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ジオターゲティングを利用して、より顧客に近い地域密着型の効果的なアプローチを

2021.8.12
読了まで約 6

ジオターゲティングを利用して、より顧客に近い地域密着型の効果的なアプローチを

スーパーや飲食店など、実店舗を抱える企業にとっては外せない施策とされるジオターゲティング広告。位置情報広告、エリアターゲティング広告とも呼ばれています。

最近耳にすることが増えたと感じる方もいらっしゃると思いますが、どういった広告なのか、どのような効果があるのかご存知でしょうか。

ジオターゲティング広告を利用することで、取得した位置情報データからターゲットを定めることができます。
ターゲットの現在地や居住地、実際の行動履歴に合わせた情報を提供することができるため、地域密着型のサービスはもちろん、出かけた先で飲食店を探している、といった潜在的な顧客にも効果的に配信することが可能です。

今回は、ジオターゲティング広告に関しての詳しい情報を紹介していきたいと思います。

ジオターゲティングとは?その仕組みについて

ジオターゲティングの「ジオ(geo)」とは、直訳すると地球や大地という意味があるので、位置情報広告、エリアターゲティング広告とも呼ばれています。
スマートフォンやPCから取得したIPアドレス、GPSの基地局、Wi-Fiなどから位置情報を使って行うマーケティング手法のひとつが、ジオターゲティング広告です。
もちろん、個人情報が特定できないよう秘匿性を持たせたうえで取得する、ということが大前提となります。

位置情報を取得することで、特定のエリアに入る、または滞在したターゲットユーザーへ広告を表示することができるため、地域や行動履歴に密着した効果的なアプローチを行うことができます。
また、地域に密着した広告を表示することでターゲットの興味関心につながり、認知拡大が期待できるでしょう。

ジオターゲティング広告の特徴、効果

ジオターゲティング広告の一番の特徴は、位置情報データから「過去に特定のエリアへ行ったことがあるユーザー」を抽出し、ターゲットの行動履歴に合わせた内容を表示できることです。

例えばある店舗に集客したい時に、その店舗の最寄り駅近くに住んでいるユーザーと、他県に住んでいて全く近くで行動する機会のないユーザー、両方に広告が表示された場合、前者の方が来店する確率が高くなると考えられます。
位置情報を取得することで、近くに住んでいるユーザーのみに広告を表示することができますし、少し離れたところに住んでいたとしても、通勤通学などで店舗近くをよく通るユーザーへ広告が表示されれば、興味を持ったターゲットが来店する、という可能性もあります。

ターゲットの行動履歴からより趣味嗜好に合わせた広告を表示でき、興味関心を引く効果的なアプローチができると考えられるため、広告配信サービスの中では最も地域密着型のサービスと言えるでしょう。

ジオターゲティング広告で何ができるのか

上記の特徴や効果を生かして、ジオターゲティング広告とは具体的にどういったことができるのかを解説していきます。

広告配信のコストが抑えられる

位置情報を活用することで、ターゲットとなるユーザーが主に生活に利用している場所、過去に訪れたことがある場所などを特定することができます。

エリアを絞り込み、店舗近くに訪れたことのあるユーザーだけに広告を配信することで、実際に集客へ繋がる見込みの低いユーザーへの配信を抑えることができます。

ジオターゲティング広告は「場所」に特化した情報提供がメインの広告形態です。
より来店してくれるターゲットのみに絞って無駄なく広告を配信することができるので、配信のコストも抑えることができます。

地域密着型の集客に効果的

地域密着型の集客に向いているジオターゲティング広告は、新聞の折り込みチラシにも似ています。チラシなどのポスティング広告では、「新聞を取っている人、その場所に住んでいる人」にしか届きませんが、ウェブ上で配信できるジオターゲティング広告を利用すれば、新聞を取っていない人やその場所に住んでいない人にも情報を届けることができるというわけです。

また、配信エリアを柔軟に設定できるため、ネットから実店舗へ来店を誘導することも可能です。店舗周辺のエリアを指定し、そのエリア内での位置情報を検知したターゲットだけに広告配信を行えば、ターゲットにとっても利便性が高くなるので認知拡大にも有効です。

潜在的な顧客がどのくらいいるのか、明らかにできる

ジオターゲティング広告の特徴である位置情報から取得できるのは、ターゲットの行動履歴でもあります。行動履歴というのは、ターゲットの趣味嗜好を反映したものです。

例えば「サッカーが好きな人」をターゲットに配信したいとき、従来のネット広告などでは、サッカー関連のサイトを閲覧したという履歴を追うことしかできませんでした。
位置情報を活用し、サッカー用品店やグラウンドなどの場所へ一定期間内にたくさん訪れている人をターゲティングすることによって、「サッカーが好きな人」をターゲットとした広告を効率的にアプローチすることができます。

このようにして明らかになった顧客層に、ターゲットを絞り込んで広告を配信できる、というのは、紙媒体の広告や、純広告にはない強みと言えるでしょう。
また、ジオターゲティング広告は、検索内容に依存しないため、広告を見たターゲットに対して興味関心を持ってもらいやすいと言えます。

配信結果を確認、分析できるので、より効率的な配信ができる

Web広告は、配信後の広告がどれだけの人に表示、もしくはクリックされたかという情報を集計しており、確認することができます。

さらに、ジオターゲティング広告ならではの特徴として、取得した位置情報から広告を配信したターゲットユーザーが実際に来店したかどうかも分かります。
広告をクリックして来店したユーザー数、クリックはせずに来店したユーザー数など、計測した数字、広告を見てから問い合わせに至るまでのページの遷移などのデータも確認できるので、これらのデータを分析することで、現状を把握した上で改善に生かすことが可能です。

ジオターゲティング広告のデメリット

ここまでは、位置情報の取得を生かしたジオターゲティング広告ならではのメリットを主に紹介してきましたが、もちろんジオターゲティング広告にもデメリットや向いていない場面があります。

ここからは、デメリット面を書いていきたいと思います。

デメリット1:購入やサービスの申し込みそのものに直接繋がる広告ではない

ジオターゲティング広告は、「場所」に特化した広告を得意としています。
認知の拡大や、まだ顕在化していない潜在的な顧客へのアプローチには効果的ですが、配信したからといって商品の購入、サービスの申し込みに直接つながるというわけではありません。
例えばエステサロンが割引情報をジオターゲティング広告で配信したとして、ターゲットの認知には繋がりますが、ターゲットが実際に来店して申し込むかは分かりません。
この点には注意が必要です。

デメリット2:ターゲットを絞り込み過ぎると配信がされにくくなる

いくら地域密着型の広告といっても、あまりにも狭い範囲や特徴的な情報だけを指定してしまうと、かえって表示するユーザーが少なくなってしまいます。
広告の効果も少なくなってしまいますので、注意しましょう。

デメリット3:効果測定には専門的な着眼点が必須のため、プロへの依頼が必要な場合も

ジオターゲティング広告で何ができるのか、メリットとして「配信結果を確認、分析でき、改善に生かせる」と記載しましたが、ただ計測されたデータのみを確認しても、それだけで配信の結果が良かったのか悪かったのかは分かりづらいと思います。
配信結果自体はGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)などのツールを使用して確認することができますが、データの見方についてよく分からない、という場合は、専門家などのプロにアドバイスをしてもらうことが必要です。
広告の表示数やクリック数だけにとらわれず、専門的な知識を持ったプロに確認してもらいアドバイスをもらうことが、より良い改善策の一つとなるでしょう。

関連記事:Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは?設定方法や使用用途を解説

ジオターゲティング広告の仕組みとは?代表的な位置情報の取得方法

近年スマートフォンや携帯電話は個人の必需品となり、多くの人が常に身に付けています。スマートフォン、携帯電話にはほとんどの場合位置情報サービスが備わっていることから、その人が、いつ、どこに、どのくらい滞在していたか、というデータが蓄積されています。

位置情報の取得と聞くと、あまり良いイメージはない…という方もいらっしゃるかもしれませんが、今では大多数の方が日常的にその恩恵にあずかっていると言えます。
大ブームとなった「Pokémon Go」などのアプリでも、位置情報が使用されています。

ここではスマートフォン、携帯電話からどのようにして位置情報が取得されているのかを紹介していきます。

GPS

GPS(Global Positioning System)は、全世界的な位置測位システムです。基本的には、人工衛星から発信された電波を受信し、現在位置を特定するものです。
スマートフォンや携帯電話の場合はより精度を高めるため、携帯電話の基地局との距離なども参照していることがあります。
スマートフォンや携帯電話の他にも身近なものとして、カーナビなどもGPSを使用していることは、ご存知の方も多いと思います。

Bluetooth

Bluetoothとは、無線通信の規格の一つです。対応した機器同士であれば、ケーブルなどを接続しなくてもデータをやり取りすることができ、有効範囲はおよそ10m以内となっています。世界中で規格が統一されているため、対応機器ならば各国のどのメーカー同士でも接続が可能です。
実際に店舗で使われているケースとしては、店舗内で特定のアプリの起動を促しクーポンなどを配布する、といったものが多いでしょう。

Wi-Fi

Wi-Fi(Wireless Fidelity)は、無線でネットワークに接続する技術のことです。無線、という部分はBluetoothにも似ています。
一昔前のWi-Fiは、パソコン同士の通信やパソコンをインターネットに繋げる程度でしたが、現在では周辺機器やプリンター、テレビ、ゲーム機、タブレット、もちろんスマートフォンにも搭載されており、今や生活に欠かすことができない機能といっても過言ではないでしょう。測位の精度は数メートルから数十メートルとなっています。

新幹線や駅構内、カフェなどで、フリーWi-Fiとして提供されていることも多いので、誰もが一度は目にしたことがあると思います。スマートフォンのWi-Fi機能をオンにしていると、上記のWi-Fiアクセスポイントに自動で接続されるので、位置情報を取得することができるというわけです。

位置情報が取得されることに不安がある方などは、スマートフォン側の設定で「位置情報をオフにする」といった設定をしています。設定をすることによって、ユーザー自身が位置情報の提供の可否を判断することができます。

まとめ

今回はジオターゲティング広告について紹介しました。
近年のスマートフォンの普及で、ネットからさまざまな情報を得ることができるようになった昨今。ジオターゲティング広告は、新聞広告や折り込みチラシなどに代わる広告媒体として、位置情報を利用した広告配信方法で注目されています。
しかし、位置情報の取得と聞くと良いイメージがない方もいらっしゃると思います。
個人が特定できないよう秘匿性をしっかり担保し、ユーザーの行動履歴から趣味嗜好に合わせた広告を配信することができる点は、既存のマーケティング手法でも、ユーザーを理解して運用していくという部分で共通しています。
消費者のニーズに沿った地域密着型のジオターゲティング広告を活用することで、潜在的な顧客の顕在化と共に、さらなる認知拡大を見込めるでしょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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