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SEOにも効く!Web制作で意識したいWebアクセシビリティとは

2021.2.1
読了まで約 3

近年のビジネスにおいて、Webを活用しないということはまず考えられないでしょう。

たとえネットショップのようなWebサイトを運営していなくても、企業情報やビジネスの情報を発信するために、自社のホームページなどの公式サイトはなくてはならないものです。

このWebサイトが訪問したユーザーにとって大変利用しにくいものであったとしたらどうでしょう。すぐに離脱されてしまうのはもちろん、ビジネスに対する姿勢さえ疑われてしまうかもしれません。また、より多くの人に見てもらうためには、必要な情報を誰にでも見やすいように工夫しなければなりません。

今回は、Webサイト制作時に意識したいWebアクセシビリティについて解説していきます。

Webアクセシビリティとは?

Webアクセシビリティ(Web accessibility)とは、Webの各種技術の標準化を推進するために設立された標準化団体、World Wide Web Consortium(W3C)が提唱した「Webへのアクセスのしやすさ」に関わる考え方です。もともとWebアクセシビリティとは、「障害を持つ人々がWebを使用できること」という意味でしたが、現在では「高齢者や障害者だけでなく、Webを利用するすべての人がWeb上の情報やサービス、機能を利用できること」と解釈されています。

このアクセシビリティとは、Webページのデザインや見やすさだけでなく、多様化するインターネットへアクセスするデバイス(パソコン、スマートホン、タブレット、ゲーム機など)からも同じようにアクセスしやすい、という意味も含まれます。

日本ではJIS(日本産業規格)によってWebアクセシビリティのガイドラインが制定されており、2004年に初めて「高齢者・障害者等配慮設計指針」として「JIS X 8341-3:2004」(ウェブアクセシビリティ規格)が制定されました。

また2016年には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)の施行を受け、「JIS X 8341-3:2016」に改正されています。これは世界標準であるW3Cの「WCAG 2.0」や、国際規格である「ISO/IEC 40500:2012」と同じ内容で、この規格に準拠すれば国や地域、言語が異なる場合でもWebアクセシビリティが確保できるようになっています。

関連記事:SEOとは?SEO対策の基礎知識と具体的な方法を詳しく解説

Webアクセシビリティを向上させる方法

では具体的にWebアクセシビリティを向上させ、誰にでも見やすいWebサイトを構築するためにはどのようなことに留意してWebを制作すればよいのでしょうか?「JIS X 8341-3:2016」にはさまざまなことが定義されていますが、その多くは高齢者や障害を持つ人だけでなく、一般の人にとってもWebを見やすくする工夫となっています。以下は、Webアクセシビリティを向上させるための施策例です。

●色
・色覚障害者を想定し、コントラストを高くする。色に依存したデザインを避ける

・テキスト及び画像化された文字の視覚的な表現には、少なくとも4.5:1のコントラスト比が必要。また、サイズの大きなテキスト及びサイズの大きな画像化された文字には、3:1のコントラスト比が必要※背景とテキストの色コードを用いて、コントラストチェッカーでチェックする

●文字
・機種依存文字や半角カタカナを使用しない。外字(漢字)は他の文字に変更する

・16px以下の場合は太字にし、背景とのコントラストを明確にする

・可視性向上のために文字サイズの拡大(縮小)機能を付ける ・ボタンを設定する場合はスマホでの利用を考慮し、59px×59px程度の領域を確保する

●画像
・音声読み上げブラウザに対応するため、代替テキスト(alt属性)を付加する

・文字による説明を併記する

●サイト構造、表示形式
・階層や各ページを示すパンくずリストを表示する
※パンくずリストは、ユーザーがWebサイトのどの位置にいるのかを示すナビゲーション表示

・各ページには内容に応じた適切なタイトルを付ける

・他のページへの移動手段としてサイトマップと検索窓を各ページに表示

・ページレイアウトやリンク・ボタン等は理解しやすく、操作しやすいようにデザインを統一する

上記はWebアクセシビリティを向上させるためのほんの一例ですが、このような施策を講じることにより、Webサイトは誰にとっても利用しやすい環境を整えることができます。

Webアクセシビリティを向上させるメリット

上記のような施策を行ってWebアクセシビリティを向上させることにより、以下のようなメリットがあります。

●より多くのユーザーが貴社のWebサイトを利用できるようになる
中高年や障害のある人でもWebサイトを利用できることにより、アクセス数がアップする。

●多様化する利用環境に対応できる
パソコンだけでなくスマホ、タブレットなどからも利用しやすくなり、視認性も向上する。

●SEOに効果がある
コンテンツの充実やサイト構造の最適化により、検索エンジンがインデックスしやすくなる。

●企業としての信頼性が向上する
心身の機能に制約のある人を含め、Webを利用するすべての人に配慮することで優良企業として評価される。

まとめ

◆Webアクセシビリティとは、高齢者や障害者だけでなく、Webを利用するすべての人がWeb上の情報やサービス、機能を利用できること

◆WebアクセシビリティはJISによってガイドラインが制定されており、準拠すれば国や地域、言語が異なる場合でもアクセシビリティが確保できるようになっている

◆コンテンツの充実やサイト構造の最適化により、検索エンジン(クローラー)がインデックスしやすくなり、SEO効果が期待できる

◆Webアクセシビリティを向上させることで、より多くの人にWebサイトを見てもらいやすくなり、情報発信を効率的に行える。またその配慮は、優良企業として評価されることにもつながる

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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