顧客1単位(1ユーザーまたは1アカウント)あたりの採算性・収益性を測定する指標です。単なる売上規模の拡大だけでなく、「1顧客を獲得・維持するためにいくらコストがかかり、将来的にいくらの利益を生むか」という事業構造の健全性を可視化します。特にSaaSやサブスクリプション型ビジネスにおける最重要指標の一つです。
CAC(顧客獲得単価)とLTV(ライフタイムバリュー)によってユニットエコノミクスは計算されます。
ユニットエコノミクス = LTV÷CAC
主要な構成指標と計算式
| 指標 | 概要 | 算式例・算出イメージ |
| LTV(顧客生涯価値) | 1顧客が取引全期間を通じて獲得できる利益総額 | LTV=ARPU(顧客平均売上)×継続期間×粗利率 |
| CAC(顧客獲得単価) | 1顧客を獲得するために投じたマーケティング・営業費用 | CAC=獲得費用(S&Mコスト)÷新規獲得顧客数 |
| CAC Payback Period(回収期間) | 投資したCACを粗利益で何ヶ月で回収できるかの期間 | CAC PaybackPeriod=CAC÷(ARPU×粗利率) |
健全性の評価基準
・LTV ÷ CAC > 3:LTVがCACの3倍以上であれば、事業として十分な投資対効果があると判定されます。3未満の場合は、獲得コスト(CAC)の過多または解約率(Churn Rate)の高さが課題です。
・Payback Period < 12ヶ月:BtoB SaaS(SMB向け)では、投資したCACを12ヶ月以内に回収できる状態が資金効率の健全な目安となります(エンタープライズ向けでは18〜24ヶ月を許容する場合もあります)。
マーケティング実務における活用ポイント
・セグメント別の投資判断:チャネル別(Web広告、展示会等)やターゲット規模別(エンタープライズ、SMB)にユニットエコノミクスを算出することで、真に収益性の高いセグメントへ予算を集中的に配分できます。
・獲得予算の拡大判断:ユニットエコノミクスが健全に機能している場合、CPAの上限を引き上げてでも獲得ボリュームを増やすといった、強気の投資判断を下す根拠となります。
参考記事
・ユニットエコノミクスとは?SaaSマーケティングの重要指標でコスト最適化
・LTV(ライフタイムバリュー)とは?算出方法や最大化するポイント
・CAC(顧客獲得単価)ってなに?SaaSビジネスでの適切な獲得単価を算出

