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マーケティングリサーチの「定量調査」と「定性調査」の違いを解説

2025.12.3
読了まで約 5

マーケティング戦略の立案や顧客理解を深める上で、市場調査は不可欠なプロセスです。その中でも、「定量調査」と「定性調査」は、それぞれ異なるアプローチで市場にアプローチする重要な手法として知られています。マーケティングを学ぶ上でこれらの用語に触れる機会は多くありますが、両者の違いを明確に理解することで、目的に応じた最適な調査手法を選択できるようになります。本記事では、「定量調査」と「定性調査」の具体的な特徴、得られるデータの性質、そしてそれらをどのように使い分けるべきかについて、詳しく解説していきます。

「定量調査」とは、その名の通り、数量や数値で測定・表現できる事柄を明らかにするための調査手法です。例えば、商品やサービスの認知度、購入頻度、顧客満足度といった指標を数値化し、その割合や変化を把握することが可能です。具体的な調査方法としては、インターネットリサーチ、アンケート調査(選択式)、会場調査、郵送調査、電話調査などが挙げられます。これらの手法を用いることで、大規模なサンプルからデータを収集し、市場全体の傾向や規模を客観的に把握することができます。

一方、「定性調査」は、数値では表しきれない人々の意識、感情、行動の背景にある理由やプロセスを深く掘り下げる調査です。「なぜその商品を選んだのか?」「どのような点に不満を感じているのか?」といった、消費者心理や行動の質的な側面を理解するために用いられます。調査方法としては、グループインタビュー、デプスインタビュー(個別インタビュー)、アンケート調査(自由記述式)、行動観察調査、日記調査、ワークショップなどがあります。これらの手法を通じて、対象者の生の声や行動を直接観察することで、潜在的なニーズやインサイトを発見することが期待できます。

このように、「定量調査」は「どれくらい」「どのくらいか」といった数量的な側面を明らかにするのに長けており、「定性調査」は「なぜ」「どのように」といった質的な側面を深く理解するのに適しています。マーケティングリサーチにおいては、これらの調査手法を単独で実施するのではなく、目的に応じて適切に組み合わせることで、より包括的で精度の高いインサイトを得ることが、成功への鍵となります。

定量調査と定性調査の違い

結論からいうと、定量調査は数値として表現されるような結果が得られる調査、定性調査は結果が数値以外(言語情報、行動観察など)で表現されるような結果が得られる調査のことを指します。それぞれ、どのような調査なのか、具体的な特徴や目的に焦点を当てて見ていきましょう。

●定量調査とは?
別名「量的調査」とも呼ばれる定量調査は、その名の通り、量や確率といった数値で表せる事柄を調査する方法です。具体的には、市場における製品の認知度、購買量、購買金額、購入率、リピート率、顧客満足度といった指標を導き出すのに適しています。売上データの集計、選択肢の中から回答を選ぶ形式のアンケート調査、会場調査、ネットリサーチ、郵送調査、電話調査など、多様な手法があります。これらの手法を用いることで、統計的に意味のあるデータに基づいた客観的な分析が可能になります。

●定性調査とは?
別名「質的調査」である定性調査は、数値では表されない、人々の意識や感情、行動に至ったプロセスや理由などを深く掘り下げる調査です。購買に至った理由や購入プロセス、商品やサービスに対する具体的な要望や悩みといった、数値化できない「なぜ」や「どのように」といった情報を得ることができます。自由記述式のアンケート調査、グループインタビュー、インデプスインタビュー、訪問観察調査、日記調査、行動観察調査、ワークショップなどが代表的な手法です。これらの手法を通じて、対象者の内面や行動の背景にある要因を理解することができます。

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定量調査・定性調査のメリット・デメリット

定量調査と定性調査。それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?マーケティングリサーチにおいては、それぞれの特性を理解し、効果的に活用することが重要です。

定量調査のメリット

定量調査の最大のメリットは、大量のサンプル数を効率的に収集できる点にあります。「はい」「いいえ」で回答できる質問や、複数の選択肢から選ぶ形式のアンケートは、回答者にとって負担が少なく、短時間で多くのデータを集めることが可能です。特にネットリサーチを活用すれば、数千、数万件といった大規模なデータも迅速に取得できます。

また、得られる結果が数値として明確であるため、市場全体の規模や傾向といった全体像を把握しやすいことも大きな強みです。客観的な数値データは、グラフや図表といった視覚的な表現に加工しやすく、会議資料などで高い説得力を持つ資料を作成するのに役立ちます。市場シェアの測定や、キャンペーンの効果測定など、定量的な指標で成果を評価したい場合に特に有効です。

定量調査のデメリット

一方で、定量調査のデメリットとして、結果の背景にある理由を深く掘り下げられない点が挙げられます。例えば、「顧客満足度が上昇した」という結果が得られたとしても、なぜ満足度が上がったのか、具体的にどの商品やサービスのどの点が評価されたのかといった、顧客インサイトを詳細に知ることは困難です。

さらに、数値データはそのままでは活用しにくい場合が多く、割合の算出や過去データとの比較など、専門的な分析スキルを要するデータ加工が必要となることがあります。この分析プロセスを誤ると、誤った結論を導き出すリスクも伴います。

定性調査のメリット

定性調査では、定量調査では見えてこない対象者の行動理由、感情、潜在的なニーズ、興味関心、生活様式といった、より深層的な情報を得ることができます。言語として得られる情報は、調査者が直感的に理解しやすく、新たな発見や仮説構築につながることが多いのが特徴です。

また、インタビューなどの場では、言語情報だけでなく、対象者の表情、声のトーン、仕草、反応といった非言語情報も捉えることができ、多角的な視点から対象者を理解することが可能になります。これにより、商品開発やサービス改善における、より本質的な課題発見に繋がる場合があります。

定性調査のデメリット

定性調査は、定量調査と比較して、時間と手間がかかる傾向があります。特に、一人ひとりに深くヒアリングを行うインデプスインタビューや、複数人で議論を交わすグループインタビューでは、質の高い情報を得るために十分な時間を確保する必要があります。その結果、収集できるサンプル数が限られてしまうため、調査結果を特定の個人や集団の意見と捉える必要があり、市場全体の傾向として一般化することは難しいです。

そのため、定性調査だけで「商品やサービスへの評価が高い」という結論に至ったとしても、それは調査対象となった一部の意見に過ぎない可能性があり、全体像の把握には不向きです。誤った仮説に基づいた意思決定を防ぐためにも、その結果を過信せず、慎重に解釈する必要があります。

定量調査と定性調査を組み合わせよう

定量調査と定性調査、それぞれの調査で何がわかるのか、そして両者の違いやメリット・デメリットについてご理解いただけたかと思います。改めて、それらを分かりやすく表にまとめました。

  定量調査 定性調査
データの形式 数値 数値以外(言語)
定量調査でわかること 購買量、購買金額、購入率、認知率、購入経験率、リピート率、顧客満足度など 興味関心、購買理由、購買プロセス、要望、悩み、対象の行動パターンや生活様式など
調査方法

データ集計
ネットリサーチ
アンケート(選択方式)
会場調査
ホームユーステスト
郵送調査
街頭調査
来場者調査
FAX調査

電話調査

グループインタビュー
インデプスインタビュー
アンケート(自由記述方式)
訪問観察調査
日記調査
行動観察調査

ワークショップ
メリット

・サンプル数が多い
・全体像を把握しやすい

・説得力がある

・内容が深い調査ができる
・調査者が理解しやすい
・数値以外の情報を得ることができる

デメリット

・結果が出た理由がわからない
・データの加工が必要
・数的分析スキルが必要

・手間と時間がかかる
・サンプル数が少ない
・全体像が把握しにくい

それぞれにメリットとデメリットが存在するため、マーケティング戦略を効果的に立案するためには、定量調査と定性調査を組み合わせて実施することが極めて有効です。

例えば、新商品を開発する初期段階では、まず数人の顧客にヒアリングを行う定性調査から始めるのが良いでしょう。「商品の改善点を教えて下さい」という質問に対して、「品質を高くしてほしい」「デザインを良くしてほしい」「価格を下げた廉価版を出してほしい」といった意見が挙がったとします。この結果から、「顧客はこの3つのいずれかを新商品に求めている」という仮説を立てることができます。

次に、この仮説を検証するために定量調査を実施します。「新商品には次のうちどれを最も望みますか?」といった設問で、先ほどの3つの意見を回答選択肢として用意することで、より多くの顧客が自社製品に対して何を求めているのか、また、現在の商品が抱えている問題点が何であるのかを具体的に知ることができます。もし、「デザインを良くしてほしい」という回答が80%を占めた場合、現状の商品における課題点はデザインにあると判断できるでしょう。このように、市場調査においては、仮説構築と検証のサイクルが重要です。

上記は「定性調査→定量調査」という流れでしたが、「定量調査→定性調査」という逆の流れも可能です。たとえば、「弊社の商品にご満足いただけましたか?」という定量調査を実施することで、顧客満足度という全体像を把握できます。もし、「満足していない」という回答が多数を占めた場合、その回答者に対して個別にインタビューを行う定性調査を実施することで、満足度が低い具体的な理由や、商品の改善点について深く理解することができるでしょう。

このように、「定量調査のみ」や「定性調査のみ」で完結させるのではなく、両者を戦略的に掛け合わせることで、より深い洞察を得ることができ、精度の高いデータ収集と、それに基づいた効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。定量調査で全体像を把握し、定性調査でその背景にある理由を探る、あるいはその逆のプロセスを経ることで、マーケティング活動における意思決定の質を飛躍的に向上させることができます。

まとめ

  • マーケティング調査には、定量調査定性調査の2種類が存在します。
  • 定量調査は、購買量、購入率、顧客満足度といった数値データで結果が表れる調査手法です。一方、定性調査は、購買理由、要望、悩みといった数値化できない言語情報で結果が現れます。
  • それぞれにメリット・デメリットが存在するため、調査目的を明確にし、それぞれの特性を理解した上で、どちらの手法が最適かを見極めることが重要です。
  • マーケティング戦略の精度を高めるためには、定量調査定性調査を単独で行うのではなく、効果的に組み合わせることが極めて有効です。例えば、定性調査で得られた仮説を定量調査で検証したり、定量調査で把握した全体像から見えてきた課題を定性調査で深掘りしたりすることで、より深く、精度の高いデータ収集が可能となります。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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