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Googleトレンドで振り返る2020年〜今後のビジネス動向はどうなる?

2021.1.19
読了まで約 3

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるった2020年。新型コロナウイルス感染拡大に対する不安や緊張、行動制限を強いられる1年となり、人々の生活様式は大きく変化しました。

Googleトレンドとは、ある期間における検索量の推移がわかるツールです。新型コロナウイルス感染拡大の影響に振り回された2020年は、Googleトレンドにおいても従来とは異なる変化が見受けられました。

この記事では、激動の2020年をGoogleトレンドで振り返りながら、変わりゆく環境下で今後のビジネス動向はどうなるのか考えていきます。

ビジネスに影響を与える生活者の「予防行動」

新型コロナウイルス感染症に対する生活者の「感染不安」は、新規陽性者数の推移と比例する傾向があります。つまり、陽性者数が増えれば感染不安は増加、陽性者数が減れば感染不安は減少します。

出典:Google社 『Googleトレンドで振り返る Year in Search ── 2020 年を見つめてこれからのビジネスを見据える 5 つのアイデア』

一方、新型コロナウイルス感染症に対する生活者の「予防行動」は、新規陽性者数や感染不安が減少したときに大きくなる傾向があります。生活者の行動の変化は、新規陽性者数の増減にともなう予防行動の変化が影響していると考えられます。通常は季節や景気動向が人々の行動に影響を与えますが、コロナ禍にあった2020年はこれまでとは異なるサイクルで生活者の行動が大きく変わることとなりました。

たとえば、季節によって検索量が変わる「エアコン」や「おせち」のGoogleトレンドでは、昨年よりも早いタイミングで大きな盛り上がりや上昇傾向がありました。これは、生活者の買い物の基準やモノの選び方が昨年までとは変わっていることをあらわしています。Googleは、こうした消費者行動の変化はビジネスの繁忙期や商戦期にも影響を及ぼすだろうと推測しています。

2020年のGoogleトレンドを分析

2020年のGoogleトレンドを分析すると、さまざまな分野において2019年とは異なる変化が見受けられました。今回はその一例をご紹介します。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出しづらい状況が続く中、自宅で心地よい空間を演出できる「プロジェクター」や「マッサージ機」の検索量が増加しました。さらに、自宅での癒しを求めたい、余暇を充実させたいという気持ちのあらわれか、「観葉植物」や「電子楽器」の検索量も大きく増加しています。

●検索動向 「プロジェクター」(昨年比+33%)

出典:Google社 『Googleトレンドで振り返る Year in Search ── 2020 年を見つめてこれからのビジネスを見据える 5 つのアイデア』

●検索動向 「観葉植物」(昨年比+40%)

出典:Google社 『Googleトレンドで振り返る Year in Search ── 2020 年を見つめてこれからのビジネスを見据える 5 つのアイデア』

また、外出を避け室内で過ごす時間が長くなったことで、健康に対する意識に変化が生じていたこともGoogleトレンドから読み取ることができました。YouTube検索では、「ストレッチ」の検索量が昨年比+360%と大幅に増加しています。加えて、「体重計」「体脂肪率」「スマートウォッチ」などの検索量も増加しており、自分の健康を把握・管理しようとする動きがうかがえます。

●YouTube内検索動向 「ストレッチ」(昨年比+360%)

出典:Google社 『Googleトレンドで振り返る Year in Search ── 2020 年を見つめてこれからのビジネスを見据える 5 つのアイデア』

コロナ禍で会いたい人になかなか会えない状況が続いたことで、家族や友人など身近な人への感謝やコミュニケーションにも変化が見られました。「母の日 ギフト」や「父の日 ギフト」といったキーワードが昨年よりも伸びていることから、大切な家族へあらためて感謝の気持ちを伝える機会が増えたと考えられます。

特に顕著だったのは「敬老の日 ギフト」で、検索量は前年比で5倍以上と大きく増加しました。

●検索動向 「敬老の日 ギフト」(昨年比+100%)

出典:Google社 『Googleトレンドで振り返る Year in Search ── 2020 年を見つめてこれからのビジネスを見据える 5 つのアイデア』

さらに、「オンラインギフト」のキーワードも昨年比+210%と大幅に増加しています。

オンラインギフトとは、メールやLINE、SNSなどのオンライン上で手軽にギフトを贈れるサービスです。顔を合わせて感謝を伝える機会が減ってしまったことで、オンラインを使ったギフトサービスの需要が大きく拡大したと考えられます。

●検索動向 「オンラインギフト」(昨年比+210%)

出典:Google社 『Googleトレンドで振り返る Year in Search ── 2020 年を見つめてこれからのビジネスを見据える 5 つのアイデア』

Googleトレンドに見る今後のビジネス動向

新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活者の行動にさまざまな変化が生じる中、企業は変わりゆく生活者のニーズに沿ったサービスを展開していく必要があります。コロナ禍にあった2020年のGoogleトレンドの変化は、今後のビジネス動向を探るためのカギになるでしょう。

Googleは、新たな生活様式における人々の「ホープ=原動力」について次のようなものを挙げています。

・安心安全
・心地よさ
・癒やし
・開放感
・心身の健康
・人とのつながり

Googleによると、これらは生活者が商品やサービスに求めている本質的な価値です。人との接触を避けて安心して楽しめるサービス、居住空間の心地よさや余暇の充実、健康意識の高まり、対面を避けた新しいコミュニケーションの方法など、Googleトレンドでも変化が大きかった分野においては、従来とは異なる商品やサービスの提供が必要になるでしょう。

まとめ

◆新型コロナウイルス感染拡大の影響にともない、人々の生活にはさまざまな変化が生じている。消費者行動の変化は、新規陽性者数の増減にともなう予防行動の変化が影響していると考えられる。

◆消費者行動の変化は、ビジネスの繁忙期や商戦期にも影響を及ぼすものだとGoogleは推測している。

◆2020年のGoogleトレンドを分析すると、さまざまな分野において2019年とは異なる変化が見受けられた。

◆2020年のGoogleトレンドの変化は、今後のビジネス動向を探るためのカギになる。Googleトレンドで変化が大きかった分野においては、従来とは異なる商品やサービスの提供が必要になるだろう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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