こんにちは、JADE伊東です。
7月の「月間検索順位変動まとめ」をお届けします。
直近のコアアップデートについても共有したいと思います。
では、スタート!
グラフの見方:
横軸は日付を示しています。縦軸は変動率(Fluctuation Score:前週に対しての計測クエリ全体の順位変化率)、またはビジビリティスコア(Visibility Score:順位に対してスコア付けをして、サイト単位での検索エンジンにおける”見つけられやすさ”を点数化したもの)を示しています。
前月の記事:2025年6月の検索順位変動まとめ【JADE代表 伊東氏の最新SEOレポート】
目次
全体傾向(兼コアアップデート速報)
グラフの中で、色付きの帯表示の期間がGoogleによるアップデート期間を示しています。6月30日に開始し、7月18日に終了した今回のGoogleコアアップデートは、グラフの一番右端の赤みの帯の期間ですが、ご覧の通り直近1年で最も変動の激しいアップデートとなりました。弊社調べでは、昨年の8月のものとほぼ同等となっています。
ここ最近のものが比較的おとなしめでしたので、グラフのインパクトもなかなか尖ったものになっています。
業界別
「旅行」「医療」「グルメ」など業界別での順位変動モニタリングですが、こちらはどの業界もグラフの変動が同じようなトレンドで記録されており、「サイト単位」での評価のアップデートであるコアアップデートの性格をよく表しています。
Q&Aサイトの動向
特定カテゴリの動向として、「Q&Aサイト」の動向をピックアップしてみました。国内最大手の某QAサイトは継続的に高いビジビリティを維持していましたが、今回のアップデートではスパイク(編注:急激に変動)がかかり非連続な上昇傾向を示しています。
実は、こちらのサイト以外のQ&Aサイトでも情報傾向が見られており、ひとつの見方としては「個人の経験の集合体」としてこのタイプのサイトは評価を受けやすいという想定もできそうです。
今回のコアアップデートに関する詳細レポートをJADEでもリリースしています。このQ&Aサイト系以外の動きも確認したい方は、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
2025年6~7月 Google コアアップデートについて - 株式会社JADE
https://ja.dev/knowledge/search/algorithm_updates/cu/202506-07
▼過去のコアアップデート詳細レポートはこちらからご確認いただけます。
https://ja.dev/knowledge/search
ソーシャルプラットフォーム動向
コンテンツマーケティングにおけるチャネル多様化の観点から、有望なチャネル、プラットフォームのGoogle検索での露出状況をご報告しておりますが、引き続きYouTubeの伸び(赤)が続いています。
最近、インスタグラムがGooglebot(編注:Googleのウェブサイトクローラー)に対して、プロフェッショナルアカウント限定(企業、クリエイター)でインデックス解放を行ったとのニュースがありました。
弊社モニタリングでは、YouTubeに次いで高いビジビリティとなっているインスタグラムですが伸長が期待されるところです。
▼Instagram to let Google and Bing index public posts from professional accounts(Medium)
https://thekeyword.medium.com/instagram-to-let-google-and-bing-index-public-posts-from-professional-accounts-10c3f8c54582
▼Google 、インスタグラム投稿を検索結果にも表示開始 インスタにもSEOは必要か?(DIGIDAY)
https://digiday.jp/glossy/the-disruption-in-discovery-what-google-and-instagrams-new-search-partnership-means-for-brands/
AIOと強調スニペット比較
こちらも継続的にご紹介しているAIOと強調スニペット(編注:検索キーワードの答えとなる情報を、検索結果の最上部に表示する仕組み・枠)の露出比較です。
強調スニペットのリプレイスどころではなく、対象クエリが圧倒的に広がっている状況です。コアアップデート以前から伸びています。
引き続き、デスクトップ版での露出のほうが多いのが興味深いです。
今のUIですと、デスクトップのほうがユーザー体験はベターな感じもするので納得感もあります。ただ、強調スニペット時代はスマホもPCも同程度の露出でしたので、AIOのデスクトップ偏重は戦略的な印象もあります。
トピック:歌詞サイトが移転&Disallowでトラフィック減
さて、検索結果を眺めている中で見かけたトピックをいくつかご紹介します。
一つ目は、「歌詞サイト」。
歌詞関連は検索もよくされるクエリの一つですが、一方で著作権もあり扱いが難しい領域です。
この事例では、あるサイトから運営サイトが移転しドメイン変更が行われたところ、移転先ドメインのrobots.txtに歌詞コンテンツセクションがDisallow(クローラー拒否)をしていたことによるランク下落です。
これは運営ポリシーによるものなのか、事故なのか。しばらくモニタリングを続けてみたいと思います。
トピック:プロ向け(?)被リンクスパムサービス
某トップレベルドメインを活用したリンクスパム事例です。
その特定ドメインから集中的にリンクが張られた某サイトのビジビリティが一時的に急上昇しています。
リンク元をたどると以下のようなページへリダイレクトされます。
人工リンクの販売サービスですね。
推察するに、「ビジビリティが向上」→「お!なんでだろう?調べてみよう」→「あるドメインからリンクが張られているぞ!どんなサイトだ?」→このページに到達。
ということで、ウェブサイト運営者が調べて到達することを想定して、リンク販売ページに誘導するプロモーション的な活動をしていると推察されます。
このような形でサードパーティーツールを使えば、人間による検知が簡単にできてしまうものなので、効果は長続きしないタイプとは思いますが…。
定期ウォッチ:ユニバーサル検索動向
一番左端のグラフ(スマホ版Google検索)における青いグラフは画像検索の差し込みを表していますが、PC版Google検索(真ん中)と異なるトレンドを辿り、随分ビジビリティが減っていますね…。AIO関連の影響なのか、違うのか、一時的なものなのか。
検索がビジュアル要素を重視するトレンドは長期に増加傾向にありますが、一時的な変化と思われるため、引き続きモニタリングしたいと思います。
以上、7月の変動まとめでした!
JADE X:https://x.com/_jade_kk
データ作成:株式会社JADE Senior Consultant 篠原誠
文責:株式会社JADE 代表取締役 伊東周晃
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