マーケティングのインサイトとコンサルティングで世界をリードするカンターは世界初の「グローバル広告エクイティ*ランキング」を2020年10月1日に発表した。世界7か国、約4,000人の消費者と、日本を含む700人以上の世界のシニアマーケターを対象に調査を行った。
この調査により、消費者とマーケターの好む広告が明らかになった。
*「広告エクイティ」指標は10の診断的な広告への態度指標と、総合的な広告受容性指標を組み合わせたもので、肯定的である人々の数と否定的である人々の数を対比させた指標
参照元：カンター、世界初の「グローバル広告エクイティランキング」を発表
消費者が最も好む広告は「映画広告」。マーケターの好みと乖離
まず、世界の消費者・マーケターそれぞれが好む広告チャネル上位5位を見ていく。
消費者の最も好む広告は「映画広告」であった。次に「イベントスポンサー」を好み、「雑誌広告」「デジタル交通広告」「新聞広告」の順に続いた。消費者は一貫して、オンラインよりもオフラインの広告を好む傾向が見られた。
一方で、マーケターが最も好む広告は「動画広告」であった。次に「TVCM」を好み、そ「SNSニュースフィード広告」「ストリーミングTV広告」「SNSストーリー広告」の順に続いた。マーケターは消費者とは逆にオフラインよりもオンラインの好む傾向が見られ、マーケターと消費者の好みに乖離があることが明らかになった。
参照元：カンター、世界初の「グローバル広告エクイティランキング」を発表
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デジタル広告では消費者は「TikTok」、マーケターは「YouTube」に好意的
次に、世界の消費者・マーケターそれぞれが好むデジタル広告プラットフォーム上位5位を見ていく。
消費者の好むデジタル広告プラットフォームは「TikTok」がトップとであり、マーケターのトップは「YouTube」であった。消費者は「TikTok」のような新たなプラットフォームの広告に肯定的であるのに対し、マーケターは「YouTube」のように確立されたブランドを好む対照的な結果となった。
一方で、消費者・マーケターともに好まれている広告は「Instagram」「Google」「Twitter」であった。
参照元：カンター、世界初の「グローバル広告エクイティランキング」を発表
COVID-19によりデジタルチャネルは拡大
最後に広告費に関する今後の見通しを見ていく。本調査ではCOVID-19によるパンデミックの期間中、60%の企業がマーケティング費用を削減したと報告しており、30%は大幅に削減したと回答している。
COVID-19の流行により世界各国のロックダウンに対応して、デジタルチャネルへの広告予算／リソース配分が増加し、オフラインメディアへの配分は減少した。
2021年はCOVID-19によるシフトがさらに加速すると予測され、デジタルチャネルはその傾向がより強くなりそうである。TVとデジタルサイネージ以外のオフラインメディアは、厳しい状況が継続するのではないかと見られている。
参照元：カンター、世界初の「グローバル広告エクイティランキング」を発表
今回の調査により、世界で消費者とマーケターが好意を示す広告や、今後の広告の見通しが明らかになった。この調査は、現状の消費者とのコミュニケーションデザインの構築や見直し、そして、今後の広告の予算配分の検討に有効だろう。
