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バランスが大事!「プッシュ戦略」と「プル戦略」の違いと具体例をご紹介

2020.8.11
読了まで約 3

プッシュ戦略とプル戦略は、プロモーション戦略における対照的な2つの方法論です。

プッシュ戦略は、メーカーから流通業者、小売業者、そして消費者に対して、押し出すように働きかけを行います。

それに対してプル戦略は広告などを使用して、消費者の「買いたい」という気持ちを引き出します。

ただし両者は相反するものではなく、バランスよく使い分けることが重要です。この記事では、プッシュ戦略とプル戦略の違いと具体例をご紹介します。

プッシュ戦略・プル戦略の違いとは?

プッシュ戦略とプル戦略は、プロモーション戦略における対照的な2つの方法です。

プッシュ戦略は、メーカーが流通業者に、流通業者は小売業者に、そして小売業者は消費者に、積極的に働きかけを行うことにより商品を売り込んでいくプロモーション戦略の一つです。

押し出すイメージがあることから「プッシュ(押す)戦略」と呼ばれます。

それに対してプル戦略は、広告などを打つことにより消費者の需要を喚起し、指名買いを誘うものです。

引き出すイメージがあることから「プル(引く)戦略」と呼ばれます。

このように、消費者に対して押し出すのか、それとも引き出すのかの方向性の違いが、プッシュ戦略とプル戦略の違いです。

ただし、両者は相反するものではなく、バランスよく使い分けていくことが重要です。

以下で、プッシュ戦略・プル戦略のそれぞれを詳しく見ていきましょう。

プッシュ戦略の具体例

プッシュ戦略の具体例を見てみましょう。

●メーカー⇒流通業者、流通業者⇒小売業者の具体例

プッシュ戦略は一般に、メーカーが流通業者、流通業者が小売業者に働きかけ、最終的に小売業者が消費者に製品をプッシュする形で行われます。

その場合の具体例は以下のようなものがあります。

・販促費を利用した資金援助

・製品の説明や販売方法の指導

・販売員の店舗への派遣

・販売リベートの提供・増額

プッシュ戦略ではこれらを行うことで、流通業者・小売業者の販売力を強化し、販売意欲を高めます。

●メーカー⇒消費者の具体例

プッシュ戦略は、メーカーが消費者に対して直接行うこともあります。 その場合の具体例は以下のようなものです。

・テレマーケティング

・DM

・Eメール

・通販番組

これらの方法は、受診者の事前承諾なしに広告を送信する「オプトアウト方式」で行われることが基本です。

ただし、電子メールについては2008年の特定電子メール法により、オプトアウト方式の電子メール広告が禁止されました。

それにともない、消費者の個人情報に対する意識も高くなっています。

電子メール以外を利用する場合でも、オプトアウト方式でのプッシュ戦略はブランドイメージを損なわないよう、慎重に行うことが必要です。

プッシュ戦略を行う際の評価基準

プッシュ戦略を行うべきか決定する際の評価基準は以下のようなものとなります。

・ブランドの認知度が低い

・新製品などで製品の認知度が低い

・自社ブランドの競合との差別化がまだ明確になっていない

このようなケースでは、大規模な広告を打っても反応が期待できません。

消費者に対して直接働きかけを行い、ブランドや製品について詳しく説明する必要があります。

プル戦略の具体例

消費者が「買いたい」と思う仕掛けをつくるプル戦略は、具体例として以下のようなものがあります。

・テレビCM

・Webや新聞・雑誌・タウン誌などの広告

・SNSでの情報発信

・コンテンツマーケティング

・口コミ

プル戦略ではこのような方法により、企業のブランドイメージを向上させ、また製品の認知度を高めます。

消費者に「買いたい」という気持ちを起こさせて、小売店で指名買いをしてもらうことが狙いです。

プル戦略を行う評価基準

プル戦略を行うべきか決める際の評価基準は以下のようなものとなります。

・ブランドがすでにある程度認知されている

・ブランドの競合に対する差別化がある程度明確になっている

・発売後しばらく経っているなどし、製品の認知度がある程度進んでいる

このようなケースでは、ブランドや製品についての詳細説明をしなくてよいため、プル戦略が有効です。

プッシュ戦略・プル戦略の使い分け

プッシュ戦略とプル戦略は、相反するものではありません。

バランスよく使い分けていくことが重要です。

●使い分けの具体例1:化粧品メーカー

化粧品メーカーは、新製品の発売時には大々的にテレビCMを打つなどし、プル戦略を積極的に活用します。

それと同時に小売店では販売部員が、消費者に対して個別に直接、化粧品の使用法を詳細に説明するプッシュ戦略を実施します。

●使い分けの具体例2:自動車メーカー

自動車メーカーも、化粧品メーカーと同様に新車のテレビCMを大々的に打つプル戦略を行います。

それと同時に販売店では、詳細な説明や試乗などを通して製品の理解を深めるプッシュ戦略を行います。

●使い分けの具体例3:製品の導入サイクルの違い

製品が発売されたばかりの時期は、製品に対する認知度・理解度が高まっていないため、プッシュ戦略を積極的に行うことが必要です。

発売から時間が経ち、ブランドや製品についての消費者の認知度が高まれば、プル戦略へ移行することが可能となります。

まとめ

◆ プッシュ戦略はメーカーから流通業者、小売業者そして消費者へと押し出すように働きかけを行う

◆ プル戦略は広告などを使用して、消費者の「買いたい」という気持ちを引き出す

◆ プッシュ戦略・プル戦略は相反するものではなく、バランスよく使い分けることが重要

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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