出典元：広告業界の倒産、4年連続増加の可能性も 年末に向けた新型コロナの影響を警戒
新型コロナウイルス感染拡大の影響が、広告業界にも暗い影を落としている。
『特定サービス産業動態統計調査』（経済産業省発表）によると、2020年4月～6月にかけて、広告業界における売上高は約1兆303億円となり、前年同期からの落ち込みは24.4％となった。近年、飛躍的な成長を見せていたインターネット広告においても、売上高は前年（2019年）を下回り、消費の低迷や企業による広告費の縮減が深刻な状況だ。広告業界における倒産件数と負債額、今後の動向などに注目が集まっている。
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広告関連業者の倒産は2020年9月末までに108件
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2020年の広告関連業者の倒産件数は、9月末までに108件、負債総額は約67億100万円に達した。これまで広告関連業者の倒産はリーマン・ショックの翌年、2009年をピークに減少傾向にあったが、2017年より再び増加。2019年まで、3年連続で前年を上回る結果となっている。
倒産した広告関連業者の業種別をみると「広告代理業」が最も多い57件。次いで多かったのが「広告制作業」の31件。「ディスプレイ業」は12件となっている。
負債総額「5000万円未満」が最多、小規模事業者を中心に倒産
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広告関連業者の負債規模別では「1000万-5000万円未満」が最多の74件。次いで「5000万-1億円未満」が17件。「1億-5億円未満」は16件となった。
2009年時点と比べると「1000万円-5000万円未満」の倒産割合が増加していることがわかる。 一方で「10億-50億円未満」の倒産は減少。規模の大きな50億円以上の負債に至っては、2011年から1件も発生していない。広告業界における小規模事業者にとって、厳しい現状が続いているようだ。
年末にかけて広告業界の倒産が増加する可能性、まとめ
前年をわずかに上回るペースではあるものの、4年連続での倒産数増加が懸念される広告業界。帝国データバンクが実施した「景気動向調査」でも、アパレル関連業や旅館・ホテル業、飲食店業などに次いで、景気の状態は悪化していることがわかる。
2020年は新型コロナウイルスの影響を受け、すでに6件の関連倒産が確認された。他業界と比べ、景気の変動が遅れて生じることが多い広告業界。この年末にかけて、さらに倒産が増加する可能性があるだろう。
