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XのAI「Grok」(グロック)とは?効果的な使い方とSNSマーケ担当者が知っておきたい常識

2025.6.27
読了まで約 8

AIの進化が加速する中、OpenAI社のChatGPTやGoogleのGeminiをはじめ、さまざまな企業からAIモデルがリリースされています。X(旧Twitter)にもGrokというAIが提供されていますが、その使い方や特徴などを知らない方もいるでしょう。本記事では、Grokの使い方や他のAIとの違い、SNSマーケティングへの活用方法などを解説します。

【基本編】Grokの使い方・利用方法

ここでは、Grokの概要や使い方、利用方法を解説します。Grokは2023年に発表されて以降、進化を続けています。

Grokの概要紹介

Grokとは、2023年11月に発表されたxAI社が開発した対話型のAIです。xAI社は、イーロン・マスク氏が「宇宙の真理を理解する」という目標を掲げて設立した企業であり、Grokはその目標を実現するための第一歩と位置づけられています。

Grokの最大の特徴は、イーロン・マスクが運営しているXと統合されている点です。常に最新の情報を参照できるため、タイムリーな話題にも対応しています。

また、Xを通してリアルタイムでの情報収集も可能で、最新の情報に基づいて精度の高い回答を生成します。さらに、Grok-1.5Vでは画像も理解できるようになり、PythonやJavaScriptなどのコード生成も可能です。画像生成機能も開発中であり、今後の提供が期待されています。

そのほか、音声モードも登場しており、ユーザーは自然な会話形式でGrokと対話できます。

Grokには複数のバージョンがあり、2024年4月にはマルチモーダル対応のGrok-1.5Vが発表されています。初代であるGrok-1は2023年11月に初公表され、翌年3月に一般公開されました。その後、Grok-1.5がリリースされ、さらに画像や動画を理解できるGrok-1.5Vが登場しています。将来的にはGrok-2などのさらなる進化が期待されています。

Grokのインターフェースと基本的な操作方法

Grokは、Xのプラットフォーム上か専用のWebサイト、スマートフォンアプリ(IOS/Android)から利用できます。操作方法はシンプルで、チャットボックスに質問や指示を入力するだけで回答を得られます。XでGrokを利用する場合の手順は以下の通りです。

1. Xにログインする
2. 画面左側のメニューから「Grok」を選ぶ
3. チャットボックスに質問や指示を入力する

なお、GrokはXの有料プランであるXプレミアムまたはXプレミアムプラスへの加入が必要です。無料では利用できません(現状、画像生成機能は一般提供されていません)。無制限で利用したい場合は、Xの有料プランであるプレミアムかXプレミアムプラスへの加入が必要です。

また、将来的には最新バージョンのGrok機能への優先アクセスを提供するSuperGrokといったプランも検討されています。

「ファクトチェック」の使い方と注意点

X上では、真偽不明の情報に対して「@grok [質問や情報]」とリプライし、Grokのリアルタイム情報アクセス機能を活用して情報を求めるユーザーも少なくありません。これはGrokがメンション付きリプライに対して回答する機能を応用したものです。

Grokはメンションされた投稿内容に関連する情報を提示することはできますが、公式に「ファクトチェック機能」として真偽を断定するものではない点に注意が必要です。

Grokが提供する情報は100%正確であるとは限りません。これはX上に誤情報や偏った情報も含まれており、Grokがそれらを学習データとして参考にしている可能性があるためです。

また、ほかのAI全般にも言えるリスクですが、データが少ない場合や質問があいまいな場合は知ったかぶりをして回答してしまうケースもあります。そのため、Grokによるファクトチェックは参考情報として捉え、一次情報の確認や他の情報源との比較検証を行うことが重要です。

DeepSearch・DeeperSearch・Thinkって何?

Grok3には、DeepSearch・DeeperSearch・Thinkの機能が搭載されています。それぞれの機能の詳細は以下の通りです。

DeepSearch

インターネット上やSNSにあるリアルタイムな情報を収集し、分析・統合するモードです。既存の学習データに依存しないため、トレンドや市場の動向などを把握する際に役立ちます。利用時は、チャットボックス内の「DeepSearch」をクリックしましょう。検索内容によって異なりますが、約30秒~1分半でレポートが作成されます。

また、文末には引用が明記されているため、ファクトチェックも容易です。ただし、日本語で質問・指示しても英語のサイトを優先的に検索されるため、日本に関する情報を調べたい場合は情報源が足りない恐れがあります。

前述した通り、AIが提供する情報は100%正確ではないため、慎重な事実確認が欠かせません。なお、無料でも利用できますが、5回使用すると利用制限がかかるようです。

DeeperSearch

DeepSearchよりも詳しく調べたい場合に使う検索モードです。名前が似ていますが、検索時間が数分長い点や、より幅広い専門的なソースをカバーしている点が大きく異なります。

時間はかかるものの、専門的な内容を詳しく調べたい際に活躍するでしょう。なお、この機能はGrokのWebサイトでのみ利用可能です。

Think

結論を導き出す過程を可視化できる、分析や推論に特化したモードです。複雑な問題や論理的な推論が必要とされるシーンで活躍します。

利用する際は、チャットボックス内の「Think」をクリックしましょう。外部の情報は取得しませんが、時間をかけて推論するため、1分以上かかる場合もあります。なお、無料版の場合は通常のメッセージと同様に2時間に10回まで送信可能です。

なお、DeepSearch/DeeperSearchとThinkは同時利用ができません。

GrokはほかのAIと何が違う?ChatGPT・Geminiなどとの比較

ここでは、Grokと他の主要なAIとの違いを解説します。主要なAIの一つであるGeminiや、プロンプトの基礎知識が気になる方は以下の記事もご覧ください。

【2025年最新版】Geminiとは?Google AIの進化&企業の活用事例集|若手〜中堅マーケター必見
プロンプトの基本知識と最新の活用例を紹介

情報源

ChatGPTやGeminiなどのAIでもリアルタイム検索は可能ですが、GrokはXの膨大なデータをリアルタイムで参照できます。そのため、世界中で今まさに話題になっている出来事や最新のトレンドなど、タイムリーな情報が得られます。

個性・口調

ChatGPTやGeminiなどのAIは指示しない限り、中立的でフォーマルな口調で回答します。一方、Grokは人間らしい気さくでカジュアルな口調が特徴です。会話の楽しさや親しみやすさを重視して設計されているため、ユーモアや皮肉を交えた回答もできます。もちろん、目的に応じてトーンの調整も可能です。

政治的立場

ChatGPTは保守的な考えを避ける傾向にあり、Geminiも自由主義的な考えを取る傾向にあると指摘されています。こうした中、イーロン・マスク氏は政治的に中立なAIの実現を強調しており、AIの政治的バイアスを無くす方針です。とはいえ、完全なバイアス排除は保証されません。

なお、一部報道によると、2024年5月にGrokのシステムプロンプトが改ざんされ、偽情報を繰り返し出力するという障害が発生しました。しかし、xAI社は偽情報の出力を修正するとともにシステムプロンプトを公開しており、システムプロンプトには政治的に中立な立場を取ると定義しています。

得意なこと・苦手なこと

Grokの強みは、リアルタイムな情報にアクセスできる点や人間らしいカジュアルでユーモアのある回答を生成できる点です。また、無料でも使用できる点や画像生成のクオリティが高い点も一定の評価を受けています。

しかし、コーディング(プログラミング言語やマークアップ言語を用いて、コンピュータが実行できる形式でソースコードを記述する作業)や専門分野に関する回答の品質は、他のAIに劣るといわれます。また、強みでもあるカジュアルでユーモアのある回答は、ビジネスや学術的な場面では不向きです。

Grokの多機能性:パーソナライズ、画像生成、音声機能の現在と未来

Grokはテキストだけでなく、画像生成機能や音声機能などさまざまな機能を持っています。それぞれの機能の詳細は以下の通りです。

パーソナライズ機能

2025年4月、Grokに会話の記憶機能が追加されました。過去のやり取りを記憶するようになるため、パーソナライズされた回答が期待できます。参照された過去のやり取りはユーザー側で確認でき、参照してほしくないやり取りがある場合は、Forgetボタンを押すことで記憶の消去が可能です。

また、XはユーザーのプロフィールやポストなどをxAIに共有する場合があるとしています。これにより、個人の興味関心に最適化された回答が生成される可能性があります。

画像生成、画像編集

Grokは「Flux.1」や「Aurora」などの独自の画像生成モデルを搭載しており、テキストプロンプトから高品質な画像を生成できます。生成した画像は保存だけでなく、Xへのポストも可能です。また、既存の画像をアップロードして編集する機能も追加されています。

音声機能

2025年4月には、Grokと対話できる音声モードが追加されました。日本語を含む多言語に対応しており、自然な会話が可能です。

また、ストーリーテラーやロマンチックといったスタイルがあり、AIが笑ったり歌ったりするエンタメ機能も搭載されています。さらに、音声モードでのリアルタイム検索も可能で、日常生活の利便性向上が期待されます。

なお、これらの機能は随時変更される可能性がありますので、2025年6月時点の仕様は公式サイトで必ずご確認ください。

【開発者向け】Grok APIで何ができる?可能性と実装のヒント

xAIは開発者向けにGrokのAPIを提供しており、これを活用することでアプリケーションにGrokの機能を組み込めます。テキスト生成はもちろん、画像の分析も可能です。

Grok APIを活用すれば、自社製品・サービスに特化したチャットボットやリアルタイムトレンド分析ツールを開発できるようになるでしょう。

ただし、Grok APIを利用するにはxAIアカウントが必要です。アカウント作成後、APIキーを生成・設定することで利用できるようになります。詳しい手順や仕様が知りたい方は、xAIの公式ドキュメントを参考にしましょう。
なお、APIの意味や種類などが気になる方は以下の記事をご覧ください。

APIとは?基本的な意味や連携、代表的な例をわかりやすく紹介
API(Application Programming Interface)の意味

SNSマーケティングへの活用法|マーケティング担当者が意識すべきこと

ここでは、Grokを活用したSNSマーケティングを解説します。Grokのリアルタイム性やXとの親和性は、SNSマーケティングにおいて強力な武器となります。

なお、SNSの意味やBtoB企業向けのSNSマーケティングが気になる方は、以下の記事や資料をご覧ください。

SNSとは?2025年版の最新一覧:種類・特徴・目的別に徹底比較
BtoB企業向けSNSマスターガイド×成功事例集

リアルタイムな市場調査・トレンド把握

特定のキーワードに関する情報をGrokに聞くことで、最新のトレンドや消費者の生の声を収集・要約できます。

DeepSearch機能を使えば、より多くの情報源から詳細なレポートを得られるでしょう。具体的な活用例とプロンプト例は以下の通りです。

自社や競合の評判を調査する

「弊社の新製品○○について、発売後1週間のX上でのユーザーの反応を分析してください。ポジティブな意見とネガティブな意見をそれぞれ要約し、具体的な投稿例を3つずつ挙げてください。」

「競合のA社が実施した○○キャンペーンについて、X上でのユーザーの反応を分析してください。キャンペーンに対する主な意見や顧客満足度が高かった投稿もまとめてください。」

業界のトレンドを調べる

「ファッションの分野で、今月X上で最も注目されているトピックやキーワードを教えてください。関連するハッシュタグも教えてください。」

ユーザーのニーズを調べる

「X上の投稿からZ世代のアウトドア好きがキャンプ用品を選ぶ際に最も重視するポイント、価値観や購買動機を分析してください。」

炎上リスクの早期検知

SNSの炎上はブランドイメージの低下や顧客離れなど、企業にさまざまなリスクをもたらします。炎上のきっかけはX上で発生・拡散することが多いため、Grokのリアルタイム情報アクセス機能を使えば炎上を素早く検知できるでしょう。具体的なプロンプト例は以下の通りです。

「弊社のサービスである○○に関連するX上の投稿の中で、クレームや批判的な意見や不具合の報告などを検索し、過去24時間以内のものをまとめてください。」

「弊社のテレビCMに関連するX上投稿の中で、批判的な意見が出ていないか調べてください。もしある場合はどのような点が批判されているかも教えてください。」

なお、Xで炎上しないためのポイントが気になる方は以下の記事もご覧ください。

X(Twitter)で炎上しないためのポイントとは?企業アカウントに重要なベストプラクティス

クリエイティブなコンテンツ作成

日々SNSを運用していると、アイデアが浮かばず投稿がワンパターンになってしまうこともあります。Grokを活用すれば、トレンドを反映した投稿のアイデア出しやキャッチコピーの作成や投稿画像の生成が可能です。

具体的な活用例とプロンプト例として、以下が挙げられます。

企画や投稿のアイデア出し

「父の日に向けて、弊社の主力製品である電動シェーバーをアピールするキャンペーンのアイデアを提案してください。ターゲットは30~50代の男性です。」

キャッチコピーの作成

「夏向けの新しいドリンクのキャッチコピーを考えてください。キーワードは爽快感・リフレッシュ・限定です。」

イメージ画像の生成

「夏向けの新しいドリンクの爽快感を表現する画像を生成してください。青い空や海なども表現してください。」

Grokとプライバシー:リアルタイムデータ利用のリスクと対策

Grokのリアルタイム性は、X上の膨大なデータを学習データとして利用することで実現しています。しかし、ユーザーの中にはGrokに自身の投稿を学習させられることに抵抗を覚える方もいるでしょう。特に、投稿に個人情報をはじめとする知られたくない情報が含まれていると、プライバシーリスクは高まります。

自身の投稿がGrokの学習に利用されたくない場合は、Xの設定からGrokへのデータ提供を無効化しましょう。無効化の手順は以下の通りです(2025年6月時点)。

1. Xの「設定とプライバシー」を開く
2. 「プライバシーと安全」を選択する
3. 「データ共有とカスタマイズ」の「Grokとサードパーティコラボレーター」を選択する
4. 「公開データに加えて、GrokおよびxAIでのやり取り、インプット、結果をトレーニングと調整に利用することを許可します」のチェックを外す

ただし、この設定はアカウントごとに行う必要があります。そもそも公開アカウントである限り、無効化していても完全にはAIからの学習を防げません。そのため、投稿内容に学習されたくない情報がないか注意することが重要です。

AIの開発と利用が急速に進む中、その透明性や倫理性はGrokに限らず世界的に議論されています。一般的に、AIはどのようなデータからどのようなプロセスを経て回答を生成しているのか、その全貌は不透明です。

また、AIが政治的バイアスを持ったりフェイクニュースを拡散したりするリスクも指摘されています。そのため、ユーザーはAIの特性を理解し、回答をうのみにせず複数の情報源と照らし合わせることが重要です。

なお、プライバシー設定の手順は随時変更される可能性があるため、最新の手順は公式ヘルプをご参照ください。

Grokの今後の予測とSNSの未来

公式発表やロードマップに基づくと、今後Grokは画像・動画・音声などさまざまなメディアを扱えるAIになる予定です。これにより、ユーザーは「動画の要点をまとめて」「音声を翻訳して」など高度な指示ができるようになります。

また、パーソナライズも進み、ユーザーの意図を先読みして必要な情報やコンテンツを提供する存在へと進化するかもしれません。情報収集も、Grokとの対話を通じて必要な情報を得るのが当たり前になるでしょう。ビジネスにおいても、市場調査やコンテンツ作成などSNSマーケティングを革新する可能性があります。

さらに、イーロン・マスク氏はXを決済・通話・ニュース・エンターテインメントなど、あらゆる機能を提供するアプリへと進化させる構想を掲げています。これを「The Everything App」構想といい、Grokは全てのサービスをつなぐ重要な役割を担うことになる予定です。

まとめ

GrokはxAI社が開発したAIで、X(旧Twitter)と連携し、リアルタイムで最新情報を参照できます。画像生成や音声モード、API連携など多彩な機能を持ち、SNSマーケティングにも活用可能です。

ただし、AIの回答は必ずしも100%正確ではなく、仕様や機能は随時アップデートされるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。また、プライバシーや情報の正確性に十分注意し、複数の情報源で検証することが重要です。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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