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cookie規制により行動ターゲティングができなくなることによって広告業界はどうなるのか?

2020.5.27
読了まで約 3

インターネット広告市場が急速に拡大する昨今において、個人情報やプライバシー保護の観点から広告業界には厳しい目が向けられる一面もあります。それは世界的にも広がりをみせており、cookie規制の動きもそのひとつです。今後は、cookieに依存するターゲティング手法からの脱却が必要になってくると予想されています。

この記事では、行動ターゲティングの概要についてご説明するとともに、cookie規制によって行動ターゲティングができなくなることで広告業界はどうなるのか解説していきます。

 

行動ターゲティングとは


行動ターゲティングとは、ユーザーがWebサイトへアクセスした行動履歴や検索履歴、閲覧履歴などからそのユーザーの趣味趣向を分析し、ユーザーが関心を持つと推測される広告を配信することです。行動ターゲティングを活用すると、自社の商品やサービスに興味を持つ可能性が高いユーザーに限定して精度の高いマーケティングを行うことが可能です。

しかしながら、行動ターゲティングには世界的に規制が広がる「cookie」(クッキー)が活用されています。
cookieとはユーザーのデータ履歴を一時的に保存する仕組みのことで、近年は個人情報の管理体制が厳しくなっていることからcookieを規制する動きが広がっています。よって、cookieによって保存されたユーザー履歴を分析する行動ターゲティングにおいて、cookie規制の影響は避けられないと考えられます。

 

cookie規制による行動ターゲティングへの影響

現在、インターネット広告の市場は大きく成長しており、インターネットを利用する人なら毎日のように広告を目にしているでしょう。しかし、市場が拡大する一方で、ユーザーのプライバシーに対する問題にも厳しい目が向けられていることを忘れてはいけません。

cookie規制が行われることで、cookieによる追跡を拒否するユーザーが増えた場合、行動ターゲティングは機能しなくなるでしょう。広告によるマーケティング効果が落ちてしまうと、広告業界の収益も減ることが予想されます。

しかし、社会的な影響が大きい広告業界では、ユーザーのプライバシーを守ることで社会的な信頼にもつながります。
行動ターゲティングで過度な追跡をしてしまうと、ユーザーのデータ漏洩といった被害が発生する可能性があります。また、行動ターゲティングによって表示される広告は、必ずしもユーザーの関心を惹きつけるものであるとは限りません。ユーザーの意にそぐわない広告が出現した場合、ユーザーは広告の存在を鬱陶しく感じてしまいます。
よって、cookie規制による行動ターゲティングへの影響は無視できないものの、ユーザーの安全を守り信頼を得ることで、広告業界は持続的に成長していけるとも考えられるのです。

 

行動ターゲティングができない広告業界の今後


cookie規制によって行動ターゲティングができなくなることで、広告主は良質なコンテンツ作りに注力するようになるでしょう。つまり、今後はユーザーの要望に添ったコンテンツマーケティング、コンテクストターゲティングに変化していく可能性があります。

たしかに、行動ターゲティングができなくなれば広告の表示回数(インプレッション)は大幅に減ってしまうでしょう。しかし、良質なコンテンツでユーザーの興味を惹きつければ、インプレッションの質や単価は上がることが考えられます。インプレッションが減ってしまうことは、必ずしもマイナス要素ではないのです。

また、cookieを活用した行動ターゲティングは、従来と比べ有効性を下げていることも否定できません。現在はさまざまな情報通信機器やOS、ブラウザ、アプリなどがあり、これらをひとりで複数使用する時代です。ひとつのPCだけを使用するような時代では行動ターゲティングが有効でしたが、現在はその時代のようにうまくユーザーの趣向を反映することは難しいのです。

今後の広告業界に求められるのは、cookieに依存せずにユーザーのニーズや意向に沿ったコンテンツを配信していくことです。cookie規制の影響もあり、最近ではcookieを利用せずにユーザーの関心を判断するツールも開発されています。こうしたツールを利用するのも手ですが、原点に立ち返って良質なコンテンツを量産していくことも非常に有効的でしょう。
また、過度に広告が表示されることがなくなれば、ユーザーに押し付けがましい印象を与えることもなくなります。ユーザーが求めるコンテンツをバランスよく配信できれば、広告業界への信用は高まっていくのではないでしょうか。

 

まとめ


◆行動ターゲティングとは、ユーザーがWebサイトにアクセスした行動履歴などから趣味趣向を分析し、ユーザーが関心を持つと推測される広告を配信することである。

◆cookie規制によってユーザーが追跡を拒否した場合、cookie情報をもとにターゲティングしていく行動ターゲティングには多大な影響が及ぶ可能性がある。

◆行動ターゲティングができなくなった場合は、cookieに依存しないマーケティング戦略を見出していく必要がある。手法としては、ユーザーのニーズに沿った良質なコンテンツ作り、cookieを利用しないユーザー特定ツールの活用などが挙げられる。

 

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監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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