合わせ、同時に行っていくこともできます。

関連記事:フレームワークとは?思考を整理しビジネスを進めていくための枠組みを活用シーン別に解説

ポーターの3つの基本戦略:①コスト・リーダーシップ戦略

ここからは、ポーターが提唱する3つの基本戦略の概要をご紹介します。

コスト・リーダーシップ戦略とは、競合他社よりも安価な商品・サービスを提供することによって、競争優位を確立していく戦略です。安価な商品・サービスを提供するには、できる限りコストを抑えて商品やサービスを作り出す必要があります。

低コストを実現する方法としては、業務内容や作業工程を効率化し従業員の生産性を上げていくこと、生産量を増やして単位あたりの固定費を減らしていくことなどが挙げられます。また、低コストが実現すれば商品やサービスの販売価格を下げること以外にも、価格を下げずに他社と同等の価格で提供し高い利益率を得ることもできます。

コスト・リーダーシップ戦略のメリット

コスト・リーダーシップ戦略のメリットとして主に挙げられるのは、競合他社との価格競争において優位性を確保できるということに尽きます。しっかりと原価を抑えた上で、自社商品やサービスを低価格で提供することができれば、競合他社との価格競争で優位に立てる可能性が高まります。

コスト・リーダーシップ戦略のデメリット

コスト・リーダーシップ戦略のデメリットとして挙げられるのは、競合他社との価格競争に巻き込まれ、自社が疲弊してしまう可能性があることです。自社商品やサービスの価格を限界まで下げられたとしても、競合他社がそれを超える低価格を提示してきた場合には失敗するリスクが高くなり、引いては撤退も視野に入れる必要が出てくることもあります。

関連記事:コストリーダーシップ戦略とは?その意味と企業の具体的な成功事例

ポーターの3つの基本戦略:②差別化戦略

差別化戦略とは、自社の商品やサービスの独自性を強調して他社との差別化を図り、業界内で独自のポジショニングを築いていく戦略です。

自社の商品やサービスを差別化する項目としては、商品の機能性、品質、技術力、ブランドイメージ、顧客対応などが挙げられます。差別化戦略では、商品やサービスの価値を上げると共に、顧客価値も上げていく必要があります。

他社とは違う独自性を生み出すことだけが差別化戦略ではなく、商品やサービスに価値があると顧客に認知してもらうことも重要です。

差別化戦略のメリット

差別化戦略におけるメリットとして挙げられることは、競合他社との価格競争から脱却できることに尽きます。

自社商品やサービスが顧客にとって、いわゆる「オンリーワン」となる状態です。価格度外視で「この企業のこの商品でなければだめだ」とリピーターになってもらえるような商品やサービスが提供できれば、差別化戦略ではひとまず成功したと言えるでしょう。

差別化戦略のデメリット

差別化戦略において既存顧客の囲い込みに成功したものの、その顧客が自社商品やサービスに必要性や魅力を感じなくなり離れていったときに、差別化戦略では大きな打撃となります。

一度離れた優良顧客を取り戻すことは難しく、次から次へと簡単に新規開拓できるものではありません。こういった顧客離れのリスクと顧客の新規開拓の難しさが、差別化戦略のデメリットと言えるでしょう。

関連記事:差別化戦略とは?その意味と企業の具体的な成功事例

ポーターの3つの基本戦略:③集中戦略

集中戦略には、コスト削減を図る「コスト集中戦略」と、他社との差別化を図る「差別化集中戦略」があります。特定の狭い範囲にターゲットを絞り込み、自社の経営資源を集中させていく戦略です。

コスト・リーダーシップ戦略や差別化戦略は、業界内での競争優位の構築を図るものですが、集中戦略は業界全体ではなく、特定の市場に限定して戦略を行っていきます。

ただし、絞り込んだターゲット市場が一定以上の規模ではなくなった場合、事業として成立しなくなる可能性があります。特に流行に左右されやすい分野では注意しなければなりません。

集中戦略のメリット

集中戦略は、経営資源に乏しい中小企業や零細企業(小規模企業者)にメリットが大きい戦略と言えます。

競合他社の少ないニッチな市場に特化して自社のビジネス戦略を展開していくため、競合他社との価格競争に巻き込まれる可能性も低く、経営資源の投入を必要最小限に抑えることも可能です。大手が市場に参入しづらいことも特徴の一つで、長期に渡って安定した利益を生み出す可能性も高い戦略です。

集中戦略のデメリット

集中戦略は、大手が参入しづらい市場を舞台に自社ビジネス戦略を展開していきますが、大手がリサーチした結果、当該市場において利益が確保できると判断した場合は参入してくることもあります。

こういった場合に、経営資源の乏しい企業などは競争に負けてしまうことになります。加えて、このような急激な環境の変化に対応しづらいことも集中戦略ではデメリットとなります。

ポーターの3つの基本戦略を活用する方法

ポーターの3つの基本戦略にはどのような活用方法があるのでしょうか。

● コスト・リーダーシップ戦略の活用方法
● 差別化戦略の活用方法
● 集中戦略の活用方法

コスト・リーダーシップ戦略の活用方法

コスト・リーダーシップ戦略を活用するには、企画段階から販売に至るまで全ての工程を自社で行う方法があります。

例えば、衣料品の製造・販売を行う株式会社ユニクロは、企画から生産、物流、販売までを一貫して自社で行っています。中間業者を挟まないことで流通コストを削減し、販売価格に反映。低価格かつ高品質な商品の製造に成功し、飛躍的な成長を遂げています。

差別化戦略の活用方法

差別化戦略を活用するには、初めに市場ターゲットを決めて市場のニーズや競合他社の情報を調査し、自社の立ち位置を検討する方法があります。

差別化戦略として効果的なのは、自社の商品やサービスをブランド化し、他社との違いをアピールすることです。ブランド化は大企業に限ったことではありません。上手くブランディングできれば、中小企業でも安定した事業経営が可能になります。

集中戦略の活用方法

集中戦略を活用するには、すでに自社が持っている技術力やブランド力が最適化できる市場を絞り込み、手口を広げずに一点集中する方法があります。

総合家電メーカーのシャープは、集中戦略を活用する代表的な企業です。シャープは液晶技術を武器に集中戦略を行い、優れた技術開発力で他社との差別化を図ることに成功しています。

関連記事:ブランディングの本当の意味を知る!正確に把握して始めよう!

ポーターの3つの基本戦略を活用した事例

ポーターの3つの基本戦略を活用した事例についてご紹介します。

コスト・リーダーシップ戦略の活用事例

最後に、コスト・リーダーシップ戦略で成功した企業の活用事例について解説いたします。

● ユニクロ
● サイゼリア
● マクドナルド

ユニクロ

ユニクロは商品の企画開発から製造、販売までをワンストップで行い、自社内でこれらの作業工程を完結できる体制を構築しています。いわゆる「ASP=製造小売業」と言われるビジネスモデルで、こういったコスト・リーダーシップ戦略を成功させました。 

サイゼリア

サイゼリアは格安でありながら、品質の高いイタリアンを提供するチェーン店として知られています。オーストラリアに自社工場、仙台にトマト農場を持ち、できる限りのコスト削減を図っています。

こういったコスト・リーダーシップ戦略が奏功したことで、価格を抑えながらも品質の高いイタリアンを提供できるまでになりました。

マクドナルド

かつて100円バーガー戦略に踏み切った日本マクドナルドも、コスト・リーダーシップ戦略を幾多も展開し成功しています。

例えば、マクドナルドでは独自の物流システムが構築されており、品質とコストの徹底的な管理体制が敷かれています。また、従業員によるマニュアル作業を徹底することで効率化が図られており、これもコスト削減へと繋げられています。

差別化戦略の活用事例

差別化戦略で成功した企業の活用事例について解説いたします。

● スターバックス
● モスバーガー
● 無印良品

スターバックス

スターバックスは、サードプレイスにこだわった差別化戦略を打ち出したことにより成功しました。

「ファーストプレイス=自宅」「セカンドプレイス=職場・学校」「サードプレイス=第三の居場所」、この第三の居場所をいかにユーザーが快適に過ごせるかにフォーカスし、競合他社との差別化を図ってきたのです。この差別化戦略がユーザーの心を掴み、世界的な人気カフェチェーン店となっていきました。

モスバーガー

モスバーガーは、低価格路線を突き進んだマクドナルドとは全く逆の高価格路線の戦略を打ち出しました。それが「コストをかけてでも高品質で美味しい商品をユーザーへ提供する」という差別化戦略です。

値段の高い国産野菜や国産米を多用し高級志向を定着させることで、多少値が張っても食べたいというプチ贅沢志向のユーザー層の心を掴むことに成功しました。この戦略によってモスバーガーは、一時マクドナルドよりも高い成長率を叩き出したことでも注目を集めました。

無印良品

無印良品も徹底的な差別化戦略により、競合他社を寄せ付けない存在となりました。無印良品のロゴを見れば、ひと目で無印良品の商品だと分かり、競合他社にはない唯一無二の商品であるかのような錯覚さえ起こります。

ここまでのブランディングに成功した背景には「シンプルイズベスト」の企業理念があります。商品は素材重視、食品はできるだけ「素のまま」、パッケージも必要最小限で十分、こういったシンプルさが無印良品のブランド力であり、差別化戦略に成功した要因とも言えるのです。

集中戦略の活用事例

集中戦略で成功した企業の活用事例について解説いたします。

● ケンタッキーフライドチキン
● スズキ自動車
● しまむら

ケンタッキーフライドチキン

ケンタッキーフライドチキンはファストフード店に分類されますが、マクドナルドやモスバーガーのようにメイン商品がハンバーガーではありません。ファストフード店としては数少ないフライドチキンをメインに扱うチェーン店として世界的に成功した企業と言えます。

フライドチキンという特定の市場において集中戦略を展開し、世界各国に店舗を構えるまでになりました。

スズキ自動車

スズキ自動車は「軽自動車」という言わば日本国内に限定された市場において成功を収めた企業です。数ある車種の中でも軽自動車というニッチな市場に限定し、集中戦略を展開してきたことで経営資源を最大限に活かすことができました。

TOYOTAや日産、ホンダなどがセダンやワゴン、スポーツカーで国内のみならず世界でも売上を伸ばす一方で、スズキ自動車は軽自動車の売上が国内最多となり成功を収めています。

しまむら

アパレルメーカーとして知られる「しまむら」も、集中戦略にて成功を収めた企業の一つです。

メインターゲットが20代から50代の主婦層という限定された市場において、「洋服にお金はかけたくないけどおしゃれは楽しみたい」というユーザーのニーズに応えた、低価格路線の商品を提供することで成功を収めました。

まとめ

◆ポーターの3つの基本戦略とは、競合他社に打ち勝ち競争優位性を築くための経営戦略論であり、「コスト・リーダーシップ戦略」、「差別化戦略」、「集中戦略」の3つに分類される。

◆コスト・リーダーシップ戦略とは、低コストを実現することで業界内の競争優位性を保つ戦略である。

◆差別化戦略とは、自社商品の独自性を強調し、他社との差別化を図る戦略である。

◆集中戦略とは、ターゲット市場を絞り込んで集中的に経営資源を投入する戦略であり、「コスト集中戦略」と「差別化集中戦略」がある。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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