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新型コロナはマーケティングにどのような影響を与えるのか?

2020.6.4
読了まで約 3

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中の雇用や経済に多大な影響が出ています。
今後の「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」の世界に順応していくために、厚生労働省では新型コロナウイルスを想定したガイドライン「新しい生活様式」を作成・公表しました。
マーケティング業界も同様に、「ニュー・ノーマル(新しい形態)」の推進が余儀なくされています。

この記事では、コロナ後の消費者動向の変化を交えながら、新型コロナウイルスがマーケティングに与える影響やその対策について解説していきます。

新型コロナによる消費者動向の変化

新型コロナウイルスによるマーケティングへの影響を考える前に、まずは消費者の動向がどのように変化しているのか見ていく必要があります。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、飲食店やライブハウスの休業、テレワークや在宅勤務への切り替え、学校の休校などが行われました。
さらに全国を対象とした緊急事態宣言が発令、政府より不要不急の外出を自粛するよう要請されました。

外出を控え自宅で過ごす時間が増えたことで、テレビやインターネット、新聞などのメディアを消費者が目にする機会は増加しています。
しかし経済的なダメージが影響し、ブランディング事業においてはメディアへの広告出稿は減少しているというのが現状です。
その一方で、セールスプロモーション事業など一部のメディアにおいては活況の傾向があり、広告出稿の増減は事業によって異なります。

また、ニュース業界と金融業界を除くほとんどの業界において、検索による自然流入数が減少しているというデータもあります。
特に新型コロナウイルスの影響を大きく受けた旅行業界では、大幅な減少が見られました。
ただし、人事ポータルなど一部のポータルメディアでは増加傾向がみられ、むしろこのタイミングで検索流入を伸ばすサイトもあります。

一方、人との対面を避けることを目的にオンラインの需要が増えており、オンライン会議やオンライン面接、オンライン授業などの導入が急速に進んでいます。
また、ウェビナー(Webセミナー)やバーチャルイベントの需要も高まると予想されます。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

新型コロナがマーケティングに与える影響

新型コロナウイルスによって、今後しばらくはイベント行事の自粛が続くと予想されます。
これに伴い、広告効果の見込みが薄い業界に対しては、マーケティング投資の予算は削減されるでしょう。
たとえば、人との接触が避けられないライブイベントやカンファレンスなどが該当します。
その一方で、あらゆる分野・ジャンルにおいてオンライン化が進んでいるという現状もあります。
よって、オンラインメディアやウェビナー、バーチャルイベントといったオンライン事業へのマーケティング投資は増えていくと考えられます。

このように、新型コロナウイルスの影響によって今後マーケティング効果が高く出ると予想される分野と、あまり期待できない分野を明確にし、マーケティング実行の優先順位をつける必要性が出てくるでしょう。
マーケティング投資のリソースには限りがあるため、より効果が期待できる分野に多く投資すべきだからです。

また、今後のマーケティング業界は、インターネットやIT技術を駆使した「デジタルマーケティング」が強化されると考えられます。
ただし、新型コロナウイルスの影響を受けてデジタルマーケティングに移行した企業では、社員の知識や経験、さらには人材そのものの不足が懸念されます。

売上や顧客の減少によってマーケティング予算が削減されるなかで、新しいマーケティング手法を取り入れ効果をあげるには時間がかかりそうです。

 

「コロナ後の世界」でマーケターがとるべき対策

今後の「コロナ後の世界」におけるマーケティングでは、顧客やユーザーへの安全を配慮し、安心感を与えることが重視されるでしょう。
新型コロナウイルスによって、世界中で「安全」や「安心」への関心が急激に高まっているからです。
これまでの衛生環境を見直すだけではなく、今後は安全衛生に関するコストの予算を算出し、管理していく必要があります。
マーケティング活動を止めるのではなく、安全衛生を徹底したうえで活動を行なっていくことが大切です。

また、費用対効果を意識した施策、特に低コストでいかに費用対効果を上げるかという点を検討し、実施していく必要があります。
検討から実施までつなげる地力、よりユーザーとのコミュニケーションを意識した「ユーザーファースト」の施策も併せて求められるでしょう。

さらに、、新型コロナウイルスの感染拡大中には、メディアによってさまざまな情報が流れました。
なかには信憑性の薄い情報や悪質な情報も含まれたため、情報に対する消費者の信頼度は低くなっています。
マーケターがとるべき対策としては、情報に信頼性のあるメディアでマーケティング活動を行なっていくことです。
正しい情報を求める消費者の目が厳しくなるなかで、どのメディアにどのような広告を出稿していくかは今後のマーケティング活動において非常に重要になってくるでしょう。

 

まとめ


◆新型コロナウイルス感染拡大の影響により、マーケティング業界では「ニュー・ノーマル(新しい形態)」の推進が余儀なくされている。

◆今後はオンライン事業の需要がますます増えることが予想される。マーケティング活動を行う分野を選別し優先順位を付け、行動計画や予算配分の見直しを行なっていく必要がある。

◆新型コロナウイルスに対応する新しいマーケティング手法を取り入れる場合、ノウハウや経験、人材の不足といった課題は避けられない。

◆世界中で「安心」や「安全」への関心が高まるなか、マーケティングにおいては情報に信憑性のあるメディアでマーケティング活動を行うことが重要である。

 

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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