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最適なタイミングで広告を配信するUber Eatsの工夫とは

2021.4.21
読了まで約 3

アメリカ発祥のフードデリバリープラットフォーム「Uber Eats」は、提携する飲食店のメニューをオンライン上で注文し、出来立ての料理を希望の場所まで届けてもらえるサービスです。

Uber Eatsは2016年にオーストラリアにおける強いニーズを把握し、オーストラリア市場で成長するための方法を模索していました。より多くの顧客を取り込むために、Uber Eatsはどのような工夫をおこなったのでしょうか。

この記事では、Uber Eatsが実践した広告戦略とその効果をご紹介します。

参考:Google社 『Uber EatsがGoogleマーケティングプラットフォームの活用で空腹のタイミングに合わせてタイムリーな広告クリエイティブを配信』

広告配信の工数を減らしつつ成果をあげる方法を模索

Uber Eatsがオーストラリア市場での顧客拡大に向けて取り入れた方法は、自社クリエイティブチームによる広告クリエイティブの配信です。広告クリエイティブは四半期ごとの売上データにもとづき、オーストラリアの各都市で最も人気のある料理を反映させました。

このキャンペーンによって一定の効果は確認できたものの、各都市固有の広告クリエイティブの制作には非常に手間がかかりました。Uber Eatsは3種類の料理広告、5種類の広告コピー、4種類の広告サイズを12都市分制作し、その数は合計で720種類にも及んだのです。加えて広告配信は手作業でおこなっていたため、キャンペーンを継続するうえで工数の多さがネックとなりました。

出典:Google社 『Uber EatsがGoogleマーケティングプラットフォームの活用で空腹のタイミングに合わせてタイムリーな広告クリエイティブを配信』

そこでUber Eatsが新たに取り入れたのが、Googleマーケティングプラットフォームを活用したダイナミックバナー広告の制作でした。ダイナミックバナー広告とは、オンライン上でユーザーがとった行動や情報にもとづいてクリエイティブが自動生成される広告配信手法をいいます。リアルタイムの売上データから関連性の高いバナー広告を表示し、ユーザーの関心をひきつけるのが狙いです。

Uber Eatsが段階的に取り入れた動的バナー広告の運用

Uber Eatsが実施した動的バナー広告の運用方法は次のとおりです。

1. 広告クリエイティブの企画
アプリユーザーの居場所にもとづき地元の人気レストランや料理を紹介するバナー広告の配信を決定

2. 売上とレストラン情報の更新
最新の売上データとレストラン情報を4時間ごとに自動更新するスプレッドシートで動的フィードを実行

3. バナー広告の制作
Googleマーケティングプラットフォームを活用しフィードからのデータにもとづいたバナー広告を自動生成

4. キャンペーンのトラフィック
リアルタイムで広告を効果測定し最適化する (バナー広告の管理・配信は広告管理システム「キャンペーンマネージャー」を使用)

5. 最適な配信先媒体選定の自動化
Googleのディスプレイ&ビデオ360(※)を活用し、オーストラリア12都市における広告配信媒体選定を自動化

(※)キャンペーンのプランニングから広告クリエティブのデザイン、オーディエンスデータの整理、広告枠の検索、キャンペーン測定などを一括でおこなうツール

Uber Eatsは個々のユーザーにより関連性の高い広告を配信するため、バナー広告の運用にあたっては2つのフィードを使用しています。1つ目のフィードには行動喚起のメッセージングやロゴ、2つ目のフィードには関連性のある料理の画像を表示し、ユーザーの目にとまりやすくなるよう工夫しました。

関連性の高い広告配信でクリック率が大幅に向上

Googleマーケティングプラットフォームを活用した広告配信の結果、Uber Eatsは190%ものクリック率向上に成功しています。さらに、動的バナーを使った運用方法を取り入れたことで、手作業による広告配信が必要なくなりました。クリエイティブの数は720種類から4種類に激減し、これまで手作業で更新していた時間は広告クリエイティブの制作や配信テストにあてられるようになりました。

出典:Google社 『Uber EatsがGoogleマーケティングプラットフォームの活用で空腹のタイミングに合わせてタイムリーな広告クリエイティブを配信』

Uberのアートディレクターはこのプロセスについて、「クリエイティブチームが本来時間を割くべき新しい挑戦へと向かわせてくれます」と語っています。ユーザーに関連性の高い広告を配信しクリック率が向上したという広告配信の成果に加え、内部で手間がかかっていた作業を大幅に削減できたことも動的バナー広告運用の大きな恩恵となったようです。

まとめ

◆Uber Eatsはニーズの強いオーストラリア市場に狙いを定め広告クリエイティブを配信するが、工数の多さからキャンペーン開始までに時間がかかる点がネックとなった。

◆工数を減らしつつ大きな成果を得るため、Uber EatsはGoogleマーケティングプラットフォームを活用しダイナミックバナー広告を制作した。

◆Uber Eatsが実践した動的バナー広告の運用は次のとおり。

1. 広告クリエイティブの企画
2. 売上とレストラン情報の更新
3. バナー広告の制作
4. キャンペーンのトラフィック
5. 最適な配信先媒体選定の自動化

◆動的バナー広告を運用した結果、クリック率は190%向上、手作業は99%減少した。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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