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ロイヤリティプログラムとは? その種類とメリット、成功のポイントを解説

2025.7.9
読了まで約 7

ロイヤリティプログラムは、企業が顧客を囲い込むために運用するマーケティング施策の一種です。ロイヤリティプログラムには、より具体的な目的に応じて選択するいくつかの種類があります。この記事では、ロイヤリティプログラムの概要として種類やメリット・デメリット、導入方法などに加え、成功のポイントも解説します。

顧客を囲い込むロイヤリティプログラム

画像:attracting customersの看板と人形

ロイヤリティプログラムとは、顧客を囲い込むために事業者が実施するマーケティング戦略であり、特典施策のことです。ロイヤルティプログラムとも呼ばれています。ロイヤリティ(royalty)は忠実や忠誠心を指す言葉であり、顧客ロイヤリティという場合は、顧客が事業者のブランドや商品・サービスに対して感じる信頼や愛着を意味します。

ロイヤリティプログラムを実施する主な目的は、顧客ロイヤリティの高いユーザーを生み出すことと、すでに顧客ロイヤリティが高いユーザーをさらに優良な顧客へと育てることです。

目的達成のためにロイヤリティプログラムで提供される特典には、会員プログラム、ポイントプログラム、ゲーミングプログラム、キャッシュバックプログラムなど多種多様なものがあります。

ロイヤリティプログラムでは、他のブランドや商品・サービスを利用するよりもお得に感じられる特典だけでなく、自社を利用する他の顧客よりも優遇されていると感じられる特典を提供することが重要です。それにより、自社への支持を高め(顧客ロイヤリティが高い状態)、自社の商品・サービスの利用により生涯に費やす金額であるLTVの高い優良なリピーターを育てることにつながると考えられます。

▼ロイヤリティとLTVについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
LTV(ライフタイムバリュー)とは?算出方法や最大化するポイント
現代のマーケティングで重要ポイントとなる「ロイヤリティ」とは? 具体的な戦略・成功事例とともに解説

ロイヤリティプログラムにはいろいろな種類がある

画像:ポイント還元の文字とレジのイメージ

ロイヤリティプログラムの種類や施策内容について解説します。

価値共創型プログラム

価値共創型プログラムは、自社と顧客との関係が売り手と買い手という単純な構造ではなく、自社ブランドへの共感から一緒に自社ブランドの価値を高めたり、新たな価値を創ったりするチームのような関係性を感じさせるプログラムです。たとえば、エコに役立つ自社商品のリサイクル促進への取り組みや、外部のエコ関連団体へ購入金額の何パーセントかを寄付するといった取り組みがあります。

購入促進型プログラム

購入・利用に直接的なメリットを付与する点が購入促進型プログラムの特徴です。自社の商品・サービスを利用すれば、その金額に応じたさまざまな価値を得られる点が顧客のメリットになっています。購入金額いくらにつき何ポイントを付与するといったポイントプログラムが代表例です。

貯まったポイントは商品の購入代金やサービスの利用代金に充当できるほか、一定のポイント数で各種アイテムと交換できるプログラムが多く、アイテムを充実させることで、交換先を選ぶ楽しさの提供ができます。また、非売品のアイテムや自社のオリジナルグッズとの交換は、ポイントプログラムへの参加意欲を盛り上げ、顧客ロイヤリティのアップに役立つでしょう。

合わせてポイントの獲得利用歴に応じたランク付けを行うことで、より一層の優遇策を打ち出すことが可能です。具体的には、ポイント会員のランクに応じたポイント獲得率や割引額の優遇、上位ランク会員向けイベントへの招待といった特典が考えられます。

関連記事:ノベルティを配る意味とは!その効果や実施までにやるべきことを解説!

パーパス拡張型プログラム

パーパス拡張型プログラムでは、企業・ブランドの社会的なビジョンや役割(存在意義)を示し、価値感の共有・支援の意識を高めます。ブランドへの共感という点では価値共創型プログラムと似ていますが、商品・サービスの購入や利用といった行動の有無を問わない点が大きな違いです。

パーパス拡張型プログラムで提供する特典は、直接的な購入特典だけではありません。アンケートの回答や資料請求、メルマガ登録、SNSの友だち追加といった企業とのつながりを深めるアクションが特典対象となります。

▼パーパスとは何か? についてはこちらの記事で基本知識から解説しています。
パーパスとは何か?企業経営における意味とパーパス・ブランディングの取り組み方

ノーティア・ノーポイント/シンプルティア型プログラム

ノーティアとは会員階層といったものを設けず全顧客を一律に扱うことを意味しています。顧客であれば誰でも同じ特典が付与される、シンプルなプログラムがノーティア・ノーポイント/シンプルティア型プログラムです。よい意味で他の顧客と差別されない点が顧客ロイヤリティの向上に役立ちます。企業にとっては、細かいランク分けや個々に異なる対応をする必要がなく効率的な集客が可能です。

ただし、ノーティア・ノーポイント/シンプルティア型プログラムを導入しているからといって、完全に一律の運用をしなければならないという決まりはありません。顧客の優劣は厳然として存在しており、優良顧客にはそれなりの施策を実施する意義があります。そこでの差を公表するかしないかの違いがあるといえるでしょう。

パーソナライズ型プログラム

パーソナライズ型プログラムは、個々の顧客について「どういった商品を多く購入しているか」「どのカテゴリの商品ページを多く閲覧しているか」といった行動分析などをとりいれたプログラムです。個人別に分析することで、それぞれの顧客にマッチする商品・サービスを案内したり、喜ばれそうな特典を用意したりします。

顧客の立場になってみれば、自分の好みにピッタリの商品や価値を感じるサービスが黙っていても案内されてくる、嬉しい特典が用意されているとなれば、他社へ移ろうという気も起きにくいでしょう。

関連記事
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経済圏連携型プログラム

複数ブランド・経済圏が連携して運用するロイヤリティプログラムです。共通ポイントシステムやポイント交換の相互乗り入れを実施することで、普段はあまり取引のない顧客とも接点を強化できます。企業同士で顧客を紹介し合う試みも有効です。

経済圏拡張型プログラム

直接的な購買行動以外の接点にも特典を付与するプログラムです。パーパス拡張型プログラムと似ていますが、企業・ブランドへの共感が前提となっているわけではない点が大きな違いだといえるでしょう。主な特典付与の対象にはレビューや紹介、口コミなど外向きのアクションも含まれています。

関連記事:口コミとは?意味やマーケティングでの活用方法

ロイヤリティプログラムのメリット

画像:MERITと書かれたキューブ5つ

ロイヤリティプログラムの主なメリットは3つあります。

顧客満足度の向上

たとえばポイントプログラムに参加することで、ブランドへの親近感が強くなります。ポイントが貯まるごとに感じる楽しさや期待感、特典を入手したときの満足感を通じて信頼感が増すことなどから、顧客満足度の向上が得やすいでしょう。ロイヤリティプログラムが企業・ブランドへの理解や共感を前提とするものであれば、顧客体験がよりよいものになり得ます。

集客効果

プログラム特典には新規顧客の獲得のみならず、顧客の離脱を防ぐ効果が大きいといえるでしょう。特典を得られることで、顧客にとってリピート購入の動機が強くなり得ます。「同種の商品を購入するなら、好きな特典を得られる企業から買おう」「この商品をここで購入すれば、ポイントが加算されてランクアップできる」といった意識が生じるためです。

このような集客効果は、単にその場の客数や売上が増大するだけでなく、LTVの向上にもつながります。また、口コミによる新規客の獲得が進めば、集客にかけるコストの削減効果ももたらすでしょう。

シェア拡大

ロイヤリティプログラムがある企業とない企業とを単純に比較したとき、顧客にとってメリットとなるのはロイヤリティプログラムがある企業です。そこにシェア拡大のチャンスが生まれます。また、顧客満足度を向上させること、新規の顧客を増やし、リピーターとして育てて離脱を防ぐことが順調に進めば、結果としてシェアの拡大が見込めるでしょう。

ロイヤリティプログラムのデメリット

画像:コルクで書かれたDEMERITの文字

ロイヤリティプログラムにもデメリットはあります。

プログラムの導入と維持にコストがかかる

どの種類のプログラムであっても、導入にあたってのシステム開発や体制作りに多くのコストが必要です。具体的な施策としてのポイントプログラムや会員ランクシステムなどは作って終わりではなく円滑に維持して運用する必要があります。そこにはコストが必要です。
・特典そのものの調達や提供にかかるコスト
・システムの保守コスト
・人的リソースも含めた運用コスト

関連記事:リソースとは?ビジネスでの意味や種類を一挙に解説

複雑な顧客管理を徹底する必要がある

ロイヤリティプログラムを適正に運用するためには、顧客ごとの状況を正確に把握して反映させる必要があり、管理を徹底しなければなりません。ノーティア・ノーポイント/シンプルティア型プログラムであっても、顧客ごとに異なる特典は必要ないものの、特典の付与状況の管理は必要です。

数多くの顧客を管理するために、ITシステム化することは当然として、コストでも述べたようにシステムを運用できる人的リソース、要員を確保する必要があります。

そもそも集客ができていない

ロイヤリティプログラムそのもののデメリットではありませんが、そもそもの集客ができていない、集客の仕組みがないか不完全な場合は、いくらロイヤリティプログラムに注力しても絵に描いた餅になりかねません。ロイヤリティプログラムが集客効果をもたらすためには、最低限の認知度があり集客ができていることが前提といえます。

集客の方法がわからないなど、法人リードの獲得・拡大でお悩みならHRプロがおすすめです。

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なぜロイヤリティプログラムが必要なのか

画像:理由?の文字とルーペ

メリット・デメリットあるなかでロイヤリティプログラムが必要な理由をあらためて解説します。

顧客の育成が企業の成長に欠かせない

優良顧客はそうでない顧客や新規顧客よりも売上・利益に貢献することから、いかに顧客を育成するかが企業発展のカギを握っているといっても過言ではありません。ロイヤリティプログラムは、顧客育成の有効な手段として欠かせなくなっています。顧客体験を重視したマーケティング手法であるRACEモデルでは、Engage:維持に該当し、成功を収めている日本企業が多くあります。

関連記事:デジタルマーケティングにおけるRACEモデルの重要性

他社に差別化されない

ロイヤリティプログラムを導入している企業は多く、プログラムの内容や特典の優劣を競い合う状況があります。2025年現在、ロイヤリティプログラムは他社との差別化を図ると同時に、他社に差別化されないための手段でもあるのです。

ロイヤリティプログラムの導入方法

画像:Step1 Step2 Step3と書かれた付箋

一般的なロイヤリティプログラム導入方法、手順について解説します。

・現状の分析
顧客ロイヤリティを含めて顧客と自社の現状を把握し、分析するところから始めます。現状がわかっていないと、有効な対策を打てません。主な分析の指標としては、リピート率や解約率、LTVやNPS(愛着度、他者へ推奨したい度合い)があります。

関連記事:「NPS」とは? 顧客ロイヤルティを測る経営指標について

・導入目的の明確化
ロイヤリティプログラムを導入する目的を明確化します。優良顧客を増やしたいといった大枠の目的をさらに具体化した目的です。たとえば、リピート率を何パーセント上げたい、LTVを1.2倍に増やしたいといった設定を行います。自社の理念への共感を深めたいといった数値化が難しい目的であっても、好ましい反応を示す声の数などで結果を見えるようにしたいものです。

・ロイヤリティプログラムの種類、内容、特典の決定と目標設定
現状と目的を踏まえたうえで、ロイヤリティプログラムの種類や内容、特典や報酬の決定を行い、目標(KPI)を設定します。特典や報酬はKPI達成を見据えた選択を行うとよいでしょう。

関連記事:KPIの意味とは?初心者にもわかる徹底解説と設定事例

・予算手当、体制の構築、人員配置
ロイヤリティプログラムを実施に移すには予算措置が必要です。また、システムを含めた体制の構築と適材適所の人員配置が欠かせません。

ロイヤリティプログラム成功のポイント

画像:ポイントと書かれたキューブ4つ

ロイヤリティプログラムの導入にあたり、成功に欠かせないポイントを解説します。

・参加のハードルを下げる
スマートフォン全盛の時代では、簡単なアプリ操作で完結するなど、誰でも参加しやすいユーザーフレンドリーさが重要です。仮に会員登録が煩雑だと、面倒だと感じて敬遠される要因になりかねません。

・価格競争を避ける
価格競争を避けることで継続性を高めることができます。経済的負担が軽いことは顧客の利益ですが、ただ安くなりますといったログラムでは、他社が安ければ逃げてしまい、価格競争に巻き込まれてしまうでしょう。

・繰り返し利用したいと思われる工夫
自社ブランドでなければできない体験の提供など、リピート意欲を高める工夫を行います。

関連記事:リピーターとは! 増やすための施策、獲得の重要性を解説!

・特別感を持続させる
個人のイベントにフォーカスした特典や案内を実施することで、特別感を演出します。

・顧客の声を集めて役立てる
本当に顧客が求めているものを提供する、お仕着せにならないサービスを充実させるために、顧客の声を集めて反映させる仕組みを作ります。

効果的な運用には検証と改善が欠かせない

画像:黒板に書かれたPDCAサイクルのイメージ

ロイヤリティプログラムは導入したあとが重要であり、期待どおりの運用・結果になっているかの検証がかかせません。PDCAサイクルを回して問題点があればタイムリーな改善が求められます。効果を測る指標としては、NPSが適切です。自分が利用するだけでなく、他者にもすすめたいと強く思ってもらえるプログラム、より愛着を感じてもらえるブランドを目指してブラッシュアップします。

関連記事:PDCAとは!時代遅れといわれる理由やOODAとの違いについて解説!

まとめ:ロイヤリティプログラム導入の成功は自社の状況把握と集客から

多くの企業にとって、ロイヤリティプログラムはいまや欠かせない施策となっています。ロイヤリティプログラム同士の競い合いともいえる状況があるなかで、施策を導入し成功させるためには、自社の状況を的確に把握することと、プログラムに誘導するための集客に注力することが重要です。困ったことがあれば専門家への相談も含めて、成功を目指しましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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