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CAC(顧客獲得単価)ってなに?SaaSビジネスでの適切な獲得単価を算出

2021.12.14
読了まで約 4

SaaSビジネスは従来の売り切りビジネスとは異なり、顧客との継続的な関係を前提としたサブスクリプションです。つまり、新しい顧客を獲得するための適正な単価は、顧客の利用単価から計算される必要があります。

顧客獲得単価を低く設定してしまうと、顧客獲得の機会損失を招く恐れが出てくる一方で、高く設定してしまうと収益を確保できずビジネスとして成立しなくなってしまいます。

今回はSaaSビジネスにおける適切なCAC(顧客獲得単価)について解説します。

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CAC(顧客獲得単価)とは?

CACはCustmer Acquisition Costの略で、顧客獲得単価という意味になります。新たな顧客を獲得するのにかけたコストすべてに対して、顧客の獲得件数を割ることで計算できます。顧客獲得のための費用には、広告出稿やイベント出展にかけたマーケティング費用や、セールスの人件費などすべて含まれます。

CACの近似の意味合いで使われる指標にCPAがあります。CPAはCost Per Acquisitionの略で、意味は顧客獲得単価となっておりCACと同じです。しかし、CPAは主に顧客1件あたりの広告費を表し、マーケティング活動におけるチャネル単位の顧客獲得単価を指します。

CACは新しい顧客を獲得するのにかけたすべてのコストを含み、事業単位・プロダクト単位での顧客獲得単価を指します。また、顧客の獲得チャネルによって、CACはさらに3つに分けて算出されます。

①Organic CAC

Organic CACはコストをかけずに獲得した顧客単価です。具体的には、Googleなどの検索エンジンやメディアからの流入、SNS・既存顧客からのクチコミや紹介はOrganic CACに分類されます。

新規の顧客は、マーケティング施策から離れたチャネルより獲得できる場合も往々にしてあります。CACでマーケティング施策を評価する際には、自然流入で獲得した顧客とは分けて評価することで適性な評価をすることができます。

②Paid CAC

Organic CACに対しPaid CACはコストをかけるチャネルから獲得した顧客単価を指します。リスティング広告などの広告や、展示会などのイベント出展など、顧客獲得を目的にコストをかけたチャネルはこちらに分類されます。

コストをかけて行うマーケティングチャネルの評価を行う際には、このPaid CACを算出して各チャネルに応じた比較をすることで獲得目安をすることができます。

③Blended CAC

言葉の通り、Organic CACとPaid CACをあわせたものがBlended CACです。自然流入もコストをかけて獲得した顧客も含めて、CACの総合的に算出することで事業として適切な顧客獲得単価であるかどうか、評価ができるようになります。

CAC(顧客獲得単価)の重要性

CACはSaaSビジネスを良好な状態にするために必要な指標であり、CACの算出によって以下の2つの指標を評価できるようになります。

①効率的なマーケティングチャネルとしての費用対効果を評価

マーケティングチャネルには、リスティング広告などのオンライン施策や、展示会などのオフライン施策があります。多様にある施策のうち、どのチャネルからの顧客獲得が効率的なのか評価するためにCACが指標となります。

CPAは見込み顧客の獲得単価を割り出しますがCACは契約顧客の獲得単価を割り出すため、SaaSビジネスとして収益拡大に貢献したマーケティングチャネルを評価することができます。また、チャネル別のCACを比較することで予算の調整や、継続的なモニタリングによってチャネルへの改善効果を測定も可能です。

②SaaSビジネスが上手く行っているかどうかを評価

SaaSビジネスはこれまでの売り切りのビジネスとは異なり、顧客からの継続的な利用をもとに収益を拡大させていきます。そのため新規顧客を獲得したとしても1回の利用(単月利用)のみでは黒字になることはありません。

そのためビジネスとして上手くいっているのか評価するためには、顧客のライフタイムバリューに対し、顧客を獲得にかけたコストがどの程度か割り出すことによって、ビジネスとしての健全性を評価していくことが必要です。

CAC(顧客獲得単価)の算出方法

上述の通り、CACは新たな顧客を獲得するのにかけたコストすべてに対して、顧客の獲得件数で割って計算します。また、単月(1か月)や四半期(3か月)、半期(半年)、通年(年間)といった期間で区切り算出します。

マーケティング施策としてそれぞれのチャネルを評価する際には、単月や四半期など短期間でCACを算出し、各チャネルの比較を行ったり、改善効果を検証することができます。

また、マーケティングへの投資自体が適切だったかどうか評価するためには、半期や通年など長期間でCACを算出し評価します。CAC単体のみでは適切であったかどうかは評価は難しく、LTV(ライフタイムバリュー)とあわせて評価します。

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CAC(顧客獲得単価)の適切な値とは

上述の通り、CACの適切な値はLTVとあわせて評価します。結論から言うと、LTVがCACの3倍がSaaSビジネスで健全な値と言われています。

LTVをCACで割った値をユニットエコノミクスと言います。ユニットエコノミクスは事業単位の経済性を表しています。ユニットエコノミクスが3以下、またはマイナスであると、顧客獲得の結果、損失を招いているという見方になります。

逆にユニットエコノミクスが3以上であれば、収益を継続的に上げられる状態になっていると言う見方になります。しかし、あまりにも高すぎるとマーケティング投資が弱く、顧客獲得の機会損失を招いているという見方もあるため、適切な値を維持していくことがポイントとなります。
上記は一つの目安であり事業フェーズによって許容すべき数値であるかどうかも、考慮する必要があります。拡大のフェーズであればユニットエコノミクスが3を下回っていても許容し、推進していかなければいけません。事業フェーズと照らし合わせて、適切な値であるかどうかを判断していくことが重要です。

CAC(顧客獲得単価)を改善していく方法

ユニットエコノミクスが3を下回って改善を図っていく場合、改善方法としてはLTVの向上とCACの改善の2つがあります。LTVはカスタマーサクセスの強化やCRMツールの導入により顧客関係の強化を図ることで、購買単価や継続期間を改善し向上することができます。

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CACを改善する場合、Paid CACの比率を下げ、Organic CACの比率を上げていく手法が考えられます。具体的には、リスティング広告などの広告出稿や展示会などのイベント出展を取りやめ、SEOコンテンツやウェビナー、メールマーケティングなどインハウスで、かつ、コストをかけないでできる施策を中心に取り組んでいきます。

まとめ

・CACはCustmer Acquisition Costの略で顧客獲得単価を意味し、顧客の獲得チャネルによってさらに、Organic CAC、Paid CAC、Blended CACの3つに分けられる
・CACはSaaSビジネスを良好な状態にするために必要な指標であり、CACを計算することで効率・効果のあるマーケティングチャネルとしての投資対効果、ビジネスとしての健全性を評価することができる
・CACは新たな顧客を獲得するのにかけたコストすべてに対して、顧客の獲得件数で割って計算し、目的に合わせて適切な期間で割り出す
・CACの適切な値はLTVとあわせて評価し、LTVがCACの3倍がSaaSビジネスで健全な値と言われている

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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