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注目が集まるヘッドレスCMSとは? 従来型CMSとの違いを解説

2021.4.30
読了まで約 3

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、ウェブサイトのコンテンツを一元管理するシステムです。ウェブサイトにはさまざまなデバイスやチャネルからの接触があり、サイト側には一貫性のある顧客体験の提供が求められます。

ヘッドレスCMSはユーザーへの表示設定を自由に設計できることから、近年注目が高まっているCMSです。従来型CMSと比べ表示速度が速く、サイバー攻撃を受けにくいメリットもあります。

この記事では、ヘッドレスCMSの概要や従来型CMSとの違いをわかりやすく解説します。

ヘッドレスCMSとは

ウェブサイトやアプリケーションは、ユーザーの目に触れる「フロントエンド」とユーザーの目に触れない「バックエンド」によって動いています。フロントエンドはウェブブラウザで動作する部分、バックエンドはサーバー上で動作する部分を指します。

ヘッドレスCMSとは、フロントエンドの機能を持たないCMSです。コンテンツを管理するバックエンドの機能のみを持ち、コンテンツを表示させる仕組みはありません。ヘッドレスの「ヘッド」とは見た目のことで、「ヘッドレス」には見た目の要素を持たないという意味があります。

ヘッドレスCMSではユーザーの目に触れるデザインやレイアウトの部分が固定されず、配信先に最適な方法で自由に設計できます。フロントエンドとバックエンドが完全に離れているため互いに制約がなく、個別に開発や改修作業を進められます。

ヘッドレスCMSを導入する場合はフロントエンドの要素を外部に用意する必要があり、CMSから取得したコンテンツを外部のフロントエンドへ出力します。この連携にはCMSの一部機能を公開して他のアプリケーションと共有する機能、いわゆる「API」が欠かせません。ヘッドレスCMSはAPI経由でコンテンツを取り出すため、APIの取り扱いができる技術者が必要です。

関連記事:CMSとは?利用目的やメリットデメリット・基本機能を初心者向けに分かりやすく解説

ヘッドレスCMSと従来型CMSの違い

従来型CMSとは、フロントエンドとバックエンド両方の機能を持つCMSを指します。世界中で使われている代表的な従来型CMSには「WordPress」(ワードプレス)があり、ウェブサイトの制作・運営に必要な機能が一括で提供される使い勝手のよいCMSです。ユーザーの目に触れる「コンテンツ表示」の要素とユーザーの目に触れない「コンテンツ管理」の要素があらかじめ備えられている従来型CMSは、専門知識がない人でも扱いやすいメリットがあります。

コンテンツの表示や管理機能が一括提供される従来型CMSとは異なり、ヘッドレスCMSでは管理レイヤーだけが提供されます。ヘッドレスCMSは外部に表示レイヤーを用意しなければならず、従来型CMSと比べると専門知識が必要です。しかし、ヘッドレスCMSは表示画面の自由度が抜群に高く、APIの受け取り先を増やすことでさまざまなデバイスやチャネルに対応します。従来型CMSは単一チャネルに特化しますが、ヘッドレスCMSは同じコンテンツをパソコン向け、スマートフォン向け、アプリ向けなどで利用できます。

また、ヘッドレスCMSはフロントエンドとバックエンドが分離されているため、サイバー攻撃を受けにくくセキュリティリスクを低減できるメリットがあります。一方、表示画面や管理画面、DBがすべてカバーされる従来型CMSは、攻撃対象として狙われやすい脆弱性を持っています。

ヘッドレスCMSの課題と今後

エンドユーザーにパーソナライズされたウェブ体験を提供すべく、すべてのチャネルに対して同じコンテンツを配信できるヘッドレスCMSは今後も革新し続けると予想されています。しかし、ヘッドレスCMSを活用するには専門知識を持つ技術者が必要なため、コンテンツ管理が技術者に集中してしまう懸念があります。開発を外部に依頼している場合はコストがかさみ、コンテンツ運用のスピード感が落ちてしまうこともネックになるでしょう。

そこで注目されているのが、使い勝手のよい従来型CMSと自由度の高いヘッドレスCMSを組み合わせた「ハイブリッドCMS」です。ハイブリッドCMSは多様なチャネルに対応でき、実務担当者と技術者の業務フローを切り分けた効率的なサイト運用が可能です。従来型CMSとヘッドレスCMSが共存したハイブリッドCMSは、「技術者がいなければウェブサイトの運用が難しい」というヘッドレスCMSの弱点を補う新たなトレンドになりつつあります。

まとめ

◆ヘッドレスCMSとはフロントエンドの機能を持たないCMSであり、コンテンツを管理するバックエンドの機能のみを持っている。

◆ヘッドレスCMSは表示画面の自由度が抜群に高く、APIの受け取り先を増やすことでさまざまなデバイスやチャネルに対応できる。

◆従来型CMSとはフロントエンドとバックエンド両方の機能を持つCMSであり、ウェブサイトの制作・運営に必要な機能が一括で提供される。

◆専門知識が必要なヘッドレスCMSの弱点を補うべく、使い勝手のよい従来型CMSと自由度の高いヘッドレスCMSを組み合わせた「ハイブリッドCMS」がトレンドになりつつある。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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