Eコマース(E-commerce)とは、「Electronic Commerce」の略称で、インターネットなどの電子的なネットワークを介して行われる商取引全般を指します。一般的に「ネットショッピング」という言葉でイメージされることが多いですが、これはBtoC(Business to Consumer)と呼ばれる、企業から個人への取引の一形態です。しかし、Eコマースの範囲はこれにとどまらず、BtoB(Business to Business)、すなわち企業間取引や、CtoC(Consumer to Consumer)、個人間の取引も含まれます。
売り手、買い手双方にとって多くのメリットが存在するEコマースは、その市場規模を年々拡大し続けています。この記事では、Eコマースの定義、拡大する市場規模、そしてECサイト(Eコマースを行うためのウェブサイト)のメリットとデメリットについて解説します。
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Eコマースの意味とは?
Eコマースとは、「Electronic Commerce(エレクトロニック・コマース)」の略称であり、インターネットなどの電子的な手段を用いて行われる商取引全般を指します。一般的には「ネットショッピング」という言葉で馴染み深いかもしれません。Eコマースは、企業が消費者に直接商品を販売する「BtoC(Business to Consumer)」だけでなく、企業間で商品やサービスを取引する「BtoB(Business to Business)」、さらには個人間で取引を行う「CtoC(Consumer to Consumer)」など、多様な形態を含んでいます。
代表的なEコマースサイトとしては、BtoCの分野ではアメリカのAmazon、日本の楽天市場、中国のアリババなどが世界的に有名です。これらのプラットフォームは、世界中の消費者が容易に商品を購入できる環境を提供しています。
売り手にとっても買い手にとっても多くのメリットが存在することから、Eコマースの市場規模は年々拡大の一途をたどっています。EコマースといえばBtoCのイメージが強いかもしれませんが、実はBtoBのEコマースはBtoCの約20倍もの市場規模を有しており、こちらも着実に成長を続けています。この広範な電子商取引の普及は、現代のビジネスと消費者の購買行動に不可欠な要素となっています。
Eコマースの市場規模
日本のEコマース市場は急速に拡大しており、経済産業省の最新調査で2024年のBtoC-EC市場規模が26.1兆円に達しました。

BtoCのEコマース市場規模
2024年のBtoC-EC市場は前年比5.1%増の26兆1225億円で、物販系が15兆2194億円、サービス系が8兆2256億円、デジタル系が2兆6776億円です。 EC化率は全体で約10%前後と推移し、スマートフォン経由の取引が成長を牽引しています。
BtoBのEコマース市場規模
BtoB-EC市場は2024年に514兆4069億円と前年比10.6%増、EC化率43.1%を記録しました。
フリマアプリによりCtoCのEコマースが急速に拡大
Eコマースのチャネルとして、近年「CtoC(Consumer to Consumer)」が急速に拡大していることも、近年の特徴です。CtoCは、eBayやYahoo!オークション、メルカリなどのフリマアプリを使用して、「個人と個人」で直接、商品やサービスの商取引を行う形態を指します。これらのプラットフォームの登場により、個人でも手軽に不要品を販売したり、掘り出し物を探したりすることが可能になりました。
Eコマースのメリット
Eコマースが実店舗での商取引と比較して提供するメリットは多岐にわたります。これらは、売り手と買い手の双方にとって、ビジネスの効率化や顧客体験の向上に大きく貢献しています。
売り手のメリット
売り手にとってのEコマースのメリットは、以下のような点が挙げられます。
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販売にかかるコストを大幅に削減できる: Eコマースの最大の利点の一つは、実店舗の維持にかかる高額なコスト(賃料、光熱費、内装費など)を削減できることです。また、店舗運営に必要な人員を最小限に抑えることも可能となり、人件費の削減にもつながります。これにより、より競争力のある価格設定が可能になったり、利益率の向上に貢献したりします。
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顧客増が期待できる: Eコマースは地理的な制約を超えて、全国、さらには世界中の顧客にアプローチすることが可能です。インターネットの普及により、オンラインでの購買行動をとる消費者や企業が年々増加していることも追い風となり、新規顧客の獲得機会を大幅に拡大できます。デジタルマーケティング施策を効果的に展開することで、より多くの潜在顧客にリーチし、ビジネスの成長を加速させることができます。
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キャッシュフローが改善される: Eコマースでは、顧客からの注文が直接システムに反映され、在庫管理や発送プロセスが効率化されます。これにより、商品の納品までのリードタイムが短縮され、結果として顧客からの入金サイクルも早まります。迅速なキャッシュフローの改善は、運転資金の効率化や、さらなる事業投資への原資確保につながり、収益性の向上に直接的に貢献します。
買い手のメリット
買い手にとってのEコマースのメリットは、以下の通りです。
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場所と時間を選ばずに買い物ができる: Eコマースの最大の魅力は、時間や場所の制約なく、いつでもどこでも買い物が楽しめる点です。店舗が近くにない地方在住者、子育てや介護で外出が難しい方、あるいは単に多忙で店舗へ行く時間がない方でも、スマートフォンやPCがあれば、自宅や移動中など、都合の良い時に欲しい商品を購入できます。この利便性は、現代の多様なライフスタイルにマッチしています。
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商品や価格の比較がしやすい: Eコマースプラットフォームでは、多数の商品情報や価格情報を容易に比較検討できます。同じ商品を扱う複数のECサイトを簡単に閲覧し、価格、仕様、レビューなどを比較することで、自身にとって最適な商品を見つけやすくなります。価格を安い順に並べ替えたり、特定の条件で絞り込んだりする機能も充実しており、効率的なショッピング体験を実現します。
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入力の手間が大幅に削減できる(BtoB限定のメリット): 特にBtoB(企業間取引)においては、Eコマースは購買プロセスにおける経理処理の手間を劇的に削減します。多くのECサイトでは、購入履歴や請求情報などを経理システムへ自動で連携できる機能を備えています。これにより、手作業でのデータ入力ミスを防ぎ、担当者の業務負担を軽減するとともに、経理業務全体の効率化と迅速化に貢献します。
Eコマースのデメリット
Eコマースのデメリットとしては、まず、実物を手にとって見ることができない点が挙げられます。オンラインで商品を購入する際、素材感やサイズ感、色合いなどを直接確認できないため、イメージと異なったり、期待外れになったりする可能性があります。これは、特に衣服や家具、家電製品など、質感が重要な商品を購入する際に、買い手が慎重になる要因となり得ます。
また、Eコマースは「店舗体験」ができないこともデメリットとして挙げられます。実店舗では、店員とのコミュニケーションを通じて商品知識を得たり、店内の雰囲気やディスプレイから新たな発見があったりするなど、購入プロセス自体が一種の体験となります。例えば、書店を訪れる人々は、単に目的の本を購入するだけでなく、店内を散策しながら偶然出会った本に興味を持つこともあります。このような、五感に訴えかけるような購買体験は、オンライン上では再現が難しく、顧客満足度に影響を与える可能性があります。さらに、セキュリティへの不安も無視できません。オンラインでの決済には、個人情報やクレジットカード情報などが含まれるため、不正アクセスや情報漏洩のリスクが常に存在します。このため、利用者は信頼できるECサイトを選び、セキュリティ対策に注意を払う必要があります。
BtoBにおけるEコマースの成功例
日本のBtoB Eコマースの成功事例として、山善ビズコムやAXEL、モノタロウなどが挙げられます。これらは検索機能の強化やAIレコメンドの導入により、業務効率化と売上向上を実現しています。
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山善ビズコム(株式会社山善): 見積書発行機能の拡充とAIレコメンドを活用し、総売上の1割をAIが貢献。大量まとめ買い対応で顧客利便性を高めました。
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AXEL(アズワン株式会社): 900万点の商品を扱い、高速検索とリアルタイムランキングで回遊性を促進。ロングテール商品の活性化に成功。
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モノタロウ: 24時間注文対応と1点からの購入を可能にし、購買業務の可視化を実現。FAX・電話受注を削減しました。
まとめ
Eコマース(電子商取引)は、インターネットを介して行われるあらゆる商取引を指します。その市場規模は、BtoC(企業対消費者間取引)、BtoB(企業間取引)ともに年々拡大を続けており、特にBtoB EコマースはBtoC Eコマースの約20倍もの市場規模を誇ります。フリマアプリなどのCtoC(消費者間取引)も急速に成長しています。
Eコマースは、売り手にとっては販売コストの削減、顧客層の拡大、キャッシュフローの改善といったメリットがあります。一方、買い手にとっては、時間や場所を選ばない利便性、商品や価格の比較のしやすさなどが挙げられます。ただし、実物を手に取れない、店舗体験ができないといったデメリットも存在します。
BtoBにおけるEコマースの成功事例としては、山善ビズコムやAXEL、モノタロウなどが挙げられます。法人ごとの価格設定や発注フローのカスタマイズ、AIによるクロスセル促進が鍵です。

