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メタバースとは?関連用語集、ビジネス利用の成功事例、やり方も解説!

2024.5.24
読了まで約 13

近年、メタバースという概念が世間一般に浸透し、ビジネスに利用する企業が続々と増えています。一方で、メタバースをビジネスに取り入れるには大規模な準備や計画が必要とされ、参入障壁が高いと感じている企業担当者も多いことでしょう。

そこで今回は、これからメタバースでビジネス展開を考えている人向けに、メタバースの概念や関連用語、関連サービスなどについて解説し、ビジネス利用の成功事例や、メタバースの始め方も紹介します。

メタバースの概要については、以下の記事もあわせて参考にしてください。

メタバース(Metaverse)とは、一体何なのだろうか?

目次

メタバースとは?意味を解説

そもそもメタバースとは、一体どのような意味なのでしょうか。ここでは、メタバースの定義とともに、周辺用語としてよく耳にするVR、AR、MR、XRのそれぞれの意味と、メタバースとの違いについて解説します。

メタバースの定義

メタバース(Metaverse)とは、「超越」を意味する「Meta」と「世界」を表す「universe」を組み合わせた造語で、人々がさまざまな体験を楽しめる三次元の仮想空間を指します。

ユーザーは自分の分身であるアバターを使って仮想空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションを取って交流したり、ゲームをしたり、さらには経済活動を行ったりもできます。

VR、AR、MR、XRの意味とメタバースとの違い

メタバースの周辺でよく耳にするVR、AR、MR、XRのそれぞれの意味を確認していきましょう。

VRとは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」を意味します。専用のヘッドセットやグローブなどを使って、ユーザーが仮想環境に没入し、その場にいるかのような体験ができる技術のことです。

ARとは「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」を意味します。現実世界の情報と仮想世界の情報を重ねて表示し、現実を拡張する技術です。

MR(複合現実)とは「Mixed Reality」の略で、「複合現実」を意味します。前記のARとVRを融合させ、現実世界に仮想世界を反映させることで、コンテンツを現実のものとして扱えます。

XRとは「Cross Reality」の略で、前述したVR、AR、MRなどの、現実世界と仮想世界を融合させた、新しい世界を創造する技術を包括した総称です。

そしてメタバースとは、XRの技術によって実現された仮想空間やサービス全体のことを指します。

近年のメタバースの普及と浸透は目覚ましく、エンタメやビジネス、教育、医療など、多くの分野で広がりを見せており、現在も革新的なサービスや手法が次々と展開されています。

メタバースの歴史と普及の経緯

メタバースという言葉や概念自体は1990年代から存在しましたが、一般層にまで浸透したのはFacebook社がMeta社へ改名した2021年10月以降です。そこで、メタバースが普及するまでの歴史を紹介します。

SF小説「Snow Crush」で誕生

メタバースという言葉自体が誕生したのは1992年のことです。アメリカのSF作家ニール・スティーブンスが発表した「スノウ・クラッシュ(Snow Crush)」という小説で初めて登場しました。

スノウクラッシュでは、仮想空間を意味するメタバースのほかに、アバターの概念も作り出されました。

セカンドライフの誕生

「セカンドライフ(Second Life)」とは、2003年に米国のリンデンラボ社から発売されたソフトウェアで、3DCGを用いた仮想空間上の生活を提供するサービスのことです。ユーザーは自分の分身となるアバターを作成し、セカンドライフ上で世界中を旅したり、他のユーザーと交流したりすることができます。

セカンドライフでは仮想通貨も利用されていたことから、一部ではメタバースの先駆けとされています。しかし、操作端末に求められる性能の高さや、当時提供されていた通信回線の速度の遅さなどの問題もあったことから、ブームは終息してしまいました。

とはいえ現在でもセカンドライフのサービス提供自体は続いており、2021年時点で毎日20万人以上ものアクティブユーザーがいて、年間3億4500万件以上もの取引が行われています。

MMORPG「Ultima Online(ウルティマ オンライン)」の流行とオンラインゲームの普及

1997年にサービス提供が開始された多人数同時参加型のオンラインRPG「ウルティマ オンライン」が流行したのを皮切りに、韓国発の「リネージュ」「ラグナロクオンライン」、日本発の「ファイナルファンタジーXI」といったオンラインゲームが続々とリリースされ、オンラインゲームの人気が一般層にも定着していきます。

それまでの家庭用ゲームというと、ハードウェアとセットで販売される専用のソフトを購入し、個々人で楽しむものが主流でした。しかし、2000年代からインターネットの普及と回線の高速化が進んだことから、オンラインゲームの勢いは増していきます。インターネット経由でアプリケーションを無料、もしくは有料でダウンロードし、大勢で同時に楽しむオンラインゲームが徐々に存在感を増すようになったのです。

近年では、スマートフォンやタブレットで手軽に楽しめるオンラインゲームも増え、さまざまなデバイスでプレイされるようになりました。また、スマートフォンの普及や5G回線へのアップデートなどに伴い、スマホ専用ゲームアプリも続々とリリースされています。

FacebookがMeta Platformsに社名変更

2021年10月28日、Facebookは社名を「Meta」に変更することを発表しました。この変更は、同社が仮想技術やプラットフォームである「メタバース」に注力する“メタバース・ファースト”な企業であることを明確にするためです。

社名変更により同社はイメージを刷新し、VRなどの成長分野に注力する意向を示しました。また社名変更に伴い、証券コードを「MVRS」に変更することも発表しています。

メタバース普及・発展の背景

メタバースが一般層にまで浸透したことには、いくつかの理由が考えられます。ここでは、メタバース普及と発展の背景について解説します。

通信・VR技術の進化と発展

VR技術は近年大きく進化し、よりリアルな体験を提供できるようになりました。5GやAIといった先進的な周辺技術も発展し、VR体験をよりスムーズに、より没入感のある形で楽しむことが可能です。これらの技術進化が、メタバースの普及と発展に大きく寄与しています。

コロナ禍後のリモート普及の影響

2020年初頭に新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、政府による緊急事態宣言がなされ、通勤や通学などの外出に対して一時的な制限がかかりました。その際に、自宅で仕事を行うリモートワークや、自宅で授業を受けるオンライン教育が推奨され、オンラインによる活動が一般社会へ急速に普及したことは、皆さんもご存じでしょう。

このようなオンライン技術の普及と発達により、デジタル空間でのコミュニケーション活動は一気に加速し、同時にメタバースの需要も高まりました。

NFTや仮想通貨などの普及

NFTや仮想通貨の登場も、メタバースの普及を後押しする要因として考えられます。

NFTとは「Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)」の略称で、日本語にすると「非代替性トークン」といい、代替不可能なデジタルデータを指します。これまでのデジタルデータはコピーや改ざんが容易でしたが、NFTではブロックチェーン技術を利用してデジタルデータに唯一無二の所有権を証明し、希少性を付与できるようになりました。

近年ではNFTアートが高額で落札されたというニュースもよく耳にしますが、NFTはアート以外にも、ゲーム、音楽、映像など、さまざまな分野で活用されています。

仮想通貨は暗号資産とも呼ばれ、インターネット上でやりとりできるデジタル資産のことです。ビットコインやイーサリアム、リップルなどがよく知られています。NFTを売買するのに仮想通貨を使うことも増えています。

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大手企業がマーケティング手法としてメタバースを活用

Meta社の社名変更をきかっけに、多くの大手企業がメタバースへ参入するようになりました。これらの企業は、新たなビジネスチャンスを探求し、顧客接点を増やすためにメタバースを活用しています。

具体的には、仮想店舗における商品の展示や販売、バーチャルイベントの開催、デジタルツイン技術を用いた製品の試作やシミュレーションなどです。また、メタバース内における広告やプロモーション活動を通じて、ブランドの認知度を高めるなどのマーケティング手法も増えています。

メタバースをマーケティングに活用している企業は、従来のマーケティング手法では届かなかった新しい顧客層にアプローチし、より深いエンゲージメントを築くことが可能です。メタバースは、ビジネスの新たな可能性を広げる重要なツールであると言えるでしょう。

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内閣府が主導するムーンショット計画とメタバースの関連性

「ムーンショット型研究開発制度」とは、内閣府が主導している国家規模のプロジェクトで、少子高齢化、労働人口の減少、地球温暖化、資源枯渇、食糧危機などの社会課題の解決が目的です。

2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現する、という目標は「ムーンショット型研究開発制度」の具体的なビジョンの一つで、メタバースの理念とも一致しています。つまりメタバースの普及によって、多くの社会課題が解消されることが期待されているのです。

参考リンク:内閣府/ムーンショット目標1 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現

メタバースの将来性-2030年には市場規模が78兆8,705億円になると予想

世界的な市場調査会社MarketsandMarketsによると、世界のメタバース市場は2022年に618億米ドル(約8.4兆円)、2027年には4,269億米ドル(約58.2兆円)にまで成長し、この期間の年平均成長率(CAGR)は47.2%に達すると予測されています。

総務省の予測でも、世界のメタバースの市場規模は2030年までに78兆8,705億円に達するとされています。メタバースは今後数年間のうちに、経済的にも社会的にも大きな影響を与える技術であると考えられます。

さらに、メタバースに関連した銘柄の価格も上昇を続けており、半導体やハード提供会社だけでなく、通信、ゲーム、SNS、広告などの各銘柄にも投資家の注目が集まっています。これからの数年間でメタバース関連のビジネスチャンスがさらに広がることが期待されているのです。

参考リンク
総務省/第2部 情報通信分野の現状と課題
株式会社グローバルインフォメーション/メタバースの世界市場:コンポーネント別(ハードウェア、ソフトウェア、プロフェッショナルサービス)、業界別(消費者、商業、産業製造)、地域別(北米、アジア太平洋、欧州、中東・アフリカ、ラテンアメリカ)-2030年までの予測

関連記事:成功企業に聞く:サービス・ソリューションカンパニーを目指す、技術商社で売上1兆円企業「マクニカ」のマーケティングとは

企業のメタバース参入・導入で得られるメリット

メタバースをビジネスに活用することで、企業ではさまざまなメリットを得られることが考えられます。

ビジネスの可能性が広がり先進企業としてのブランディングにもなる

メタバースによって企業は新たな顧客接点を創造し、製品やサービスをより直感的に体験できるプラットフォームを外部に提供できます。メタバースでビジネスを展開することにより、新たなチャンスが生まれ、他社との差別化も可能になるでしょう。先進的な企業としての印象をもってもらいやすく、ブランディング効果も望めます。

イベント開催の工数削減とコミュニケーションの効果・効率が上がる

メタバースを活用したイベントは、リアルなイベントと比べると、開催にかかる工数をある程度削減することが期待できます。また、イベント参加への敷居も低いため、多くの参加者や来場者が見込めるのもメリットです。

さらにメタバースでは、アバターを通じてリアルタイムでコミュニケーションを取ることができるため、顧客との関係性を深めやすくなり、ビジネスの効果や効率の向上も期待できるでしょう。

優秀な人材を確保しやすくなり、人手不足解消につながる

メタバースを活用すれば、地理的な制約がなくなるため、世界中から優秀な人材を採用することが可能になります。また、メタバースを活用した研修や教育プログラムによって、社員のスキル向上を容易に図れることもメリットです。

テレワーク推進やBCP対策につながる

メタバースはリモートワークを円滑に進めるためのプラットフォームを提供します。自然災害に被災したり、サーバーダウンなどの緊急事態が発生したりした場合でも、被害を最小限に抑えて事業を速やかに回復するBCP(事業継続計画)の一環としてメタバースを活用する方法も考えられます。

データの活用による商品・サービスの改善につながる

メタバース上におけるユーザーの行動データは収集・分析も可能です。これにより、商品やサービスの改善、新たなビジネスチャンスの発見などに活用できるでしょう。

企業におけるメタバースの活用シーン

企業におけるメタバースの活用シーンは多岐にわたります。以下で、おもな活用例をいくつか紹介します。

展示会

メタバースは、オンライン上に実写、またはCGでリアルな会場を再現し、新商品のバーチャル展示や動画を活用したサービス紹介などが可能です。

セミナー・ウェビナー

基調講演やセミナーなどもメタバース内で開催できます。

企業説明会・就活イベント

説明会や企業ブースを設置した就活フェアなどの採用イベントなど、メタバース上で開催した実績のある企業は多数あります。

採用面接

候補者との個別またはグループ面接・面談をメタバース内で実施できます。

株主総会

メタバースを活用することで、地理的な制約を取り払い、世界中から参加することが可能です。

勉強会・研修・表彰会などの各種イベント

勉強会や研修など、各種のイベントもメタバース上で開催できます。地理的な制約がなく、アバターを活用すれば、心理的な敷居も低くなるため、多くの人々の参加が見込めるでしょう。

メタバースは多くの企業の多様なシーンですでに活用されており、今後の可能性も無限大です。ただし、セキュリティの脆弱性や法整備の遅れなどの課題も存在するため、活用する際にはこれらの点を十分に整備しておく必要があります。

参考リンク:メタバース展示会 | V-expo

なお、メタバースを活用した面接やビジネスの活用事例については、以下の記事でご確認ください。

関連記事
リモート面接にメタバースを活用する新しい就職活動の形とは?
メタバースの意味は?ゲームやビジネスでの活用事例を解説

学校におけるメタバースの活用シーン

学校におけるメタバースのおもな活用シーンは、以下のとおりです。

入学式

メタバースの入学式であれば、遠隔地に住む新入生でも自宅から参加できます。もちろん海外の学生も同じ体験を共有できるため、多くの世界や地域から学生が集まってくることも期待できるでしょう。

コンテスト・学術大会

学生が自分の作品や論文などをメタバース上で展示・発表し、他の学生や教師からフィードバックを得ることも可能です。学生はメタバースを通じて自分の作品や論文を改善でき、学習経験を深めることもできます。

交流会・説明会・オープンキャンパス

リアルな会合と同じように、メタバース上でも多くの学生同士が交流することが可能です。また、学校概要や、カリキュラム、行事などの情報を入学希望者や保護者などに案内する学校説明会、オープンキャンパスの開催にも適しています。リアルなイベント開催と比べ、学校側も学生側も時間調整をしやすいことがメタバース開催のメリットといえます。

参考リンク:メタバース学校行事 | V-expo

個人におけるメタバースの活用シーン

メタバースは、個人でもさまざまなシーンで活用されています。以下で、おもな活用の場面を紹介します。

婚活

メタバースが新たな出会いの場として活用されることが増えています。メタバースならではといえるアバターを通じてコミュニケーションを取ることで、外見にとらわれずに相手の内面を知れるのは大きなメリットです。また、都会へアクセスしづらい地域や異なる国からも参加できるため、出会える人数も増え、リアルな場所で出会う機会がなかなか得られない人々のマッチングの可能性が高まるのも特徴です。

同窓会

メタバースを活用すれば、遠くに住む同級生や友人とも簡単に再会できます。リアルタイムのコミュニケーションが可能で、実際の同窓会と同じように交流を楽しめるでしょう。

懇談会・デジタルワークショップ

メタバース上で開催される懇談会やワークショップは、自宅から参加できるため、多くの人々が参加しやすいのが特徴です。メタバースによって新たな知見やスキルを学ぶ機会が増える点もメリットです。

参考リンク:メタバース婚活 | V-expo

エンタメ・アミューズメント系の活用事例

メタバースはエンタメやアミューズメントとの親和性が高く、多くの活用事例があります。以下で、具体的な活用事例を紹介します。

ガンダム メタバース プロジェクト

「ガンダムメタバースプロジェクト」は、バンダイナムコとガンダムファンが共創するプロジェクトです。メタバース上でさまざまなガンダムに関するコンテンツに触れられ、世界中のガンダムファンが集う場所を提供します。

このプロジェクトは期間限定でオープンし、ファンと共に運営・発展することを目指しており、ファンコミュニティから次なるガンダムが生まれる未来が期待されています。

また、本プロジェクトは、ガンダムシリーズ45周年とガンプラ45周年に向けた「GUNDAM NEXT FUTURE -ROAD TO 2025-」プロジェクトの一環で、ガンダムの世界がメタバースを通じてさらに広がり、ファンとのつながりが深まることが期待されています。既存のファン層をさらに強固にし、新しいファン層を取り込むための重要な手段としてメタバースが活用されている好事例といえるでしょう。

参考リンク:ガンダムメタバースプロジェクトオフィシャルサイト

BANDAI CARD GAMES Metaverse Lobby

「BANDAI CARD GAMES Metaverse Lobby」は、バンダイのカードゲームをオンラインで楽しめるメタバース空間です。ユーザーは自分だけのアバターを作成し、3D空間を探索しながら他のプレイヤーと対戦できます。

このプラットフォームでは、カードゲームタイトルごとに用意されたイベントに参加し、自分のカードでバトルを楽しめることができます。24時間いつでも利用可能で、全国のユーザーとカードバトルができるため、TCGファンは新たな対戦相手を見つけ、自分のスキルを試す機会を得られます。

参考リンク:【ONE PIECEカードゲーム】Metaverse Lobby 24 – BANDAI CARD GAMES Metaverse Lobby(バンダイカードゲームズ メタバースロビー)

サンリオバーチャルフェス

「サンリオバーチャルフェス」は、世界中のサンリオファンやバーチャルアーティストのファンがつながる、バーチャル音楽フェスティバルです。このイベントでは、テーマパークとカルチャーが一体となったエンタメ空間を楽しむことができます。

過去には、orange & MIRA_sk featuring クロミ、羽入ひかる featuring こぎみゅん、戊屡神ゆゆ featuring シナモロール、カソウ舞踏団 with サンリオキャラクターズなど、バーチャルアーティストやVtuberとサンリオキャラクターが共演する場面も多数ありました。

サンリオファンはもちろんのこと、バーチャル技術に興味を持つビジネスパーソンまで、幅広い層の参加者に新しい形式の交流を提供しています。

参考リンク:SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland 公式サイト

ソフトバンクホークス:バーチャルPayPayドーム

「バーチャルPayPayドーム」は、福岡ソフトバンクホークスの本拠地「PayPayドーム」をバーチャル空間上で再現したものです。ユーザーはアバターを通じてドーム内を自由に散策でき、試合中に実際の投手が投げた球をバーチャル空間で再現する「準リアルタイム投球」も体験できます。

この空間にはスマートフォンやPCのブラウザから無料でアクセスでき、会員登録は不要です。遠隔地でも試合観戦の体験を共有できるため、野球ファンにとってはありがたいサービスと言えるのではないでしょうか。

参考リンク:バーチャルPayPayドーム

バーチャルトラベルプラットフォームアプリ『ANA GranWhale』

『ANA GranWhale』は、ANAが提供するバーチャルトラベルプラットフォームアプリです。アプリでは、さまざまな旅先をVR技術によって再現し、より自由に、より快適に旅を楽しめます。具体的なサービスは「V-TRIP」(バーチャル旅行空間)と「Skyモール」(ショッピング空間)の2つです。

また、「グランチップ」というアプリ内のみで流通している通貨を集めてマイルガチャなるものを引くと、ANAのマイルを貯めることができます。つまりバーチャル空間での体験を通じて、リアルな旅行を楽しむこともできるのです。

参考リンク:ANA NEO株式会社 | メタバースによる旅の拡張体験

EC・小売系の活用事例

メタバースは、EC・小売業界でも活用されています。以下で、おもな活用事例を紹介します。

バーチャルショッピング αU place

「αU place」は、KDDIが提供するバーチャルショッピングサービスです。実店舗を仮装空間で再現したバーチャル店舗で最新の展示を見ながらショッピングができます。スマートフォンを使って店内をスキャンするだけで、商品展示がアップデートされ、ユーザーは最新の展示を体験できるのが特徴です。

また、実店舗の店員に接客されながら、商品に関する相談ができ、詳細情報を聞くこともできます。バーチャル店舗では、リアルな店舗とECの良さを組み合わせた、新たなショッピング体験ができる仕組みになっています。

参考リンク:バーチャルショッピングのαU place

仮想伊勢丹新宿店 | REV WORLDS (レヴ ワールズ)

「仮想伊勢丹新宿店 | REV WORLDS (レヴ ワールズ)」は、三越伊勢丹が提供するバーチャルショップです。スマートフォンから24時間いつでもアクセス可能で、新宿東口の街の一部エリアと伊勢丹新宿本店が再現されています。実際の店頭スタイリストもCG化され、商品の購入は同社の電子商取引(EC)サイトから可能です。

REV WORLDSにはファッションやギフトなどはもちろん、デパ地下フロアなどもあり、メタバースならではのショッピング体験が楽しめます。

参考リンク:REV WORLDS (レヴ ワールズ) | INSTALL NEW WORLDS

会議・バーチャルオフィスのサービス例5選

メタバースは会議やバーチャルオフィスなどの用途で、多くの企業に利用されています。ここでは、会議やバーチャルオフィスの具体的なサービスを5つ紹介します。

Horizon Workrooms

Horizon Workroomsとは、Metaが提供するサービスで、仮想空間で共同作業を行える仕組みです。Meta Questヘッドセットを使用することで、ブレインストーミングやプレゼンテーションなども行えます。

参考リンク:Horizon Workroomsのバーチャルオフィスとミーティング | Meta for Work

Mesh for Microsoft Teams

Mesh for Microsoft TeamsはMicrosoftが提供するバーチャルコラボレーションツールで、Microsoft Teams内で3Dの共有ホログラフィック体験ができる仕組みです。リモートによる共同作業がより効果的に、効率的に行えるのがメリットです。

参考リンク:Microsoft Mesh

DOOR

DOORはNTTが提供するバーチャルオフィスツールで、ブラウザからアクセス可能なメタバース空間です。ユーザーは自由にバーチャル空間を作成し、ビジネスやプライベートなど、さまざまなシーンで利用できます。

参考リンク:DOOR

RISA(リサ)

バーチャルオフィスツールのRISAは、リモートワークの課題を解決するためのサービスです。アバターや仮想空間を利用して、テレワーク環境によって失われた共通の場所を持つ体験を提供します。

参考リンク:タバースオフィス RISA(リサ)- 仮想空間ならではの体験がここに。

Virbela(バーベラ)

Virbelaは、メタバース空間を利用して、リモートワークやオンライン学習、イベント開催などをサポートします。ユーザーは自分のアバターを作成し、3D空間内を自由に動き回り、他のユーザーとコミュニケーションを取ることが可能です。

参考リンク:Virbela | 株式会社ガイアリンク

メタバースのやり方・始め方

メタバースを始めるには、以下のステップを踏む必要があります。順を追って確認していきましょう。

VR対応のPC・モニター、VRゴーグルなどを準備

メタバースを体験するには、VR対応のPCやモニター、VRゴーグルが必要です。PCは高性能なグラフィックボードを搭載したものが望ましいでしょう。

VRゴーグルは初心者向けですと1,000円台から手に入る製品もありますが、ハイスペックな製品だと10万円オーバーの製品もあり、さまざまな価格帯で発売されています。

仮想通貨取引所の口座開設

仮想通貨取引所で口座を開設します。企業名、氏名、住所、生年月日、電話番号などの必要な情報を入力し、本人確認書類を提出します。

ウォレットの作成

ウォレットとは、仮想通貨を保管するデジタル財布です。一般的には取引所で口座を開設した後、メニューから「入金」を選び、「預入アドレスの発行」を選択することでウォレットが作成されます。

メタバースサービス・プラットフォームに登録

メタバースプラットフォームに登録します。登録後、自分のアバターを作成し、仮想空間を探索したり、他のユーザーと交流したりすることが可能です。

以上のような流れでメタバースの利用を開始します。

メタバースの人気プラットフォーム7選

メタバースプラットフォームは国内外も含め、実に多くの種類があります。ここでは、メタバースの人気プラットフォームを7つ紹介します。

The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandboxとは、ユーザーが3Dオブジェクトを作成し、土地やゲームを売買できるメタバースプラットフォームです。イーサリアムのブロックチェーン技術を基盤にしています。

参考リンク:The Sandbox Japan公式サイト

Minecraft(マインクラフト)

Minecraftは、ユーザーが自由にブロックを配置して世界を作り出すゲームです。メタバースとしての側面もあり、ユーザーが自分だけの世界を作り、他のユーザーと共有できます。

参考リンク:Minecraft 公式サイトへようこそ | Minecraft

Decentraland(ディセントラランド)

Decentralandは、ユーザーが仮想土地を所有し、その上に自分のコンテンツを作り出すことが可能なメタバースプラットフォームです。こちらのプラットフォームも、イーサリアムのブロックチェーンを基盤にしています。

参考リンク:Welcome to Decentraland

Enjin Platform(エンジンプラットフォーム)

Enjin Platformは、ゲームやアプリ内でNFT環境を作り出せるメタバースプラットフォームです。ブロックチェーン専用のコードを使わずにNFTを作成できます。

参考リンク:Enjin Platform: Mint and Integrate NFTs | Enjin

FORTNITE(フォートナイト)

FORTNITEは、100人対戦のサバイバルシューティングゲームですが、雑談の場や、友達などと一緒に遊ぶ空間としても利用されており、メタバースとしての側面も持っています。

参考リンク:フォートナイト | クロスプラットフォーム対応の無料プレイゲーム – フォートナイト

Cluster(クラスター)

Clusterは、スマートフォンやPC、VR機器などからバーチャル空間に集まって遊べるメタバースプラットフォームです。音楽ライブやプレゼンなどのイベントに参加するだけでなく、いつでもアクセス可能なバーチャルワールドでチャットやゲームを楽しめます。

参考リンク:メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)

VRChat(ブイアールチャット)

VRChatは、世界中の人々とコミュニケーションが取れるメタバースプラットフォームです。ユーザーは、自分好みのアバターを使ってチャットや音声通話、ジェスチャーなどを通じてコミュニケーションを取れます。

参考リンク:VRChat

まとめ

メタバースの市場は拡大傾向にあり、今後もさらに成長していくと考えられます。当然のことながら関連銘柄も上昇を続けています。

企業や学校、個人における活用事例も増えており、新たなビジネスチャンスにつながる可能性も高いと考えられるため、早めに参入するのがおすすめです。

本記事の内容を参考に、ぜひメタバースをビジネスに活用してみてください。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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