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Googleが新たに導入するデジタル広告の表示「About this ad」とは?

2020.9.18
読了まで約 3

個人情報の扱いが厳重になった現在、プライバシーの保護は世界的に関心のあるテーマです。

Googleでは、新たなデジタル広告表示の機能として「About this ad」の導入を発表しました。ユーザーエクスペリエンスの改善を目指すことが目的で、まずはGoogle広告で運用を開始し、その後は他の広告表示にも広がっていく予定です。

この記事では、プライバシー保護におけるGoogleの考え方や今後のアプローチ方法に言及しながら、Googleが新たに導入するデジタル広告表示「About this ad」についてご紹介していきます。

プライバシー保護におけるGoogleの考え方

オンラインにおけるユーザーデータの扱いに関心が高まる中で、Googleが目指すのは世界中の人々が自身のプライバシー保護に確信を持ち、安心してデジタル広告にアクセスできるようなインターネット世界の実現です。そのためには、デジタル広告の透明性を向上させ、ユーザーデータの利用方法を簡単にコントロールできるように設定する必要があります。そして、デジタル広告にアクセスするユーザー自身の意思が尊重されるように、ユーザーデータの利用に関する選択肢の提供が重要であると考えています。

デジタル広告におけるプライバシーの向上は、ウェブに焦点を当てた施策が一般的です。しかし、人々がデジタル広告に接触する環境はさまざまであり、ウェブに限ったものではありません。

Googleは、「無料コンテンツへのアクセスを維持しながらプライバシーを向上させる」というビジョンを持っています。これは、ウェブやモバイルアプリ、インターネットテレビ、デジタルオーディオなど、ユーザーの環境にとらわれないどの領域でも一貫したビジョンであり、あらゆる環境におけるプライバシーの向上を目指しています。

新しいデジタル広告表示「About this ad」とは

Googleは、新しいデジタル広告表示機能として「About this ad」の導入を発表しました。

「About this ad」は、Googleが確認した広告主の正式名をユーザーに開示する新機能です。この機能により、ユーザーは簡単に広告主の情報を把握できるため、ユーザーデータの利用方法についてユーザー自身がさらにコントロールできるようになります。また、新たな広告表示でデジタル広告の透明性をより向上させることで、ユーザーエクスペリエンスの改善を目指しています。

Googleが長年にわたって提供する「Why this ad」(広告の表示について)は、デジタル広告が選ばれた要因の一部について情報を開示したり、広告の表示を停止したりできる機能です。ユーザーは広告の詳細を確認し、必要があれば表示を停止することができます。

Googleによると、「Why this ad」は毎日1,500万人以上が利用しているということです。さらに最近では、インターネットテレビの広告にも同機能が拡張しています。

新たなデジタル広告の表示機能「About this ad」は、従来の「Why this ad」の透明性をさらに高めるものになるでしょう。まずは、Google広告とディスプレイ&ビデオ360(※)で購入したディスプレイ広告での運用から始まり、2021年には他の広告表示にも拡大していく予定とのことです。

(※)Googleが提供するディスプレイ広告配信のプラットフォーム

今後もプライバシー向上のアプローチ方法を探っていく

新機能「About this ad」のようにデジタル広告の透明性を高め、ユーザー自身が意思決定をコントロールする取り組みは、Googleで表示される広告だけにとどまりません。

Googleは、ウェブ上にあるすべての広告の詳細情報を提供するために、「Ads Transparency Spotlight」というツールのリリースを予定しています。デジタル広告のエコシステムにはさまざまなプレイヤーが関与しているため、どの企業が広告に関わっているのかユーザーには不透明になることもあるからです。

今後はユーザーからのフィードバックに基づいて機能を改善し、広告の情報開示を強化していきます。また、ユーザーへの透明性やコントロールを向上する同様の機能について、Google以外のテクノロジープロパイダーにも広がっていくことが期待されています。

さらに、ユーザーの個人データを転送し追跡できるような不透明な技術の使用、許可なくユーザーを追跡し情報を得るような行為に対し、Googleはプライバシー向上の観点から今後も強い姿勢で臨むことを言及しています。

まとめ

◆Googleは、世界中の人々が自身のプライバシー保護に確信を持ち、安心してデジタル広告にアクセスできるようなインターネット世界の実現を目指している。

◆新たなデジタル広告表示「About this ad」とは、Googleが確認した広告主の正式名をユーザーに開示する機能である。これは、従来の「Why this ad」の透明性をさらに高めるものになるだろう。

◆Googleで表示される広告にとどまらず、ウェブ上にあるすべての広告の詳細情報を提供する新機能「Ads Transparency Spotlight」というツールのリリースも予定している。ユーザーへの透明性やコントロールを向上させる同様の機能は、今後さらに拡張していくことが期待される。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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