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SaaS企業の事例に学ぶ、BtoBサイトの料金ページ作成ポイント

2021.1.27
読了まで約 6

BtoBサイトの料金情報は、ユーザーが製品・サービスを認知してサイトに訪れるきっかけでもあり、サイト内の他のコンテンツと比べ、コンバージョンのより近くに位置するコンテンツです。

今回は、SaaS企業のBtoBサイトを紹介しながら、料金ページを検討するのに重要なポイントを解説していきます。

BtoBサイトにおける料金情報の重要性

BtoBサイトでは、お問い合わせや資料ダウンロードを増やすために、製品・サービスの詳細な料金を意図的に載せないことがあります。これは、製品・サービスを検討するためにどのくらい費用がかかるのかというユーザーの知りたいニーズをコンバージョンの動機につなげるために行われています。

株式会社メディックスが自社のIT製品やサービス導入に関与したことのある担当者を対象に行った調査では、企業のホームページで興味のあるコンテンツは「価格」がトップで61.5%という結果になりました。言うまでもなく、製品・サービスの料金はユーザーが製品・サービスを検討するうえで重要な要素であり、BtoBサイトで最も知りたい情報の1つです。

これを踏まえ、BtoBサイトで製品・サービスで料金情報を載せるのか、載せないのか、また、載せるとしたら、料金をどのように表現するのかは、重要な検討事項です。また、同じサイト内でも、料金情報の載せ方や、その後の導線として設置するCTAによってコンバージョンへの影響は大きく変わってきます。そのため、料金情報の改善はコンバージョン率改善の施策にもつながります。

関連記事:福田康隆氏に聞くB2B SaaSの最新トレンドと日本企業を成功に導く道筋

サイト内の料金情報の役割

サイト内の料金情報はユーザーの導入までの意思決定プロセスにおいて、認知と比較検討のフェーズで重要な役割を果たしています。

まず、認知のフェーズでは、製品・サービスを何らかのきっかけで知ったユーザーが、製品・サービスがどのくらいの費用なのか知るために、サイトへ訪問します。これが料金情報への最初のアクセスになります。この時にコンバージョンに誘導し、営業から料金案内をきっかけにアプローチするケースが出てきます。このフェーズでは、料金情報はサイトへの集客とコンバージョンの2つの役割をそれぞれ果たしていると言えます。

次に、同類の製品・サービスとの比較検討のフェーズに移行した際には、どういうプランがあって、どういう機能が使えて、どのくらいの費用なのか、料金に関わる情報を見るようになります。このフェーズでは、比較検討後のコンバージョンに誘導し、営業から企業に合うプランや提案をするためにアプローチするケースが考えられます。このフェーズではコンバージョンを促す役割を果たしています。

料金の記載にある5つのパターン

BtoBサイトでは、コンバージョンが売上に直結するBtoCサイトと異なり、必ずしも料金を載せる必要はありません。SaaS企業のBtoBサイトを見たところ、料金に関する記載について5つのパターンがありました。

①料金に関するページも情報も載せない
まず1つ目に、料金に関する情報を載せないパターンです。

株式会社エス・エム・エスが手掛ける介護事業者向けSaaS「カイポケ」のサイトは、トップページへアクセスし料金に関するページは見当たりません。「よくある質問」で料金に関する情報はあるものの、詳細な料金の記載もありません。機能ページや「利用者様の声」の事例ページの基本的なコンテンツはもちろん、「介護の基礎知識」の記事コンテンツやセミナーなどコンテンツが非常に充実したサイト構成になっているのが特徴的です。

https://ads.kaipoke.biz/

②トップページに料金に関する情報を載せ、詳細な料金は載せない
2つ目は、トップページに料金に関する情報を載せるものの、詳細な料金は載せないで、知りたい場合にはお問い合わせや資料請求へ誘導するパターンです。

ウォンテッドリー株式会社が運用するビジネスSNS「Wantedly」のサイトには、トップページの中段に「成果報酬なし。採用コストを抑えられます。」と料金メリットが掲載されており、その右隣の「料金表を見る」と書かれたCTAをクリックすると、料金表のダウンロードページへ遷移するようになっています。

あわせて、追従型のサイドバーにも「各種プランの料金についてはこちら」と記載し、同じページへの導線を確保しています。サイト内で料金を知りたいユーザーに対して、資料ダウンロードを促すように導線が設計されています。

https://info.wantedly.com/aboutlist_price_serviceguide_download.html

③トップページに詳細な料金を載せる
3つ目はトップページに詳細な料金を載せるパターンです。料金の表記として、最低料金を打ち出す方法と、プラン別の料金を表記する方法と2パターンありました。

株式会社インフォマートが展開するBtoBプラットフォームの1つ「BtoBプラットフォーム請求書」ではトップページに利用料金を掲載しています。「初期費:100,000円~」「月額利用料:5,000円~」と最低料金を打ち出し、打ち出し料金の下の補足情報に「ご利用状況に応じたコストシミュレーションが可能です。一度お問い合わせください。」と記載し、お問い合わせへと誘導する設定となっています。

https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp

④料金ページを作成するが、詳細な料金は載せない
4つ目は料金専用のページを作成し、詳細な料金を知りたい場合にはお問い合わせや資料請求へ誘導し、詳細な料金は載せないパターンです。料金ページには詳細な料金が掲載されていない代わりに、料金体系や料金に含まれている機能など、料金に関する情報が掲載されています。

法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」のサイトにある料金ページは、「価格体系」という形で料金に関する情報が掲載されています。

価格体系には「Lite」「Standard」「DX」の3つのエディションが横並びになっており、上から順に各エディションの特長と、初期費用・運用支援費用・ライセンス費用(月額)の料金が表形式で掲載されています。費用に関する部分は「お客様から提出される「見積依頼書」に準じて最適なプランをご提供いたします。」と記載され、お問い合わせへ誘導する設定となっています。

また、料金ページは「価格体系」に加えて、「よくある質問」「導入までの流れ」の3つのコンテンツで構成され、問合せへの意思決定を行ったユーザーに対し、問い合わせ前に必要な情報を料金と一緒に掲載しています。

https://jp.sansan.com/plan/

⑤料金ページに詳細な料金を載せる
最後は料金ページに詳細な料金を掲載するパターンです。

法人名と同じクラウドPOSシステム「スマレジ」サイトの料金ページには、プラン別の月額料金と機能が表形式で記載されています。料金表の下には、サービス導入前後のコストシミュレーションと「お客様の声」の事例が続き、料金だけではなく、導入効果を認識できるようなページ構成となっています。

コンバージョンポイントは、お問い合わせ以外にも、30日間の無料トライアル、ショールームで体験、オンライン相談などバリエーション豊富な選択肢を設定しているのが特徴的です。

https://smaregi.jp/price/

料金表示を検討するポイント

Saas企業5社のサイトをふまえ、BtoBサイトの料金情報について検討すべきポイントを順番に紹介します。

①料金情報の掲載を検討する
まずは、詳細な料金を含めて料金に関する情報を載せるのか、載せないことを検討します。

料金に関する情報を載せないことを決定した場合には、製品・サービスの料金を知りたいユーザーのニーズに応えるために、料金以外のコンテンツやCTAを充実させて、コンバージョンにつなげていく施策が考えられます。

②詳細料金の表示を検討する
料金に関する情報を載せることを決定した場合、詳細な料金を載せるのか、載せないのかということと、料金ページを作るのか、作らないのかということの2点を検討していきます。

まず、詳細な料金の表示について、製品・サービスのなかでも、エンタープライズ向けのプランや、企業ごとに開発が必要なサービスの場合、そもそも載せること自体が困難です。また、冒頭で前述したように、製品・サービスの料金を知りたいユーザーのニーズをコンバージョンの動機につなげるために、意図的に表示しないことも可能です。製品・サービスの特長やコンバージョンへの導線設計を考慮し、自社に合う適切な形を検討していく必要があります。

そのうえで、詳細な料金を載せられない、もしくは、載せないことを決定した場合には、料金に関するどんな情報を載せるのか検討します。具体的には以下の通りです。

・料金体系(プランとプラン詳細、初期費用・導入費用・月額費用、オプションなど)
・一例と称した概算料金の表示

また、詳細な料金を載せることを決定した場合には、シンプルで比較検討しやすいように料金構成を検討する必要があります。こちらも具体的には以下の通りです。

・ 各プランの料金と機能を表形式でまとめる
・ おすすめのプラン(一番売りたいプラン)を目立たせる
・ オプションの料金を載せる

③料金ページの作成を検討する
続いて、料金ページの作成を検討していきます。料金ページを作ることを決定した場合、②で決定した料金情報のほかに、同じページにどのようなコンテンツを掲載するのか、検討する必要があります。具体的には以下のコンテンツがあります。

・ よくある質問と回答
・ 導入までの流れ
・ 導入前後のコストシミュレーション
・ 企業事例
・ 導入実績や企業ロゴ

よくある質問と回答や、導入までの流れはユーザーが導入フェーズにいる場合に有効なコンテンツです。また、導入前後のコストシミュレーションや、企業事例は導入効果を認識することができ、料金に対しての費用対効果を実感できるコンテンツです。比較検討のフェーズで有効なコンテンツと言えるでしょう。導入実績や企業ロゴは信頼感を醸成することができ、どのフェーズでも有効なコンテンツと言えます。

料金ページは作らずトップページに掲載する場合、料金情報をどこに載せるのか検討する必要があります。トップページには、製品・サービスの特長や導入メリット、企業事例などさまざまなコンテンツで構成されているため、ユーザーがサイトにアクセスしてから、無事に料金へたどり着けるような構成を検討する必要があります。

④料金情報からコンバージョンへの導線を検討する
②③の意識決定を経て、最後に料金情報からコンバージョンまでの導線を検討します。CTAのバリエーションとしては5つあり、そのなかから製品・サービスの特長と、ユーザーのニーズ、自社の営業リソースや戦略をふまえ、自社にとって適切なCTAを検討していきます。

・ お問い合わせ
・ オンライン相談・ショールーム予約
・ トライアル・無料プラン
・ 料金シミュレーション・見積り依頼
・ サービス資料・料金表ダウンロード

ユーザーのニーズが製品・サービスの料金のみを知りたいのであれば、サービス資料・料金表のダウンロード、あるいは、同類の製品・サービスで複数社の相見積を取りたいのであれば、料金シミュレーション・見積りが適切です。また、実際に製品・サービスを使ってみたいのであればトライアル・無料プラン、より自社にあったプランを提案してほしいのであればオンライン相談がそれぞれ適切でしょう。

同時に、企業側の観点も検討していきます。例えば、ユーザーが料金のみを知りたい場合、詳細な料金がサイト上にあればそれを見ることでニーズが満たされるため、ユーザーはサイトから離脱してしまいコンバージョンに至りません。

もしここでコンバージョンの数を増やしたいのであれば、詳細な料金を載せずに料金に関する情報のみに変更し、サービス資料・料金表のダウンロードへ誘導する設計に変更を検討します。しかし、料金のみを知りたいユーザーはまだ情報収集のフェーズであると考えられます。今、このフェーズのリードを求めないのであれば、サイト上に詳細な料金を載せたままで問題ないでしょう。

さらに突き詰めていくと、営業リソースが十分で案件が不足している場合、資料ダウンロードのようなライトコンバージョンを設定しコンバージョンを増やす施策が適切ですし、営業リソースが不十分で受注までのリード期間が長く、トライアル・無料プランのコンバージョンがその後の契約に至る割合が高ければ、詳細な料金の表示とあわせてトライアル・無料プランを設定する施策が適切になります。

このように、料金情報からコンバージョンにつなげるCTAは、ユーザーのニーズに対して、自社の営業リソースや戦略に基づいてどのように応えていくのか、検討していくことが重要です。

まとめ

・ 調査では企業のホームページで興味のあるコンテンツは「価格」がトップで61.5%という結果で、製品・サービスの料金はユーザーが製品・サービスを検討するうえで重要な情報である

・ BtoBサイトで料金情報は、ユーザーの認知フェーズではサイトへアクセスする集客とコンバージョンへ誘導する役割、比較検討フェーズではコンバージョンへの誘導する役割を果たしている

・ BtoBサイトの料金情報の掲載には下記5つのパターンがある
 ①料金に関するページも情報も載せない
 ②トップページに料金に関する情報を載せ、詳細な料金は載せない
 ③トップページに詳細な料金を載せる
 ④料金ページを作成するが、詳細な料金は載せない
 ⑤料金ページに詳細な料金を載せる

・ 料金情報からコンバージョンにつなげるCTAの設置は、ユーザーのニーズに対して、自社の営業リソースや戦略にふまえどのように応えていくのか、検討していくことが重要である

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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