Webサービスの利用において、セキュリティリスクは最重要な課題であり、可能な限りセキュリティを高めることが求められます。数あるセキュリティ対策の中でも、「二段階認証」は自分のアカウントを守るために非常に有効な手段です。本記事では、二段階認証の基本的な仕組みや要素、導入方法、2FAや多要素認証との違い、主要サービスのサポート状況などをわかりやすく解説します。
目次
二段階認証とは? その基本と重要性
最初に、二段階認証の基本として、仕組みと重要性について解説します。二段階認証をまだ設定したことがない人は、ここで必要性を理解しましょう。
二段階認証の仕組み
二段階認証とは、ユーザー認証において通常の「パスワード」に加えてもう1つの別の種類の認証要素を使って本人確認を行うセキュリティ手段です。これにより、仮にパスワードが漏洩しても、第二の認証要素によって不正ログインを防ぐことが可能です。
なぜ今、二段階認証が必要なのか?
昨今、フィッシング詐欺やリスト型攻撃といったサイバー犯罪が日常的に発生しています。こうした状況では、パスワード認証だけでは不十分であり、追加の認証が不可欠です。そのため、多くの企業やサービスでは二段階認証が推奨・実装されています。認証を強固にすることで、不正アクセスによるアカウントの乗っ取りを防ぎ、それがランサムウェアの拡散やスパムの送信元としてアカウントが利用されるといった被害の防にもつながります。
▼ランサムウェアやスパムについては、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもあわせてご覧ください。
ランサムウェアとは?仕組み、感染経路、被害事例、具体的な対策を解説
スパムとは?意味や種類、迷惑メールの見分け方や対処法
二段階認証と「2FA」との違い
二段階認証と似たような認証機能で、2FA(二要素認証)、多要素認証などがあります。これらと二段階認証との違いについて解説します。
知識・所持・生体の三要素
二段階認証や二要素認証など、認証を行う際に、主に以下の3つの要素を用います。
(1)知識要素:ユーザーしか知らない情報(例:パスワード)
(2)所持要素:ユーザーが持っているデバイス(例:スマートフォンやトークン)
(3)生体要素:ユーザーの身体的特徴(例:指紋や顔認証)
これらを組み合わせることで、単一の要素に依存しない強固なセキュリティを実現します。
「2FA(二要素認証)」との違い
二段階認証と2FAは、混同されやすい概念ですが、厳密には違いがあります。
二段階認証はその名の通り「認証のステップが2段階」であることを指します。例えば、パスワードを入力後、さらに秘密の質問に答える、といったように、同じ種類の要素(知識要素)を2回使用する場合も二段階認証と呼ばれます。
一方、2FA(二要素認証)は、認証を行う際、常に異なる2つの要素(例:知識要素+所持要素、知識要素+生体要素など)を組み合わせることを前提としています。つまり、2FAは多要素認証の一種であり、より強固なセキュリティを実現します。
▼多要素認証については、以下のサイトにも詳しい解説があります。こちらもあわせてご覧ください。
パスワードマネージャーとは?Googleほか必要性や安全性
代表的な二段階認証の使用方法
二段階認証の方法として、代表的な2つについて使用方法を解説します。よく使われる方法なので、覚えておきましょう。
SMS・メールによる認証方式の特徴
代表的な二段階認証の使用方法の1つ目は、SMSやメールを使用した認証方式です。ユーザーが使用しているモバイル端末の電話番号やメールアドレスを入力し、それに対して認証コードを送信します。送られた認証コードを入力することで本人確認を行います。ただし、SMSはSIMスワップなどのリスクがあるため、他の方法と比較してセキュリティがやや低いと指摘されることがあります。メールによる確認も同様で、メールアカウント自体が攻撃対象になる可能性があります。
Google AuthenticatorやAuthyなどの活用
代表的な二段階認証の使用方法2つ目は、Google AuthenticatorやAuthyといったアプリを利用した方法です。これらはオフラインでも動作し、ワンタイムパスワード(OTP)を毎回異なるコードとして生成してくれるため、使いまわしや盗聴に対する強力な対策となります。Authyは複数デバイスでの同期やバックアップもサポートしており、スマホの紛失などにも対応しやすいのが特徴です。
二段階認証をサポートする主要サービス
ここでは、二段階認証をサポートする代表的なWebサービスを紹介します。すでに利用している場合は、二段階認証の設定を行っているか確認し、まだ行っていない場合は必ず設定しましょう。
Google・Apple・LINEなどの導入例
GoogleやApple、LINEなどの大手IT企業が提供するサービスは、二段階認証を積極的に導入しています。例えばGoogleアカウントではSMSや認証アプリ、セキュリティキーまで選択肢があり、AppleもApple IDにおいて信頼できるデバイスへの通知や認証コードの送信といった2FAを導入しています。LINEではログイン時にPINコードや通知確認を組み合わせて、乗っ取りリスクを低減させています。各サービスは異なる仕様を持つため、設定方法は事前に確認しましょう。
▼Gmailのアカウント作成および二段階認証の設定方法については、以下のサイトでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
作成からログインまでGmailアカウントの基本的な使い方を解説
WordPressで二段階認証を設定する方法
WordPressを利用してサイトを運営している場合は、プラグインを導入することで二段階認証を設定することが可能です。代表的なプラグインとして「Site Guard」「Two Factor Authentication」「WP 2FA」などがあります。
▼WordPressのプラグインについては、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
WordPress(ワードプレス)で作ったサイトに最初に入れておきたいおすすめプラグインのご紹介
二段階認証のメリット・デメリット
二段階認証を設定することによる、具体的なメリット・デメリットについて解説します。
二段階認証の主なメリット
二段階認証の主なメリットとして、以下が挙げられます。
・不正ログイン、なりすましの防止
・不正アクセス時に迅速な対処が可能
・低コストでセキュリティを強化できる
簡単かつ低コストでセキュリティを高められる優れた方法ですので、必ず設定しておきましょう。
二段階認証のデメリット・注意点
二段階認証の主なデメリットとして、以下が挙げられます。
・認証デバイスの紛失・故障のリスク
・ログインに手間がかかる
認証デバイスを失ってしまった場合に備えて、事前に対応策を確認しておくことをおすすめします。
二段階認証を設定してセキュリティを強化しよう
二段階認証を設定することにより、セキュリティを強化することで、ユーザーはより安心してWebサービスを利用できます。
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