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段階的なYouTube広告活用によるデジタルマーケティングとは?

2021.1.20
読了まで約 3

新型コロナウイルス感染拡大の影響で人々は外出を控えるようになり、テレワークやオンライン飲み会、オンラインイベントなど、デジタルを主体としたサービスが急速に普及しました。生活者がメディアと接する機会がテレビからデジタルへとシフトしつつある環境下において、広告を発信する企業はどのようなマーケティング施策を講じているのでしょうか。

この記事では、段階的なYouTube広告の活用でマーケティングのデジタル化を進める企業の事例をご紹介します。

事例①タウンワーク〜テレビとデジタルの広告予算配分を見直し

アルバイト求人サイト「タウンワーク」を運営する株式会社リクルートジョブズでは、テレビCMを中心とした広告キャンペーンを展開していました。しかし、広告のデジタル化が進む昨今の流れを受け、テレビとデジタルの広告予算配分を見直すことにしました。その結果、これまでの予算配分を大きく変更し、YouTube広告に投資する決断をしたのです。

リクルートジョブズは、テレビとYouTubeの予算配分をシミュレーションするために、Googleのリーチプランナー(※)を活用しました。リーチプランナーを使って納得できるまでシミュレーションを重ねたことが、YouTube広告への投資を決める後押しになったそうです。

また、広告のデジタル化にともないクリエイティブ自体も見直し、YouTubeクリエイターとコラボした広告動画を作成しました。東名阪で若年層を対象にテレビCMとYouTube広告を同時に出稿したところ、ターゲットリーチはYouTubeが+6.9%となり、YouTube広告を活用したことで29.0%ものリーチ拡大に成功しました。人数にすると170万人のリーチ増につながったということです。

出典:Google社 『段階的な YouTube 広告活用でマーケティングをデジタル化──タウンワーク、アットホーム、 WOWOW』

なお、YouTube広告の出稿費用はテレビCMのおよそ3分の1程度。リクルートジョブズは、今後はテレビCMとYouTube広告を同等に捉え、プランニングからクリエイティブまでYouTubeに最適な手法を研究していきたいと考えています。

(※)Google広告キャンペーン用のプランニングツール。ターゲットや予算、地域などのさまざまな情報に基づき、メディアプランの有効性を示すことができる。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

事例②アットホーム〜デジタルを主体としたクリエイティブを制作

不動産情報サイト「アットホーム」もタウンワークの事例と同様に、はじめはテレビCMを中心としたマーケティング施策を実施していました。しかし、広告効果の最大化やビジネスへのつながりが課題となり、GoogleのABCDフレームワーク(※)に沿って広告クリエイティブのチェックを行うことにしました。

アットホームでは、テレビCMのクリエイティブをそのままデジタル広告に流用していました。ABCDフレームワークのチェックでは14点満点中12点と悪い点数ではありませんでしたが、よりデジタルに最適化したクリエイティブを作成できる余地があることがわかったのです。

アットホームは広告クリエイティブを再設計し、明確なメッセージ、テンポのよさなど、デジタル媒体に効果的なクリエイティブを作成しました。その結果、広告接触者における「アットホーム」の検索増加率は、以前の広告接触者と比べて3.2倍と大幅に増加しています。

既存のクリエイティブを流用せずデジタルに最適なクリエイティブを再設計したことで、マーケティング効果の最大化につながった事例です。

(※)効果的な広告クリエイティブに求められる要素をまとめたもの。「Attract」「Brand」「Connect」「Direct」それぞれの頭文字をとっている。

事例③WOWOW〜段階的にYouTubeへ予算投資

ドラマやスポーツ、ドキュメンタリーなどさまざまなエンターテインメントを発信する「WOWOW」では、2018年度時点におけるYouTube広告の予算はわずか0.7%でした。それまではデジタル広告の活用経験がほとんどありませんでしたが、Googleのリーチプランナーを使ってテレビCMとYouTube広告のリーチをシミュレーションした結果、2019年はYouTube広告に8.1%の予算を分配しています。

WOWOWでは、まずはテレビCMのクリエイティブをYouTube広告に流用することからはじめました。その次はデジタルに最適化したクリエイティブの制作と、段階的にYouTubeへ予算投資しています。

出典:Google社 『段階的な YouTube 広告活用でマーケティングをデジタル化──タウンワーク、アットホーム、 WOWOW』

その結果、デジタル専用クリエイティブを制作したオリジナルドラマ『鉄の骨』の広告配信における検索は+1207%、20歳〜39歳の女性層のWOWOW平均加入者数は前年比 の12.2 倍と大きな効果があらわれました。WOWOWでは全体の予算や他のメディアプランは変更せずYouTube予算のみを増やしたため、YouTube広告が検索数や加入者数の増加に大きく影響したと考えられます。

まとめ

◆生活者のメディア接点が従来のテレビCMからデジタルへシフトする流れを受け、デジタルマーケティングに力を入れる企業が増えている。

◆タウンワーク:テレビとデジタルの広告予算配分を見直してYouTube広告に投資、ターゲットリーチを増やすことに成功した。

◆アットホーム:既存のクリエイティブを流用せずデジタルに最適化したクリエイティブを再設計し、マーケティング効果の最大化に成功した。

◆WOWOW:まずは既存クリエイティブの流用、次にデジタルに最適化したクリエイティブの制作と段階的にYouTubeへ予算投資し、オリジナルドラマの検索数や新規加入者数の増加につなげた。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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