Webマーケティングの施策で、「広告やLPは改善したのに、成果が伸びない」と壁にぶつかることは多々あります。
その原因の多くは、入力フォームにあります。フォームはユーザーが最終アクションを行う場所です。ここでつまずけば、どれだけ流入を増やしても成果はゼロとなり、大きな機会損失につながります。
本記事では、フォームの基本、離脱が起きる理由、信頼性を高めるポイント、そして今すぐできる改善方法まで詳細に解説します。
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目次
フォームとは
フォームとは、ユーザーが企業に対して情報を提供したり、特定の行動(問い合わせ、資料請求、会員登録、商品購入など)を完了させたりするために必要な、入力欄を持ったWebページのことです。
フォームの目的は、企業と顧客との間で情報交換を行うことにあり、企業側は顧客の連絡先や課題といった情報を得て、顧客側はそれと引き換えに資料やサービスといった価値を得ます。
▼フォームについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
フォームとは?Webにおける入力フォームの作成ポイントとは!
フォームが成果に直結する理由
フォームが成果に直結する第一の理由は、コンバージョンの最終関門であるためです。
ユーザーはLPを読み進め、十分な理解と興味を持った末に情報を渡すと決断しますが、この最後の瞬間にフォームでわずかでもストレスを感じて離脱すれば、そこまでの広告費やLP制作の努力はすべて水の泡となり、コンバージョン率は低下します。
第二に、フォームの改善、すなわちEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)は、流入量を維持したままでCVRの向上を見込めます。フォームの入力完了率が1%改善すれば、同じ広告予算でもリード獲得数が1%増えることを意味し、これは費用対効果の改善に直結します。
さらにBtoB領域においては、顧客が製品・サービスを検討する際、トップページから直接フォームへ直行する行動パターンが多く見られます。
さらにBtoB領域においては、トップページから直接フォームへ直行する行動パターンが多く見られます。アクセス解析ツール「AIアナリスト」を提供する株式会社WACULの調査では全CVの58%がトップページからフォームへ直行しており、BtoBサイトにおいてフォームフォームの品質がビジネスの成否を握っていると言っても過言ではありません。
このように、フォームは最も効率よく、かつ低コストで全体の成果を改善できる箇所なのです。
▼EFOやBtoBサイトにおけるフォームについては、以下の関連記事でも詳しく解説しています。
EFOの意味
B2Bサイト、全CVの58%がトップページからフォームへ直行(WACUL調査)
離脱率が高まるフォームの特徴
フォームの最適化に取り組む際、まずは離脱率が高いフォームの特徴を知ることが重要です。以下の表に、フォーム離脱率が高まる主な原因をまとめました。
| 特徴 | 離脱が発生する心理的要因 | 具体的なフォームの構成要素 |
| 入力項目が多すぎる | 「入力に時間がかかりすぎる」「面倒くさい」と感じ、行動自体を諦める。 | 20項目以上の入力、不要な任意項目の設置。 |
| 専門用語や曖昧な設問 | 「何を答えればいいのかわからない」「間違えてしまうかもしれない」という不安。 | 専門的な業界用語、部署名・役職名などの厳密すぎる指定。 |
| エラー表示が不親切 | 「どこが間違っているのかわからない」「直す気力がない」という苛立ち。 | 送信ボタンを押すまでエラーが表示されない、エラーメッセージが抽象的。 |
| 自動入力・サジェスト機能がない | 「入力の手間が多い」と感じ、特に住所や電話番号で面倒くささが増す。 | 郵便番号からの自動住所入力機能がない、フリガナが自動入力されない。 |
| 入力がすべて単一ページ | 「ゴールが見えない」「あとどれだけ入力すればいいのか」という不安。 | 項目数が多くても進行状況(〇/10件)が示されていない。 |
一目で信頼されるフォームのポイント
個人情報保護の重要性が高まっている現代において、ユーザーは企業に個人情報を渡すことに慎重になっています。そのため、ユーザーの信頼を得られるフォーム設計が欠かせません。
以下の表に信頼されるフォームのポイントを整理しました。
| 信頼されるためのポイント | ユーザーに与える心理的効果 | 具体的なフォームの構成要素 |
| セキュリティ対策の明示 | 「情報が守られている」という安心感。 | SSL通信(URLがhttps://から始まる)、セキュアな環境であることを示すバッジ表示。 |
| プライバシーポリシーへの誘導 | 「個人情報がどう使われるか」の透明性。 | フォームの直下やCTAボタンの近くに、プライバシーポリシーへの明確なリンクを設置。 |
| 情報取り扱いの一文記載 | 「悪用されない」という確信。 | フォームの冒頭に、「ご入力いただいた情報は、資料送付にのみ利用いたします」といった利用目的を限定する簡潔な一文を明記。 |
| ブランドの一貫性 | 「信頼できる会社が運営している」という確信。 | 企業のブランドロゴ、コーポレートカラーを一貫して使用し、LPやWebサイトとのデザイン統一を図る。 |
| 連絡先の明示 | 「問題があれば連絡が取れる」という保証。 | フォーム上部やフッターに、企業の電話番号や住所を簡潔に記載。 |
すぐにできるフォーム入力完了率を高めるポイント
フォームの離脱率を下げるためのEFO施策には、大規模なシステム改修が必要なものもありますが、ここでは手軽に実施できる効果の高い改善策を紹介します。
不要な項目は削除する
最も基本的でありながら、最も効果が高い改善策です。入力項目数を減らすことは、ユーザーの入力ストレスを直接的に軽減します。
会社名や氏名といった必須情報以外の任意項目は、離脱の原因になりやすいため、原則として削除を検討すべきです。
たとえば、「興味のあるサービス」や「弊社を知ったきっかけ」といった項目は、分析に役立つ一方で、CVRを最優先するなら、これらの情報はアンケートや後のヒアリングに回すなど、削除を検討すべきです。
住所や電話番号は後半に設置
フォームの項目配置順は、ユーザーの心理に大きく影響します。住所や電話番号といった機密性の高い個人情報をフォームの前半に設置すると、「こんなに聞かれるならやめよう」という心理的ブレーキがかかり、離脱する可能性が高まります。
そこで、機密性の高い情報はフォームの後半に設置しましょう。これは、ユーザーが入力内容を無駄にしたくないというサンクコスト効果を応用した手法です。
ある程度の必須項目(氏名、メールアドレスなど)を前半で入力させた後、後半で機密性の高い情報を聞くことで、「ここまで入力したのだから、最後までやってしまおう」という心理が働き、離脱率の低下に期待できます。
ボタン文言を変える
フォームのCTAボタンの文言は、ユーザーの心理ハードルを大きく左右します。ボタンの文言には、具体性とスピード感の2つの要素を意識してメリットを加えましょう。
- 具体性: 「無料で相談する」「資料をダウンロードする」といった、行動の結果としてユーザーが得るものを明確にする
- スピード感: 「1分で完了」「すぐに資料をお届け」といった、入力にかかる時間やレスポンスの速さを強調し、心理的な負担を軽減する
ABテストを実施し、最も効果の高い文言を見つけることが重要です。
関連記事:ABテストとは? 4つの種類とやり方、仕組みをわかりやすく解説
フォーム作成に役立つツール
フォームの入力完了率を高めるためには、EFO機能が充実した専門のアプリやツールを活用することが効率的です。ここでは、代表的な2つのツールをご紹介します。
Googleフォーム
Googleフォームは、Googleアカウントがあれば無料で利用可能であり、アンケートやイベント参加登録など、簡易的な情報収集に向いています。ただし、デザインのカスタマイズ性や高度なEFO機能(入力補助、エラー箇所の自動指摘など)は限定的です。
formrun(フォームラン)
formrun(フォームラン)は、企業の問い合わせや資料請求といったビジネス用途に特化した高機能なフォーム作成ツールです。デザインテンプレートが豊富で、EFO機能(リアルタイムエラーチェック、離脱防止アラートなど)が充実しており、CVR向上をサポートします。
▼Googleフォームの使い方・作り方については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
【最新版】Googleフォームの使い方。アンケート作成を簡単に
Googleフォームの作り方とは? 作成方法の解説に加え役立つ使い方も紹介
フォームに関するよくある質問
フォームの最適化を進めるマーケティング担当者が抱く、一般的な疑問に簡潔に回答します。
フォームとはどういう意味ですか?
フォームとは、Webサイト上でユーザーが企業に対し、氏名、メールアドレス、問い合わせ内容などの情報を入力し、特定の行動を完了させるための入力画面のことです。
フォームが重要な理由は何ですか?
フォームは、広告やLPで集めたユーザーが最終的に成果へと結びつく最後の接点であり、ここで離脱が発生すると、そこまでのすべてのマーケティング努力が無駄になるためです。
フォーム入力完了率を高めるポイントは?
最も重要なポイントは、入力項目を必要最小限に絞り、ユーザーの入力ストレスと心理的な不安を取り除くことです。
フォームは小さな改善で成果が大きく変わる
フォームの管理・最適化は、小さな改善一つで、CV数が大きく伸びる、最も費用対効果の高いマーケティング施策の一つです。
しかし、多くの企業がフォームの最適化でCVRが向上した次にぶつかる壁が、「フォームは通るようになったが、良質なリードが入ってこない」というものです。フォームの入力完了率だけでなく、最終的な売上につながるリードの質も重要です。
良質なリードは、単なるWeb広告ではなく、ターゲットが最も関心を寄せる専門的なチャネルを通じて獲得できます。
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