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VRの基礎知識とビジネスシーンにおける活用事例のご紹介

2021.11.26
読了まで約 6

「VR (Virtual Reality:バーチャル・リアリティ)」をご存じでしょうか?日本でも「VR」という言葉を耳にする機会も多くなってきましたが、詳しく把握できていない方も多いのではないでしょうか。
「VR」とは仮想現実を意味します。近年では技術の進歩が見られ、以前では不可能であった数々の体験を可能としました。また、「VR」はさまざまなビジネス分野においても活躍の場が広がり始めています。ここでは、「VR」とは?という部分から、「VR」の歴史や、活用されているビジネスについて詳しくご紹介していきます。

「VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ)」とは

VRとは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)」の略語です。日本語では、「仮想現実」などと訳されています。VR Virtual Reality (バーチャル・リアリティ)とは、「見ている映像は技術的に作られたものであるが、現実と錯覚してしまうほど現実と近い体験ができる」ということを表わします。わかりやすくご説明すると、VRによって、仮想空間を限りなく実体験に近い形で表現し、VR技術が生み出すリアルな体験が、あたかも現実で起こっているかのように感じられるということです。「拡張現実」を意味する「AR」は「VR」の一種で、現実の世界に映像や画像にCG技術を合成させて仮想空間を作り出すことを言います。

関連記事:ARの基礎知識とビジネスシーンにもたらす効果と影響

「VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ)」のはじまり

では実際に、「VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ)」の歴史について簡単に触れていきましょう。

「VR」のはじまりと「VR」の概念が認知された経緯

実は、現在のVRと似た概念は昔から存在していたことをご存知でしょうか?
話はさかのぼること、今から約50年前の1968年。アメリカ合衆国の科学者であったアイバン・サザランド氏が、VRの前身となるシステムを発表したことがVRのはじまりだといわれています。現在で考えるとこのシステムはとても単純なものでありました。
ヘッドセットを天井から吊り下げ頭にセットします。コンピューター内で流れる映像と、現実の映像をミックスすることで、VRの概念である仮想現実を生み出すシステムになります。これは、現在のVRゴーグルに近い存在となります。単純なシステムではありますが、現代のVR技術の発展には大きな影響を与えたことでしょう。VRという仮想現実の概念が、世界的に広く認知される様になるのは1990年代になってからだといわれています。当時、認知拡大のきっかけとなったのが、アメリカ合衆国出身の科学者で、エンジニアでもあるジャロン・ラニアー氏が発表した「The Eyephone」と「The Data Glove」システムが大きな影響を与えました。
「The Eyephone」と「The Data Glove」の2つのシステムは、現在のVRの基本構造である映像が映し出されるVRゴーグルを完成へと導いたのです。また、この発表を機に現代では浸透している「VR」という言葉が、世の中で普及し始めたともいわれています。しかし、「VR」という言葉は、世の中に浸透しましたが、2つのシステム自体の販売金額が高額であったため、市場に出回ることはありませんでした。

VRの発展が急速化

1990年代には多くのVR機器の発表が相次ぎ市場が盛り上げりを見せます。実際に日本国内では、1995年に任天堂がVR技術を活用したゲーム機を発売し注目を集めました。世界的に見ても1990年代はVR技術が次々と発表された年代でもあり、並行してCG技術の進歩も見られた年代でありました。そのため、VRブームが一気に押し寄せた時代といえるでしょう。しかしながら、当時のCG技術はまだまだ開発段階といえるレベルであり、市場に出回っていないことから販売価格は非常に高額でありました。そのため、2000年にさしかかる頃には、VRという言葉自体が世の中から徐々に薄れていきました。

「VR」が再び注目を集めだす

2014年には、VR技術の先駆けとなる企業がFacebook(現Meta)社に吸収され、VR市場は大きな影響を受けるかたちとなり、VRは再び脚光を浴びます。VRの先駆けとなった企業が開発を行ったVR技術は、難しい技術を必要することなく技術の再現が可能であったことから、多くの企業が開発に力を注ぎVR技術や機器が続々とリリースされました。
2016年には、VR開発企業間でVRに対する総合的なクオリティの争いが激化し、VRの質が目まぐるしいスピードで向上していきます。さまざまな時代で培った経験を活かし、瞬く間に急激な成長を遂げたVR。今日のVRクオリティは、長い年月を経て現在のクオリティを構築しました。

VRビジネス

近年、VR技術はビジネスシーンにおいて、活用の場が大幅に増加しています。さまざまな産業で新たな顧客体験の提供や、業務や会議の効率化に貢献するケースが時代の流れと共に見られるようになりました。ここからは、ビジネスシーンにおけるVRの活用事例を具体的にご紹介していきます。

商品PRやプロモーション

VR活用の場として期待値が最も高い部分には、その場には存在しないサービスや商品をVR上で表現し実際に体験してもらい、それらの価値を認知してもらうという点が挙げられます。サービスや商品は実際に使用し、見たりすることで初めてサービスや商品の良さが伝わります。VRの活用により、サービスや商品をリアルに再現することが可能となり、最大限に魅力を伝えられるケースが増え、さまざまなビジネスシーンでの注目が高まっています。
例えば、アパレル業界でのファッションショー、スポーツの試合、自動車の搭乗体験、不動産分野におけるVRを活用した内見や、観光分野でもVRを活用した旅行体験などがあげられます。あたかもその空間にいるようなリアルな体験の再現が可能となることで、さまざまなマイナス面をVR技術で補うことができるようになりました。このようなことから、消費者の不安要素は徐々に解消され、現代ならではのニーズに応える企業も多く見られるようになっています。また、実際の衣料販売店をVRで演出することで、実際にショップで買い物を楽しんでいるかのような感覚を体験できる、新たなビジネスも誕生しています。実店舗へ足を運ばなくても、ショッピングを楽しめる新たなビジネスの誕生は、良くも悪くも今後のショッピング市場に大きな影響をもたらすことでしょう。

VRを使用したシミュレーション

企業によるVRの導入の中に、研修やマニュアル、トレーニングへの活用事例が挙げられます。複雑なオペレーションを必要とする医療分野をはじめ、実際に製品の組み立てや機器の操作が必要となる現場など、作業を身につけなくてはならない職種において、VR技術を活用したシミュレーションは高い効果を発揮しています。
VR技術を駆使し現実に近い状況を生み出し、本番と同じ体験を繰り返すことで効率よく、現実同様の技術を身につけることができ、スキルの向上や教育にかかる人員や時間の削減が可能となりました。現実では、繰り返し同じ体験を訓練することの難しいイレギュラーな状況への対応についても、VR技術を駆使することで難易度の高いトレーニングも可能になります。VR技術には、医療分野などにおける緊急性の高い事例に対応できるトレーニングを実施できるため、VRの画期的な再現性の高さは、さまざまな分野において今後も大切な役割を果たすことでしょう。

対面式に近いVR会議

以前よりも格段に普及している「ビデオ会議」。VRが作り出す仮想空間内でアバターを通じて会議を実施する「VR会議」用のアプリケーションも登場しています。また、近年では実際にVR会議のアプリケーションを導入する企業も増加しています。VR会議の特徴は、実際に会議室に居るかのような感覚を体験することが可能な点です。
アバターを通じて同じ空間にいるというVRならではの感覚を得られることで、会議やプレゼンは今までよりも質の高いものへ改善されるでしょう。
例えば、ビデオ会議中にファイル共有を行うには、画面の切り替えが必要になります。そのため、視点の動きに制限がかかりますが、VR会議ではホワイトボードを見ながら他の参加者へ視線を送ることや、スクリーン上に投影された画像に参加者が同時にアイディアを書き足していくことができるなど、会議を活発に進行できるシステムになっています。
バーチャル空間で質の高いコミュニケーションを実現可能としたVR会議は、リモート環境が更に注目された現代において、話し合いの質を下げることなく密度の高い会議を続けていくための有力な選択肢として今後も注目されることでしょう。

VR 広告とは

VR技術は広告市場への参入も始まっていることはご存知でしょうか?
ここからはVR広告とその仕組みについてご紹介していきます。

近年は、YouTubeなど動画プラットフォームを閲覧中に多くの広告が表示されています。VRプラットフォームでも同じように、仮想空間上に広告を表示させることが可能となります。この仮想空間に表示する広告を「VR広告」と言います。WEB広告市場が勢いを増す中、さまざまな企業がVRを使った広告に取り組んでいる状況であり、今後は更なるVRの普及と共に、新しい広告としての注目が高まり続けるでしょう。
通常の広告とVR広告の大きな違いは、VRの醍醐味でもある「没入感」がポイントです。
主に、テレビCM、YouTubeなどで配信される広告は、短い時間の中で企業説明や商品のイメージ、サービス、印象を伝えることに重きが置かれるのに対し、VR広告では仮想空間で、よりリアリティのある体験をユーザーに提供することができます。
海外旅行の広告を例に挙げると、ユーザーが旅行先を検討しているとします。検討されている旅行先のVR広告を配信することにより、今までの広告では伝えきれずにいた現地の魅力を、疑似体験を通して旅行前に体験することが可能となります。また、自動車の販売や、住宅の販売に関してプロモーションを行う場合、自動車の車内や住宅の内装をVRによってリアルに再現することができるため、実際に車内や建物内に居るかのような擬似体験により伝えたいサービス内容をユーザーへ的確にアプローチできる利点もあります。

VR広告仕組み

従来の動画広告で主流となっている広告配信方法は、映像コンテンツの最初や途中に広告が流れることで、映像コンテンツの視聴ユーザーへ、一方的に広告配信を見せるというものが主流でした。しかしVR広告の場合においては、VRが生み出す仮想空間内に広告を配置するものが基本となります。そのため、仮想空間内に入り込んでいるユーザーには、現実世界で目にする機会も多い街中にある看板を見るような感覚でVR広告を見ることになるため、プロモーションへ自然な流入を期待することができます。なによりVR広告では、ユーザーの視線に一定時間の変化が表れない場合や、何らかのアクションが確認された場合にVR広告で配信しているコンテンツを仮想空間内で、すぐに体験することができる画期的なサービスも生み出されています。

まとめ

「VR(バーチャル・リアリティ)」についてご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?今日は、日々新しものが生まれ、さまざまなものがアップデートされていく時代です。まだまだ発展段階である「VR(バーチャル・リアリティ)」もまた、機器の多様化や技術の発達によりさまざまな分野において多くの活用方法が登場するでしょう。
また、5G通信網が着々と整備されていくことで、ビジネス分野をはじめ、多方面で「VR(バーチャル・リアリティ)」の注目は高まり続けています。これから先も新しいビジネスモデルを構築するには欠かせない存在となり得るのではないでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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